2000.06.02
N KK(下垣内洋一社長)と日本IBM(大歳卓麻社長)は1日、情報子会社への資本参加を含むIT事業強化についての包括的提携に関し基本合意に達したと発表した。

 提携のスキームは、(1)日本IBMは、エヌ・ケー・エクサ(NK―EXA、後藤基建社長)に資本参加し、協業推進により同社事業を拡大させる。当面、日本IBMの出資比率は49%とし、準備期間を経たのちに、51%とする(2)NKKは、グループを含めた同社のシステム関連業務を日本IBMに全面的にアウトソーシングし、同時にITの戦略的活用に資する諸サポートを日本IBMから受ける。エヌ・ケー・エクサは日本IBMより業務を受託する―というもの。

 このスキームの実行によって、日本IBMは、NKKグループ全体に向けた長期にわたるアウトソーシング・サービスの提供と、ユーザー系情報サービス会社としてエヌ・ケー・エクサが培ってきた技術力の活用を通じたサービス事業の強化・拡大が可能となる。

 一方、NKKは、日本IBMの総合力を最大限に活用し、鉄鋼、エンジニアリングなどのグループ事業活動全般にわたる事業基盤・競争力強化の実現が可能となり、両社の事業戦略上、大きなメリットが期待できる。

 また、日本IBMとの協業により、エヌ・ケー・エクサ事業の強化・拡大が期待され、3年後には、情報サービス事業の売り上げ倍増を目指す。

 NKKは、「グループ中期経営計画」の中で、ITの戦略的活用を通じ、NKKグループ全体の事業基盤と競争力を強化し、同時に情報サービス事業の拡大を図っていくという戦略を採っており、その実現のために有力なパートナーとの提携を検討してきた。

 一方、日本IBMは、eビジネス実践にむけて、コンサルティングからシステム構築、運用に至るサービスビジネスの拡大を図るために、高い技術力を有すパートナーを求めていた。

 今回の提携は、この戦略の一致を起点としたもので、エヌ・ケー・エクサは、今後、日本IBMのアウトソーシングサービスを担うと同時に、NKKと日本IBMとが共同して情報サービス事業を強化・拡大していく上での中核的役割を担う。

 下垣内・NKK社長の話 ITに戦略的に取り込んで、競争力を強化するのが課題だった。当社にも優秀な技術者がいるが、即効性の点で50年にわたる付き合いのある日本IBMとの提携を選んだ。

 eビジネスの強化は、環境ソリューションビジネス、鉄鋼事業のサプライチェーンマネジメント、グループのネットワークを効率化するなどのメリットがある。

 大歳・日本IBM社長の話 NKKとは福山製鉄所、京浜製鉄所とその時々で先進的なプロジェクトのお手伝いをしてきた。

 エヌ・ケー・エクサは製造業のほか、金融、保険、カード分野で強力なパートナーだ。今回の狙いはeビジネスの実践、サービス事業の拡大、NKK、エヌ・ケー・エクサ、IBMのトリプルウィンの3つにある。

全 国鉄鋼特約店連合会(会長=大川宏之・芝浦シヤリング会長)が創立30周年を迎えた。きょう2日に東京都港区台場の「ホテル日航東京」に関係者約250人を招いて定時総会と30周年記念式典を開き、新たなる結束を誓う。総会では『全国鉄鋼特約店連合会』の名称を『全国鉄鋼販売業連合会』に変更する。

 その後、DDN(全鉄連流通情報網研究会)報告、各地区代表者発言、野村証券・鉄鋼アナリストの平沼亮氏による記念講演『高炉フル稼働による日本鉄鋼業再生』、創立30周年記念式典と続く。記念祝賀会では江戸情緒豊な「振り袖さん」の踊りと艶姿、ソプラノ歌手「崔岩光(サイ・イエングアン)さん」のディナーショーを予定している。

 全鉄連は1970年6月17日に全国10団体・953事業所が加入して発足。現在では29団体・1192事業所(今年3月末時点)が加入し、健全な競争による市場の拡大などを目指している。

大 同特殊鋼の知多工場製鋼部門の累計製鋼量がこのほど4000万トンを達成した。この記録は1962年10月の稼働開始以来、37年7カ月で到達したもの。

 知多工場は特殊鋼一貫工場として世界一の規模を持ち、その製鋼部門は建設以来、電気炉製鋼技術の最先端を切り開いてきた。

 その歴史は62年にアーク炉1基(A炉)体制、月産2000トンでスタートした。以後、63年にB炉、64年にC炉を増設し、66年に月産3万トン体制を敷いた。その後、高度成長時代の65年にRH1号、67年にD炉、70年にE炉、RH2号を順次増強。73年には累計製鋼量500万トン、79年に1000万トンを達成した。この間、UHP操業、酸素富化操業技術を確立。さらに80年代に入り、国内で初めてアーク炉―LF―RH―CCというELVACプロセスを完成させることで、新プロセスによる高品質な特殊鋼の生産体制を敷き、自動車用特殊鋼における同社の地位を確固たるものにした。続いて90年代に入ってからは、ステンレス精錬用にAOD、また垂直型、丸ブルーム・ビレット兼用のNo.2CCを導入し、EAVACプロセスも完成。構造用鋼から軸受鋼、ステンレス、高合金鋼などに至る幅広い鋼種を最新鋭技術・設備によってフレキシブルな生産を可能にした。累計2000万トンは87年、3000万トンは93年に達成。今回の記録は5月25日に到達した。現在の製鋼能力は月間約15万トン。エネルギーコスト削減、生産量平準化に向けてのプロセス革新に取り組み中である。



日 鉄ドラム(安達良英社長)は、2000年度スタートの第4次中期総合3カ年計画をまとめた。計画最終年度の売上高は連結180億円以上、単独160億円以上、経常利益はそれぞれ12億円以上、10億円以上を目指す。ROA(総資産事業利益率)はそれぞれ5・5%以上、6・0%以上を予想。今3月末に株式46・25%を取得し関連会社とした容器商社の日本コンテック(東京・日本橋)を完全子会社化した段階での最終年度連結売上高は、250億円以上となる見込みだ。

 重点目標は、(1)連結会社の有機的結合による相乗効果の発揮(2)業容の拡大(3)黒字経営の定着化―の3点。連結各社が営業協力や人材交流などを進め、グループ力を結集。とくに機器メーカーの日鉄ドラムテクノ(98年設立)とコンテックの連携に力を注ぐ。ドラム缶事業の量的拡大が望めない中で、特殊缶・エンジニアリング事業の拡大が課題となるが、順調に成長し00年度売上高は前年比約倍の24億円、新中計中に黒字化を果たす構え。また、コンテックに続き、今後もM&A(企業の合併・買収)で新分野への進出を図る。

 99年度の連結売上高は3・0%増の163億8100万円、単独4・2%増の146億6500万円。新中計の売上高目標は、連結では不動産管理のエヌデー企業と日鉄ドラムテクノ、単独では特缶・エンジ事業の伸びに期待。コンテック(99年度売上高68億円、経常利益4600万円)は今後の検討課題としている。

 利益面では、99年度の経常利益がそれぞれ6億3000万円、6億5300万円だが、連結子会社3社すべての黒字確保を前提とし、2ケタ台に乗せる。ROAは99年度で連結3・5%、単独5・1%でさらに上を目指す。売上高に対する経常利益率を示すROS(売上高事業利益率)は、それぞれ7・5%以上、6・0%以上としているが、99年度で4%近くを保持し、業界では高い水準にある。

 設備投資は3カ年で連結15億円、単体12億円を計画。工場では省力化投資などに限られ、大きなものは受注から製造、配送までの全社的なコンピューターシステムの見直しに取り組み、省力化につなげていく。システムの高度化で業務全般の効率化を進め、労働生産性は10%以上の向上を図る。

 有利子負債残高については、連結58億円以下、単独3億円以下に抑える。単独では無借金だが、エヌデー企業がビル建設時の大きな負債を抱えており、現在約90億円の負債を3年間で3分の2に圧縮する方針。

神 戸製鋼所溶接カンパニー(島田博夫執行社長)は、2000度起点の中期3カ年計画を前倒しで進め、2カ年での目標課題達成を目指す。「自立経営の確立」を基本に据え、国内は資材調達機能の改善や拡販による溶接機器システム事業の赤字解消などで収益基盤を強化する。海外ではアジア市場のシェア拡大を目指し、子会社のKWK(韓国)の生産能力を倍増する考え。物流面では、4月に設立した日商岩井との九州地区販売合弁会社の第2弾を、他商社との連携で他地区で検討する。要員削減も実施し、現在の約800人強から01年3月末には700人強に縮小する計画だ。

 99年度は、溶材の国内総生産が12年ぶりに30万トンを割り、価格も前年比8%ダウンと数量、価格両面の落ち込みで収益は悪化した。同社は経営環境の改善に向け、4月に日本油脂と提携しステンレス溶材製造の「神鋼タセト」を設立、また日商岩井と溶接カンパニーとの営業を一本化した合弁販社を設立し、製造・物流両面で効率化を進めている。2000年は需要量3%減の厳しい見通しで、新中計ではさらにテコ入れを図り、堅固な収益体質を構築する。

 主な課題は2点あり、第1に赤字基調のロボット機器システム事業について、人材投入による受注拡大と工場のコストダウンで00年度下期末には損益ゼロのメドを立てる。第2に財務、調達、法的機能のうち、材料・副資材などの調達機能を強化し、コスト低減につなげていく構え。

 すでに実施したものでは、溶材販売の鉄骨・橋梁分野の顧客営業(50事業所)を流通に移管し、業務の適正化を進めた。また、営業の自己管理を目的に管理部門の販売企画室を撤廃、組織を簡素化し権限移譲を進め、営業のスピード化を図った。

 製造面では、国内は各4工場での歩留まり向上、生産効率の改善を進める。海外はこれまでの欧米、南米からアジア地域重視の路線にシフトし、造船を中心とした韓国のおう盛な国内需要に対応するべく、KWKの生産能力を月産約700トンから年内に1000トン台に引き上げ、翌年以降に1500トン規模に拡大する計画。また、タイの子会社に商品開発部門を移転し、手棒など現地ニーズに即した製品を開発してベトナム、ミャンマーなど近隣地域への拡販に力を入れていく考えだ。

世 界の解轍(船舶解体)量が急増している。ロイド協会調査によると、99年の解轍量は3051万DWT(1万DWT以上が対象)と前年比28・4%の増加となった。世界的な景気回復傾向の中でシングルハル大型タンカーの解体が、進んだためとみられている。一方で世界的な鉄スクラップ需要の拡大も、拍車を掛けている。 シングルハルからダブルハルへの転換は、IMOが船齢25歳以上の高齢船の運航規制という形で打ち出している。また欧州では昨年、イタリアのシングルハルタンカーが沈没したため、船齢15歳以上のシングルハルを規制する動きにあり、さらにタンカーの解体が促進されている。このため2000年1―3月の累計解体量は780万DWTに達しており、このまま推移すれば年間で3100万DWTに乗るとみられている。

 世界の船舶解体は、90年を直近の底に上昇傾向にある。特に93年以降は、70年代に大量に建造したシングルハルVLCCがIMOで規制している船齢25歳以上に達するものが大量に発生しているため、解体が進んでいる。99年はこうした中で、世界的な景気回復の動きがあり、VLCCやバルカーの更新が進んだ。VLCCの更新では韓国などの設備能力の拡大で、1隻当たりの船価が7000万ドルを割り込む水準まで低下したことも拍車を掛けた。世界の解体量は、3051万DWTと前年より674万DWTも増加した。

 今年に入って以降の解体量は、さらに拡大しており、3月までの累計で780万DWTに達しており、海事産業研究所では「年間3100万DWTに達する可能性が大きい」としている。

 国別では、インドが過半数を占めたようで、98年に続き世界一。これに続きパキスタン、バングラデシュの順になったもよう。中国も、数量的には増加したとみられている。ただ解体船の船価が、150ドル前後で推移していることがネックになっている。

 一方、世界的な鉄源不足という観点からグレードの高い解体スクラップの発生は、歓迎されている。東南アジアでは、一部敷板として再使用されるケースも多い。このため不足する厚中板の代替材としてマーケットも、拡大している。

川 商ジェコス、丸藤シートパイル、日商岩井鉄鋼リース、丸紅建材リースの重仮設リース上場4社の2000年3月期決算が出そろった。

 重仮設リース業は99年度は、経済対策の効果を受けて上期堅調であった公共事業が下期には息切れ。民間建築需要も依然として伸び悩んだ。建設省がまとめた建設機械器具リース業等の動態調査によると、重仮設リース業(8社)の99年度賃貸売上高は828億9100万円で前期比3・0%減で、6年連続減少となった。

 これを受けて、重仮設リース4社は収益を確保するため、営業網の拡充および強化に尽力するとともに、経営効率化などを実行した。

 その結果、売り上げに関しては、川商ジェコスと丸藤シートパイルともに増収。

 一方、丸紅建材リースと日商岩井鉄鋼リースは減収となったが、いずれも小幅にとどまった。

 また、経費節減とコスト低減など合理化策も推進。これが効果を表し、前期赤字決算となっていた丸藤シートパイル、丸紅建材リースが黒字転換。

 日商岩井鉄鋼リースは経常ベースで大幅増になったものの、特別損失としてゴルフ会員権の強制評価減への早期対応で1億1900万円を計上するなど、当期では2ケタ台のマイナスとなった。

 今期見通しについては、民間設備投資を中心に回復の兆しが見られるものの、大規模な財政出動も期待薄。この影響で受注単価も十分な回復が見込める状況下にない。このため、売上高は各社ともに微増減を予想。経常利益は川商ジェコス(30億円)と丸紅建材リース(3億5000万円)は大幅アップを見込んでいる半面、丸藤シートパイル(5億9000万円)と日商岩井鉄鋼リース(3億8000万円)は厳しい見通しとなっている。

東 京地区のH形鋼は200×100で3万1500―3万2000円と強含み。

 商社が3万3000円に唱えを上げたことで、3万2000円が通り始めてきた。需要が上向いており、メーカーの引き受け削減などで需給が引き締まる見通しで、市況は一段高に移行する様相。

 5月の出庫量は「4月並み」(商社)だが、営業日数から見て日量では増加しているという。在庫はほぼ横ばいで、歯抜けサイズの補充が進むなど品薄感はない。しかし、荷動きの好転と先行きの供給量の減少で、流通は今後需給がひっ迫する場面も出ると見て、流通は現有在庫の温存に傾きつつある。

 高炉の店売り値上げを織り込んでいることもあり、商社を中心に採算ライン実現の意欲は強く、早い段階で次のステップに進みたいとしている。需給の好転を背景に当面は市況の上昇基調が崩れそうにない。