2001.03.30
鋼 材倶楽部が29日発表した2月末の普通鋼鋼材在庫は、生産が20カ月ぶりに前年比マイナスとなるなか、出荷合計が生産を上回ったため、在庫合計は前月末比2・6%減の766万1000トンと3カ月ぶりに減少した。

 このうち国内在庫は、前月比1・3%減の622万9000トンと小幅ながらマイナスとなったものの、3カ月連続して600万トン台乗せとなった。同月の国内出荷が前年同月比2・6%増の492万4000トンと19カ月連続して前年比プラスとなったものの、2カ月連続の500万トン割れとなった。この結果、国内在庫率は前月の129・6%から3・1ポイントダウンし126・5%となった。

 輸出船待ち在庫は前月比7・8%減の143万3000トンで2カ月ぶりの減少。この結果、国内・輸出合計在庫は766万2000トンとなり、合計在庫率は121・0%と前月比6・4ポイントのダウン。

鈴 冨士鉄鋼とユタカ・スチール・サービスが4月2日付で対等合併し、新会社「スズフジ・スチール・サービス」として営業を開始する。新たに40%を出資する三菱商事ととともに、コイルセンターの薄板加工、浦安鉄鋼団地を拠点とした鋼材在庫、鋼板から建材まで幅広い品種の販売など、流通としての機能を最大限に発揮する方針だ。

 スズフジ・スチール・サービスは、鈴冨士鉄鋼の薄板コイルセンター機能とユタカ・スチール・サービスの幅広い鋼材販売機能を融合。鈴木理社長兼CEO(旧鈴冨士鉄鋼社長)、仲井公哉副社長兼COO(旧ユタカ・スチール・サービス社長)の両代表取締役体制を取り、三菱商事とも三位一体となって、建材を中心に店売り分野の中核を担う機能を構築していく。

 営業は本社と在庫拠点である浦安のほか、名古屋、川崎の各営業所と福山支店で展開。また、薄板コイル加工は表面処理鋼板を中心に成田工場と沼南コイルセンターで行い、スリッター、レベラー、二次レベラーの各設備で対応する。

 当面は浦安と松戸の両本社体制を継続するが、千葉県船橋市に本社を移転集約、5月7日から新本社で業務を開始する予定。

鋼 材加工・販売業の富士鋼材通商(本社=東京都渋谷区、岡康彦社長)は29日、新経営方針を発表した。従来までは材料、加工、工事の専門性を深めてきたが、01年度からはユーザーのニーズに合わせてこれを統合することで、新しいビジネスモデルを構築。「材・加・工機能統合企業」を目指す。5年後の売上高を00年度実績と比べて19%増の100億円、経常利益は同2・7倍の2億円に引き上げる。これに伴い、決算期を11月期から3月期に変更。社名は4月1日から「富士スチール」とする。

 現在の売上高構成は材料・リースが42%、工事が31%、加工が27%。工事部門はメンテナンスと取付工事を拡充。加工部門は鋼構造物の製造に注力。この結果、市況の影響を受ける材料・リース部門を見直すことになる。要員は工場35人、本社50人などだが、今後は営業・工事・技術の要員にシフトして、管理部門を抑制。一人当たりの生産性と、コストパフォーマンスを向上させる。

 今後の業界の整理・淘汰による収益構造の好転と、社内の改革・改善をマッチさせることで、シナジー効果を狙う。

 具体的な経営方針は、材料・加工・工事の専門性をより一層、有機的に結合させ、幅広い顧客ニーズに応える機能を果たす。
韓 国公正取引委員会は28日、POSCOと現代ハイスコのHC供給問題で、POSCOに課徴金16億4020万ウォンを課す裁定を出した。安煕元・公取委競争局長は「ホットコイルを独占的に生産しているPOSCOが競争関係にある現代ハイスコに対して97年から供給しなかったことは、市場支配的地位の乱用と不公正取引に当たる」と述べた。これに対しPOSCO側は「公取委にただちに異議申し立てすると同時に、ソウル高等法院に執行停止および行政訴訟を行う」とのコメントを発表した。

 POSCOと現代ハイスコのホットコイル供給拒否問題は、現代ハイスコが栗村工業団地に年産180万トンの冷延工場を建設したのが発端。ハイスコは、POSCOに対して加工母材のホットコイル供給をPOSCOに要請。POSCOは「新規にハイスコに供給することは、東部製鋼やユニオンスチールなどの既存のリロールメーカー向けへの供給を削減しないといけない。これは商道徳面からも問題がある」として拒否した。さらに「自動車鋼板用のホットコイルは知的財産であり、中間材として外部に販売する性格のものではない」と技術的な側面からも供給できない理由を説明していた。

N KK福山製鉄所(所長=岸本純幸専務)は、01年度で廃プラの高炉挿入を3万5000トンへ引き上げる。00年度の実績が2万トン程度と想定されているため、倍近くに増加する。すでに一般廃プラの処理設備として、昨年4月から高炉原料化福山工場が稼働している。この工場で、分別・破砕・脱塩処理した後、3高炉に投入して熱源および還元剤として使用する。

 NKKは、環境対策とコスト削減を目的に廃プラの高炉原料への取り組みには積極的に対応している。国内の高炉業界では、京浜製鉄所で初の事業所系廃プラの高炉投入を実施。さらに一般廃プラの原料化にも、先頭を切って乗り出している。

 一般廃プラについては、容器包装リサイクル法に基づく廃プラスチック再商品化事業者の入札で、NKKは01年度枠として6万9000トンを落札。京浜製鉄所に3万4000トン、福山製鉄所に3万5000トンを受け入れる。

 福山製鉄所は、廃プラ受け入れを前提に3高炉に原料化処理した廃プラの挿入装置を一昨年導入。さらに00年4月稼働で43億円を投じて原料化設備を建設している。
和 信産業(本社=東京都台東区、遠藤重康社長)の鋼板加工合弁会社であるワシンフィリピンコーポレーション(略称WAP)は工場の増築を完了し、4月から新体制で営業を開始する。今後はベンダー、プレスの導入を検討しており、付加価値の高い厚中板加工を推進していく。

 WAPは96年に和信産業(出資比率81%)と住友商事(同19%)との合弁で設立。ガス溶断、レーザー、プラズマ、シャーリングの設備により、建機や産機向けの切板加工を行っている。従業員は日本人2人を含む26人。3月下旬までに工場棟(1040平方メートル)と事務所棟(80平方メートル)を増築、工場全体のスペースを約2倍に拡大した。受注が順調に推移大してきたため、当初の予定通り開設時の取得用地を活用、生産性の向上を図った。

 加工設備のうちレーザー切断機は、同じ出力1・5キロワットの新鋭機(小池酸素工業製)にリプレースしたうえで、増築工場棟側に移設した。切断基盤を延長、プラズマとレーザーの近接が解消されたことにより作業性が向上、従来に比べて生産効率が約40%アップしたという。

 また、工場棟に大型のベンチレーター(換気装置)5台を設置、溶断時に発生する熱が滞留しやすい工場や2階事務所の環境を改善したほか、事務所棟には従業員用の厚生設備を加えた。これらの設備投資に関連して、WAPは和信産業の出資により資本金を2000万ペソから2100万ペソに増資した。
新 日本製鉄は、このほど実施された九州大学筑紫キャンパス向け01年度使用電力の調達入札に参加し、1億8652万円で落札した。公共部門向けの使用電力入札で落札したのは、福岡市庁舎に続いて2つ目。民間部門ではトヨタ自動車東京本社向けも受注しており、新日鉄の小売り電力参入は実績を伴って本格化してきた。

 新日鉄は、電力事業を多角化部門の柱の一つとして強化する方針を打ち出している。この一環として八幡製鉄所、広畑製鉄所、釜石製鉄所などでIPP事業に進出、昨年から供給を開始している。これに続き、小売り電力部門にも進出を本格化させている。

 3月12日、福岡市で実施された市庁舎の01年度分の調達電力(3000KW)を1億2615万円で落札。

 さらに26日実施された九大筑紫キャンパス向け調達電力の入札にも参加し、1億8652万円で落札した。01年度分の1165万9000KWを対象としたもので、福岡市庁舎同様、本職の九電を退けて受注した。落札金額は、従来の電力料金より8・04%低かった。

神 戸製鋼神戸製鉄所は、建設中のIPP施設の1号機の全ラインの試運転を7月から行う。この後、9月から発電を開始する計画で、02年4月から正式に関西電力へベース電源として供給を行う。

 神戸製鉄所のIPP事業は、鉄鋼メーカーとしては契約電力140万KW(70万KW×2系列)と最大。総工費2000億円で、1号機が02年4月から2号機が04年度からの供給開始。いずれも石炭を熱源とした火力発電で、売り上げ規模としては年間700億円程度が見込まれている。

 設備工事は、1号機のタービン建屋が99年4月から、ボイラー建屋と排煙・取水設備などの付帯工事が同6月からスタート。工事は昨年天候が比較的良かったこともあり、予定より進捗が早くなっている。すでにハードの設備としては90%以上完成しており、一部で部分ランも実施されている。150メートルの高層煙突も今年1月の完成予定が、00年9月に完工するなど、4カ月も早い完成となっている。

東 京地区のH形鋼市況は200×100で3万6000円中心と弱含み横ばい。北関東では3万5000円の安値も散見される。荷動きの悪い状態は継続しているが、メーカーと流通には底値の認識が浸透。3月の在庫量は減る見込みだが、在庫率は1・8カ月程度で、タイト感がない。このため市況上昇は、5月の連休明け以降になる。

 3月の出庫量は2月比微増。予想されていたほどの春需はなかった。入庫量は同15%減。在庫量は、減産効果が表れてきて同7―8%程度減。しかし数量自体はまだ多い。歯抜けのない状態も変わらないため、市況上昇には至らない。在庫の減少を実感するには、あと1カ月必要。

東 京地区の冷延薄板市況は弱含み。先安ムードから薄板の中でも特に引き合いが悪化しているようだ。市中価格(1・0―1・6_、ベースサイズ)は4万9000円中心、高値5万円。

 輸入コイルの価格提示で先安観が広がり、仲間取引、需要家販売ともに手当てを控える姿勢が強い。販売量が伸びない環境が続くため、一部流通では売り急ぎの価格対応も出て市況全体をジリジリと下げている。

 薄板全体にムード先行の弱気販売がある中で、冷延は特に酸洗と需要分野が重複して、価格的に影響を受けている。1―3月の輸入冷延コイルは月間9万トン近いペースで、需要の落ち込みと比べるとやはり高水準。

大 阪地区の等辺山形鋼市況は需要停滞から1000円の下押し。市況はベース3万2000―3万3000円どころ。市中の荷動きは年明け以降、低位安定。僚品のH形ほどの落ち込みとはなっていないものの、1―3月の流通出庫量はバブル崩壊後の最低水準になる見込み。

 大阪製鉄、エヌケーケー条鋼の地区2大メーカーは昨年以降、ロール調整などで需給改善に努め、市中在庫自体は比較的タイトな情勢。だが、出庫量が落ち込む中で特約店筋ではここにきて売り上げを優先した安値折り合いも散見され、市況は軟調。ただ、現在も需給が小じっかりしているため、大幅な値下がりはなさそう。