2000.04.14
新 日本製鉄は13日、エレクトロニクス・情報通信事業部(EI事業部)と子会社の新日鉄情報通信システム(ENICOM、棚橋康郎社長)を来年4月に事業統合、ENICOMを存続会社とした新会社を設立すると発表した。新会社は年率10%の事業拡大を狙う。2002年度をメドに株式の上場も目指す。統合により、企業ビジネスモデルや企業間取引システムの革新に対し、ソリューションの提案から開発・運用に至る一貫したサービスの提供力、大規模化するプロジェクトへの対応力を強化。コアコンピタンスや専門技術の強化・融合を促進する。

 99年度のEI事業部の売上高は330億円、経常利益15億円、要員576人。ENICOMは売上高890億円、経常利益36億円、要員2168人。事業を統合した合計では売上高1220億円、経常利益51億円、要員2744人となる。ENICOMは情報システム分野で売上高が9位だが、新会社は6位となる。これにENICOMの子会社8社やその他3社も統合した場合は売上高1380億円、要員4577人となる。2001年の新卒(130人の予定)は、新会社として採用する。

 EI事業部は、生産・物流・販売の効率化モデルを活用した生産・販売支援システム、設計部門向け設計業務支援システム、基幹業務に対応した基幹業務の統合一元化管理システム、さらには設備システムや統合技術情報管理システムなどを提供。金融分野ではデリバティブに対応する統合リスク管理システムや資産と負債の統合管理システムなどで実績がある。

 ENICOMは、オラクル社と提携して金融・流通・テレコムなどの分野での顧客データベース構築をはじめとした基盤系ソリューション事業を核に、顧客満足度の向上管理やモバイル・コンピューティングなどによる営業支援・管理システムの構築への展開。インターネットコンピューティングによる金融、情報サービス向け情報コンテンツのウェブ・データベース構築、電子商取引化対応など、新たなビジネスにもチャレンジしている。

 統合後の新会社は、急速に到来しているネット社会の中で、各企業が生き残りをかけてIT投資を行う際に、ユーザーサイドに立った提案力と高い技術力を有するITパートナーとして、独自の技術力を一段と強化し、欧米の先進的IT企業との提携やパッケージ導入などを積極的に行う。

川 崎製鉄は、次世代型ごみ処理技術「サーモセレクト方式ガス化溶融炉」について全国都市清掃会議から、技術検証・確認書を取得した。ガス化改質方式としては日本で初めての技術検証・確認書交付で、実機規模の施設でのダイオキシン類分解性能が世界最高レベルにあることが確認された。同社では、これによって営業活動を本格化させ、2000年度中に1ー2基の受注を目指す。

 今回、技術検証によって確認されたのは、施設全体から排出されるダイオキシン類の総排出量が、精製合成ガス中で0・00039ナノグラムと極めて少なく、厚生省基準の約1000分の1であること。この数値は、環境庁告示の大気中のダイオキシン類環境基準である0・0006ナノグラムを下回る数値となっている。その他、連続90日間の運転実績により、厚生省廃棄物処理施設整備の性能基準をすべてクリアしている。

 また、同社では、すでに実証試験が完了した千葉製鉄所内の同施設によって、産業廃棄物処理事業を4月からスタートさせている。

住 友金属工業は13日、システムの効率的運用とグループ経営の基盤強化を目的に(1)鉄鋼システムの運用を日本IBMにアウトソーシングする(2)システムグループ4社を、10月をメドに統合、再編する(3)ネットワーク時代に対応した情報システムの刷新を図る―と発表した。

 鉄鋼システムの運用については、これまでシステムグループ会社によって運用されていたが、これを日本IBMにアウトソーシングするというもので、このほどアウトソーシング契約を締結した。契約期間は今年4月から10年間で、契約金額は700億円。運用にあたっては日本IBMと住金で鉄鋼システム運用の合弁会社「アイエス情報システム」(東京・台東区、山岡斎社長(日本IBM理事)を設立、4月1日から営業を開始した。資本金は3000万円で日本IBMが65%、住金が35%を出資した。従業員は420人で、うち60%は住金からの出向、残り40%はシステム各社からの出向。

 鉄鋼システム運用のアウトソーシングにより、ハードの集約統合、ソフトの標準化、生産性向上などを図り、従来のシステム各社による運用に比べ、30%のコストダウンが図れるという。

 システムグループ会社の統合、再編については、現在、システム設計・製作・販売、OA機器・ソフト販売などを「住友金属システム開発、住友金属情報システム、住金ソフトウェアファクトリー、住金制御エンジニアリングの4社で行っているが、今回、鉄鋼(住金)向けシステム事業がIBMとの合弁新会社に移管されるため、外販事業の競争力強化と完全自立を目指して、統合・再編の検討を開始した。4社全体の売上規模は約500億円、うち30%が鉄鋼向け事業で、これを除いた外販事業の強化を目的に、10月をメドに統合・再編を実施する。

 また、情報システムの刷新については、ネットワーク時代に対応したシステムの統合、情報基盤の整備を行うとともに、ユーザー、商社、加工基地、関係会社などを結ぶネットワークを構築、効率経営と顧客サービスの向上を目指す。とくにインターネットを活用したEC(電子商取引)、SCM(サプライチェーンマネジメント)など新しいビジネスモデルの確立、グループ内情報の共有、有効活用などを推進していくとしている。

東 京大学生産技術研究所の池内研究室(池内克史教授)は13日、CAD・CGのソフト会社、キャドセンター(本社=東京都渋谷区、浜野美行社長)との共同で、レーザー距離計測センサーを用いて、鎌倉大仏のデジタル化に成功したと発表した。レーザーで物体を3次元にデジタル化する技術は、屋内での小規模な物体で実績はあるが、屋外での大型構造物の計測は、世界でも初めて。今回の実験を機に今後、文化遺産のデジタル保存や実際の修復に役立てるよう、ソフトウエアとして開発し、一般ユーザーへの活用を視野に入れている。

 使用したレンジセンサーは、世界に20台ほどしかなく、100メートルの距離で誤差6ミリの高精度距離計測装置。

 このセンサーを武器に、池内研究室の大学院生らが鎌倉大仏の周りにやぐらを組み、多方向からレーザーを照射して、複数の点(ポイント数約1億6000万個)の距離データを得た。大仏内部は空洞のため、内部にもレーザーを入れ計測。レーザーが当たった部分の3次元座標データ群を集めて20枚弱の部分距離画像にまとめ、それをつなぎ合わせて画面上に再現した。

 サイバー空間上で大仏をCTスキャンのように輪切りにすることもでき、さまざまな断面形状を得ることができる。座高は11・4メートル、胸囲16・8メートルで、超音波での計測では、胴回りの厚さが20―30ミリとこれまで考えられていた厚さより、かなり薄いことが判明した。

 デジタル大仏を使い、CG映像を作成、現代の大仏だけでなく、建設当時や、また腐食状況などを計算して未来の大仏も映し出すことが可能という。池内教授は、「ぜひ奈良の大仏を測りたい」としており、今後は明治時代の浦賀のドックなど、文化遺産を計測していく考え。

鈴 秀工業(本社=名古屋市緑区大高町南関山35、鈴木清詞社長)が製造した高性能・木質複合木材「スーパーウッド」がこのほど東名高速道路の遮音壁や橋梁補強足場などに採用された。循環型リサイクル製品であり、また遮音効果などに優れることから、日本道路公団として初めて採用したもので、これを機に同社では、さらに需要拡大を見込み、新素材や複合素材としての用途開拓と同時に生産体制などを整備していく方針。

 スーパーウッドは、廃棄物(木材とプラスチック)を利用した画期的な循環型リサイクル製品で、社会問題となっている廃木材や廃プラスチックを利用する道を拓き、加えて熱帯雨林などの乱伐採の抑制に貢献、しかも製品は、自然木を越えた様々な機能を持つ。開発は最先端の環境技術(国内外に1200件特許出願)を有するアイン・エンジニアリング(本社=東京都品川区、西堀貞夫社長)。鈴秀ではアイン社からライセンス供与を受け、新設の有松工場(名古屋市緑区有松町大字桶狭間字山脇1―81)で製造する。

 製品の一般的な特長としては(1)再利用できる循環型リサイクル製品(2)異形を含め、どのような形状も製造可能(3)腐らず、耐水性に優れ、虫にも食われない(4)変色せず、表面の柄を初め、木材の色を自由に選択できる(5)木とほぼ同等な触感を表現できる(6)硬く、比重は1・15(7)歪まず、変形しない(8)曲げ、捩じりなどの変形も可能―など。

 今回、日本道路公団が採用したのは遮音壁用など3カ所。公団が雪氷作業に使用する凍結防止剤を入れる袋(ポリプロピレン製)の有効利用、リサイクルの推進を目的にアイン社と共同開発した製品で、公団として初の本格採用となった。 このうち東名高速道路・守山地区登坂車線(名古屋市守山区)の遮音壁は長さ約90メートルにわたって150枚(一枚=厚さ100×幅500×長さ3960ミリ/6段積み)が使われた。また春日井神領第1第2高架橋中分(同)では、開口部環境対策としての吸音板で、長さ約60メートル。120枚(一枚=厚さ100×幅500×長さ3400ミリ)が使用。そして近くの神領橋には足場板として約1200枚(一枚=厚さ54×幅315・5×長さ3300ミリ)が使われ、月内にも工事を終える(第1期工事)。

 なお同社は、磨棒鋼と冷間圧造用鋼線をベースに冷鍛パーツ、精密シャフト、異形磨棒鋼などを生産し、スーパーウッドは新規事業として昨年秋進出を決定した。

鉄 鋼、電力、セメント業界は、2001年度からの第5次日中長期貿易協定(LT貿易)のスタートに対応して、今後の日中石炭貿易の契約づくりに向けた検討を行っていく。中国側の強い対日輸出意欲と日本側の良質・近距離ソースとしての中国炭に対する評価の中で、日本側はニーズに対して柔軟性を持った契約づくりを基本に検討を進めていく。

 LT貿易は石油、石炭、プラントを対象に78年に開始、現行96年度からの第4次LT協定が2000年度で終了することに伴い、今月6日に東京で日中長期貿易取決定期協議会が行われ、LT貿易を継続・発展させていくことを確認した。

 現行LT貿易での石炭貿易は、99年度で原料炭270万トン、一般炭660万トンで年間契約量に対応して順調に推移していることから、第5次LTではLTの枠組みを継続しながら、「双方のニーズに見合った形でニーズに柔軟性に対応できる契約づくりを目指したい」(新日本製鉄)考え。今後、石炭専門委員会(日本側委員長=寺門良二・新日鉄副社長)の下で検討を行っていき、毎年秋に開催される日中石炭会議までに大きな項目についてのコンセンサスづくりを行う考え。

 日本の年間石炭輸入は鉄鋼6000万トン、電力4500万―4700万トン、セメントなど一般産業1000万トン強の計1億2000万トン規模。うち、中国炭の日本市場でのシェアは約10%(うち原料炭5%)。中国は石炭生産量が98年の13億トンから11億トンに減少、非効率な炭鉱の閉鎖などにより生産量が減少する一方、輸出は3000万トンから99年は3900万トンレベルまで増加中。

住 金関西工業は住金の全額出資会社で、関西製造所の中に製造部門がある。鋳鍛造品、車両部品を主体にプラント、金型部門、労務提供などを行っており、住金向けの売りが全体の60%を占めている。売上高は、99年度で160億円を切る水準で、前期比10%強の減収。ただ期間内で10%のコスト削減に成功したため、経常で1億円程度の黒字が見込まれている。

 主力部門の一つである交通産機部門の売り上げは、1988年以降、国鉄の民営化でJR各社が老朽更新投資を実施したのと、民間私鉄の新車両導入などで10年ほど拡大した。しかし現在は需要一巡後の停滞期にあり、受注量が低下している。前期の車両部品売り上げは30億円弱と言われており、70年代に戻った格好。鋳鍛造部門も製鉄所の新規投資の抑制などもあり、停滞しており、前期は20億円近くの減収を記録している。

 こうした状況から要員も、年満を中心に昨年度で30人程度削減されている。

 こうした主力部門の減収対策として、環境部門の強化が打ち出された。新年度から、住金マネジメントからバッジ式ガス化溶融炉の商品移管を受け、自社部門として本格展開することになった。製鉄所の保有技術をベースに開発されたもので、日量10トンの小規模炉として市場に投入している。これまでは住金マネジメントが外注方式で製造し、販売していた。新年度から関西工業で自社製作し、設計から製造・販売まで一貫して行う。商品移管に伴い要員2人を引き継いでおり、現在設計部門の中の環境チームとして機能させている。将来的には正式の環境部門として独り立ちさせることも構想している。ガス化溶融炉は、当面民間企業向けの小型炉として受注活動を進める計画で、2000年度は2億円の受注を目標にしている。

 一方、先行して進めている3軸破砕機部門は、将来高炉各社が廃プラ高炉原料として本格的に使用する方向にあるため、前処理機として売り込んでいく。この3軸破砕機は、スウェーデンのイグスンド社の日本法人・イグスンドジャパンと提携して製品化している。すでに新日本製鉄向けに2基の受注に成功している。コークス炉吹き込み用として使用されるもので、今後処理量の増加が見込まれているため、導入する製鉄所が増加すると期待されている。

東 京地区の厚板(12ミリ、ベースサイズ)は4万―4万1000円どころ中心で横ばい。高炉メーカー各社の値上げが出そろったが、流通や溶断業者では定尺価格に値上げを転嫁するのは非常に難しいとの認識。一方、シャー母材は国内規格品に相当する輸入材の値戻しが進む見通しであり、4―6月契約分では数量抑制とともに上昇へと向かうとみられる。すでにCSC(台湾)は5―7月契約分の値上げを通達した。

 需要は建築関連で首都圏の物件が出てきたものの、中小企業にまで波及しないという。特約店は在庫圧縮もあって「サイズによりタイト感がある」とするが、肝心の引き合いが小口、当用買いに終始。鉄骨単価の低迷から、切板価格も値上げを行い受注を維持するのは困難。先行き弱気材料は少ないが、「母材高の製品安」が現実化する可能性もある。