2000.02.24
川 崎製鉄は、水島製鉄所内に建設中の日量10トンのRDF(ゴミ固形燃料)炭化プラントの実証プラントを3月末までに完成させ、4月からPCI代替原料など製鉄所内でのRDF用途拡大を推進する。投資金額は約1億5000万円で、半年間の実証試験で実用化を果たす。実用化後は、プラントの販売を計画しており、製造した「エコ炭K」は自治体から同社が買い取る形で流通ルート構築を狙う。

RDFプラントのトップメーカーである同社が製鉄所での利用を打ち出したことで、RDFプラントの普及拡大の可能性も出てきた。

 川崎製鉄は、子会社のRMJ(日本リサイクルマネジメント)と共にRDF普及に取り組んできた国内トップメーカー。現在、13基の受注実績を持つ。

 RDFは、当初、廃棄物の広域処理と燃料としての利用が可能なことから注目されてきたが、現実には一般廃棄物を乾燥して固形化しただけのRDFは多くの塩素分を多く含むことからなかなか普及してこなかった。

 同社では、これまでRDFの製鉄所内で利用法について検討。高炉やコークス炉、焼結炉など、RDFを炭化して微粉炭代替として吹き込むための研究を行ってきた。ここにきて技術的な目処がついたことで実証プラント建設に踏み切った。

 計画では3月中に設備を完成させ、4月から実際の固形燃料を使って実証試験を開始する。半年間を目処に実用化に取り組み、実際に高炉吹き込むことで、微粉炭との混合比率や鉄の品質への影響などについて検討していく。さらに長期利用による設備への影響などについて2年程度の長期試験を継続する方針。

 塩素分を乾留し炭化したRDFは、数ミリメートル程度の粒度を持つ「エコ炭化K」となるが、川鉄が買い取って製鉄所内で利用する。炭化プラントについてはRDFプラントとセットでの販売を計画し、自治体が安心してRDFプラントを建設できるような処理システム造りに取り組む。

 さらにPCI代替以外にも電炉メーカー、活性炭としての利用ルートの開拓も狙っていく。活性炭としての利用法については、輸送システム構築やJIS基準対応化などに取り組み、RDFの完全クローズド処理システム化を狙っていく。現在、RDFプラット設備を持つ自治体では、製造したRDFをトン当たり約5000円で引き取ってもらっている現状がある。

日 本プロジェクト産業協議会(JAPIC、会長=斉藤裕・新日本製鉄相談役)は23日、都市開発委員会の研究テーマとして欧米の産業活性化と都市再構築の実態調査を実施すると発表した。4月9―22日までの2週間、フランス、デンマーク、ドイツ、米国を訪問し、都市居住の実態や工場跡地など遊休地の活用状況、中心市街地の再生、これら問題にかかわるNPOの活動などを視察する。6月をメドに報告書をまとめる。

 都市開発委員会では東京・大田区など機械金属工業集積地の再開発、交通結節点と周辺地区の再開発、京浜地区など臨海部の工場跡地の有効活用などのプロジェクト創出をテーマに活動している。今回はこれらの課題について先進的な欧米都市で、新たな都市型産業の創出、工場跡地などで商業・レジャー施設などの複合開発、NPOと行政の連携による地区再開発、既存集積産業の再活性化対策などの事例を調査する。

 コペンハーゲンでは行政、福祉機器の器具センター、高齢者ケアセンター、歩行者優先の街作りの実態などを調査。パリは住宅再開発やアパレル産業の再編、近郊再開発などが対象。デュッセルドルフではルール工業地帯の跡地利用と都市再生、マイスター制度の衰退問題対策などを調査。シカゴでは機械金属工業の高付加価値化や再活性化など、ニューヨークではNPO・地域住民と行政の連携による地区再開発や社会サービス改善の成功事例、情報通信などの新産業創出のための支援策などを調査する。



日 本から米国に約1万トンのカープレスが輸出される。米国向けカープレスの輸出は初めて。船積みするのはエフ・イー・メタル(本社=千葉県浦安市、高橋正治社長)で、船橋中央港から23日午後出航した。向け先は米国西海岸のポートランドにあるシュニッツアー社でシュレッダー材として出荷する。船名はJADE OR−ENT号。エフ・イー・メタルの高橋社長は日本と同等かそれ以上の適正処理能力があり、コスト面でも優位な米国に輸出することにした。同社は船橋中央港近くに大型のストックヤードを有し、今回輸出した半数以上をこのヤードから出荷した。高橋社長はスポットではあまり意味がなく、今後も継続して実施したいと語った。これまでは韓国向けにカープレスの輸出があるが、米国向けは初めて。米国は日本よりも電力料金、ダスト処理費用が割安なため、シュレッダーの操業コストが安いことが背景にある。

新 日本製鉄エンジニアリング事業本部(本部長=淺村峻副社長)は、99年度の経常利益が100億円台に乗せる見通しとなった。史上3回目の3桁黒字となるが、受注は落ちており、来年度では苦戦を余儀なくされそうだ。

 新日鉄エン本の98年度売上高は3039億円、これに対し今年度も大台をキープするとともに、経常段階では増益となり、110〜120億の黒字が想定される。

 エン本の過去最高黒字はまだバブル期の名残があった93年度の175億円。94年度も115億円の黒字を計上、3桁はこの2回だけである。今年度で3回目が確実となり、場合によっては史上2位も射程内に入っている。ビッグプロジェクトが一段落し、エンジニアリング会社が軒並み業績を悪化させている中で、その健闘ぶりが際立つ。

 ただ、経済環境は今年度での受注減少を招いているのも事実。98年度まで3000億円台を走ってきたが、今年度ではこのラインをわずかでも割るのは避けられそうもない。2000年度、さらには2001年度での売上高減少、経常利益への影響が心配される。

 エン本には6の事業部があり、建築事業部など公共工事依存型の事業部はどうしても影響を受ける。これに対し環境・水道事業部やプラント事業部が業績に貢献。来年度以降もしばらくはこの2事業部で凌いでいくことになろう。

川 崎製鉄は23日、自動車のエキゾーストマニフォールド(略称エキマニ)用として、加工性を従来に比べ3割程度高めた耐熱ステンレス鋼を開発した、と発表した。

 エキマニはエンジンのシリンダー(2〜4本)とエキゾーストパイプとの間に設置し、シリンダーから排出される排気ガスをエキゾーストパイプに集める役割の部品。形状が複雑なことから、従来は鋳物を使用していたが、環境規制の強化に伴う自動車の排気温度の高温化によって800度以上の高温に耐えられない鋳物に代わって、耐熱性の高いステンレス鋼が採用され始めている。耐熱ステンレス鋼を使用することで薄肉化できるため軽量化が可能となると共に熱容量が低下し、燃費と触媒コンバーターによる排ガス浄化特性が大幅に向上する。 

 しかし、ステンレス鋼製のエキマニは鋳物と比較して加工性の点で形状の自由度に制約があるため、耐熱ステンレス鋼の加工性の向上が求められていた。

 同社はこうしたニーズに応えるため、エキマニの過酷な加工や高温環境に耐えられる優れた加工性および耐熱性を兼備するステンレス鋼を開発したもの。

 この開発鋼は、従来からエキマニに採用されている耐熱ステンレス鋼(同社規格のR429EX)と同じ成分(15%クロム鋼をベースに、主にニオブ、シリコンを適性量添加)で、高い耐熱性を確保すると同時に、最新鋭の製鋼|熱間圧延技術で加工性の指標であるランクフォード値(r値)を約30%向上させ、耐熱ステンレス鋼ではr値(プレス成形などで鋼板に歪みを加えた場合に生じる板幅方向と板厚方向の歪みの比で、これが大きいほど深絞り成形性が高い)を世界最高レベルに引き上げることに成功した。

 同社ではすでに複数の自動車メーカーおよび部品加工メーカーにサンプル出荷をしており、高い評価を得られつつある、としている。

素 形材センターは今年5月、中国に視察ミッションを派遣するとともに、同じく5月に北京で開催される「METAL CHINA2000」に出展する。日本自動車産業の中国進出を背景に現地での自動車部品生産の伸展も予想され、鋳造、鍛造、金属プレスやダイカストの技術導入に対するニーズも高まっている。同センターではこうした情勢を踏まえて中国へのアプローチを図る。中国で生産を始めた日系企業の見学と合わせ、日本側の窓口となって展示会出展を促進、日本の素形材産業をアピールする。

 素形材技術を展示する「METAL CHINA2000」は5月9日から13日までの5日間、中国北京の中国国際展覧中心(センター)で開催される。主催は中国国家機械工業局、中国国家冶金工業局、中国国際貿易促進委員会で、日本の素形材センターや鋳造機械製造業ヨーロッパ委員会(CEMAFON)、米国鋳造産業販売業者貿易グループ(CISA)などが協力して行われる。出展社数約700社、約5万人の来場を予定している。鋳造、鍛造など素形材とその加工機械、工業炉などを展示する。日本からは素形材センターを窓口に出展企業をとりまとめ、ブース全体の設営、運営を行う(申込締切りは2月末日まで)。

 同センターではこの展示会に合わせて、ミッションを派遣する。期間は5月8日から13日まで6日間と、5月8日から19日までの12日間の2グループを設定、日系および外資系の企業を視察、現地活動の内容を調査するとともに、現地との交流を図る。天津勤美達・柳河精機、トヨタ昆山・上海金剛鋳造・旭東圧鋳、ホンダ・珠江団地または深

団地などを訪問する予定だ。(申込締切りは4月3日)。

 問合せ先は素形材センター(電話03−3434−3907、FAX03−3434−3698)。

99年 (暦年)の鋼管輸出はシームレス鋼管が数量で98年比15%減、金額(円ベース)で40%減、溶鍛接鋼管が数量で10%減、金額で30%減のいずれも大幅な減少となったが、2000年は原油価格の高位安定化に伴う需要と価格の改善傾向を支えに回復に転じる見通しが強まっている。

 99年の鋼管輸出は、日本鉄鋼連盟のまとめによると、シームレス鋼管が77万6500トンで15%、溶鍛接鋼管が126万5500トンで10%のいずれも大幅な減少で、熱延・冷延・表面処理の薄板類がいずれも増加となっている中で、輸出比率の高い鋼管の輸出減が目立っている。金額面ではさらに落ち込み率が大きく、シームレス鋼管はドルベース5億306万ドルで30%減、円ベース576億6000万円で40%減、溶鍛接鋼管がドルベース7億7100万ドルで20%減、円ベース884億6800万円で30%減。

 鋼管輸出の減少は、98年後半から本格化した油井管市場の急落によるシームレス鋼管の低迷、大型の天然ガスパイプライン用のUO鋼管、中大径電縫管輸出の不振に加え、米国のシームレス・ラインパイプに対する反ダンピングや溶接ラインパイプに対する201条など通商法提訴による対米輸出の減少、さらに後半からの円高推移などによるものとみられる。

 ただ、原油価格が30ドル台乗せとなるなど高位安定化が続く見通しが強い中で、オイルメジャーなどの2000年の石油、天然ガス開発計画予算が99年比10%を上回る増加が見込まれている。油井管の引き合いも増加に転じているほか、大型天然ガスパイプライン計画も年央以降、アジア、中近東を中心に具体化する見通し。

 高炉メーカーでは「メジャーの開発予算は98年レベルに戻る程度」と判断し、先行きの展開を冷静に見ており、同様に鋼管輸出が98年水準まで回復するかどうかは見通し難だが、年後半以降、回復の足取りが早まることも予想される。
東 京の厚板(12ミリ、ベースサイズ)は、底入れ感が浸透しており堅調。市況は4万円どころを中心。

 シャー母材は輸入材の入着が韓国、台湾など近国に限定され、数量も下半期からは抑制傾向。港湾関係者によると「岸壁の荷動きは落ち着いている」という。高炉各社は4月以降の厚板値上げ意向を示している。中板をはじめ熱延コイルが強基調で、H形鋼など条鋼建材も値上げ局面に入り、厚板もようやく雰囲気が上向いてきた。

 定尺は生産メーカーのロール遅れがデリバリー面で影響が続き、特約店在庫も少ないためタイト感が出ている。ただ市中の荷動きに変化はなく、「強気になりそうだが、需要がついてこない分横ばいでとどまっている」(商社筋)との声も聞かれる。中小溶断業者に波及する意味での実需は不透明だが、市況は目先しっかり基調で推移。