2001.04.09
日 本鉄鋼連盟がまとめた主要設備プロジェクトに関する2001年度設備投資額は、2000年9月末時点の投資見通し3700億円から、2001年3月末時点で8・9%増の4030億円と上向きになっていることが明らかになった。

 2000年度の設備投資計画では、99年9月末時点で3650億円の見通しだったが、3960億円と上方修正された。2001年度は、新日鉄や日新製鋼などが新たな追加投資計画を打ち出したことで、当初の設備投資額3700億円から4030億円と若干ながら上向くことになるもよう。

 具体的には、新日鉄八幡製鉄所の溶融亜鉛めっき設備リプレース工事に130億円(工期=2000年4月―2002年2月)、川崎製鉄水島製鉄所の第4高炉改修に170億円(工期=2001年10―12月)、日新製鋼呉製鉄所第2高炉改修に100億円(工期=2001年4月―2002年11月)と新たな投資計画が追加された。この他、新日鉄関連では、君津や室蘭などで高炉改修や環境対策工事が予定されている。

 2000年度は、新日鉄が210億円を投じて名古屋第3高炉を改修、川鉄では、40億円を投じて第4高炉改修のバックアップに向け第1高炉の再稼働工事を行った。また、日新製鋼では、東予製造所の連続溶融めっき設備リプレース工事で210億円、冷間圧延設備のリプレースで130億円を投資した。

 いずれも粗鋼生産量の増加に伴う積極投資というより、厳しい需要マーケットを背景とする、合理化、環境対策など生き残りをかけた設備投資という側面が強い。

H 形鋼メーカーによる4―6月の減産強化を、流通は歓迎している。市況回復という目標を設定して、その遂行のための策を施したと高く評価する。足元の荷動きは停滞気味で、市況は3万5000円中心と500―1000円下がったが、今後は減産効果が表れ環境は好転してくるとみて、安値での受注はしない方針だ。

 これまでの減産は目的がなく、流通が少なめに出した明細に応じて生産する受動的なやり方で、実際に減らしたのかも不透明だった。それに対して今回は「6月末にあるべき姿を描き、市況立て直しへの姿勢を示した」(総合商社)能動的減産で、確実に量を絞っているとみられている。

 3月の商社在庫は2月比で10―15%減り、契約残も減少した。減産強化の効果で、4月はもう一段階減って歯抜けが出ると商社筋は分析。このため少し荷動きが良くなれば、5月の連休明け前後に一気にタイト感の出る可能性もあるとみる。その時に安値で販売しているとチャンスを逃す。一度下がった市況を上げるのは難しい。需要家からは3万3500―3万4000円の指し値がきているが、現在の市況でも採算割れのため、最低ラインを割り込む価格での販売はしない方針。

 春需は不発に終わり、3月以降も荷動きは停滞。在庫の過剰感が残り、市況は500―1000円下がって置き場で3万5000円が中心となった。

2 001年度第1回関西地区小棒懇談会が6日開催されたが、懇談会後の記者会見で高島秀一郎・代表幹事(共英製鋼社長)は「メーカーは今月に1000円の値上げを実施するとともに、大幅な減産を実施し、4月の地区生産計画は異例の16万トン半ばまで落ちた。それほどメーカーの危機意識は強く、今後、市況も好転に向かうだろう」として事実上の底入れ宣言を発し、概要次の通り語った。

 一、市況は昨秋以降、増産による供給増と需要の急減で3000円程度値下がりしてきたが、大幅な値崩れは避けることができた。これも裏返せば、構造改善の成果かもしれない。

 一、4月は1000円の値上げを実施するとともに、第2週の1週間限定販売により引受量を最大限絞る。

 一、4月の16万トン半ばの生産量は、中山鋼業が会社更生法を申請した99年4月の水準に匹敵するか、もしくはそれより若干少ない数字になりそう。

 一、5月以降も同様の減産を実施し、4―6月平均でも17万トン程度の数字になる見込み。さらに輸出も積極的に行われるなど供給量が抑えられ、需要が少し盛り上がればショートする環境になる。
大 宮溶接金網(本社=東大阪市菱江399、中村勇夫社長)は、今月から異形溶接金網の製造・販売事業を開始した。本社工場内に自社製の溶接金網製造機を据え付けており、販売は近畿地区の流通・問屋向け中心に販売を展開し、当面は月産500トンを目指す。

 同社は中村螺子(中村勇夫社長)グループの関連会社。1989年からグループとして溶接金網の製造を開始し、ゼネコン向けなどを中心に、同社が販売事業を展開している。これまで異形棒鋼を材料とした溶接金網のうち、定尺ものについては販売を行っていたが、「建造物の耐震構造強化への要求が高まり、より大きなサイズの商品への需要増が期待できる」との判断から、約1年半前に社内の若手社員を中心にチームを結成し、自社製の異形溶接金網機械の開発に着手。このほど設備が完成し、製造を開始したもの。

 製品サイズはD13、D16、D19まで、幅2b×長さ4bの定尺から、最大幅3b×長さ8bまで対応可能。

 今回の製造・販売開始について中村社長は、「デリバリー面などを考慮すると、販売エリアは大阪府を中心に奈良県、和歌山県、滋賀県、兵庫県東部までと考えており、あくまで同業他社と協調する形で、販売網の構築を図りたい」としている。

北 海道棒鋼の社長会社である新北海鋼業(本社=小樽市、大庭哲哉社長)は、今期における小棒の緊急大幅減産を決めた。この動きには、道内2メーカーも追随の意向を固めている。

 減産幅は4―6月に対前年比10%、当初計画比では15%のダウン。この中で、まず4月は対前年比15%減の4万3000トンにまで生産量を落とす。地区では本格的な春需シーズンを控え、これだけの生産調整を行うのは極めてまれなケース。

 販売については、旧契約未明細残のカット・整理、あるいは安値ショート玉を全廃。今月も3月に引き続き販価を1000円幅で値戻しする。

 01年度の道内における小棒需要は、対前年度比約10%減の52万トン割れも予想されている。このため、数量を追うことを避け3万円を目標に、あくまでも市況の是正を最優先に掲げたもの。

米 中堅高炉のウエアートン・スチールは5日、米国の鉄鋼輸入制限に対する欧州、韓国、日本による反対キャンペーンが予想されるが、米国政府として妥協することなく、国内鉄鋼業維持のための施策を実行に移すことを求める書簡を、ブッシュ大統領あてに送付したと発表した。

 米国の鉄鋼業界、議会メンバーおよび労働組合は、ブッシュ大統領に対して鉄鋼輸入を制限するための通商法201条の発動を要請している。

 同社によると、こうした米国の動きに対して、韓国と欧州の鉄鋼プロデューサーらが3月21日に共通スタンスで対応していくことを確認、また、4月9日には、日本と韓国の政府高官がこの問題について協議の場を持つ予定となっている。

 こうした状況において同社は、1997年以来、国内の鉄鋼企業18社が会社更生法を申請、数千人の労働者が職を失い、鉄鋼企業株は大幅に下落したと強調するとともに、鉄鋼業界の再生には201条発動による猶予期間が必要であると訴えている。
大 阪スチール(本社=京都府八幡市、川上正喜社長)は前期(01年1月期)の決算、および今期計画を明らかにした。今期は売上高で年間11億―12億円と前期比15%前後減、利益は経常段階での黒字継続を目指す。切板の需要が不透明な状況にあることから、具体的には加工量は年間2万2000トンと同3000トン減を予定。歩留まりも現状の87%から引き上げる。在庫も2500―2600トン(支給材も含む)から2000トン程度まで圧縮する。

 同社は川鉄商事系の溶断業者で、本社工場にNC溶断機6台、レーザー切断機1台、ギロチンシャー、自動罫書き機、自動開先機、オートボーラーなどを持ち、産業機械、建設機械、橋梁、車両、建築、土木向けに切板を行っている。

 前期の業績は売上高が13億4000万円と00年1月比3500万円増、利益も経常段階で黒字となった。粗利段階では同比2000万円強向上したが、新会計制度の導入に伴う株式などの含み損の計上、退職給付引当金などもあって、経常段階での利益は00年1月期よりも減少した。加工数量は年間2万5000トンと同1300トンの増。

土 木建設資材の製造・販売・リースを手がける日動機材(本社=東京都渋谷区、根本満社長)は2001年度、需要が急増している「ピアー用型枠(ケーソン用型枠含む)」と「仮設式昇降設備」のリース量拡大に取り組む。すでに両製品に関しては、ヤード在庫をそろえるなど準備を進めている。

 同社は72年創業。円形や特殊型枠の製造・販売・リースをメーンに手がけるほか、重仮設材である山留材や一般軽仮設材なども扱っている。

 この中で「ピアー用型枠」と「仮設式昇降設備」は成長著しく、来年度の拡販商品に選定している。

 「ピアー用型枠」はメーンの橋脚向け以外に、ここにきてケーソン用(橋脚の基礎部分)での需要が急増。同社では、このユーザーニーズに対応するため、これまで直径3―6メートル物を中心に製造・在庫していたが、ケーソン向け(直径6―10メートル物)を増産し、ヤード在庫を拡充している。

 一方で、建築や土木の地下工事で活躍する「仮設式昇降設備」は、主力の「セーフティーラダー(立坑用安全はしご)」や「ハングラダー(折畳式安全吊階段)」に加えて、新たに「簡易ラダー(サークル差込式)」を開発。いずれも軽量で作業性が良く、ユーザーの評価も高い。

東 京地区の異形棒鋼は細物メーカーが4月契約で1000円上げの方針を固めたが、ゼネコンサイドはいまだ様子見で、2万8000円を上値にもみあい。

 期待の春需の出がいまひとつ。メーカー動向を見極め慎重な発注姿勢をみせるゼネコンサイドの構えから、商社への引き合いは振るわない。ゼネコンの指し値も依然厳しく、商社のベース2万8000円の唱えに応じるところは少ない。

 ただ、ベースに続き、細物メーカーも値上げに踏み切り、底上げ感は強まっている。安値は消えつつあり、大手商社は高唱えでほぼ足並みがそろっているためメーカー姿勢が堅持されれば上値シフトも予見される。

東 京地区の厚板市況は弱含み。供給面のバランスが悪く、市中価格は徐々に下がって3万9000円(12ミリ、ベースサイズ)中心。需要の落ち込みと高炉メーカーの供給増が影響して、在庫が大幅に増加。国内の価格対応もメーカー間で足並みが乱れ、安値に引っ張られて弱気へと傾いている。これに対して高炉メーカーは新日本製鉄をはじめ減産を表明、4―6月を在庫調整に充てる方針を打ち出した。

 溶断業者では切板の加工が減少傾向。建築は大型物件が継続しているものの、中規模以下の物件は振るわず、中小の溶断業者では仕事量の増減について温度差が出ている。目先は弱基調。

大 阪地区の冷延薄板は需要が落ち込んでいるうえ、ユーザーサイドは新年度入りということもあって、厳しい指し値を流通に出している。これを反映し、市況は4万6000円どころで弱含み。高炉各社はここにきて、減産の動きをとりつつあるが、まだ、足並みがそろっていない。輸入は韓国、台湾からコンスタントに入っており、入着量は月間平均で8万―10万トンとなっている。

 一方、需要は弱電、建築が低調なうえ、コイルセンターの加工は稼働率が80%程度にとどまっている。特約店の定尺の荷動きも小口中心でさえない。在庫も増加に歯止めがかかっておらず、現在、在庫率は1・2―1・3カ月となっている。流通の販売の立て直しには時間がかかる見通し。