2006年12月12日(火)
 日立電線は11日、高導電率と高強度を両立した超極細銅合金線を開発し、この銅合金線を導体にした超極細同軸ケーブルの製造技術を確立したと発表した。

 新開発の銅―銀系合金を使い、さらに製線工程を改良することで、同社従来品の銅―錫系合金線より約20%細い直径13ミクロン(0・013ミリメートル)を実現。この銅合金線を使った極細同軸ケーブルは、内部導体(銅合金線を7本撚り合わせたもの)直径が従来比約20%細い39ミクロン、ケーブル直径が同25%細い160ミクロンになった。医療用プローブケーブル向けにまず販売し、携帯電話やノートパソコンへの適用も視野に入れる。
 錫の国際相場がまた最高値を更新した。先週末9日入電のLME相場は前日比275ドル高の1万1050ドル(セツルメント)となり、1万1000ドルを突破。KLTM相場も先週末比650ドル高の1万1300ドルと大幅高となった。世界的な需要増大と東南アジアの供給不安に加え、インドネシアや南米ボリビアの政府による錫資源国有化の動きも、相場の地合いを押し上げる要因となっているようだ。
 希土類の輸入平均単価が上昇傾向にある。主用途先の希土類磁石市場がハードディスク駆動装置(HDD)や自動車向けに需要が拡大している一方で、世界最大の生産国である中国の輸出抑制策を受け、10月の平均単価(CIF=運賃、保険料込み)は年初来高値のキロ2115円に上昇した。昨年10月比では2倍の水準に高騰している。