2007年07月11日(水)
 【砺波】サンエツ金属は10日、住友軽金属工業100%子会社で関東地区有力黄銅棒メーカーである新日東金属(本社=東京都千代田区、平賀実社長)の全事業を今年10月1日付で譲り受けると発表した。現段階での譲り受け資産価額は約35億円。決済は現金で行う。資産簿価との差額は住友軽金属工業が負担する。

 新日東金属の本社および生産拠点・石岡工場(茨城県)は、従業員をそのままサンエツ金属が引き継ぎ、石岡は「サンエツ金属新日東工場」として新たなスタートを切る。法人である新日東金属は債権債務を整理した後、2008年3月末をメドに解散する。サンエツ金属の黄銅棒生産国内シェアは現行の21%から33%にアップし、最大手として一段の競争力強化を図る。
 中堅電線メーカーの坂東電線(本社=埼玉県朝霞市、宮坂俊夫社長)は電子機器や産業機械、自動車などに使われる多芯ケーブルの販売価格を10%程度引き上げる。

 現状の売価では銅原料分をトン80万―85万円程度しか獲得できないため。早いものは7月21日出荷分から、それ以外は8月1日出荷分からの適用をめざす。採算改善を見込めない品種は撤退も検討する。
 日鉱金属は10日、7月積み産銅建値をトン当たり2万円引き上げ104万円に緊急改定する、と発表した。今月に入り月初2日を含め早くも3回目の引き上げで、6月末(98万円)からの値上げ幅は6・1%。新建値は5月7日(105万円)の史上最高値にあと1万円に迫る史上2番目の高水準。建値が月内に変更ない場合、月間建値平均価格は103万1400円となる。

 相次ぐ建値の引き上げは、海外銅相場の連騰が最大要因。