2001.03.28
川 崎製鉄は27日の取締役会で、江本寛治社長が取締役会長に就任、數土文夫副社長が社長に昇格するトップ人事を内定した。江本氏は95年6月社長に就任、3期6年での交代となる。數土氏は1964年3月北大工学部冶金科卒、同年4月川鉄入社、昨年6月常務から副社長に昇格。後継社長に數土氏を選んだ理由について江本社長は「社長の条件に不可欠な健康であることと見識と胆力があること」を挙げた。

 NKKとの統合問題について、江本社長は「事業所間の提携は軌道に乗ってきた。今後の問題は次の社長の宿題として残る」、「今後はNKKの下垣内社長と數土新社長との間で話を進めることになるが、數土社長はこれまでもこの問題の交渉当事者であり、問題はない」と語った。

 また、數土副社長は「欧州では鉄鋼再編が大掛かりに進んだが、それに取り残された米国鉄鋼業は、チャプター11をあちこちのメーカーが申請している。同社とNKKの提携は、事業所間の3分野で行っており、これだけでは限界がある。(統合を)急がねばならないが、株主や社員が納得する状況を作ることが先決だ。しかし、後戻りはできないと考えている」、「第三次中期経営計画の作成にあたりNKKとの合併問題を同計画にミックスすることはない」と話した。同日の取締役会では、このほか新取役員交代、役員昇格人事も次の通り内定した。

 【新任取締役候補】 ▽南波佐間義之(監査役)
 ▽井上義治(水島製鉄所副所長)
 ▽武英雄(千葉製鉄所工程部長)
 ▽若林公平(財務部長)
 ▽加門洋一(関連事業部長)
 【退任予定取締役】 ▽山本貞一副社長 (川鉄鉱業社長に就任予定)
 ▽平野征常務取締役(川崎マイクロエレクトロニクス社長に就任予定)
 ▽古川九州男取締役(川鉄電設社長に就任予定)
 【新任監査役候補】 ▽佐桑慎二・川鉄リース専務
  【退任予定監査役】 ▽南波佐間義之監査役
 【副社長へ昇格】
 ▽藤森寛敏常務
 ▽宮崎徹夫常務
 ▽森山雄一常務
 【常務への昇格】
 ▽束野耕一郎取締役
 ▽金澤一輝取締役
 ▽福島幹雄取締役


経 済産業省は27日、2001年度第1・四半期(01年4―6月)鋼材需要見通しを発表した。鋼材需要は2301万トン(前年同期比115万トン、4・8%減、前期比55万トン、2・3%減)とし、これに伴う粗鋼需要量(出荷相当)を2520万トン(同151万トン、5・7%減、同64万トン、2・5%減)と策定された。輸出が東南アジア向けをはじめ減少するのに加え、内需も建設分野が土木落ち込みで減退、製造業も造船、自動車を除き基調は弱い。特に在庫が積み上がり、減少ペースが鈍いことから粗鋼も前期比、前年同期比とも下回る。前期比では2期連続減、前年同期比では8期ぶりの減少となる。

 第1・四半期の需要見通しについて経済省では、3月末の普通鋼メーカー・問屋在庫を720万トン(在庫率1・09カ月)と見込み、うち国内在庫は599万トンとした。国内在庫について「過去最大の35万トンレベルの圧縮が必要」(半田力・鉄鋼課長)とし、在庫をにらんだ減産を強調。2月末でも600万トンを超える国内在庫量が見込まれており、需要の先行き不透明感などを加味した慎重な生産対応を促している。

新 潟県内の小棒扱い業者は、15トン未満の小口販売について、4月2日契約分から販売価格・手数料・口銭とは別に、セット手間の経費2000円を上乗せする。メーカー側も同日から15トン未満の小口バラ明細について、1トン当たり2000円のエキストラを導入。販売業者は価格や手数料とは別に2000円を確保する。メーカーは小口即納対応できないため、販売業者の在庫品の活用につながる。普通鋼電炉工業会で取り組んでいる「小棒取引き勉強会」の理念である『メーカーと流通の利を同じにする』にもマッチする動きとなり、今後は全国に波及しそうだ。

 北越メタル、三星金属工業の新潟県内メーカー2社は昨年末、@15トン未満の小口バラ明細について、通常単価に1トン当たり2000円のエキストラを導入するAバンドル結束されていないD10_およびD13_についても、従来通り1トン当たり1000円の上乗せ価格を継続するBこれらのエキストラはあくまでもセット手間の経費であり、空トン発生時の運賃請求についても従来通り申し受ける―という旨を、文書で流通筋に伝えた。

 これを受けて流通筋も、2000円の小口エキストラの導入を検討してきた。

川 崎製鉄は、熱間圧延後の薄鋼板の中の微小な非金属介在物を、薄鋼板の全面・全断面にわたりオンライン検出可能な超音波探傷装置を世界で初めて開発し、千葉製鉄所の酸洗ラインに設置、昨年9月より稼働を開始した。

 缶用鋼板中の非金属介在物は、ユーザーでの塑性加工工程において、割れやピンホールの発生の原因になる場合があるため、非金属介在物を極少化した製品を製造する技術、および製品の全面・全断面を検査して問題となる非金属介在物を検出する技術が重要となる。最近は、鋼板の薄肉化が進み、より微小な欠陥の検出が可能な装置が望まれていた。

 従来、薄鋼板の非金属介在物の検出装置としては、板波探傷装置、漏洩磁束探傷装置などが用いられてきた。板波探傷装置は欠陥の検出能力が低く、微小な介在物の検出が困難であり、また漏洩磁束探傷装置は、従来法では欠陥の検出能力が最も高いものの、冷間圧延後のごく薄い鋼板(板厚が0・2ミリ程度以下)にしか適用できない欠点があった。

 今回同社が新規に開発した「超音波探傷装置」は、薄鋼板を挟んで超音波の送信プローブと受信プローブとを向かい合わせて配置し、送信プローブが送信した超音波のうち、欠陥部分に反射して受信プローブに達する欠陥反射波によって、欠陥を検出する。送信および受信プローブを薄鋼板の通過ラインに設置した水槽に幅方向に並べて設置し、水中で全幅、全長にわたり非金属介在物の検出を行う世界初の画期的な探傷装置。

大 阪製鉄は27日、4月の一般形鋼(山形鋼、溝形鋼)の販売契約について、東日本向けはトン1000円値上げし、西日本向けは前月比据え置きとする方針を打ち出した。市況実態に合わせ、東西で異なる対応をとる。

 一般形鋼は不需要期入りを見越してのメーカーの徹底した先行減産と、流通の販売減に見合う申し込み調整で、需給バランスは適正をキープしているが、西日本に関しては鋼材全般に市況が軟調に推移している現状を踏まえ、値上げを見送り、市況が比較的堅調に推移している東日本向けのみ値上げすることにしたもの。西日本では一層の需給改善を図り、値上げに向けた環境整備に努める。

青 柳鋼材興業(本社=千葉県船橋市、川那正寿社長)はこのほど、浦安営業所・工場の溶断設備リフレッシュ工事を完了した。NC溶断機を増設するとともに、アイトレーサーにNC(数値制御)機能を搭載。溶断能力が従来に比べて2倍以上にアップ、無規格材主力の営業拠点として機能充実を図っていく。

 同社は船橋・本社工場と浦安工場の2拠点で主に建材向け厚板を加工している。無規格材を主力とする浦安では、事務所の整備などを行うとともに昨年6月から事業所体制を発足させ、営業拠点としての機能を強化してきた。この一環として溶断設備も増強、リフレッシュして本格稼働に入った。

 NC溶断機はKT―650(田中製作所製)を昨年12月に新設し、板厚約120_まで対応する。また、既存のアイトレーサーにNCを搭載。型紙による倣(なら)い溶断とNC溶断の兼用機とし、受注内容に適した加工体制を構築した。

 従来はガス溶断で月間150トンを加工していたが、現在はフル生産能力で月間400トンに拡充。受注強化により実働ベースでも250トンに加工量が伸びている。工場全体としては板厚6―120_まで対応。目標である浦安事業所単体での黒字化も「計画通り進行、来年度末には実現できる見通し」(川那社長)となっており、今後さらに受注拡大に取り組む。また、船橋・本社工場ではコストダウンに注力するとともに、品質向上に向けて積極的に資金投入を進める考えだ。

日 本鉄鋼輸出組合によると中国は政府方針で、2001年の粗鋼生産を1億1500万トン以下に抑制する方向を打ち出している。中国国内の景気減速を背景としたものだが、現実の生産は00年も政府目標の1億1000万トン以下を1700万トンも上回っており、01年もこうした傾向が続く見通し。国内の見掛け消費も1億250万トン以下と、00年比3871万トンも低めに設定。これに対し輸出は1100万トン以上と、前年比倍近くの拡大を打ち出している。

 中国の鉄鋼生産と国内消費は、継続して過去最高を更新している。00年の鋼材見掛け消費は1億4121万トン、前年比9・1%の増加となった。過去最高の水準。品種別ではホットコイル、冷延コイル、厚板といった板類が5537万トンと、前年比14・7%の増加。全体のシェアは、39・2%にアップしており、次第に先進国型の消費パターンに近付いている。

 00年の銑鉄生産は1億3103万トンで、同9・3%増。粗鋼は1億2724万トン、同3・2%の増加。銑鉄と粗鋼の差は、韓国などの周辺諸国への銑鉄輸出で、数量で379万トンに達した。前年比20・7%の増加。

 鋼材ベースの生産は1億3146万トン、同11・2%の増加。輸入は1596万トン、同7・4%の増加。輸出は621万トンで、同67・7%と急増している。国内の大手一貫製鉄所の設備拡張で、輸出余力が出てきた。特に世界的な不足傾向にあるホットコイルが、東南アジアを中心に増加している。また、半製品の銑鉄も需給ひっ迫を背景に400万トン近くに迫っており、主力輸出品目になっている。

韓 国の電炉一貫メーカー・東国製鋼(本社=ソウル市、張世宙社長)は、2000年決算で1497億ウォンの当期純損失を記録した。81年以来連続20年間、当期準利益ベースで黒字を継続していた同社は、21年ぶりに赤字となった。為替取引の差損と投資資産売却損によるもので、事業内容そのものは黒字基調を維持している。23日、本社別館の国際会議場で第47回定期株主総会を開催し、決算案を承認。さらに自己株式消却を決めた。

 同社は、00年で売上高1兆5400億ウォン、営業段階で607億ウォンの黒字となった。しかし、為替取引に関する損失が827億ウォン、利子費用1590億ウォンが発生した。さらに、投資資産減額損失380億ウォン、在庫評価損275億ウォンなど営業外費用がかさんだ。

東 京地区の等辺山形鋼は6×50で3万5000円、溝形鋼は5×50×100で3万9000円中心で弱含み。NKK条鋼は1000円値上げしたが、市況上昇は困難。

 メーカーは4月以降、買い控えムードがなくなるとみるが、特約店は「先の需要は不透明」として、4月の申し込みを3月比10%程度減らす方針。メーカーの減産量以上に需要がない。3月の決算前の駆け込み需要も期待以下。特約店の申し込みは昨年11―12月以降、月を追うごとに10%程度ずつ減った。それでも現在歯抜けはない。

 今後、流通は唱えを上げざるをえない。H形鋼の状況が好転すれば、値上げ分が入荷する4月末に市況上昇の可能性はある。

東 京地区の縞板市況は鋼板や建材など他品種の影響も受けて、先安観が払しょくできず弱含み。市中価格(3・2―4・5_、ベースサイズ)は、5万5000円中心。

 コイル価格の値下げ発表をはじめ、先行き値下げの予測が広がり販売先からは「完全に様子を見られている」(販売業者)という。中板や薄板、建材にまで引き合いの落ち込みと需給の緩みから先安ムードが漂う。縞板の場合は小口、短納期の注文を中心に小売価格で比較的健闘してきたが、定尺については2月ごろから振るわなくなっている。供給面ではメーカーの姿勢が見えにくく、販売側としても「動きにくい」(同)状況。目先も弱含みか。

大 阪地区の等辺山形鋼市況はベース3万3000―3万4000円どころで軟調。需要の冷え込みから市中の荷動きは低調。流通出荷量は年明け以降、バブル後最低の水準に落ち込んでおり、「今月の動きも前月並み」(特約店筋)と振るわなかった。

 また、荷動きの悪さに加え、僚品のH形市況が下支えを欠き悪化しているため、これに引きずられる形で地合いは軟調。一部で安値応じも散見される。

 ただ、大阪製鉄、エヌケーケー条鋼の2大メーカーがロール調整などによる減産姿勢を堅持しているため、市中在庫は横ばいに推移。関東地区では4月からメーカー値上げも実施され、続落場面は回避されそう。