2007年05月07日(月)
 非鉄企業の2007年3月期決算発表が今週から本格化する。銅など非鉄金属価格の高騰や好調な需要を背景に、住友金属鉱山や神戸製鋼所アルミ・銅カンパニーなどは過去最高益を記録。今週以降に発表を控えている非鉄企業も過去最高益の更新が相次ぐ見通しだ。

 ただ、焦点は08年3月期の動向。非鉄製錬では三井金属、住友金属鉱山が前提条件となる金属価格の下落を見込み小幅だが減益予想を出している。今期の需要も堅調に推移する見通しで成長路線は維持できそうだが、金属価格高騰の反動も懸念されている。
 希土類元素の一つであるネオジム価格が続伸している。生産者の豪ライナス社がウェブ上で公開している酸化ネオジム価格(FOB、中国港渡し)は現在キロ25・65ドルで、4月中旬から0・40ドル上昇。  2007年1―3月平均より6%高い水準にある。希土類磁石向けの需要が旺盛な一方で、世界最大の生産国である中国の輸出規制強化を受け、先高観を強めている。
 日本伸銅協会がこのほど発表した3月の伸銅品生産量(速報値)は前年同月比5%減の8万9160トンで、2カ月連続で前年同月を下回った。

 銅管や黄銅棒などの主要品種が前年実績を割り込んだことが影響した。背景には銅価の強含みで当用買いの動きが一層強まったことや自動車、半導体分野の実需が落ち込んだことなどがある。