2006年12月27日(水)
 日本伸銅協会が26日発表した生産速報によると、2006年1―11月の伸銅品生産量合計は95万9751トンで、前年同期に比べ5・9%増加した。銅条や黄銅棒、銅管、リン青銅板条などの主要品種が05年の実績を大きく上回ったことが影響した。

 銅建値が一時トン100万円に達するなど原材料価格は高騰したが、景気回復を背景に幅広い分野で需要は好調を持続。生産は高水準で推移した。
 キッツグループの紀長(本社=千葉市美浜区、永関武社長)が黄銅棒の販売量を伸ばしている。キッツメタルワークスと京都ブラスからのOEM供給が軌道に乗り始めているためで、今後は短納期や小ロットなどの要請にも対応しながら極細棒の需要先を広げていきたい考え。2006年度中に月間で売上高4億円、販売量500トン、07年度中に販売量700トンの達成をめざす。
 矢崎総業は2007年6月期決算で電線部門の営業黒字回復をめざす。製造・物流コストの低減を徹底すると同時に、原材料コストの上昇を内部吸収しきれない部分については、販売価格への転嫁を図る。

 本年4―6月に銅価急騰を受けて販売マージンを4―5%値上げしたが、銅価上昇分に追いついていず、被覆材など副資材分の転嫁もできていない。収支改善には適正銅価の獲得と副資材分の転嫁が必須と見ている。