2000.06.14
兼 松の鉄鋼内販会社、兼松トレーディング(本社=東京都千代田区、香坂孝史社長)は、鉄骨営業の強化を目的に、今年度から「ファブネット」を構築した。東京、大阪を核に、九州、名古屋、北海道の3支店を網羅した体制で、鉄骨の仕入れ・受注・契約・加工・デリバリーなどの情報を一元化。6月からは鉄骨を扱う兼松の子会社、協和スチール(兵庫県姫路市)、いわき鉄鋼センター(福島県いわき市)も加えて情報網を拡大。鉄骨分野での業務の効率化と収益の改善につなげる。

 「ファブネット」は、Eメールで鉄骨営業の情報を一元化、社長直轄の営業体制とした。鉄骨営業に携わるメンバー全員で構成し、部長および部長代理以上のメンバーが会議を構成する。すでに、「ファブネット」を活用した受注例が2件あるなど、順調な立ち上がりをみせている。6月からは関係会社2社もメンバーに加え、兼松の鉄鋼部門の連結での収益を拡大する。

 兼松トレーディングの99年度の業績は、売上高が前期比88億円増の290億円、経常利益は同1400万円増の3600万円と増収増益を計上したが、税務適状となった不良資産2億円を償却、併せて税効果会計を適用して、当期損失は9100万円(前期は3500万円の利益)となった。前期繰越利益4100万円、昨年12月の兼松鉄鋼販売との合併受入未処分利益6800万円を算入した結果、当期未処分利益は2200万円。

 兼松鉄鋼販売との合併および兼松本体の鉄鋼部の商権を移管し、利益を重視して業務を見直したことや、合併効果で販管費が1億3200万円削減できたことが増収増益に貢献した。現在の要員は84人(プロパー83人、出向=社長1人)の体制。

 今年度の業績見通しは売上高500億円、経常利益2億5000万円。売上高は合併で膨らみ、内訳は兼松トレーディング分が約200億円、兼松鉄鋼販売分も約200億円、兼松本体分が約100億円。利益面では2億円強の販価費の削減が寄与する。兼松鉄鋼販売との合併に加え、兼松の鉄鋼本部・鉄鋼部が兼松トレーディング内に東西で同居して、鉄骨、原料、貿易などの商権の一部を移管することで収益が拡大する計画。

 今年度は「ファブネット」の構築による鉄骨営業の強化、不良債権の防止に注力。収益率や資金効率を重視した業務の見直しも推進する。同時に、電炉メーカーに原料を納入して製品を購入する相互取引を拡充し、兼松トレーディング独自の仕入れ・販売の拡大につなげていく。

共 英製鋼(本社=大阪市、高島秀一郎社長)は、株式の30・2%を保有する住友金属工業に対して役員の派遣を要請しているが、住金の小島又雄社長が非常勤取締役に就任するほか、もう1人が常勤取締役として就任する見通しである。正式には今週末か来週に決定する。また、社内ベースでもベテランの復帰を含め一部役員の異動を実施する考えであり、7月以降再建に向けた具体策の策定を急ぐことにしている。

 同社では、筆頭株主である住金から大喜多義道常務を技術担当の役員として迎え入れているほか、部長クラスの受け入れも行っている。しかし最近では例がなく、「実質的に住金サイドの利益代表者は来ていないに等しい」(高島成光・同社会長)ことから、対外的な信用の回復や両社間の関係改善の意味もあって、住金に対して役員の派遣を要請していた。これに対し住金側では小島社長を非常勤取締役として派遣、さらにもう1人を常勤取締役として派遣する方向で検討を行っており、「当社からの要請に対し住金から『前向きに検討している』との返事を得た」(高島会長)状況にあることから、近く正式に決定する見通し。

 共英製鋼では住金からの役員派遣のほか、社内的にもベテランクラスの復帰を検討しており、株主総会・取締役会終了後の7月以降再建に向けた動きを開始、各部署ごとにヒアリングを行い、具体的に実行に移すことにしている。

日 鉄鋼管(本社=川崎市、坂井勝義社長)は、連結ベースでのROA(総資産事業利益率)5%以上を目的に、(1)川崎工場の生産増強などによる自動車向けの機械構造用鋼管(STKM)の強化(2)グループの日管製造への造管付帯業務などライン業務の移管によるコスト削減を柱に収益力の向上を図る。現行の中期経営計画(99―2002年度)期間中に累損の一掃と復配を目指す。

 日鉄鋼管は新日本製鉄グループの鋼管事業の中核会社として名古屋、川崎、水江の3生産拠点を持ち、STKMのほかガス管、構造用鋼管、電線管などを生産する大手溶接管メーカー。

 95―96年度に赤字に陥った後、97年度以降黒字を維持し、99年度も売上高250億円、経常利益5億円弱を計上。STKMを中心とした拡販と製造・販売コストの削減のほか、98年7月から開始した不動産賃貸事業が軌道に乗ってきたことが黒字定着化の要因。

 現在、STKMの生産は主力の名古屋製造所を中心に、月間生産量(99年度下期)約1万2500トンのうち6000トン弱を占める主力品種で、さらに同分野の強化を図る。

 川崎工場は月間生産4000トン規模でガス管、構造用鋼管など一般管が中心だが、今後、STKMの生産増加に取り組む。販売面ではグループの販売会社である日鉄鋼管通商(本社=東京都)と東名パイプ(同=名古屋市)の販売を強化し、製販両面の強化策の実行によりSTKMの基盤拡充を図る。

 合理化面では、日管製造(本社=川崎市川崎区)をグループのコストカンパニーと位置づけ、昨年末に川崎工場の造管付帯・倉庫業務の50%と新日鉄から受託しているライニング鋼管の防食塗装加工を行っている水江工場のライン業務の100%を同社に移管した。日鉄鋼管本体に比べ70%のコストでの運営を図る。

 日鉄鋼管の連結ベースでの99年度ROAは2・5%で、これを5%に高めるためには経常利益の倍増が必要。同社はグループの収益基盤改善として、不動産賃貸事業の拡充(第2期・今年7月開始)や日管製造への業務移管に伴う一過的な損失を99年度に計上した。 黒字定着化により、11億円の累損は99年度末で8億円弱に減少中。一連の施策実行で、グループ連結ベースでの収益力の向上とともに内部留保の強化も考慮しながら、現中計期間中に累損の一掃と復配を目指す。

オ ーツカ鉄鋼販売(本社=東京都中央区)は、メタルサイトジャパン(仮称=米国メタルサイト社、丸紅、伊藤忠商事、住友商事が出資)の運営するインターネット鋼材取引サイトにSM、SN厚板の在庫特約店として参加する。eコマース進展に備えて在庫の見直しを行い、余剰在庫の削減や川下営業展開の強化を図る。

 金属電子商取引市場を設立し、鋼材取引を仲介するメタルサイトは、今年9月の立ち上がりが予定されている。オーツカ鉄鋼販売は、丸紅グループの厚板戦略に沿ってメタルサイトでの販売を行うもの。品種はSM材、SN材厚板で耳付き、定尺、発生品など今後詳細を詰める。

川 鉄建材(増田光一社長)は今年度上期中をメドに、川西工場のフェンス類の切断・穴開け・塗装の生産設備を、神戸工場に集約する。全社ベースでの生産効率化を図るのが狙い。設備の集約に伴い、神戸工場の既存の塗装設備については大幅な改造を行い、従来のガードレールだけでなく、フェンスも塗装できる体制とする。今年度の設備投資はこの設備集約を中心に、トータルで5億5000万円を予定している。

 同社の川西工場は98年末まで、立体トラスやメタルビル用のフレーム材の鉄骨製作を行うとともに、各種フェンスの切断・穴開け・塗装などの加工を手掛けていた。

 しかし、98年度からの経営の構造改革の一環として、工場体制の見直しを行っていたが、その一つとして、川西工場を神戸工場に集約することを決めた。すでに、昨年末には鉄骨製作設備を神戸工場に集約した。そして、昨年3月には川西工場を売却、その後、建屋の一部を借り、フェンスの加工を行っていた。

 今回、フェンスの加工についても今年9月末までに神戸工場に集約する。ただ、塗装設備は神戸工場の物を活用するが、これまでガードレールを対象に塗装を行っていたが、フェンスを塗装するには改造が必要となっていた。また、川西工場の人員は基本的には神戸工場に吸収する方針。

ス テンレス化粧パイプを主力に製造するサス・パイプ(本社=大阪府堺市草部724―1、渡部隆夫社長)は、新体制での操業開始から4年を経過したが、このほど月間生産量が当初倍増の130トンに達した。また、物干し台などのランドリー用品も新潟営業所(新潟県燕市水道町)、第2工場(堺市草部)の販売拠点拡充で、順調に業績を伸ばしている。

 同社はステンレス化粧パイプを中心に、薄肉ステンレスパイプやランドリー用品、パイプ加工品などを生産しており、年商は約7億円。主力の化粧パイプは標準で外径5―38ミリ(肉厚0・3―2・0ミリ)の計25サイズ、薄肉ステンレスパイプは外径9―120ミリの計46サイズをそれぞれ生産。加工品はバブ、バレル、電解などの各種研磨や、曲げ、絞り、拡管、フレア加工、コイル巻き加工、給排水管など幅広く対応している。

 また、ランドリー用品は、ステンレス製の伸縮竿や物干し台など7―8アイテムをそろえ、ユーザーの短納期要求にこたえている。

 昨年5月には新潟営業所(敷地面積=約600平方メートル)を開設して、ステンレスパイプの販売拠点を拡充。さらに、今年1月にも第2工場(敷地面積=約600平方メートル)を新たに開設し、積極的な営業活動を展開している。

 【大阪】サス・パイプは昨秋から、超硬質のステンレスを鏡として利用した「ステンレスカードミラー」「鏡付あぶらとり紙」を本格販売しているが、販売促進ノベルティー商品として大手企業向けに受注を増やすなど、好調な売れ行きとなっている。

 同商品群は、日新製鋼の高強度ステンレス「NSS431DP2」を、カードミラーやあぶらとり紙入れの鏡に利用し、企業の販促ノベルティー商品として売り出しているもの。これまでにCAPCOMや住友生命など大手企業向けに受注し、月間2万―3万枚のペースで売れている。

 また、今年3月に開催された西日本最大級の消費財見本市「第23回大阪インターナショナル春2000」では、鏡付あぶらとり紙がギフトショーの大賞を受賞。とりわけ女性に喜ばれる販促品としての評価を得た。

 こうした評価を受け、同社では今期の販売目標を月間4万―5万枚とし、拡販していきたい考え。

東 京地区のH形鋼は200×100で3万1500―3万2000円と強含み。流通は3万2000円下限に唱えを引き上げており、メーカーの引き受け削減などで先行き在庫は大きく減るとして供給側は強気の一方、単価、量とも低迷する需要側はまだ様子見の姿勢が残っている。

 東鉄連の集計で5月は出庫4%減、在庫1%減。荷動きは不振のままで在庫に不足感はない。ただ、メーカーは2カ月にわたる30%の減産と近く値上げする方針を打ち出しており、これを受けた商社は需給の引き締まりは確実と見て強気の値上げ攻勢を続けている。

 しかし、需要面では倉出対象となる中小物件が乏しく、対面する特約店段階では停滞感を引きずっている。この温度差は実際に減産効果が出る今月後半以降、解消に向かうとみられるが、当面は綱引き状態で市況はジリ高で推移しそうだ。