2000.10.17
三 菱商事は16日、ステンレス専業大手の日本金属工業の株式買い増しを行ったと発表した。ステンレス分野での原料から製品まで一貫して取り扱うステンレスメーカーと、コイルセンターをはじめとする流通との関係強化を狙い、両社の資本提携を強める。

 今回の株式取得は約640万株(約5億円)で、三菱商事の日金工の持ち株比率はこれまでの2・52%(第8位)から約6・4%と、筆頭株主(日金工の現在発行済み株式1億6322万8000株に対し、三菱は1053万9000株を保有する)となった。逆に、日金工サイドでは原料などの取引で三菱商事がトップのウエートを占め、さらに関係が強化される。

森 喜朗首相と中国・朱鎔基首相との首脳会談がこのほど行われ、対中投資環境の整備に関する協議の中で、中国政府による鉄鋼輸入規制問題についても話し合われた。森首相側から鋼材の輸入許可証(IL)発給について迅速かつ的確な対応を求めた。これに対して朱首相は「積極的に対応したい」と答え、状況改善に向け取り組む考えが示された。

 首脳会談での鋼材輸入規制に関する話し合いは、対中投資環境整備の論議の中で、国際投資信託公司の債務返済問題などとともに、議題として上った。

 これまでにも中国の鋼材輸入規制問題については、故小渕恵三首相と朱首相との会談の中でも取り上げられ、中国側からは「中国で生産されない鋼材、不足している鋼材については輸入を認める」とする見解が提示された。この後、日本政府からの再三にわたる改善要請を経て、部分的にはILの発給が実施されるようになった。

 しかし、依然として発給が遅滞したり、日本側が要望した要求枠通り発給されず、量的に不十分なことなど、事態は抜本的に打開されていない。このため今回の森・朱首脳会談でも、対中投資環境の整備の一議題として話し合いが持たれた。

日 本鋼管ライトスチール(岸清司社長)は16日、同社開発の新型砂防ダム「I型スリットダム」について、砂防・地すべり技術センターでの技術評価制度に基づいて設置された鋼製砂防構造物委員会から技術評価を受けたことで、今秋から営業販売を開始したと発表した。砂や礫を通す透過型の鋼製ダムで、トラス構造による軽量化と独自の施工システムによる工事の簡略化が特徴。すでに数件の引き合いを得ているが、11月1日から土木営業部の中に専門の販売チームを組織し、積極的に全国展開を図る。

 砂防ダムは、河川での土砂災害を防ぐ工法で、建設省が96年に「原則透過型スリットダムとし、不透過型は不可」との方針を出したことで、鋼製スリットダムのマーケットが広がり始めている。

 LSでは97年から開発に取り組み、防衛大学での実験や建設省などの協力を得て、今年9月25日に新型砂防構造物開発技術評価制度に基づく同委員会での評価を取得、秋から市場投入を進めた。主に土石流対策に用いられるが、従来の不透過型のダムと違い、環境面に配慮して海岸線の維持や魚道を確保する。

 経済性を考え、トラス構造を採用し部品点数を抑え、軽量化を進めた。鋼管部材の径・板厚を選択することで、多様な水通し形状に対応が可能。ダムの高さを選ばず、国内のほとんどの土石流区域で適用できる。

 施工は、複数のフレーム材を1点で結合する結合エレメントを採用し施工性を高めた。現場では継手となる箱型のエレメントにパイプを差し込み、コンクリートを流し込んで固め、パイプ同士を結合する。また、鋼管(SN490)の凹み変形で衝撃を吸収する緩衝桁を採用し、高い安全性を確保している。

 LSは河川関連ではすでに鋼製組枠、スーパーウオールダム、デルタ型スリットダムを販売しているが、I型の拡充で河川の川上から川下まで品ぞろえを図った。一連の商品を防災土木商品として販売チーム(約20人)を再編成する方針で官庁営業、設計、見積もり、施工管理の能力を備えたエキスパートを養成し、拡販に注力する。

電 炉形鋼メーカーの東京鋼鉄(本社=東京都千代田区、岡本俊一社長)は、10―12月期の山形鋼の生産を、4―6月期の実績と比べて約15%絞り込む。10月契約分での2000円の値上げが浸透しており、さらに需給調整に拍車をかけ、年内に2000円程度の追加値上げを検討する。

 7―9月期には4―6月期と比べて20%を超える減産を実行。これにより、同社の在庫水準は過去5年間で最低の0・7―0・8カ月のレベルまで減少。フリー在庫はなくなり、現状ではロール対応のみに移行。需給もかなりタイト化した。10―12月期も大幅減産を続けることで、完全にタイトなマーケット環境を構築する。

 10月契約は20日で締め切るスタイルを続け、需給調整に拍車をかける。この段階で10月分の値上げが浸透すると判断、さらなる価格是正に取り組む。依然として収益面では苦戦していることから、値上げを行うことによる収益の改善を狙う。



神 鋼鋼板加工(本社=千葉県市川市、宮征夫社長)は中期経営計画の一環として、厚板工場で設備の新規導入とリフレッシュを実施、生産効率の向上に取り組む。新規設備として2基目のレーザー切断機を導入するとともに、老朽化した溶断機(フレームプレーナー)のNC(数値制御)機への更新・リフレッシュ工事を行う。いずれも来年から本格稼働に入り、戦力化する見通しだ。

 同社は今年度を起点とする3カ年の中期経営計画を策定。その一環として溶断部門の生産性を向上させるため、レーザー切断機の導入と溶断機のリプレースを行うもの。中期計画では合理化のための設備投資、経費削減、遊休資産の活用などを柱に最終年度となる2002年3月期でROA(総資産利益率)5%の達成を目標としている。

 増設するレーザー切断機は、出力4kwの「LASERTEX―4540」(小池酸素工業製)。有効切断範囲は幅4500ミリ×長さ4万4000ミリ(レールスパン5500ミリ)、切断板厚は3・2―22ミリ。現在は外注化している小物切板の加工を自社に集約し、レーザー切断に切り替えることで、総合的な生産効率の改善を狙う。

 同社は1基目のレーザー切断機(6kw)を95年に導入、橋梁部材を中心に月間平均200―300トンの生産実績があり、小物や形物の厚板切断加工に対応している。今回の増設によりレーザー2基体制が整うことになる。

 並行してリプレースするのが、稼働から30年以上が経過したガス溶断機(フレームプレーナー)。これをNC溶断機にリプレース、作業効率や操作精度を引き上げる。有効切断範囲は幅6500ミリ×長さ3万8000ミリ(レールスパン7500ミリ)。更新が完了すれば主なガス溶断機はすべてNC化され、増加傾向にある異形材や罫書き材の加工に弾力性を持たせることができる。フレームプレーナーは廃却する。

 すでに一部基礎部分など工事を進めており、両設備とも来春には本格稼働に入る見通し。

関 東地区の大型再開発物件向けの小棒発注の第2弾が本格化。メーカー、流通、ゼネコン(大手建設会社)の攻防が激化している。ゼネコンはベース2万6000円での成約を狙っているが、メーカーは2万7000円を一歩も譲らない構え。

 両者の主張は変わらないため、1000円のカイ離が埋まらない。商社筋では「ゼロ口銭」を回避するため、メーカーとゼネコンの綱引きを静観している。

 春先にゼネコンから発注された第1弾の約5万トンは、ゼネコンが「一本釣り」気味にメーカーを絞り込んだことで、2万5000円どころで決まった。今回の第2弾の数量は7万―10万トンと多い。これが、メーカーの唱える2万7000円以下で成約されると、冬場の不需要期に向けて小棒価格に与える影響が多大と判断。2万7000円を死守するとともに、一本釣りにも応じない構えだ。

 これに対して、ゼネコンが提示している購入価格は2万6000円。建築物全体の受注価格から考慮すると、建築資材の一部である小棒の価格は2万6000円が妥当とみているもようだ。仮に2万7000円で成約できても、メーカーの販売価格も同値であれば、商社の口銭はなくなるため、商社は動きがとれない。こうした思惑が絡み合って、大型再開発物件向けの小棒は成約できていないのが現状だ。

 関東地区の小棒価格は、細物のサイズエキストラが適正に確保できていない状態が続いているものの、大型物件を扱う大手ゼネコン向けには、エキストラが確保できている。このため、細物小棒メーカーはベースで2万7000円が達成できることによって、13ミリで2万8000円、10ミリでは待望の3万円が実現する。

 ベースで2万7000円、10ミリで3万を達成するために、ベースメーカーメーカーは10月生産を9月並みに抑制、細物メーカーは10―12月期生産を前年同期と比べて約10%削減。大幅な需給調整を続けている。



中 国が取り残された内陸部をテコ入れする「西部大開発」プロジェクトで柱となる「西気東輸」計画のうち、タリム・上海間のパイプライン事業に大径鋼管175万トンの使用が見積もられ、来年3月にも本格的な買い付け交渉が始まる予定。日本の高炉4社は海外発注分は30万トン程度とみて、地の利を生かし全量受注を目指す。

 タリム・上海計画は、採掘から最終利用まで投資額145億ドル、うち4167キロメートルのパイプライン建設費50億ドルを見積もり、西部タリム盆地に産出する年120億立方メートルの天然ガスを鄭州、南京から上海など長江三角洲地帯に供給する―というもの。2001年中に着工、04年完成を掲げている。

 このプロジェクトは、外資参入の規制が全面撤廃され具体性が高まった。

 使われる輸送用パイプは口径44インチ、1117ミリという超大径サイズで、スパイラル鋼管ではないストレートシームの仕様。従ってUOEパイプか、ベンディングロールのパイプとなるが、日本4社はUOEで応札する。

 関係者によると、使用量175万トンのうち、70―80%は国内ミルに優先発注がされそうだ。開発事業そのものが西部だけでなく、中部を含む国内企業の育成につながるからだ。この中には丸紅が中国石油天然気総公司と合弁で設立し、来年10月に稼働を始める河北省のベンディングロール工場「巨龍鋼管有限公司」が含まれ重要なソースとなろう。

 海外調達分には欧州ミルも受注を狙っている。だが、海岸地帯が主な対象となるため、輸送コストをみると地理的に断然日本有利といえよう。


大阪地区のH形鋼市況上昇ムード続く
大 阪地区のH形鋼はベース3万4000円どころで強含み。

 地区の大手流通筋は今週から、唱えを現行比1000円アップの置き場3万5000円、持ち込み3万7000円に引き上げている。新日本製鉄などメーカー各社は9月に続き11月でも追加値上げを実施する方向であるため、流通筋では今後、「4万円に近い市況形成が必要」との見方で一致している。

 また、需給環境もメーカーの今春以降の引き受けカットなどの影響で、比較的タイトな状況が続いている。ときわ会在庫こそ微減傾向にとどまっているものの、実際のマーケットではところどころに歯抜けサイズが散見され、「1社ではそろいにくい環境」となっている。荷動き自体は8―9月並みの堅調推移で秋需の迫力は見られないが、当面、供給側の値上げにより強含み推移か。