2000.04.26
新 日本製鉄は、容器包装リサイクル法の全面施行に対応して、君津製鉄所に建設を計画していた廃プラスチック再商品化設備の建設工事に着手した。同社では、初年度となる2000年度の日本容器包装リサイクル協会による再商品化プラスチック処理の入札において約2万トンを受注。再商品化設備完成後、名古屋製鉄所は9月から、君津製鉄所は11月からプラスチックを受け入れることになる。名古屋製鉄所での設備着工は5月となる見通しで、最終的には、同社の両製鉄所のコークス炉で年間8万トンのプラスチック処理が可能となる。

 2000年の容器包装リサイクル法に対応し、同社はコークス炉をベースとする君津製鉄所の再商品化設備の建設をスタートした。投資金額は、名古屋製鉄所と君津製鉄所共に各45億円。5月中には名古屋製鉄所の設備も着工する運びで、設備能力は君津、名古屋を合わせて年間8万トンとなる。

 5月1日からは「資源リサイクル部」を新設、廃プラスチックのコークス炉吹き込みを含め、これまで取り組んできたスラグなど鉄鋼副産物の有効利用など広く社会全体の資源リサイクルを推進していく体制を整えていく。

 同社は、98年から環境・水道部が立川市と共同で研究開発した廃プラスチック油化の設備を転用して、コークス炉への吹き込みを計画。99年には君津で産業廃棄物系廃プラスチックと一般廃棄物系廃プラスチックをコークス炉へ投入する実炉試験をスタートして、年間約500トン程度のプラスチックを吹き込み、実用化に取り組んできた。

 一方、今回の廃プラスチック再商品化などの動きは、各製鉄所での環境リサイクルに対する意識を高めている。君津製鉄所では、環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」の認証取得など、これまで以上に全所員一丸となった環境保全活動への取り組みが盛んになっているという。

大 阪鉄鋼流通協会(略称=OSA)がこのほどまとめた流通動態調査の四半期別推移によると、鉄筋用棒鋼、H形鋼など主要6品種の1―3月期販売量がそろって前年同期比プラスに転じた。6品種がそろってプラスとなるのは平成7年10―12月期以来17期ぶりで、他地区より停滞感の強かった関西の店売り市場で、ようやく「数量的には大底」との認識が広がっている。ただ、需要家の値引き要請とメーカー値上げによる板挟みで、流通の採算は悪化する一方で、「回復感のない」底入れとなっている。

 四半期別推移によると、1―3月の販売量は鉄筋用棒鋼が14万4000トンと前年同期比23%増、H形鋼が16万5000トンと同比4%増、一般形鋼が8万6000トンと同比5%増、薄板が51万2000トンと同比11%増、厚板が6万2000トンと同比24%増、パイプが5万9000トンと同比2%増となった。

 品種別には、最も長期にわたってマイナス傾向が続いていた一般形鋼が17期ぶりのプラスとなったほか、急速な落ち込みを見せていたパイプも、平成9年4―6月以来11期ぶりにプラスに転じた。平成10年の底入れから再び微減傾向が続いていたH形鋼は6期ぶりの増加となった。薄板、厚板は昨年以降プラス傾向が続き、鉄筋用棒鋼も昨年の4―6月以降2ケタ台の増加に転じているため、こうした底入れ先行品種に今回、H形鋼、一般形鋼、パイプが新たに加わった形となる。

 この指標を踏まえ、地区の関係流通は「日々の動きにまだ回復感はないが、これから扱い数量が減るという不安感は完全に消えた」との見方をしている。

 とはいえ、流通にとって悩みの種は市況低迷による採算悪。現在、6品種のうちで市況が回復場面にあるのは一般形鋼のみで、H形鋼やパイプなどでは依然として市況の下落傾向に歯止めがかかっていない。需要家が厳しい指し値を要求する中で、各品種ではメーカー値上げが相次ぎ、流通の採算は圧迫されている。流通関係者の間では「採算の悪さが荷動きの悪さと混濁されていることが、回復への手ごたえが感じられないひとつの要因」として、先行きに対しても引き続き慎重な見方をしている。



関 東の小棒メーカー各社は、連休明けから販価をベース2万8000円に1000円引き上げる方針だ。東洋製鋼の設備廃棄を好感し、今月後半から引き合いが増えており、流通は安値のカラ売りを手控えている。

 減産効果で在庫が減少するなど、足もとの需給が好転しているうえ、連休中の操休によりもう一段値上げできる環境が整ったと判断したようだ。

 各メーカーは赤字販売に対する危機感を強めており、流通の安値対応要請に応じなかった。流通は先安と見て売り込んだ価格に見合う材料手当てができていない。このため新たにカラ売りする流通もなく、一部2万7000円が通り始めるなど、市況は強含みで推移している。

 足もとではベース、細物とも在庫は低水準にあり、一部配送が窮屈になっている。例年はフル操業する連休中も今回は各社が5日程度の操休を予定しているため、当面供給はタイトに推移する。大型物件の材料手配の時期を前に値上げすることで、3万円の大台回復に弾みをつけたい考えだ。

米 商務省(DOC)は24日、日本製ステンレス・シームレス・パイプの反ダンピング・マージン率を62・14―156・81%とする仮決定を下した。仮マージン率は、住友金属工業、山陽特殊製鋼の2社が156・81%、その他が62・14%。このケースは、サンドビック・スチール、アルテックス・インクなど欧州系の米国ミルが1999年10月26日に日本製品のみを対象にAD提訴したもので、提訴者は11・72―156・81%のADマージン率賦課を要求している。対象となるのは、重量比で10・5%以上のクロムを含むステンレス・シームレス・パイプ。DOCは7月8日に同課税率の最終決定を、米国際貿易委員会(ITC)が8月22日に被害認定の最終判断を下す予定。

三 菱商事系の大手特殊鋼問屋、アサヒスティール(本社=大阪市中央区、徳廣巖社長)はこのほど、2000年度の経営計画をまとめた。営業・販売面では、(1)加工の高度化(2)技術営業力の拡大推進(3)貿易部門の拡充―が骨子。業績については、売上高は前年度に比べ約7%アップの240億円、経常利益は約倍増の1億5000万円を目指す。

 同社は、不況に伴う業績悪化に対処して行ってきた合理化などによる体質改善策が99年度上期で完了、99年度下期から業績は黒字に転換している。この結果、99年度業績予想は、売上高が225億円と前年度に比べ約4%減となるものの、経常損益は前年度の赤字から黒字に転換、7000万円の利益が見込まれている。税引き後利益は、不良債権処理および浦安加工センターの閉鎖費用を特別損失として計上したため、1200万―1300万円となる見通し。

 2000年度の業績予想は、99年度下期の実績見込みをベースに策定した。営業・販売面における加工の高度化では、需要家が行っている各種加工分野まで加工レベルを上げ、受注を促進する。同社の中でも加工品への取り組みが進んでいる北陸支店では、従来より高度化した加工品の受注がすでに決定、研磨機、検査機を導入して6月から稼働を開始する。同社としては、北陸支店をモデルにこうした加工システムを全社的に拡大していく計画で、今年度および来年度にかけて取り組むテーマの1つとして位置付けている。これにより製品販売比率も高める。

 技術営業力の拡大推進は、「構造用鋼を中心とした技術営業力がある」(徳廣社長)ことを武器に需要家全般を対象に需要の掘り下げ、掘り起こしを強化する受注活動を展開する。このために、営業マン全員のレベルアップも図る。

 貿易部門の拡充については、99年度の貿易比率は12・5%であったが、今後2カ年計画で貿易比率を15%まで引き上げる計画。

 これらのほか、同社では三菱商事の連結決算対象企業としてROE(株主資本利益率)などの財務指標を重視した経営を行うと同時に、三菱商事グループにおける特殊鋼分野の中核企業としての機能を果たすことに重点を置く。

合 同製鉄(本社=大阪市、三田村外喜男社長)は、鉄筋の機械式継手『Gジョイント』の製造・販売に注力しているが、船橋製造所でD51タイプへの対応を図ったほかメニュー拡大にも取り組んでおり、数量ベースで現在の4万セット弱を5万5000セット程度にまで増やしたい方針である。

 Gジョイントは小棒にカプラー、ナット部分を摩擦圧接するもので1993年に船橋製造所で生産を開始、その後大阪でもスタートさせており東西2拠点での製造体制を構築しており、製造に関しては船橋は船橋機工、大阪は合鉄建材工業が担当している。

 このうち船橋製造所は細物、中間サイズに加え昨年10月にはD51タイプも新設、3ライン・4台の摩擦圧接機を構えた現在は月間3万5000セット程度を製造・販売している。従来は建築物件が中心だったものが、D51対応を行ったことで土木分野の需要を取り込めるようになった。また、大阪製造所は1ラインで月間1万3000セットを生産しているが、3直24時間稼働でほぼフル操業の状態だ。

 こうした中、同社ではより特徴を持った製品の開発に努めており、標準タイプに加えネジ接続タイプ、ナットレスタイプ、さらに定着板などを次々にメニューに加えている。このうちネジ接続タイプは、小棒を回転させずに接続することが可能で、狭い場所でも施工ができ締付トルクも小さいといった特徴を持っている。また、ナットレスタイプはロックナットを省略し、鉄筋をレンチで締め込むコンパクトな継手で施工が簡単だ。両製品とも日本建築センターから評価書を取得している。

 また、定着板は標準タイプ六角タイプがあり、柱・梁接合部の簡素化と施工性の向上に効果がある製品で、JIS規格の小棒ならすべてに対応が可能。昨年6先から生産を開始しており、東西の2拠点で月間3000―4000セットを生産している。

 同社では土木・建築業界におけるGジョイントの認知が一段と進みつつあるとしており、需要分野の拡大などで今後は船橋で月間4万セット、大阪で1万5000セットの合計5万5000セットを目標に強化を図る方針だ。

辰 野(本社=大阪市)は、輸入鋼材を使ったスチールハウスの建設・販売に取り組んでいるが、同社にとって9軒目となるスチールハウスを兵庫県芦屋市内に建設することになった。

 同社は中堅の繊維商社だが、数年前からスチールハウス分野に進出、これまでに奈良県斑鳩郡で4棟、大阪府高槻市に2棟、神戸市で1棟、篠山市で1棟の合計8棟を建設・販売した実績を持っている。今回建設することになったのは兵庫県芦屋市市内で7月中旬の完成、引き渡しを予定。

東 京地区の厚板(12ミリ、ベースサイズ)は、4万―4万1000円どころ中心で様子見横ばい。

 CSC、POSCOの日本向け価格が値上げの方向であり、シャー母材は1000円ほど値戻し。先行きも徐々に安値が切り上がる見通し。市中では在庫バランスの改善により一部サイズで品薄、歯抜けも出ているという。ただ、溶断業者では3月以降の動きが悪いようだ。4月出荷分から高炉メーカーの値上げが打ち出されたが、需要に不透明感が強く、扱い筋は周辺の出方次第で対応する様子見の姿勢。

 市況が上昇しない要因の一つは切板価格の低迷。建築物件の安値受注が指摘される中で、ファブリケーター(鉄骨加工業者)から溶断業者に対する指し値が厳しい。溶断業者も仕事が満足に取れないため受注する場合があり、値上げムードは皆無のようだ。

関 西地区の電炉メーカー、関西製鋼(本社=大阪府堺市、深見泰三社長)と臨港製鉄(本社=大阪府交野市、中野修行社長)は、合併の方向で最終の詰めに入っている。合併により、両社が生産する平鋼の収益力を高めるのが狙い。合併会社には、関東地区の平鋼メーカーの王子製鉄(本社=東京都中央区、矢田晃太郎社長)や、三菱商事も出資する見通し。すでに4社は今年から業務提携に乗り出しており、三菱商事を介して平鋼メーカー3社が東西で強固な生産・販売体制を構築した。関西と臨港の合併により、関西地区の平鋼市場は安定軸を確保することになる。

 合併形態は、両社が対等の精神を基本とし、これに王子も出資する方針を固めている。商社では三菱商事が出資、三菱商事グループが筆頭株主となる。三井物産も出資を検討している。両社の製品の品質レベル統一などの準備期間が必要となるため、合併までには1年近くの時間がかかる見込み。合併後は当面は現有設備を活用しつつ、生産品種やサイズの補完などに着手する見通しだ。

 関西と臨港は、戦前から阪口興産を通じて緊密な関係にあった。現在でも両社とも三菱商事の出資会社として、関西地区の平鋼業界での大きな位置づけを保っている。両社に、平鋼のトップメーカーで関東地区に位置する王子製鉄を合わせた3社、それに三菱商事を加えた4社は今年から業務提携を始めている。

 4社の業務提携の内容は共同配送、生産の受託・委託、副資材の共同購入、技術交流、帳票類のシステム化など。すでに今年2月からは製品のデリバリーを効率化。関西・臨港が東日本地区で販売した帰り便の車で、王子の西日本地区向け製品を運ぶ。逆に、王子の製品を西日本に運んだ帰り便に、関西・臨港の東日本向け製品を積む方法で輸送コストを低減。電極・耐火物・合金鉄などの副資材の共同購入にも着手した。

 今後は、関西・臨港が東日本市場で販売している製品を王子が生産、逆に王子が西日本市場で販売している製品を関西・臨港が生産することで生産を受託・委託する。この際、各社の品質レベルの相違があり、ユーザーが多岐にわたるため、今後の調整が必要となる。合併を前提に両社が品質レベルを統一、そのうえで王子との受託・委託による生産に踏み込んで、設備廃棄を視野に入れた業界再編に取り組み、東西の平鋼市場の安定軸を構築する。