2000.01.14
大 量の大径管を使用する大型の天然ガスパイプラインプロジェクトがアジア、中近東を中心に始動する。タイとマレーシアの「共同開発鉱区」(JDA)11万トン商談が今月末までに、ベトナムの「ナムコンソン」10万トン商談が2月中にもそれぞれテンダーが発表される見通しで、昨年後半から厳しい状況に陥っている製管4社は受注に向けて積極的な姿勢を強めている。

 最も早くテンダーの発表が予想されているのは、海底のJDAからタイのソンクラまで全長280キロメートルの海底パイプラインを敷設するタイ・マレーシアパイプライン計画。外径34インチの大径管を11万トン使用する大型プロジェクト。

 さらに、「ベトナムのナムコンソン」のほか、マレーシアの「ティガ」20万トン(今年10万トン・来年10万トン)商談のテンダーが2月中に発表されるほか、オマーンのOGC(オマーン・ガスカンパニー)が計画している1.サララ地区=9万トン・24インチ2.ソアール地区=7万トン・32インチの計16万トン商談(EPCテンダー)が2月中にも決まる見通し。

 大径ラインパイプ用の主力であるUO鋼管は昨年後半から受注減少が続く中で、生産体制の縮小も含め各社は厳しい状況に追い込まれている。

 一連の大型プロジェクトは、一部を除いて海底パイプライン用として耐サワー性など高級品が要求されることもあって、これを得意とする新日本製鉄など各社は受注への意欲を強めている。

 高炉各社の鋼管輸出は、油井管主体のシームレス鋼管価格の大幅下落とUO大径管の受注減に、円高基調の加速が加わって収益は悪化の度合いを強めていたが、昨年末からの油井管市況の回復に続いて、大型パイプライン向けUO鋼管の受注が順調に推移することになれば、先行き操業アップと収益改善への弾みとなる見通しが強い。

タ イの冷延鋼板会社「サイアム・ユナイテッド・スチール社」(SUS=荒勝彦社長)は、向こう3年間で生産量を2000年55万トン、2001年65万トン、2002年75万トンと順次引き上げていく方針。2000年度を初年度とする中期経営計画に沿ったもので、タイ経済・鉄鋼内需の回復基調と輸出増などによる操業アップを計画している。

 SUSは新日本製鉄など日本、サイアムセメントなどタイと韓国の浦項綜合製鉄(POSCO)が参加する3国連合の大型冷延鋼板メーカー(年間能力100万トン)で、一般冷延、GI(亜鉛鉄板)原板のほか、タイで唯一のローモ(ブリキ原板)製造工場。

 99年7月から本格的な営業生産を開始し、タイ経済の停滞が続く中でも比較的堅調を維持している缶詰用ブリキ向けのローモ生産を柱に、同年の生産は25万トンレベルを確保。

 99年央からのタイ鉄鋼内需の回復傾向や、インドネシア向けなど輸出への取り組みを背景に、2000年度以降、着実な増加を計画している。最近は順調なローモ生産に加え、乾季でタイの屋根の葺き替え需要の増加に伴い、GI原板の生産が増加中。

 タイの鉄鋼需要は、自動車生産の増加など回復傾向を示しているものの、内需主体の産業が経済危機以前のピークである96年水準に達するには、なお時間がかりそうで、SUSは当面、タイの冷延鋼板需要で大きなシェアを占める次工程用製品(ローモ、GI原板)と輸出が操業アップの柱となる見通し。

関 東のH形鋼扱い流通は、3万1000円下限に唱えを引き上げた。在庫調整により各社の在庫に歯抜けが出ている状況で、メーカーの2000円値上げ分を転嫁できるという判断が広がっている。在庫商社を中心に月内にも、3万2000円まで売値を引き上げたいとする強気の販売姿勢が見られる。同様の動きは今後、特約店各社にも波及する見通しで、週明け以降市況は一段切り上がる情勢だ。

 流通は12月の段階で3万円下限を打ち出しており、年明けの商いでは2万円台の安値がほぼ消えつつある。2月に高炉メーカーの大型工場修理などで、今後も生産量は限定されるうえ、メーカーが追加値上げする可能性もあるため、供給事情は今後市況にプラスに働くとの見方が大勢だ。

 こうした判断から、商社では今月下旬にも3万2000円に唱えを引き上げる強気の構え。鉄骨単価の低迷など、需要面では価格・数量ともプラス材料はないが、供給面の値上げ、減産を背景に特約店各社も追随する見通しだ。

住 友金属工業は13日、川崎製鉄を13クロムシームレス鋼管の製造方法で特許侵害があるとして東京地方裁判所に提訴した、と発表した。対象特許は耐食性の優れた油井管用鋼の製造方法(特許第2050507号=1996年5月23日登録)で、その概要は、耐炭酸ガス腐食性および耐硫化物腐食性に優れた13クロム油井管用鋼の製造方法。提訴した日は昨年11月24日。

 提訴の請求内容は1.対象特許に係わる13クロム油井管の製造、販売、販売申出の差止め2.同13クロム油井管の廃棄3.訴額=約137億円―の3項目。

 同社では、ドイツマンネスマン社に続く13クロムシームレスパイプの製造メーカーのパイオニアで独自開発の技術を多数保有しており、対象特許についても川鉄と約1年間にわたる話し合いで、双方の和解が得られなかったことから法的救済を求め、提訴することになった、としている。

N KKの総合エンジニアリング事業部は13日、鶴見事業所、津製作所、清水製作所を含む総合エンジニアリング事業部一括で、日本海事協会からISO14001の外部認証を取得したと発表した。各種パイプライン・プラントの建設、各種鋼構造物の製作・据付、船舶の建造、各種機械類の製作・据付など、製造・エンジニアリングから現地工事までを含めた一括取得は、国内では初めて。

 今回の認証対象は、海外を主体に営業展開するプラントエンジニアリング以外のエネルギーエンジニアリング本部、環境エンジニアリング本部、水エンジニアリング本部、鋼構造本部、機械システム本部、コンセプトエンジニアリングセンターに関わる船舶、海洋構造物、鋼構造物及び機械類の製作について。対象となる組織の規模は、製作所の構内外注作業者や現地工事の請負作業者を含めた7000人となる。

 同社では、97年5月に鉄鋼事業部の京浜製鉄所、98年3月の福山製鉄所と、着実にISO14001の認証を取得してきた。今回の総合エンジニアリング事業部の認証により、ほぼ全社でのISO14001の取得は完了の見通し。

全 国鉄鋼特約店連合会はこのほど、11月の特約店流通動態調査結果をまとめた。販売量は前月比1・1%減少したものの、在庫は4・8%減と3カ月連続の減少。前年同月比では仕入れが6・7%減、販売が4・9%減、在庫は1・5%下回る水準だった。

 H形鋼は販売量が前月比5・2%増加し、在庫は6・0%減と3カ月連続減。前年同月比では仕入れが12・1%減、販売が7・8%減、在庫は3・0%下回る水準。

 異形棒鋼は販売量が前月比7・2%減少したが、在庫は4・8%減と4カ月連続減。前年同月比では仕入れが0・9%増、販売は1・4%減、在庫は3・5%下回った。

 山形鋼は仕入れが4万4955トンと前月比5・0%減、販売が4万7543トンと0・3%増、在庫は5万8352トンと3・5%減少。前年同月比では仕入れが11・3%減、販売が6・1%減、在庫は0・4%下回る。

 調査対象は東京、大阪、愛知の109社。

大 阪地区の等辺山形鋼はベース2万7000円どころでジリ高推移。年明け、商いは小口中心で低調だが、スクラップ高から供給サイドは底上げ機運。昨年末に東京製鉄が2000円値上げしたのに続き、大阪製鉄、エヌケーケー条鋼などもこれに追随する方向で、仕入れ高となる流通も値戻しに力を入れてきている。現状、市中価格は昨年末からの安値回避で2万7000円以下の安値が切り上がり、さらにジリ高推移となっている。

 一方、市中在庫は11月末段階で前月比2・6%減の1万8000トン水準と推移。昨夏以降、特約店筋の在庫意欲が低く、申し込みも抑制されているため、適正在庫で安定している。今後も高炉の輸出好調で春先まではスクラップが高止まりすると見られており、市況は当面ジリ高で推移しよう。

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