2001.01.22
普 通鋼電炉工業会(会長=佐々木喜朗・合同製鉄相談役)は、月内に小棒の商慣習改善を目的とした小委員会を設置する。委員会は、ショート(思惑による先売り)や枠売りなどの商慣習の問題点を把握する作業を6カ月以内に終える。その後、各地区で商慣習の抜本的な見直しに着手。内口銭制度の導入などを含む、メーカーと流通双方の利害が一致するシステムの構築を目指す。小委員会は東西の小棒メーカー首脳と、三井物産、三菱商事などの商社も参加した7―8人で構成。委員長は日野斌氏(合同製鉄取締役)。

 「現在ある小棒の商慣習は、長い歴史のなかで必然性と合理性に基づいて構築されたものだが、時代の流れとともに不具合になっているものもある。このため、普電工の正副会長会議に直結した組織として小委員会を設置し、問題点を認識したうえで、なにが必要なのか取捨選択する」(佐々木会長)。委員会の作業期間は6カ月以内だが、「可及的すみやかに作業を終え、その案をもとにして、各地区で商慣習改善の取り組みを実行する」(同)。具体的には、ショートと枠売りの見直しと、内口銭制度の導入が中心となる。

 現在のシステムは、商社などの流通がゼネコンなどのユーザーからプロジェクト物件向けの小棒を受注し、メーカーから仕入れる。ゼネコン向けの受注単価が上がらない環境では、メーカーが値上げすることにより、流通は利幅を確保できない。このため、流通はゼネコンに対して空売りした後で、メーカーに値下げを促し、メーカーが値下げした後で購入するという「ショート」により利幅を確保するという商慣習がある。

 「現在の仕組みでは、メーカーと流通の利害が反するため、メーカーが値上げすることで双方が利益を得る仕組みづくりを模索する」(同)と、内口銭制度の導入を示唆した。内口銭制度が定着すれば、メーカーが値上げするほど、流通の利幅が拡大するため、こうしたシステムの構築を目指す構え。

経 済産業省が集計作業中の2000年度第4・四半期(01年1―3月)の鉄鋼生産計画のヒアリングによると、今期の粗鋼生産量は前期(00年10―12月)実績の2737万6600トンを下回るものの、同省が昨年末策定した需要見通しの2530万トンは上回る感触だ。高炉6社ベースでは2650万トン前後に達する見通し。内需が自動車、造船、電気機械と増加するほか、建設分野も首都圏の再開発プロジェクトやマンション建設と増加、前期比横ばいもしくは微減の見通しとなる。輸出も東南アジア経済の減速により中国、アジア向けは減少するものの、石油関係のラインパイプの増加もあって、大きくは減少しない。このため、粗鋼生産全体では減少ながらも需要見通しの前期比204万トン減の大幅減には至らない公算だ。

 鉄鋼各社からのこれまでのヒアリングによると、輸出については、各社とも価格重視の対応から減産となるものの、大幅な減産計画は打ち立てられていないという。加えて、ひところの原油価格の上昇を映し、石油関係のラインパイプ輸出で増加が見込まれ、トータル量の減少を下げ止めする形となる。

 一方の内需についても、製造業向けでは普通乗用車を主体に好調な自動車や造船、電機がプラスと見込まれる。建設分野も、首都圏再開発プロジェクトがけん引、さらにマンション建設などから内装材など建材で引き合いが得られているという。公共土木に関しては減少するものの、全体的には大幅な落ち込みはなさそうだ。

新 日本製鉄の君津製鉄所は19日、第3高炉を吹き止め、改修工事をスタートした。投資金額は約200億円で、冷却盤方式からステーブクーラーへ全面的に切り替え、炉容積10%向上による生産効率アップと20年の長寿命化を狙っていく。同時に、鋳床機器などの遠隔自動化や装入物制御などによる操業安定化で、大幅な省力化とコストダウンを狙う。工期は120日程度を見込んでおり、5月19日に火入れの予定。6月までに日量9600d、8月には日量1万1560d程度の生産体制を整える。

 今回の第3高炉の改修は、14年9カ月稼働してきた炉を吹き止め、ステーブクーラーへの全面的切り替えにより、20年の長寿命化を狙うもの。ステーブクーラーも材質改良で従来より冷却能力を高め、シャフトと炉底などを含め冷却効率を強化する。これにより、従来の高炉の寿命である15年から20年へと長寿命化を図る。

 炉内容積拡大は、ステーブクーラー導入で10%程度向上し、71年の稼働当初4063立方bから4822立方bに拡大、設置スペースは変えずに炉容積を向上させ生産効率を向上させる。また、ステーブクーラーによるプロフィルの安定化や鉄鉱石やコークスなどの装入物の制御などで、炉内ガスの流れをスムーズにして安定操業に取り組む。

 コストダウンとしては、鋳床機器などの遠隔自動化などのオートメーション化を促進し、人員面を含め大幅な省力化が狙う。加えて、炉内圧力を活用して毎時1万5000`h程度行ってきた自家発電効率アップも図るという。

モ リ工業(本社=大阪府河内長野市、森宏明社長)は、ステンレス建材製品の在庫拠点の一つである東関東配送センター(茨城県筑波郡谷和原村)を増築し、在庫能力を拡大する。同地区における販売量の増加に対応するためで、同配送センターを関東地区におけるコア(核)センターとする。今年4月着工し、9月に完成の予定。

 同社はステンレス建材製品の店売り販売のための在庫拠点として、全国5カ所に配送センターを開設している。このうち、市場規模の大きい関東地区には、東関東配送センターと関東配送センター(埼玉県狭山市)の2カ所を設置している。

 東関東配送センターは現在、1万8000平方メートルの敷地に約450平方メートルのテント倉庫を含め2300平方メートルの倉庫面積があるが、販売量の増大に伴い在庫能力不足となっており、近隣にある180平方メートル(金物用含む)の賃借倉庫も利用している。

 東関東配送センターの増築は、第1期工事としてセンター敷地内に総工費3億5000万円をかけて5512平方メートルの倉庫を建設。完成後は分散している在庫を新倉庫に集約する。これにより、賃借倉庫とテント倉庫の賃借料およびリース料のコスト月額約180万円を削減できる。第2期工事としては3640平方メートルの倉庫増築を計画しているが、着工時期は未定。第1期での倉庫増築が完成すれば、在庫能力は現在の倍以上になる。

大 阪市は、新設のゴミ焼却場・舞洲ゴミ処理場の付帯破砕工場から発生するシュレッダーくず約1000トン(月間)と、アルミくず約60トンの払い下げ入札を4月からスタートさせる。市の登録指名業者10社程度を対象に実施する。付帯設備として、ゴミ燃焼熱を活用した発電施設(2万4000KW)もあり、ゴミ処理と金属くず資源回収、発電と3つの複合機能で、本格稼働する。

 大阪市のゴミ処理場は、環境対策と有価物回収という新しい視点で新設・更新されており、11番目の工場として舞洲工場が建設されている。此花区の埋め立て地に立地しており、4月から本格的にオープンする。

 工場は、敷地面積3・3ヘクタールと、大阪ドームとほぼ同じ規模。SRC造の工場棟(190メートル×75メートル×高さ43メートル)と高さ120メートルの煙突(内側が鋼鉄製)が建設。工場棟の中にストーカ式全連続燃焼指揮焼却炉(450トン×2基)と、金属くずを回収するための破砕施設が導入されている。破砕施設が導入されたのは、大正工場に次いで2番目。

 全体の建屋は竹中工務店・大成建設・銭高組の3社JV。ストーカ炉と破砕施設は日立造船。土地代を除く総工費は621億円。工事はすでに完成しており、ストーカ炉・破砕施設ともに昨年10月から試運転中。4月から本格的な操業を開始する。

関 東地区の有力ファブリケーター、叶産業(本社=千葉県山武郡芝山町、武田忠義社長)はこのほど、兼松の関連会社である日本貴金属が所有していた成田工場の南側隣接地(約1万1000平方b)を買収した。同社では、すでに材料および製品ヤードとして有効活用しているが、中・長期的には建屋を設置し、30dクラスの大型クレーンを取り付けるなど、近年増加している鉄骨工事の大型化に対応していく計画だ。

 同社は64年12月に会社を設立。全構協Hグレード認定工場として、鉄骨や建築工事をメーンに手がけている。本年度(2001年7月期決算)は、売上高が22億円(前年度比約10%増)、当期利益は売上高利益率5%確保をそれぞれ目標にしている。

 今回、買収したのは、兼松の関連会社である日本貴金属が所有していた敷地約1万1000平方bで、叶産業成田工場の南側に隣接している。叶産業では、これまで芝山工業第一団地内に成田工場を設置しているほか、他社から置き場ヤードを借りて、工場との間で材料や製品を搬入・搬出していたが、ヤード賃借料と運搬コストが負担となっていた。また、工場隣接地にヤードを置くことで生産性が向上し、将来の工場展開も有利に進められることから、買収を決めた。

H 形鋼はベース3万5000円どころで軟調推移。地区の扱い流通筋では昨年12月の商いが前月比20%減と急減し、今月も緩慢な荷動き状況となっている。建築が不需要期入りしていることもあって、当面、荷動きが好転する気配はなく、先行き不安が強い。

 また、流通在庫も12月末段階で同比7・6%増の6万5000トン(大阪ときわ会調べ)と増加。需給緩和で、昨秋以降、漸増傾向となっている。

 このため、扱い流通筋は現市況を維持するのが精いっぱい。流通では昨年のメーカー値上げ玉が入荷し始め、市況転嫁が急務だが、これ以上の値戻しは難しそう。一部では安値も散見され、中心値はやや下押し、地合いは軟調となっている。ただ、メーカー各社は後仕切り廃止を宣言しているうえ、減産体制を敷いていることもあって、大幅な値下がりには歯止めがかかっている。