2007年09月28日(金)
 日本伸銅協会は27日、2007年度の伸銅品需要見通しを前回予想より4・2%減の100万トンに下方修正すると発表した。

 銅価高騰などを背景に、黄銅棒や銅条など主要品種の07年度上期需要が予想より落ち込んだため。ただ、下期は一部で需要の回復が期待できるため、年間では100万トンの大台を維持できると予想した。
 中国のアンチモン地金の輸出業者が、需要家である日本の三酸化アンチモンメーカーに対して割増金を要求している。

 純度99・65%の国際スポット価格は過去1年間トン5500ドル前後で安定しているが、日本企業は純度99・85%の地金調達に軸足を移しているためだ。輸出業者は増値税還付の撤廃による負担増を割増金で吸収する狙いもあるようで、国内の三酸化アンチモンメーカーは「200ドル以上の要求がある」と指摘している。
 鉛のLME相場が過去最高値を再び更新した。27日入電は前日比105ドル高の3565ドル(セツルメント)と、2日前に記録した3542ドルを上回った。豪州エスペランス港の鉛汚染問題により鉱石の出荷差し止めが続いていたが、このほどさらに長期化する情勢となり、相場の地合いを押し上げている。

 需給バランスを示すLME在庫は現地25日で2万850トン。17年ぶりの歴史的低水準に落ち込んでいる。欧州の各港では早々に払底し、アジア筋でもシンガポール港が1000トン以下となり、タイト感が非常に強い。