2001.01.12
三 井物産、住友商事、丸紅、川鉄商事、日商岩井の韓国・現代鋼管向け窓口5商社は、同社からかねて要求のあったLCからDA決済への、一部支払い条件の変更を受け入れる方針を固めた。川崎製鉄との株式10%強取得を柱とする包括提携締結が、各商社の決断を促した格好だ。

 現代鋼管による決済条件変更の要求は、資金繰り改善のためもたらされた。

 LC決済は実質現金、DAは手形決済であり、現金の支払いまで120日あるいは150日という猶予期間が生ずる。つまりDA決済分が多くなれば、それだけ現代鋼管の資金繰りが楽になる。

 輸出代金の決済は、制度金融を使った商談など例外を除いて、銀行保証が付き、直ちに現金化できるLC決済で支払われる。ところが鋼材需要家とは手形取引が一般的で、鉄鋼メーカーや商社は余分の資金を確保しなければならない。

 韓国経済が急降下し混乱するなかで、年間100万トンを超える規模のホットコイルを輸入する必要のある現代鋼管にとって、代金の決済方法は最重要テーマとなっていた。

 ただ、日本の5商社がDA決済を認めたとはいえ、LCが大半を占めるはずだ。川鉄・川鉄商事を例にとると、昨年の現代鋼管向け年間37万トンが出資によって今01年では50万トンとなる見通しで、これが全量DAとなれば、トン平均250ドル、150日手形として、合計1億2500万ドル、150億円規模の資金が、日本から見ると5カ月間も眠ることになる。

 一方、現代鋼管は可能な限りDAの枠を広げたいのは自然な考えであろう。

 5商社は、なし崩しの拡大、さらには今のところ要求の来ていないほかの韓国需要家への波及を警戒しながら、最低限のDAを受け入れる。

 その背景には川鉄が出資を決め、現代鋼管の信用力が高まったことがある。

川 崎製鉄は11日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)および京都大学との共同研究で線材を集束して伸線する工程を繰り返す「繰り返し集束伸線」を鋼線材に適用し、実験室レベルにおける線材の試作に世界で初めて成功したと発表した。

 この技術を活用することにより、フラクタル構造やナノ構造などのマクロおよびミクロ組織構造の制御が可能となり、種々の革新的な機能を有する線材の創製が可能となることを明らかにした。

 線材は、自動車用タイヤコードや橋梁ワイヤなど、構造部材あるいは機能部材として使用され、製品や構造物の軽量化および高機能化のため、線材の高強度化、耐食性・電磁気特性の向上に対するニーズが高まっている。

 こうしたニーズの実現には、従来の素材開発や加工技術の改良のみでは限界があり、新しい伸線加工技術が望まれていた。

 川鉄が試作に成功した繰り返し集束伸線技術は、低炭素鋼線(線径0・5―1・0_メートル)を、被覆材(低炭素鋼管)の中に30―100本ずつ集束したものを、室温で回転鋳造加工、穴ダイス引き抜き加工により線径約1_メートルまで伸線。さらに得られた線材を素線としてこの工程を繰り返すもの。

 このプロセスにおいて、伸線手法および条件の適正化、また適切な中間焼鈍の適用により、この工程を4回繰り返した線材の創製に成功した。

 この技術は、従来の鋼線材の製造手法や製品とは全く異なるもので、画期的な特徴を持つ組織、材質、種々の新機能の発現が期待できる。

 これによる4回繰り返し集束伸線材の特性は@繰り返し集束伸線材の断面組織は、フラクタル構造に近い形態を有しており、1回目および2回目の集束体の配列がほぼそのまま維持されている。

 したがって、この技術を用いれば、線材/被覆材の組成および集束配列の組み合わせにより、任意のマクロ組織構造の制御およびそれによる種々の機能発現が期待できるA線材のミクロ組織には、初期の素線同士の界面は全く認められない。したがってこの技術は、素線同士の機械的な金属結合の達成に有効。また、異種金属を素線に組み合わせることにより、ミクロ的合金化が達成できる。さらに、従来の溶製法では得ることのできない金属組織および化学組成を有する線材の創製も期待できるB線材断面の組織サイズは繰り返しに伴い微細化され、4回繰り返し集束伸線、焼鈍後で、平均粒径98nメートル(ナノメートル)の超微細組織を達成した。その結果、引張強さは、1040Mpaとなり、素線の強度の約3倍まで上昇した。したがって、この技術は線材の組織の超微細化および高強度化などに有効であり、ナノテクノロジーへの展開が期待される。

 同社では今後、実験室レベルでの研究を進めるとともに、実用化に向けた技術開発を行っていく予定。

川 崎製鉄は11日、仏ユジノール社との「自動車用鋼板に関する提携」について昨年来交渉を進めてきたが、これを中止すると発表した。交渉の過程でユジノール社が強く希望した@北米での両社の合弁事業(CGLプロジェクト)の設立・共同運営A南米での合弁事業 (冷延・CGLプロジェクト)への共同参画の2点について、合意に至らなかったのが中止に至った理由。

 川鉄では、従来培われてきたユジノール社との友好・協力関係は、今後とも保持する方針。
2 000暦年の磨棒鋼全国生産は、前年比9・5%増の122万dとの見込みで、3年ぶりに前年比を上回ることになりそうだ。関東磨棒鋼工業協同組合理事長の鈴木幸一・葛飾精鋼社長がこのほど明らかにしたもので、さらに01年については、「8%程度の増加となるのでは」との見解を表した。

 需要先の約65%を占める自動車生産の好調さがけん引役となり、111万5300dと落ち込んだ99暦年の低水準から回復に向かった。しかし、鈴木理事長は「自動車の輸出台数が現水準を保つ保証はなく、120万dレベルがピークとみるべきだ」とし、需要の変改に対する磨棒鋼メーカー各社の対応策の必要性を示唆した。

 磨棒鋼・冷炭鋼線の全国生産は、90年のピーク160万dを境に、バブル崩壊以降減少傾向をたどった。96年132万d、97年は消費税率改定時の駆け込み需要で138万6000dと持ち直したが、98年は自動車販売の不振で114万6500d、99年は111万d台とピーク時の30%減となっていた。

 00年は、国内自動車生産が米国、アジア向けの堅調な輸出や国内の新車販売増に支えられ、1000万台を超え、3年ぶりに前年比上回った。国内販売台数も600万台にわずかに届かなかったものの、4年ぶりの前年比増と活況だった。また、IT(情報技術)関連のおう盛な需要から、精密シャフトや異型磨棒鋼も前年比1割前後の伸びをみせた。

 さらに大阪地区を中心とする磨棒鋼製品輸出が、香港、韓国、米国、マレーシアの順で出荷量を増やし、前年比17%増の4万9000dと堅調に推移した。

 関東地区については、1―6月が前年同期比9・5%増の18万5000d、7―12月も同6・1%増の18万5000d弱で通年では前年比7・7%増の37万6000dと増加した。

 今年は、国内自動車生産が前年比を若干上回る見通しだが、米国、アジアの景気減速傾向から輸出面は楽観できない情勢。IT関連は上期は現行水準を維持する予想。下期は不透明だが、総じて需要量は00年に若干プラスする予測。
関 東地区の大手ファブリケーター、那須ストラクチャー工業(本社=東京都中央区、金子升一社長)はこのほど、千葉工場(古藤凱生・常務取締役工場長)の第5工場建屋に丸柱CFT起立装置「那須ストラクチャーツインタワー(NST2)」を設置し、今月下旬にも丸柱CFT製作に本格参入する。また、これまで一部外注していた一次加工に関しては、本年中にも千葉工場敷地内に専用ラインを新設する予定で、全量を自社加工に切り替えていく方針だ。

 丸柱CFTとして、鋼管柱にブラケット(柱と梁の接合部分)などを溶接する場合、柱を立てて行うと精度が安定し、溶接時間も短縮する。千葉工場(敷地面積約3万7600平方メートル)では、これまで第5工場内に仮製作所を設け、クレーンで鋼管柱を起立させていた。ただ、同社では、首都圏プロジェクトなどで高まっている丸柱CFT需要に対応するとともに、これまで以上に生産ラインの効率化を図り、ユーザーに高品質製品を提供するため、同工場の第5工場建屋南側を造成、約1200平方bを増築し、油圧で自動的に柱を起立させることができる「NS2」を導入した。

 「NS2」は、那須ストラクチャー工業と東工ワークが共同開発したもの。丸パイプ、コラムともに対応でき、柱サイズは、長さ15b・直径1b(コラムは1b角)・重量(1本当たり)20dまでで、ブラケット先端は3800_まで可能。能力は月間90本で、2本の柱を同時に製作できる。起立した状態で柱を回転させることができるので、作業者が移動することなく、安全かつ確実に溶接できる。費用は5000万円(基礎工事費含む)。また、本年中にも溶接ロボットを導入し、「NS2」と連動させて自動化を推進する計画だ。

 一方、千葉工場敷地内に一次加工専用ラインを新設する予定。切断や穴開け、開先などの一次加工は、これまで月間400―500dを外注していたが、全量を自社加工に切り替えて、二次加工を含めた一貫体制を整えていく。

 千葉工場は建築鉄骨がメーンで、現在、フル稼働の状態となっている。今回、「NS2」を導入したことで、丸柱CFTの製作能力が大幅にアップしたことから、鉄骨製作の月間目標を現行1320dから1450dに上方修正している。
米 バーグ・スチール・パイプなど米鋼管ミル3社は10日、日本、メキシコから輸入されている大径溶接ラインパイプ(直径16インチ超)が米国業界に被害を与えているとして商務省および米国際貿易委員会(ITC)に反ダンピング提訴した。今後、20日以内に商務省の調査開始決定、45日以内にITCの損害に関する仮決定が行われる予定。

 提訴企業は、バーグ社、スタップ・コープ、アメリカン・スチール・パイプの3社で、2000年第1―3・四半期の両国からの同製品輸入が前年同期比で50%増加していると訴えている。

 日本鉄鋼輸出組合によると、提訴状に記載されている日本の関連企業は、東鋼業、川崎製鉄、川鉄鋼管、クボタ、栗本鉄工、新日本製鉄、日本冶金工業、日新製鋼、NKK、住友金属工業。
米 商務省は10日、日本、スペイン、韓国から輸入されているステンレス・アングルの価格調査に関しクロの仮決定を下し、反ダンピング・マージン率を最大115%とする仮決定を下した。このケースは加スレーター・スチールおよび全米鉄鋼労組が2000年8月に提訴したもの。

 日本ミルに対する仮決定マージンは大同特殊鋼、愛知製鋼、住友金属工業の3社が114・51%、その他70・48%。

東 京地区の 異形棒鋼はベース2万7000―2万7500円と横ばい。需給のタイト感を背景に、メーカーは追加値上げする意向を示している。年明けの商いはまだ本格化しておらず、需要家側の値上げに対する抵抗は根強いが、当面メーカー主導の市況展開が続きそうだ。

 大型物件向けの納入などで、メーカーの出荷は好調。ロール予定が窮屈なため、即納明細に対応できず、鉄筋加工業者への配送に支障が出るケースも出ている。メーカーは近くベース2万9000円に追加値上げする意向で、需給の引き締まりを背景に強気の販売姿勢を維持しそうだ。

 需要家は積算価格を上回る市況展開に抵抗を示し、当用買いに終始。流通はメーカーの意向を反映した販売姿勢だが、上値はまだ重い。当面は実需が高い水準で推移するため、需給のタイト感は解消しないとみられている。