2000.11.09
関 東地区の小棒メーカーが、小棒販価値上げに向けた抜本策を打ち出した。ベース小棒メーカーは、販価2万7000円に引き上げるため10月から始めた「枠売り」の見直しに続き、販売権限を各社の部長以上に限定。細物メーカーは8日から1週間にわたって売り止めして、13ミリで2万8000円、10ミリで3万円を固め、フルエキストラを確保する。これを受けて小棒扱い流通筋では、8日からベース2万8000円、13ミリで2万9000円、10ミリで3万1000円に売り腰を強めた。これにより、関東地区の小棒市場は一変してきそうなムードだ。

 関東地区は大型の再開発物件の台頭や堅調なマンション工事に支えられ、月間30万トン前後の需要があり、全国でも最も活況を呈している。小棒メーカー各社も大幅な減産を継続しており、需給はほぼミートしているのが現状。

 しかし、小棒販価は全国で最も安いレベルで低迷している。メーカーはベース2万7000円を唱えているものの、実態は2万6000円前後で推移しており、2万7000円はほとんど通っていない。細物小棒は13ミリがベースと同値、10ミリで2000円アップとなっており、13ミリでベース比1000円アップ、10ミリでは同比3000円アップという適正なエキストラが確保できていない。

 こうした状況から、小棒メーカー各社は依然として収益面で苦戦を強いられている。このため、現在の価格水準に危機感を募らせ、抜本的な改善策を打ち出し、現状を打破する。

 具体的には、これまで各社の担当者が販売していた権限を部長以上に限定する。担当者が販売する場合は、互恵関係や取引関係により2万7000円以下で販売するケースもあったため、これを部長以上に限定することで2万7000円以下を全廃する。すでに10月からは枠売りを1カ月締め切りにしたことに加え、販売権限の限定で販価引き上げに取り組む。この意向を受けて、商社筋ではショート(思惑による先売り)分を枠売り分に投入し始めた。

 細物メーカーは8日から1週間の売り止めに入った。「13ミリで2万8000円、10ミリで3万円に手が届くまで、小棒の販売は再開しない」(細物メーカー首脳)という決意。これにより、懸案だった関東地区の細物小棒のエキストラ問題は解決に向かい、全国の小棒マーケットに大きな影響を及ぼすものとみられる。

N KKの京浜製鉄所(所長=内田繁孝常務)は、事務機器メーカーなどで発生する廃トナーを製鉄原料として再資源化するシステムを開発し、10月から本格的な処理事業をスタートした。投資金額は、約5000万円で、高炉原料を焼き固める焼結機を活用する日量20トンの処理プロセスを実用化した。すでに富士ゼロックスやリコーなど関東地区の大手事務機器メーカーの処理委託を受けており、現在、年間1000トンペースの廃トナーを処理している。2001年度中には2000トン程度の処理量となる見通しで、将来的は、全国展開することで年間5000トンの廃トナーの受け入れ処理を目指していく方針。

 同システムは、高炉原料を製造する焼結工場内に設置した集塵機、ホッパー、ブロワ―、ミキサーで構成されるプロセス。粉状の鉄鉱石を直径3ミリメートルに混合造粒する焼結工程で、廃トナーを添加し焼き固めるというもの。廃トナー分布適正化に向けた均一造粒や防塵、防爆など添加方法に工夫を凝らし、完全クローズドシステムとして環境・安全対策を徹底させている。

 このシステムでは、廃トナー中の鉄分は製鉄原料に、樹脂分は、鉄鉱石の還元剤として鉄鉱石の粉どうしを結びつける低融点スラグの生成の役割を果たす。同製鉄所では、年間1万7000トンの焼結鉱を造粒焼結するが、そのうち0・1%を廃トナーで代替していく。

 コスト面では、埋め立て処理に比べ、若干のコストアップになるが、ゼロエミッション化の流れの中で、安全で適正な処理ができる点が評価されている。また、NKKにとっては、設備稼働時に社員2人がハンドリングするが、人件費を含めた「トータルコストで若干のプラスになる」という。

 廃トナーは、メーカーで樹脂製の袋に詰めて持ち込まれ、トナーは、粉塵対策を施したホッパーで焼結炉で造粒処理、廃プラスチックのカートリッジとともに高炉へ吹き込むことになる。

 トナーはコピー機やプリンターで使う粉末インクで、一般的に黒色は鉄分を多く含み、カラー用は樹脂が主体となっている。粉は直径数ミクロンの超微粉で、従来は、トン当たり2万円程度で埋め立て処理されている。

 同社では、2000年2月末に川崎市の処理事業認可取得後、3月に試運転に入り、4月から商用運転に入った。10月にから年間100トンペースのフル稼働になっている。将来的には、ニーズがあれば、福山製鉄所での設備設置の検討も視野に入れるという。

日 新製鋼は8日、新めっき鋼板ZAM(亜鉛6%、アルミニウム3%、マグネシウムめっき鋼板)が建設大臣認定機関である(財)日本建築センターから「建築施工技術・技術審査証明書」を取得したと発表した。

 今回の取得により、ZAMは、後めっきの6分の1程度の付着量で同等以上の耐食性を有することから、後めっきの代替が可能になり、また従来の溶融亜鉛めっき鋼板では、対応できなかった分野にも使用できることが証明された。

 審査証明された内容は、(1)ZAMは0・4ミリ以上6ミリ以下の範囲で、後めっきによる防食性能と同等以上の性能を持つプレめっきとして製造可能である(2)ZAMはめっき層の物理特性として曲げ変形に強く、かつめっき層の耐傷付き性が溶融亜鉛めっき(JIS H8641後めっき)以上(3)ZAMはめっきの付着量平方メートル当たり95キロ(片面)以上でJIS H8641で定められている溶融亜鉛めっき処理で防食した鋼材と同等以上の耐食性を有する。

 なお、ZAMは積水化学工業の鉄骨系プレハブ住宅の構造材としてすでに採用されているほか、交通騒音対策用遮音壁の部材などの道路用資材や農業用資材向けにも販売している。



伊 藤忠商事とインターネット・キャピタル・グループ・ジャパン(ICG Japan)は8日、電子商取引におけるB2Bの基幹サービス事業の新会社「B2Bプラットホーム株式会社」の設立について、両社で基本合意に達したと発表した。新会社立ち上げ時の出資比率は各50%。今後は資本金などの詳細を決め、今年12月末までの設立を目指す。新会社の役員は会長を伊藤忠から、社長をICG Japanから派遣する予定。立ち上げ後は同分野において、他企業との提携の他に両社のグループ企業の統合も検討する。

 新会社は決済、与信、認証、物流など電子商取引に必要な各種基幹サービスを、複数の業界に横断的に提供することを目的とする。このサービス提供のパートナー会社には、今年9月に伊藤忠がJCBや帝国データバンクなどと設立したB2Bの決済・与信管理会社「eGuarantee(イー・ギャランティ)」の参加が見込まれている。

 新会社では基幹サービス事業のプラットホームを、ICGが三菱商事、三井物産、三和キャピタルと出資する食品・食材分野のマーケットプレース「フーズ・インフォマート」に利用してもらう予定のほか、今年7月に伊藤忠と丸紅、住友商事が設立した鉄鋼製品の電子商取引サイト運営会社「日本メタルサイト」などにも、採用を促したい考え。

 B2Bプラットホームでは各種サービス提供のほか、同分野のベンチャー企業への出資や育成を図るとともに、海外の該当ビジネス企業の日本進出に積極的に関与するなど、他企業との連携を進める方針だ。

タ キロン(本社=大阪市中央区、西谷重三社長)は、硬質塩化ビニル樹脂製波板と下水排水用硬質塩化ビニル樹脂製小口ます「パイプインバート」およびマンホール、関連部品の値上げを表明した。今回の値上げは原料である塩化ビニル樹脂の値上げを受けてのもので、昨年12月以来ほぼ1年ぶりのこと。値上げ幅はいずれも現行価格の約10%、今月1日出荷分からを対象とする。

 塩化ビニル製品の原料である塩化ビニル樹脂は、今春に値上げが打ち出され、加工メーカー段階ではこの10月から新価格を受け入れているが、同社では「その値上げ幅が企業努力による吸収の限界を超えている」と判断、製品販価へ転嫁することで、採算是正を図るもの。また、ポリカーボネート樹脂製平板ならびに波板についても、原料であるポリカーボネート樹脂の値上げを今夏に受け入れたことで、同様に製品販価へ転嫁することで、採算回復を図る。

 また、産業用硬質塩化ビニル樹脂板「タキロンプレート」、産業用ポリカーボネート樹脂板「タキロンポリカーボネートプレート」についても、引き続き値上げを実施する。

鋼 製防護柵協会(会長=岡田明久・日鉄建材工業社長)はこのほど、建設省土木研究所(つくば市)で防護柵分岐端緩衝施設の高速衝突実験を行い、時速100キロメートルの高速衝突に対応する施設を完成させた。これによって今後、高速道路の分岐部における交通事故の軽減が期待される。

 鋼製防護柵協会の構成メーカー各社は、すでに時速80キロメートル対応の施設を製造・販売しており、全国各地で数十件の設置実績がある。ただ昨年、日本道路公団から各メーカーに対して、時速100キロメートル対応施設の構造提案要請があり、同協会では、日本道路公団と共同開発した技術をベースに、これまで研究してきた独自の技術を加えるなど、他製品と比べて安価で高性能な構造の開発を推進し、約1年間で完成させている。

 施設の標準サイズは、高さ0・75メートル、緩衝部の長さ5・5メートル、先端幅0・8メートル、既設防護柵への接続幅1・75メートル。適度な剛性と高いエネルギー吸収性能を有効に活用することで、乗用車の激しい衝突をソフトに受け止め、乗員の安全を確保。また、シンプルで違和感のないデザインで、施工性やコスト面でも優れている。

 メーカーは日鉄建材工業、日本鋼管ライトスチール、川鉄建材、住友金属建材、神鋼建材工業、東京製綱の6社で、11月中にも製造・販売を開始する。日本道路公団では「高速道路の分岐部における交通事故を軽減し、乗員の安全性を向上するための施設として、今後の利用が大いに期待できる」と評価している。

東 京地区の熱延薄板(1・6ミリ、ベースサイズ)はメーカー、流通在庫が引き続き高い水準にあり、強気材料が見当たらないものの市況は横ばいで推移。市中価格は4万3000―4万4000円どころ中心。

 国内在庫のうち熱延薄板のコイルセンター分は7―9月にかけて漸増した。メーカーの供給が多いのが要因とみられる。小売業者では「一時的に増えた在庫も適正に近い水準まできている」との見方もあるが、少なくとも数字上は在庫過剰感が残り、強気に転じる雰囲気は出ていない。

 ただ、定尺市況としては下げ止まりの後現状維持。東京地区では、コイルセンターの好調な稼働が伝えられる。浦安鉄鋼団地内でも納期の集中などから残業対応が出ており、一部外注化の傾向が東京周辺のコイルセンター稼働アップという形で表れているようだ。

 目先も横ばいか。