2001.02.09
神 戸製鋼所とUSX―USスチールとの折半出資による合弁事業で、溶融亜鉛メッキ鋼板生産会社のプロテック・コーティング(オハイオ州)は、2003年時点の在米日系自動車向けの出荷比率が、00年の16%から25―30%に上昇すると見込んでいる。60キロ級ハイテン材の量産体制を米国内で他社に先駆けて確立したことが奏功する格好で、自動車メーカーの世界共通部材調達ニーズが急速に高まる中、米国市場におけるシェア拡大は、神戸製鋼の日本国内での受注にも好影響を及ぼしつつあるようだ。

 プロテック社は溶融亜鉛メッキ鋼板製造ライン(CGL)2ラインを持ち、年産能力は100万トン。00年の生産は101万トンで前年比6・3%増。

 生産量の約90%を自動車向けに出荷しており、日系向けの出荷比率は99年が10%、00年は16%と上昇傾向にある。自動車用外板向け比率は、全出荷量の5%前後にとどまるが、とくに品質基準が厳しい日系向けには40%に達している。

 現在、SIA(スバル・イスズ)、ホンダ、日産、CAMI(スズキ・GM)、三菱、トヨタなど米国に組み立て拠点を持つ日系の全メーカーに納入。ハイテン材は45キロ級がメーンだが、本田自動車向けに60キロ級製品の納入も開始している。

 同社によると、北米の自動車販売は00年に過去最高の1780万台を記録したが、今年は1680万台前後にとどまる見通し。また、大手高炉各社が相次いでCGLを新設したため、溶融亜鉛メッキ鋼板の供給過剰懸念も高まっている。

 ビッグ3の販売が頭打ちとなる一方で、好調な日系自動車メーカーは現地生産拡大を推進しており、日系向けの比率アップが米高炉各社のテーマのひとつとなっている。

 こうした状況において同社製品の販売権を持つUSSは、米国で唯一、60キロ級ハイテン材を量産できる利点を活用して日系自動車への拡販を積極展開しており、プロテック社の日系向け出荷比率は、確定受注ベースで03年までに25―30%へ上昇する見込みである。

浦 項綜合製鉄(POSCO)は、光陽製鉄所・第2ホットコイル圧延工場のダウンコイラー、仕上げロールなどを増強する。一連の設備増強で年産能力は47万トン増となり、第2ホットの能力は年間400万トンを超える。

 光陽のホット能力は、第1が483万3000トン(最大実績463万8000トン)、第2が359万トン(同359万8000トン)、第3が393万2000トン(同407万9000トン)だった。第1、第3に比べて能力が少ない第2の増強がポイントとなっていた。

 このほど策定した2005年までの「未来成長戦略」でも光陽の第2ホットの合理化を掲げており、ダウンコイラー、仕上げロールの増強がその柱となる。

 具体的には、現在2基のダウンコイラーを3基に、6スタンドの仕上げロールを7スタンドに増強する。一連の増強投資は02年7月に完了、投資額は1463億ウォン、増強後は47万トンの能力アップとなり、第2ホットの年産能力は現状の359万トンから406万トンに増え、競争力はさらに強化される。第1、第2、第3を合わせたホット能力合計は1300万トン弱となる。

川 崎製鉄は、10月に発足するグループの建設事業統合会社「川鉄建設」(仮称)の社名を2001年4月に発足する川鉄建設の持ち株会社「川鉄シビル」を継承することを正式決定した。新会社の社長には、川鉄テクノコンストラクションの柳島章也社長の就任が決まっているが、資本金20億円、社員約700人で、「鉄から生まれた新しいタイプの建設工事会社」をコンセプトに、年間売上高600億円規模の事業体を目指す。

 川鉄建設の持ち株会社「川鉄シビル」は2001年4月をメドにシビルグループを組織し、川鉄テクノコンストラクション(KTC)、川鉄シビル・カワケン、川鉄シビル・カワキの3社を子会社化し、10月の合併に向けて事業統合を加速する。

 4月に発足する川鉄建材の建設事業部門を統合した「川鉄シビル・カワケン」には、川鉄建材の古川隆史氏、川鉄機材工業の建設事業部門を統合した「川鉄シビル・カワキ」には、越後勇吉氏が社長に就任。「川鉄シビル」の社長は、川鉄テクノコンストラクションの柳島章也社長が兼務する。

 約700人の内訳は、川鉄シビル5人、川鉄シビル・カワケン180人、川鉄シビル・カワキ50人、KTCから500人弱となっている。

 10月からの合併会社は、鉄鋼関連分野で培ったユニークな技術・商品を持つ建設会社として事業拡大を目指す。

 具体的には、「メタルビル」などのシステム建築や「メタルロード」などの橋梁土木、建築、パイプライン、駐車場、特殊工法、製鉄所の建設やメンテを対象に、川鉄グループの一員であるという信用力と、健全な財務体質を併せ持つ建設会社を狙う。

川 崎製鉄は8日、畜産ふん尿と有機産廃を混合することによるメタン発酵処理技術を、デンマークのビガダン社から導入、バイオガス市場に参入すると発表した。

 「川鉄―ビガダン方式バイオガスシステム」は、畜産業から発生するスラリー状のふん尿混合物を、事業系有機廃棄物や有機汚泥と混合処理して、メタンガス・電力・堆肥などの資源として回収し、環境保全にも寄与するシステム。

 この方式は、畜産先進国であるデンマークにおいて最も多く採用されており、これまでの方式に対して次の優位性を有している。

 @機械撹拌式単段消化槽=縦型撹拌機により、スカム(浮上性異物)堆積を防止しながら確実な撹拌を行い、少ない投入動力で運転が可能。

 A全量高温殺菌処理=事業系生ゴミだけでなく、ふん尿その他の全量をセ氏70度で最低1時間処理することにより、雑草種子を不活性化させ、さらに各種病原菌を確実に死滅させることができる。また、消化物を堆肥化する場合、温度の上昇が不十分でも堆肥を安心して使用でき、液肥としてそのまま散布することも可能。さらに、消化ガスの発生量が5―10%増大する。

 B汚泥/汚泥熱交換器=らせん流による乱流効果と閉そくに強いスクリュー構造になっており、そのため汚泥対汚泥で効率的な熱交換が可能で高温処理に伴う消化液の熱量を回収できるため、省エネルギーに貢献できる。

 C豊富な実績=欧州で20カ所以上の採用実績があり、16年以上の稼働実績をもつため安定処理が証明されている。また、多様な有機廃棄物への適合性も実証されている。

住 金関西工業(本社=大阪市此花区島屋、沼本康昌社長)は、厳しい需要環境を背景に抜本的な収益対策と新規部門の強化に乗り出す。工場体制では、稼働率の低下していた常吉工場の旧第2機械工場を閉鎖。体質強化のため今後3年で要員100人削減し、530人体制にする。これと並行して窒化処理の外販進出など新規部門を強化し、収益性改善に結び付ける。一連の対策で、中期的には売上高140億円で経常2億円の黒字が確保できる体制構築を目指す。

 同社は、住金グループとしてプラント事業、加工事業、金型事業などで展開。加工部門は鋳鍛鋼品の設計・加工、機械加工、硬化肉盛など高度な加工を行っている。プラント部門は、圧延機関係の部品・部材、製鉄用製缶組立品、大型産業機械などを加工。また、車両部品部門では、住金の車両・車軸部品の加工など特殊な分野で展開している。このほか、環境機器部門でも開発新製品の投入で、実績が増加している。主力のプラント部門は、グループ外受注の拡大を進めてきており、現在50%が外部受注。

 今期の売上高は、計画比10億円減の130億円にとどまる見通しだが、収益面はコスト削減対策で黒字を維持している。しかし、受注環境は厳しい状況にあり、今後、体質強化を図るため不稼働資産の処理と要員対策に着手しているもの。

 加工体制部門では、常吉工場の旧第2工場を閉鎖。50台前後あった旋盤やターニングマシンなどの半分を売却し、残りを本社工場に移設した。この工場閉鎖に伴い、4000万円程度を償却。

全 国コイルセンター工業組合(理事長=鈴木貴士・五十鈴社長)がまとめた全国統一経営実態調査によると、2000年度上半期(4―9月)の経常損益は「黒字」と回答した企業が全国で81%に上り、前回調査に引き続きコイルセンター各社の業績が回復傾向にあることを示した。地区別の「黒字」企業は関西が89%でトップ、以下関東82%、東海79%となっている。

 全国稼働率が「100%以上」の企業はレベラーで57%(前回比15ポイント上昇)、スリッターで65%(同10ポイント上昇)と、ともに前回調査を上回った。地区別では東海の伸びが大きく、「稼働率100%以上」はスリッターで82%(同30ポイント上昇)、レベラーで52%(39ポイント上昇)。関西地区のスリッターで「100%以上」が59%(同17ポイント下落)となった以外は各地区のレベラー、スリッターとも稼働率が上昇した。

 プロパー(自社販売)材の損益は「利益が出ている」が44%(同12ポイント上昇)、「営業経費を含めてトントン」「全く逆ザヤ」はいずれも減少しており、収支が改善している。地区別では関東で50%(同11ポイント上昇)、関西で36%(同6ポイント上昇)、東海で43%(同21ポイント上昇)の企業が「利益が出ている」とした。

 一方、加工賃については「一部値下げ要求を受けている」「一部値下がりした」が合わせて53%で、前回調査比2ポイント増加した。「一部値上げ」はゼロ、「一部値上げ交渉中」も前回と同じ2・2%(3社)と加工賃の改善は全く進んでいない状況を示した。

 上半期と比較した下半期(00年10―01年3月)の業績見通しは「良くなる」が37%(同16ポイント上昇)となり、「悪くなる」は16%(同14ポイント下落)にとどまった。地区別では関東で38%、関西で42%、東海で33%の企業が「前期より良くなる」と展望している。

日 本自動車工業会はこのほど、2000年の国内自動車需要見込みと2001年の需要見通しをまとめた。それによると2000年の国内需要は597万台、前年比1・9%の微増の見通し。2001年は設備投資がIT関連に加え、従来分野でも増加するとみられており、一方、供給サイドでは新商品投入やモデルチェンジによる買い替え需要が期待されている。このため需要は610万台、前年比2・2%の増加が見込まれている。ただ輸出は、米国景気の減速で低下傾向をたどると見られている。

 2000年の国内販売実績見込みは570万台、前年比1・9%増とわずかの伸びにとどまった。内訳は乗用車が427万台、同2・8%の増加。トラックが168万3500台で、同0・5%の減少。バスが1万6500台、同14・0%の増加。

 01年は米国景気の減速が懸念され、輸出の伸びが鈍化することや財政赤字の増大から景気対策効果に限界があること、さらには住宅投資の減少が見込まれるなどのマイナス要因が指摘されている。これに対し、プラス要因として投資分野でIT産業関連の増加に加え、従来分野の投資が期待されている。さらに企業収益の改善から、所得の増加による個人消費の上昇が見込まれている。

 こうした状況から今年の国内需要は610万台、前年比2・2%の増加見通し。

 内訳は普通・小型乗用車が314万台、同5・0%増。生産の拡大による所定外労働時間の増加や企業収益の改善が、引き続き見込まれる。加えて代替母体が依然として大きく、新商品投入効果による代替促進が進むことなどが増加の理由。

 軽四輪自動車は123万台、同3・9%の減少見込み。新型車の投入効果が弱まることが理由として指摘されている。

 普通トラックは9万7000台、前年比14・1%の増加予想となっている。

 小型四輪トラックは104万8000台、前年比3・9%の増加。RV系のモデルチェンジ効果が継続すると期待されている。

東 京地区の H形鋼は200×100で3万7000円前後で弱含み。3万8000円以上は小口向け中心。北関東での需要家の指し値が厳しくなっている。季節的要因や需要減少による流通業者間の競争激化から、安値で売るところも出ている。また先安観から、需要家の一部に買い控えの動きもみられる。

 1月の出庫量は前月比で15%程度減少したことから、在庫は同10%程度増加。サイズの歯抜け感はない。メーカーによる価格の変動は当面ないとの見方が強く、流通は市況の維持に努める。

 メーカー各社は、2月契約での引受量削減を10%前後強化する方針を相次いで打ち出している。在庫調整が進み大型物件等の需要が回復する時期になれば、市況は上向きになる余地がある。それまで製販一体となって現在の市況を維持できるかが、今後の価格形成にとって重要になる。