2001.03.06
大 同特殊鋼は5日、コア事業の基盤拡充の一環として知多工場の熱処理、酸洗設備などの増強を行い、軸受鋼熱処理線材に続いて構造用鋼熱処理線材についても一貫製造・出荷体制を確立させるとともに、圧延組織制御、超軟質線材の生産・開発体制を本格的に整えると発表した。一連の工事は来年8月完成予定。総投資額は20億5000万円。

 今回の知多線材圧延合理化(WR4のステップ1と2)は、顧客満足度アップ、線材圧延体制の再編などを目的に98年に行った粗列圧延設備の全面リフレッシュを踏まえ、さらに品質・納期・コスト競争力を高めることが狙い。先の合理化で圧延自体の集約はできていたが、熱処理・酸洗工程が知多と星崎両工場にまたがり、物流費・納期管理面などに課題を残していた。このため軸受鋼熱処理線材を今年8月に星崎から知多に集約(ステップ1)。さらに来年8月に構造用鋼熱処理線材についても移管・集約する(ステップ2)。この結果、知多工場ですべての量産鋼(棒線)の製造・出荷体制を確立し、星崎工場はステンレス・工具鋼を中心とした高級鋼の専門工場に特化させる。

 具体的には軸受鋼関係ではミル仕上列や熱処理炉、酸洗ラインをそれぞれ改造する。また、構造用鋼関係では、最新鋭の熱処理炉を1基から3基に増強するとともに、全自動酸洗ラインを1基から2基に増やす。また、圧延ライン内鋼片インジェクションヒーター設備を導入、調整冷却設備の改造を行う。これらの設備増強によって知多工場は軸受鋼・構造用鋼線材について2次工程を含めた一貫製造・出荷体制を確立。この結果、物流費の削減、棚卸資産の圧縮(ステップ1・2で計4億円)、輸送疵の軽減など品質向上、省力化(同45人)を進めることができる。知多に移管する2次加工の月間数量は軸受鋼5000トン、構造用鋼4500トンの合計9500トン。

財 務省通関統計によると、2000年12月のステンレス鋼板類輸入実績が9193トンとなったことで、00暦年の総輸入量は前年比37・5%増、過去最高の8万9497トンになった。内訳は熱延が56・1%増の2万8252トン、冷延が30・3%増の6万1244トン。

 総輸入量を熱延、冷延別に、それぞれの輸入製品の中で最も増加率の大きかった製品をみると、熱延が幅600ミリ以上・板厚3ミリ以上の製品で533・3%増の1万1614トン、冷延が幅600ミリ以上・板厚3ミリ未満の製品で32・8%増の5万3751トン。

 また、総輸入量を国別でみると、その構成比トップは全体の82・9%を占めた韓国で、前年比38・1%増の7万4192トン。内訳は熱延が53・4%増の2万3543トン、冷延が32%増の5万649トン。

 熱延および冷延それぞれの中で最も増加率の大きかった製品は、熱延が幅600ミリ以上・板厚3ミリ以上の製品で512・4%増の9658トン、冷延が幅600ミリ以上・板厚3ミリ未満の製品で34・4%増の4万7327トン。

普 通鋼電炉工業会の佐々木喜朗会長(合同製鉄相談役)は、5日に開いた定例の正副会長会議の席上で、来年度の会長職続投を表明した。97年5月に普電工会長に就任した佐々木会長は、就任当時に自ら任期4年と決め、現在72歳という年齢的なこともあって辞意する意向であった。しかし、各副会長から続投の要望が強く出たことで、さらに1年会長の任を務めることで気持ちを固めた。正式には5月25日開催予定の定例総会で決議される。

 佐々木会長は「五感の能力が落ち、そろそろ潮時と思っていたが、各副会長からもう1年やってくれとの意見を頂いた。今後は、昨年関東、関西、九州で構造改善がみられ各地区で構改の必要性が認識されたが、やり残したことを進め、さらに流通との取引改善への取り組みや市況対策のサポート役を果たしたい」と決意を述べた。また、会議後の会見の席で最近の市況動向に触れ、「各地区でメーカーによる価格維持の抵抗力が浸透しているが結局は需要以上に出さないことが大事」と引き締めた。
関 東地区のベース小棒メーカー各社が、3月契約分で打ち出した3月2日締め切り5日間限定の枠売りは、「締め切り以後は受け付けてくれない」(商社)と確実に実行されたようだ。商社は「協力的」(メーカー)に、2月契約比1000円アップの枠売りに応じ、2日までにメーカーに寄せられた発注量は「予測数量は超えた」「予定通り通常月の7割弱の持ち込み」と成果は良好。「2万8000円以上を目標に唱えを上げた」商社もあり、今後は3月中旬以降に予想される商社とゼネコンとのせめぎ合いに焦点が移っている。

 ベース小棒の2月市況は、下値で2万50000円台、中心で2万6500円から2万7500円と幅がある中での綱引きとなっていた。2月後半に入り、メーカー各社が姿勢を引き締め、2、3月の97年1―3月比25%減産・30%販売カットに加え、3月契約は明細ベースから切り替え5日間限定の枠売りを実施した。

 市況改善を望むメーカーに対し商社も理解を示し、枠売りには各商社とも乱れなく応じている。「メーカー各社の足並みはそろい売り腰は固い」(商社)と商社も買い姿勢を見直し、メーカーには今月2日までに、計画の30%販売カットに近い発注量が寄せられた。

 関東で30万トン近くあるといわれるショート明細については2月末に、「3、4月デリバリー分の納期の短いもの」(メーカー)が相当量出た話も聞かれるが、全般的に目立った動きはない。「都心部の大型プロジェクト物件物は昨年10月以降、スーパーゼネコンからの発注は細まり、(ショート明細は)実際はそれほどないのでは」(メーカー)、「いわれているほどの量は持っていない」(商社)とショート明細が眠っている量は見込み以下の公算が大きくなっている。
川 崎製鉄が千葉製鉄所で行っている川鉄サーモセレクト方式ガス化溶融炉による産業廃棄物処理事業が、日量200―250トンとフル稼働体制に入った。建設系廃棄物やシュレッターダスト、カートリッジの処理など、ガス化溶融炉による大規模産業廃棄物処理の安定操業は例がない。容器包装リサイクル法のその他廃プラスチック再商品化事業への入札参加済みで、2001年度には処理事業としての黒字化を目指していく方針。

 川鉄サーモセレクト方式ガス化溶融炉は、改質ガスを燃料やコンバインドサイクルで活用でき、燃料電池などとのコンビネーションも可能なプロセス。ダイオキシンの再合成も排ガスを一気に急冷するガスクラッキングにより、完全シャットアウトできるクローズドシステムが特徴だ。

 2000年4月からは川鉄75%、三菱マテリアル25%の共同出資会社「ジャパンリサイクル」によって、サーモセレクト方式ガス化溶融炉による産業廃棄物処理事業もスタート。

 今年1月に正式に処理事業会社であるジャパンリサイクルにプラントを移管し、日量300トンの炉はフル稼働体制に入った。

 現在、処理量として多いのは、全体の80%を占める建設系産業廃棄物やシュレッダーダスト、カートリッジなど幅広い産業廃棄物を処理している。産業廃棄物のため発生量が多いスラグやメタル分についても、マチダコーポレーションとの連携や所内のアスファルト骨材などにリサイクルしている。

 産業廃棄物の処理は、クリンカー付着の問題などから、タクマや荏原が計画する産業廃棄物処理事業はなかなか進んでいない。同社のサーモセレクト方式ガス化溶融炉の操業は極めて順調といえる。
全 日本特殊鋼流通協会(会長=田島清・テクノタジマ社長)は2日、来年度事業の一つとして「共通通い箱」の普及および「特殊鋼流通業界標準システム」の構築に、力を注ぐと発表した。

 「共通通い箱」の購買申し込みは、既に2月から協会事務局を窓口に開始されているが、協会ではあす7日、共通通い箱の説明パンフレットと購買申込書を会員企業に配布し、通い箱への理解と普及浸透を目指す。

 会見した佐久間貞介・共通通い箱普及推進グループ長(佐久間特殊鋼社長)は「(通い箱の普及は)これからが出発点。会員企業の搬送箱が一個でも多く共通通い箱に移行するよう、頑張っていきたい」と話し、来年度中に、5種類の通い箱で計500個程度の普及を予想していると語った。

 同時に、協会の来年度事業として、「特殊鋼流通業界標準システム」の構築に向け、会員企業の参加募集に着手する方針を固めた。特殊鋼流通業界標準システムの仕様は、参加企業の要望を反映させて決定。システム構築にかかる費用は、一部を協会が補助する方向で検討しているが、基本的には、参加企業の出資金を元に行われる見込み。
U Sスチールは、神戸製鋼所と共同開発した自動車用鋼板向けのデュアル・フェイス(DP)590Y(60キロ級)ハイテン材の各種特性および加工特性などを、7日からデトロイトで開催されるソサエティ・オブ・オートモーティブ・エンジニアーズ(SAE)2001ワールド・コングレスで公開すると発表した。同社によると、これらの特性結果は同社の新オートモーティブ・センター、神戸製鋼、フォード・モーター、オーク・リッジ・ナショナル・ラボラトリーの共同研究によるもの。

 米国で生産される自動車業界向けのハイテン材は45キロ級がメーンで、製法は合金化によって強度を高める析出強化型が主流。同製法は加工性の低下という課題を抱えるため、日本では結晶構造の組み合わせによって強度を引き上げるとともに、加工性をある程度維持する組織強化型の製法が主流とされている。組織強化型製法によると、大幅なコストアップを伴わずに析出強化型に比べて全伸びなどの加工性、スポット溶接性、衝突特性の引き上げが可能となる。

 こうした中、同社は神戸製鋼と共同で、米国において組織強化型製法によるハイテン材の生産を開始、60キロ級製品の量産体制を他社に先駆けて確立して、大手自動車メーカーの量産車種に供給している。

 今回、SAEで発表されるのは、DPハイテン材の強度、耐食性、耐熱特性およびブランク・プレスなど加工特性の調査結果で、世界の自動車メーカーに同製品の特長をアピールするのが狙い。なお同社は60キロ級製品に続いて、DP780Y(80キロ級)製品の量産体制確立を進めている。

東 京地区の中板市況は供給増加の不安感もあり弱含み。市中価格(3・2ミリ、ベースサイズ)は3万6000―3万7000円中心。

 韓国を中心とした輸入コイルの価格、数量対応は市中でも「話が先行しており明確ではない」(扱い筋)が、東京製鉄発表との比較から3万円もしくはこれを下回る価格が一応の目安。

 東京製鉄の発表価格が実際の商いで影響するのは3月中旬以降とみられ、メーカーの供給増も不安材料。コイルセンターの出し値、定尺市況とも先行き一段の値下げが予想される。ただ、市中在庫に過剰感が小さいこととコイルセンターの稼働が高止まりしていることが市況の支え。