2001.01.10
神 戸製鋼所とUSスチールは9日、自動車用鋼板技術の全面提携を目的とした共同研究開発契約を締結したと発表した。従来の個別分野から戦略的な提携関係に発展させ、高張力鋼板(ハイテン)やハイドロフォームなどの自動車向けの先進加工技術などを共同開発し、高品質の鋼板を世界規模で供給できる体制を確立する。自動車メーカーの再編や国際調達に対応して、開発期間を短縮し、開発投資を効率化することで、需要家に対する技術・コスト両面で訴求力を強めるのが狙いだ。

 12月19日に調印した契約により製鋼、熱延、冷延工程、鋼板の高付加価値化技術を含む自動車用鋼板についての全面提携に発展させる。80`以上のハイテン、ハイドロフォーム、テーラードブランク、加工シミュレーションなど、自動車用鋼板についての幅広い技術の相互移転を進める。当面の共同研究開発テーマとして、次世代ハイテンなどの新商品開発、製造プロセス技術、加工・加工性評価技術が挙がっている。

 国内自動車メーカーのハイテン比率は現状20%程度だが、今後4―5年で50%まで高まるとみられている。米国自動車メーカーのハイテン採用率はこれより低いが、GMをはじめとして今後伸びが見込まれている。神鋼は自動車用鋼板のうち現状40%のハイテン比率を、今後70―80%まで伸ばしたい考えだ。

 神鋼は100`以上などの超ハイテンを含めて、得意とするハイテン技術を提供し、ハイドロフォームについてはUSスチールと米ビッグ3の共同研究に参画。テーラードブランクは両社の技術を相互移転する。シミュレーション技術は、衝突関係が得意な神鋼とプレス加工関係が得意なUSスチールの相互の技術を組み合わせる。

平 沼赳夫・経済産業大臣は、6日の経済産業省発足式で、「中長期的な経済成長シナリオの構築」「環境・エネルギー制約への挑戦」「経済・産業の発展を支えるイノベーションへの挑戦」の3つの挑戦を掲げ、果敢な挑戦を通じ、3%の経済成長目標の達成など21世紀初頭の新しい時代に即応していく考えを示した。また、同日の閣議後の会見では、鉄鋼通商摩擦問題にも触れ、エバンス次期商務長官が「鉄鋼輸入急増は国の安全保障にも影響する」と発表したことに対し「そういう声が非常に強くなっている」と指摘。そのうえで「日本からの輸出は米側措置もあり激減、その後は横ばっている」と説明。引き続き欧州連合(EU)、韓国など関係諸国と共同措置をとり、適切な対応を図る方針を明らかにした。

 経済相は、経済省のスタートに当たり、同省の役割を“日本の経済対策の中枢”とし、3つの挑戦を挙げた。

 一方、鉄鋼通商問題に関しては、米側が鉄鋼輸入急増への懸念を強めていることについて、「日本からの輸出は横ばいに対し、ロシア、中国、ウクライナからは輸出が増加しており、米側から厳しい要求が出てくることも想定される」と述べた。EU、韓などとの共同措置をとり、米側の出方も見ながら適切な対応を図るとともに、アンチ・ダンピング(AD)相殺関税還元法(バード修正条項)など不当なものに対しては「力強く抗議する」と保護主義には厳格に対応する考えを語った。

鋼 材倶楽部と日本鉄鋼輸出組合の千速晃理事長(新日本製鉄社長)は9日、鋼材倶楽部など鉄鋼8団体の賀詞交歓会の後の記者会見で「昨年秋からアジアを中心に混乱に陥っている鉄鋼市況の混乱を早期に健全化したい。(その一環として)通産省(現、経済産業省)がまとめた『アジア鉄鋼市場と日本鉄鋼業研究会』の答申に従い、中国、韓国などとの共通認識を官民合同で持つべき場に臨みたい」と強調した。

財 務省がまとめた2000年度品目別特恵輸入実績(通関ベース、00年11月30日時点)によると、品目別シーリング枠消化状況は、「フェロマンガン」月別管理が270・6%、「鉄鋼の管」が25・2%となったものの、特恵停止品目は11月8日付の「鉄鋼、同製品」以来はない。今年度の停止措置品目は「その他のフェロアロイ」「鉄鋼の線、より線、ロープ等」「鉄鋼、同製品」の3品目にとどまっている。詳細は次の通り。

 ▽フェロマンガン=40・2%

 ▽フェロシリコン=270・6%

 ▽その他のフェロアロイ=623・4%(4月5日停止)

 ▽フェロクロム=38・6%

 ▽フェロニッケル(ニッケル含有量33%未満)=12・7%

 ▽フェロニッケル(その他のもの)=25・7%

 ▽熱延鋼板等=3・9%

 ▽厚中板等(鋼板)=7・9%

 ▽冷延鋼板等=0・7%

 ▽亜鉛メッキ鋼板=0%

 ▽鉄鋼の棒等=5・1%

 ▽鉄鋼の線、より線、ロープ等=101・2%(8月24日停止)

 ▽鉄鋼の管(鋳鉄管を除く)=25・2%

 ▽鉄鋼、同製品=102・6%(11月8日停止)

特 殊鋼問屋のクマガイ特殊鋼(本社=名古屋市緑区大高町上塩田68、熊谷多津旺社長)はこのほど、本社工場にレーザー切断機1基、開先用の溶断機(水素ガス仕様)1基を増設、また来月にはNCガス溶断機1基を導入する。溶断部門の能力増強と加工作業の効率化を図ることが狙いで、一連の投資額は約1億円。

 同社は特殊鋼の鋼板、棒鋼の販売および加工を手掛ける特殊鋼問屋。本社工場にはレーザー切断機、溶断機、シャーリングマシン、バンドソーなどを保有、現在、溶断部門ではSC鋼(機械構造用炭素鋼)、高張力鋼の鋼板を中心に月間約500トンペースで加工を行っている。しかし、ますます強まるユーザーの短納期要求に対応するためには、加工能力を増強することが必要だと判断、今回、一連の設備投資を決めた。

ス テンレス協会、東京ステンレス流通協会合同による2001年新年賀詞交歓会が9日、東京・千代田区の赤坂プリンスホテルで開催された。冒頭、ステンレス協会賞の授与式も行われ、盛況だった。

 ステンレス協会の加藤幹雄会長(住友金属工業副社長)は「IT革命に伴うステンレス需要の創出や今年春以降の輸出回復を見込んだ適正、適切な製造販売の実施、環境対策としてのステンレス梱包資材の合理化を進めたい。中でも環境対策として梱包資材は梱包用紙でメーカー段階で年間3万トンに達している。ほとんどが焼却されており、リサイクルされていない。これらを流通協会と共同で検討を進めるつもりだ」と21世紀に向けた新たな取り組みを述べた。

 また、東京ステンレス流通協会の小田保中理事長(UEX社長)は「100年前に官営八幡製鉄所が誕生したあと、19世紀の終わりに18―8ステンレスが開発され、31年に八幡で試作に成功した。53年に熱延ベースで1万トンに達した生産量も昨年は303万トンと300万トンに達した。ステンレスはこれから伸びるだろう。ステンレスとITの時代が21世紀となる」と新年の抱負を語った。

大 阪地区の 平鋼はベース4万1000円どころで強もちあいのスタート。新年の商いは今週から本格化するが、現在のところ年始のあいさつ回りもあって、荷動きは総じて閑散となっている。

 大手流通筋は昨年来のメーカー値上げを受けた市況転嫁に注力するため、年明けも売り腰を引き締める模様。流通筋の唱えは置き場4万円の完全実施、持ち込み4万2000円となっており、売り腰引き締めが市況維持につながっている。また、僚品のH形鋼が需要減退下で価格維持していることも平鋼の下支え要因となっている。

 一方、流通在庫は昨年末以降、増加傾向となっている。大阪鉄鋼流通協会によると、11月末の在庫は前月比11・6%増の1万9999トンと2カ月ぶりに増加に転じており、今後、メーカーがどこまで減産できるかが焦点となりそう。