2001.02.19
関 東地区の小棒価格が大きな転換期を迎えた。関東棒鋼の大塚寿郎社長(朝日工業社長)は15日、「現状の小棒価格は弱含みで推移しているが、今月と来月が辛抱のしどころ。ここで価格を下げると、来年度まで影響する。各社とも価格上昇を実現しなければ、経営がさらに深刻な状態に突入する」と現状の危機感を強調。そのうえで、「当社(朝日工業)は今月、現状価格以下での販売を禁止する命令を出した。来月は1000円値上げすることも決めた」と、取り組みを具体化したことを明らかにした。

 朝日工業は価格を突っ張ることで、受注の落ち込みを覚悟している。結果的には97年1―3月期比で25%減産、同比で30%の販売カットを実行することになる。「各社ともデリバリーが繁忙で減産ができない、販売カットも困難だというが、個別の事情を言っていたのでは価格は上がらない」(同)と指摘。各社が価格対策を具体化するよう求めた。

 これに対して、ベース小棒メーカーの東京鉄鋼は「現状の価格を下げて受注することは有り得ない。来月からは1000円の値上げを実行する」(松本好部長)とし、朝日工業に同調する意向を固めている。細物小棒メーカーの三興製鋼も「2月、3月に3日ずつ操業休止日を増やすことで大幅減産し、現状価格を維持する。来月は1000円上げる方向で考えている」(鈴木良三専務)と追随の構え。こうした動きは今後、拡大していくものとみられる。

経 済産業省は13、14日の両日、半田力・鉄鋼課長を中国に派遣、国家経済貿易委員会、対外貿易経済合作部と、中国による鋼材輸入規制など鉄鋼通商問題を中心に意見を交わした。輸入規制では中国側が今月、4月末分までのIL(輸入許可証)を発給、地元窓口に連絡したと説明。日本側は5月以降の発給についても4月中には行われるよう求めた。ステンレス冷延薄板のアンチ・ダンピング提示では中国側は世界貿易機関(WTO)ルールに準じた対応を行っているとして、日本側と平行線をたどった。また、日本製ホットコイルが海外に安値輸出されていると中国側が指摘したのを受け、こうした問題点について共通認識を持つ観点から、今春をメドに日中官民鉄鋼対話を開催することで合意した。

 日中間の話し合いでは、IL発給の遅延と枠不足、ステンレスAD協定、ホットコイル輸出と鉄鋼対話の開催などを主体に意見を交わした。

 IL発給では、中国側からすでに今月、4月末までのILを発給済みであることが報告された。これに対して日本側からは、これまでも枠不足や発給が遅滞するなどの事態が生じてきたことを踏まえ、円滑な発給実施と5月以降のILについて明確にするよう求め、4月中には実施されるよう要請した。

 ステンレスADでは、中国側がWTOルールに則していると説明したのに対し、日本側はAD認定やマージン率の算定が不明瞭な点を指して、AD措置の基準などを明確にするよう改めて申し入れ、中国側との間で意見が平行した。

世 界第3、4位で、欧州1、2位の鉄鋼ミル、仏ユジノールとルクセンブルグのアーベッドとのステンレス事業の提携交渉が、企業合併に発展していることが16日に明らかになった。ユジノールは19日に詳細を発表すると述べるにとどまり、また具体化には司法当局の承認が必要となるが、両社合併が実現すると売上高300億ユーロ、粗鋼4000万トン規模の世界最大の鉄鋼ミルが誕生する。

 ユジノールは、独ティッセンクルップが鉄鋼事業部門の株式公開を見送った際に、同事業部門の買収に関心があるとの意思を表明するなど、かねてから買収あるいは合併による企業規模拡大のスタンスを示していた。その後、ティッセンクルップが鉄鋼事業を中核事業のひとつとして運営していく方針を改めて発表、買収は実現していない。

 一方、ステンレス業界ではフィンランドのオウトクンプが昨年末、欧州ステンレス大手、アベスタ・シェフィールドを買収すると発表。これを契機にユジノールとアーベッドとのステンレス事業の統合に向けての交渉が開始された。普通鋼事業の拡大にも強い意欲をみせていたユジノールが、アーベッドとのステン事業統合交渉を企業合併交渉に発展させたのは自然な流れといえるだろう。

山 陽特殊製鋼は16日、2月から工具鋼在庫販売の電子商取引サイトを開設した、と発表した。特殊鋼メーカーとして工具鋼の電子商取引サイトを開設するのは初めて。

 サイトは、「ToolCyber(愛称=QQ―net)」。直接あるいはホームページからでもアクセスできる。同社の姫路本社および各在庫拠点にあるメーカー在庫情報をリアルタイムに入手することができ、インターネット上で在庫検索、見積もり依頼、発注までを行える。

 同社は、工具鋼の主なユーザーである金型メーカーからの小ロット、短納期要求に対応するため、姫路本社倉庫および国内6拠点(佐藤商事、名古屋特殊鋼、三和特殊鋼の3社で6拠点)に合わせて2500トンのメーカー在庫を持っている。サイトでは、在庫検索、見積もり、発注のほか、余剰在庫情報など会員相互間の伝言情報の発信や、実需に結びつかなかったものも含めた需要情報を蓄積して発信する。

 会員制で、会員は在庫情報をリアルタイムに入手できることから、在庫負担を軽減することができ、事務の軽減や会員間での余剰在庫の有効活用が図れる。また、同社にとっては、情報の蓄積による的確な在庫体制をとることができるほか、事務の軽減などのメリットがある。工具鋼では後発メーカーであり、系列特約店が少ない販売体制を補完するねらいもある。

 会員数は現在、約30社で、当面100社まで増やす。在庫拠点も空白地帯となっている関西以西を中心に拡大を図る。同社では、工具鋼を月間400―500トン販売しているが、近い将来、このうち約50%は電子商取引になることを期待している。

新 日本製鉄プラント事業部は、中東地区最大の鉄鋼関連展示会である、MEM2001(ミドルイースト・メタル・アンド・メタラジー)に日本メーカーとして唯一出展する。

 今回のMEM2001は、アラブ首長国連邦ドバイのドバイ国際貿易センターにおいて、2月18日から20日の3日間開催され、世界の鉄鋼関連企業など約100社が参加する。来場者も中東、北アフリカ、東西アジアなどから、昨年実績同様約7000人が見込まれている。

 新日鉄プラント事業部は、製鉄プラント市場での欧州メーカーとの競合が激化する中で、積極的に中東、北アフリカ地域での製鉄プラント拡販に注力しており、イランでのエスファハン・スチール向け製鋼設備一式納入、アルジェリアのアルファシッドへの冷延設備診断の実績を持つほか、現在はトルコのエルデミール向けに連続溶融亜鉛メッキ設備を建設中である。

 今回のMEM2001出展により、中東、北アフリカ地域での一層の知名度向上と、現在商談中の案件の受注促進を図る。

シ ーヤリング工場(本社=堺市築港新町、浅井武二社長)は今下期、主力3事業の加工数量の引き上げを図っており、下期で売上高26億円、損益は経常段階で1億円の確保を目指している。これにより、通期(01年3月期)では売上高46億円、損益は経常段階で若干の黒字を予定している。3事業の下期の加工目標は厚板部門が2万トン、産機部門が3700トン、鉄構・橋梁部門が5000トン。

 同社は住友金属工業の指定シャーで、加工拠点は本社工場と第2工場(堺市松屋大和川通)の2カ所。事業部門は3つで、厚板部門が橋梁・鉄骨向けの溶断、産機部門が産機・建機向けの溶断とコラム加工、鉄構・橋梁部門が海洋構造物・橋梁・遊戯・建築鉄骨の製作を行っている。

 今上期の業績は売上高が20億円、損益は経常段階で損失となった。これは主力の厚板部門が橋梁向けの受注が少なく、計画の1万7000トンに対し、実績が1万5000トンにとどまったこと。産機部門は今期から立ち上げたばかりで、数量が3000トンにとどまったため。ただ、鉄構・橋梁部門は当初予定通りの4000トンに達した。

 下期は3事業の加工数量を引き上げ、収益力を強化する。具体的には厚板部門で2万トン、産機部門で3700トン、鉄構・橋梁部門で5000トンを目指し、売上高で26億円、損益は経常段階で1億円を確保したい考え。

台 湾のステンレス大手、Yie・ユナイテッド・スチール・コープは15日、自社株式の一部を仏ユジノールに売却するとともに、中国本土でのステンレス冷延鋼板生産の合弁事業設立を計画していることを明らかにした。

 現地からの情報によると、同社はアジアにおける中国市場の成長性は最も著しく、ユジノールとともにステンレス冷延プラント建設を検討しているとコメントしている。ただし自社株式のユジノールへの売却比率、契約完了のタイミングなど詳細については触れていない。

 現地エコノミック・デイリ・ニュースは先に、同社株式の75―80%を保有するLin・Ishou会長がこのうち30%をユジノールに40億―45億台湾ドルで売却することになりそうだと報じている。

 同社はアジアのステンレス熱延鋼板大手の1社で、熱延能力は年間100万トン。このうち30万トンを自社冷延ラインに供給、残りを外部に販売していることから、ユジノールとの本土での冷延プロジェクトへの原板供給余力を十分に持つ。

 また同社は、この熱延余力に関心を持つ米鉄鋼ミルが提携に向けてアプローチしていることも明らかにしている。

 同社によると、中国のステンレス消費は年間130万―140万トンだが、国内生産は40万トン前後にとどまっている。

大 阪地区の中板は需要が落ち込んでいるうえ、在庫も過剰ぎみな状態が続いており、扱い特約店は弱気の販売が続いている。これを反映し、市況は3万1000―3万2000円どころで弱含み。

 東京製鉄の2月契約価格の引き下げから、地方特約店やユーザーは市況の先安から、買いを控えている。この結果、中板の定尺の荷動きは小口中心でさえない。一方、国内高炉メーカーは減産方針を打ち出しているが、ヒモ付き向けではシェア争いをしているうえ、店売りの出荷も絞り切れていない。

 在庫もコイルセンター段階、岸壁段階ともに増加しており、過剰ぎみ。このため、特約店は販売を引き締められない状態が続いている。