2001.04.06
H 形鋼を生産するメーカー各社は、4月以降も減産を強化する。住友金属工業が4―6月の生産を昨年10―12月比40%減らし、NKKは10万トン弱減産する。新日本製鉄、川崎製鉄、東京製鉄も、当初表明していた数字以上に減産を強化する。在庫の過剰感をぬぐえず、市況も軟化傾向にあるためだ。各社とも4―6月の需要は、1―3月比10%程度増えるとみているが、需要以下に生産を抑えなければ市況にインパクトを与えられないとして、今回の減産強化を決めた。

 住友金属工業は、4―6月の生産を昨年10―12月比で全国平均40%弱、関西地区は40%以上減産する。前年同期比では、生産量を約5万トン減らす。7―9月に予定していた鹿島のミルの定期修理を、4―6月に前倒しすることも検討中だ。店売り向けの引き受け削減は、昨年10月以降継続していた7―9月比30%強減の水準を、4―6月も続ける。「単独でも強い決意で臨む」(建材営業部)構えだが、他メーカーも同様の動きをすれば、6月末には30万トンの適正な在庫水準にできるとみる。販価の変更はなく、後仕切りも撤廃している。 NKKは、6月末までに10万トン弱減らす方針。「ロールスキップも辞さない覚悟」(建材条鋼営業部)で行う。物件は連休明け以降に出てくるとみるが、在庫の適正化を最優先して市況4万円を目指す。後仕切りはせず、安値での受注はしない。ヒモ付き分の販価は、市況より2000円程度高くする。

 新日本製鉄は、当初昨年10―12月比で4月は30%減、5月は20%減としていたが、さらに減らす方針。買い控えにより、実需以上に出庫量が減っているためだ。現在流通にヒアリング中で、減産幅は12日のときわ会で明らかにする。また、ヒモ付き分は、市況を崩す値では売っていないという。

 川崎製鉄の4―5月の店売り向け生産量は、昨年7―9月比50%減とした3月の水準を続ける。6月は市場動向をみて決める。流通在庫が減り始めるのは4月以降、市況の弱含み状態が変わるのは5月以降とみる。「マーケットとの我慢比べ」(建材営業部)という。ヒモ付き分は、需要に見合った生産をするため減産しない。ヒモ付き販価は店売り市況よりも500円程度高くする。

 東京製鉄は、3月19日に明らかにした10―12月比12―13%減よりも減らす。数字は申し込み状況をみて決める。需要は多いが在庫が潤沢なため、買い控えが続いているという。

新 日本製鉄は4―6月の店売り向け厚板について、1―3月に比べて20%減産する方針を固めた。年明け以降店売り主力である建築や建機・産機の需要が落ち込み、市中在庫も増加していることから、需給バランスの立て直しを図る。メーカー、流通では1―3月の厚板生産が、需要に対して過剰だったとの見方が広がっていた。

 店売り向け厚板は昨年10―12月まで好調だったが、1―3月に入り中規模以下の建築物件や建機、産機などの需要にかげりが出始めた。新日鉄では1―3月の店売り需要が、10―12月に比べて10%ほど落ちたと認識し、4―6月の需要も1―3月並みにとどまるとの見方から、在庫増加分である10%を含めて20%程度の生産調整が必要と判断した。

 厚板需要は昨年度以降、造船や橋梁がけん引役となり、建築鉄骨も大型物件を中心に高水準で推移してきた。しかし、橋梁が例年最盛期となる1―3月に減少傾向で、今年度も発注量ベースでは60万トン台前半(前年度比10万トン減)にとどまる見通し。一方、造船は高水準の受注を確保し、来年度上半期まで好調が続く見込み。

ト ピー工業は、アルミホイールにおけるノンクロム前処理技術を開発した。アルミホイール防錆のために適用されるクロム処理は、性能確保には欠かせない処理となっており、代替薬剤の選定と新工法の確立が難しいとされていた。今回、代替薬剤の検討と各処理工程を分解、吟味し、度重なる試作・評価の末、同社独自の特殊処理を活用し、業界で初めて新クロムフリー工法「ONLY ONE技術」を確立した。

 新技術開発ではとくに、クロムを対象として、ヨーロッパで動きの急な環境規制に対応するため、カーメーカーが注視している重金属フリーの製品づくりを狙いとした。新工法のノンクロム処理「ONLY ONE技術」は、アルミ鋳肌を特殊処理した後に、クロムに代わるクロム代替金属で化成皮膜し、従来工法に加え密着度を向上させる後処理皮膜する。

 最近の環境への動向は、京都会議の地球温暖化防止協定にみられるように、地球規模での展開が図られるようになった。重金属規制も従来の公害規制のように、対症療法的な排出規制ではなく、今回のヨーロッパの環境規制のように、循環型社会への布石として、製品中に含んではならないという動向に変化してきている。

 従来のホイールの表面処理は、長期にわたりさびないこと、色が変わらないことを重視して設計してきた。これは、ライフサイクルを伸ばすという環境面に多大な貢献を果たしており、今後も高レベルな品質保証を維持するための重要な塗膜設計方針。

伊 藤製鉄所(本社=東京都江東区、伊藤三好社長)は、5月積みで中国向けのビレット輸出5000トンを決めた。小棒製品については、国内市況との関係で条件がよければ成約していく方針だが、現在のところ価格提示が折り合わず、成約はしていない。小棒輸出は、共英製鋼、関東スチール、三星金属工業が米国向けに輸出を進めており、円安基調とあいまって、国内向け減産の吸収にドライブがかかっている。

 伊藤製鉄は2、3月に通常月の10%減産、15%販売カットを実施し、市況のテコ入れを目的に需給改善に努めてきた。3月契約からベースについて1000円の値上げに取り組み、細物は販価維持で価格見直しに力を注いだ。3月は26―31日まで筑波工場の炉修で6日間操業を休止。5月連休には1日と6―8日に操休を取る予定。国内向けは受注をしぼり、新年度も減産姿勢を続けるが、輸出については国内市況を上回り、採算の合う申し出のみ応じる構え。

 全国的にメーカー各社が市況改善に向け減産体制を取っており、輸出実績のあるメーカーは輸出に振り向けている。対ドル円為替が直近で126円台と円安基調を強めていることで、メーカーの輸出意欲が高まっている。米国向けは現在、需要の縮小と値引き要請もあって、2月の220ドル台から210ドル台に落ちてきているが、円換算では210ドルで2万6000円以上。国内市況に近く、採算的にもメリットが出てくる。

 関東スチールでは4、5月積みで米国向けに1万トン輸出を決めた。共英製鋼枚方事業所も3、4、5月積みの米国向け輸出を決め、クオーターで1万トンを目安に成約していく方針。三星金属も4、5月積みで輸出枠を整えるなど、国内向け減産の吸収先として、しばらく輸出増の傾向が続きそうだ。

住 友金属工業が建設してきた国内最大級のRDF(ごみ固形燃料)プラントの竣工式がこのほど、広域鹿嶋RDFセンターで行われた。

 同設備は、日量142トンの処理能力を持つRDFプラント。水分が少ない良質の固形燃料の製造が可能で、腐敗がなく運搬や保存しやすい点が特徴。142トンの投入ゴミから約70トンの固形燃料を製造できる。

 また、万全の臭気対策など環境を常にクリーンに保つため、不燃物の効率的な除去やダイオキシン類の発生防止などに全力で取り組んだ。99年3月に建設着工し、2001年3月に竣工。このほど本格稼働に入った。

 竣工式では、鹿嶋市や波崎町など3市長が参加する中、あいさつに立った田尻文宏・住友金属工業専務は「作業環境や周辺環境に優れた施設」であることを強調、日本最大級の施設稼働への期待を語った。

村 上鋼業(本社=大阪市鶴見区今津北3―3―8、村上社長)は、今夏をメドに関連会社のワイヤーテクノックス(村上社長)の主要設備のうちローラー圧延式伸線機を撤去し、引き抜き式伸線機を新たに導入する。これにより、同所における伸線機は7台体制となる。

 ワイヤーテクノックスは資本金5000万円で村上鋼業(43%)、合同製鉄(37%)のほか三井物産、伊藤忠商事、合鉄商事、大産運輸の共同出資により、98年4月に発足した伸線加工メーカー。同社は合同製鉄大阪製造所内に位置し、月間2000トン程度を村上鋼業向けの加工材料として伸線加工している。

 工場内の主な設備は伸線ラインに特化し、メカニカルディスケーラー、伸線機などを設置しているが、このうち伸線機について従来型の引き抜き式伸線機に加えて、技術開発への新たな試みとして国内同業種ではあまり導入例がないローラー圧延式伸線機1台を設置し、生産を行っていた。

 しかし、稼働開始からほぼ3年が経過し、「同設備については、第一に伸線スピードのアップを目的に導入し、さまざまな改良策を重ねてきたが、結果として、当社の工程には適応しないと判断したもの」(村上社長)としている。

日 ・韓の新造船竣工量が、2000年で初めて逆転した。日本造船工業会はこのほど、00年の世界新造船竣工量(速報ベース)をまとめた。それによるとロイド統計ベースで韓国が1180万6000総トン、日本が1131万8000総トンと韓国がわずか48万8000総トン抑えて世界一の座に初めてついた。韓国は新造船受注でも2079万1000総トンで世界一。手持ち工事も3000万総トンで世界一となっており、初の三冠達成。

 ただ、竣工量ベースの韓国世界一には、まだ流動的な面を残している。日本海事産業研究所の長塚誠治研究員は「今回の数字は速報値であり、6月の確報値がでるまで分からない。私は日本が1250万総トン、韓国が1245万総トンと、日本がわずかに上回っている可能性があると思っている」としている。

 造工会資料によると、00年の世界の新造船竣工量は2910万1000総トンで、前年比6・2%の増加となった。新造船竣工は、世界的な物流量の拡大とシングルハルタンカーの船齢規制(25歳以上は更新)で、過去20年間の推移で見ても、増加傾向にある。89年の実績が1323万6000総トンで、00年は2・2倍の水準になる。

東 京電力はこのほど、2001年度の設備投資計画をまとめた。それによると全体の投資額は9722億円と、00年度(1兆600億円)比900億円、8・5%の減少。年度の投資額が1兆円を割り込んだのは22年ぶり。景気動向が停滞気味であるため、域内の電力需要見通しは下方修正された。2010年度までの販売電力量の年平均増加率は1・7%増と、過去最低の伸び率に設定。一方で供給面はIPPの本格的な調達があり、自社設備の拡張計画は、全般に調整気味となっている。

 東電は、収益構造の改善と財務体質の強化を今回、打ち出した。このため設備投資を抑制し、フリーキャッシュフローを03年度までの3年間の平均で、4500億円以上に引き上げる。これにより、有利子負債を年平均3000億円以上削減する。設備投資は今後3年間、年平均で9000億円以下にする。修繕費は、前回計画(00年度―02年度の年平均5900億円)から約600億円削減し、01年度―03年度の3カ年平均で5300億円程度とする。

 01年度の設備投資額9722億円の内訳は、電源開発が3700億円、送電が1241億円、変電が657億円、配電が1961億円、その他284億円。このほか原子燃料が1879億円。02年度はさらに削減される計画で、8831億円と9000億円台も割り込む見通し。

東 京地区の大径角形鋼管(コラム)市況は12×300×300の一次加工付き価格で、STKR5万7000円、BCRは6万5000円と下値に移行した。弱含み。僚品H形鋼の弱基調に引きずられている。

 荷動きが悪く、加工納期の受注残は1―2日と短い傾向が続いている。このため、人件費などの固定費を折り合ってでも荷を動かしたいところには、加工賃を折り合う動きがみられる。1万円を7000―8000円にしている。

 春需は不発に終わった。入庫を絞っているため3月の在庫は2月比減るが、他品種の影響で荷動きの悪さは続く見込み。好転するのは5月連休明け以降とみられる。

東 京地区の鉄スクラップ市況は炉前価格7000円中心で横ばい。東京製鉄が3日から自社対応で購入価格を7400円に上げたことで、これまで輸出に回っていた関東地区の余剰分が国内に還流する可能性も出てきた。「輸出の勢いが薄れるのではないか」と不安の声も聞かれる。

 輸出に関しては「4月まで順調に増えるだろう」との見方がある一方、岸壁では「6000トン級の船に対して、4400トンしか集まらない」というケースも出ている。東鉄が再度値上げするとの予測もヤードディーラー側から出ており、今後の価格動向とその影響が気になるところ。

大 阪地区の厚板市況は需要低迷に加え、在庫の増加もあって、扱い特約店はなかなか販売をひき締められない状態が続いている。市況は4万―4万1000円(トン当たり、12ミリ厚の3×6サイズ)どころで弱含み。

 一部の高炉メーカーは減産に乗り出す意向。ただ、中山製鋼所は通常ペースの生産を継続しているうえ、輸入材も月間平均で8万―9万トンと高水準。この結果、特約店や溶断業者の入荷は絞り切れていない。一方、需要は建築、機械ともに落ちてきており、市中の荷動きは小口中心でさえない。溶断業者の加工も稼働率が低下、受注残も2―3日程度となっている。

 在庫は特約店、溶断業者段階ともに増加傾向にあり、過剰ぎみ。ユーザーサイドからの指し値も厳しく、当面、市況は弱含み。