2001.04.16
2 年後にNKKと川鉄が統合することで、1970年(昭和45年)4月の旧八幡、富士合併以来、30年以上続いた、日本鉄鋼業の新日本製鉄主導型の市場メカニズムが大きく変化しそうだ。00暦年の粗鋼生産は、新日鉄が2810万トン、NKK、川鉄連合が年度で2500万トン強(NKK1310万トン、川鉄1210万トン)。単体同士での実績比較ではまだ新日鉄が首位の座を維持するが、グループ全体では新日鉄を上回る。また、連合体側には能力増強余地もあり、今後業界の2大勢力として競合していくことが十分予想されるところだ。

 業界関係者の関心事は、この両社統合を機に今後、大きく高まると見られる業界再編機運とその渦の中で、住友金属工業、神戸製鋼、日新製鋼の他の高炉メーカーがどう動くか、その去就に集まっている。住金はシームレスパイプの商権を移譲され、ステンレスでアライアンスを組んでいる新日鉄に接近することと、NKK、川鉄連合と手を組む二つの選択権を保持しており、住金の動向は新たな焦点となる。

 自主路線を宣言している神鋼は線材、ハイテン鋼など高級鋼材に特化する戦略で生き残りの道を切り開くものと見られるが、日新は新日鉄グループの一員として、ステンレスと表面処理鋼板との事業交換も含めた新たな枠組みを模索していくことになりそうである。新日鉄が韓国POSCOとの提携関係を今後、どう発展させていくかも注目されるところだ。

川 鉄建材(増田光一社長)は今期、財務内容の改善、これに付随した遊休資産の有効活用をさらに推進する。財務面では中期計画(99―01年度)で有利子負債残高を200億円程度に圧縮する計画だったが、すでに、前年度末(01年3月期)で200億円を切ったもようで、前倒しで達成した。今年度はさらに削減していく方針。また、習志野工場(千葉県習志野市東習志野)の遊休部分の有効活用を検討、早急に具体化させていく。

 同社は99年度から、3カ年の第4次中期計画を推進している。同計画では経常利益で10億円以上、フリーキャッシュフローを3年間トータルで40億円以上とするとともに、有利子負債の圧縮を図ることが狙い。

 有利子負債については、99年度のスタート当初で230億円だったが、これを200億円まで圧縮する計画だった。実際には工場の集約、在庫の削減、投資の抑制、得意分野の営業強化、販売価格の是正などの取り組みもあって、前年度末段階で、有利子負債は200億円を切ったもよう。

川 鉄商事は、インドネシアに現地法人「カワショウ・インドネシア社」を設立する。所在地は川商のジャカルタ駐在員事務所内。資本金は10万ドル。設立時期は4月20日(予定)。社長は加藤修氏(川商から出向)。従業員は3人。

 インドネシアの外資規制緩和に伴い、現地法人商社を設立する。従来手がけていない、ASEAN域内を中心とした外国間輸出入、国内取引を行い、地場に密着したビジネスを創出する。

 主な取扱品目は機械、化学品、エレクトロニクス関連部品の輸出入、国内取引。

中 山製鋼所(神崎昌久社長)は先週末、グループ企業である中山三星建材(佐藤亘社長)が4月に実施を予定していた中山製鋼引き受けの1億円の第三者割当増資を取りやめたことを明らかにした。増資により調達した資金を設備投資の一部に充当する計画だったが、三星建材が独自に資金調達にメドをつけたため。

 ただグループ経営強化を目的に、中山三星建材への出資比率を現在の36・1%から40%超まで高め、同社を連結対象子会社化する。同じグループ企業の中山通商と三星海運が保有する中山三星建材の株式の一部(各1万5000株)を、中山製鋼が3100万円で買い取る。20日付で実施。これにより、中山製鋼が保有する中山三星建材の株式は28万7858株に増える。持ち株比率は40・3%となり、2001年9月中間決算から連結決算対象となる。

大 手鋼管問屋の日建産業(本社=大阪市西区立売堀2―1―9、口康宏社長)は今月25日に、伊万里営業所(佐賀県伊万里市松島町)を新たに開設する。西九州に集中する造船・プラントなどの主要需要家が資材購入を現地調達に切り替える中、常駐することで営業・配送面での機動力を発揮するのが狙い。また、従来の福岡営業所(久留米市御井旗崎)は地場流通と連携のもと、パイプだけにこだわらない営業戦略に転換するなどし、九州全体で50%増の売り上げ増を目指す。

 新設する営業所には当初、2人の営業マンが常駐。機動力を生かして造船やプラント向けの営業を強化し、SGP,STPGなど配管用鋼管および構造用鋼管の販売量を増やす。進捗状況を見て、増員も図る。また、営業所の開設とともに、新たに佐世保倉庫(長崎県佐世保市万津町・佐世保港運)を開設。従来の伊万里物流センター(佐賀県伊万里市・名村造船所内)と合わせ700―800トン程度を在庫する。

 なかでも造船は向こう2―3年の間、安定的な需要が見込まれる一方で、資材調達については輸入材を含めコスト引き下げ要求が強まっている。このため、営業・配送面での地の利を生かし、今後、造船向けのパイプ納入でナンバーワンを目指す。
N KKは本年度、先端翼付き回転貫入鋼管杭「つばさ杭」と、ソイルセメントと鋼管の合成杭「HYSCパイル」を積極的に展開し、「つばさ杭」で1万トン(前年度比約67%増)、「ソイルセメント合成鋼管杭工法(HYSCパイル工法)」で8000―1万トン(チャレンジ目標)の目標を達成していく方針だ。

 鋼管杭メーカー各社は、ここ数年で国内需要が大きく落ち込んでいる鋼管杭の鉄需拡大を図るため、土木・建築両分野での普及・拡大を促進。前年度目標である「内需プラス1万トン」はクリアする見通しで、本年度は「内需プラス2万トン」を目指している。NKKでは本年度、この鉄需拡大の一環として「つばさ杭」と「HYSCパイル工法」の拡販に注力していく。

 「つばさ杭」は、先端翼付き回転貫入鋼管杭。特長は(1)拡大先端翼で大きな鉛直支持力が得られ、経済性に優れている(2)先端翼を利用した回転貫入によって、無排土での施工が可能(3)低振動・低騒音であるとともに、セメントミルクを使用しないため、地下水の汚染や産業廃棄物の心配が不要―など。

 この「つばさ杭」を発展させた新製品「拡頭つばさ杭」は、外径508ミリの「つばさ杭」に円盤継手を介して外径800ミリの鋼管を接合し、軟弱地盤に対応できるもので、昨年に建設大臣認定(建設省東住指発第244号)を取得している。

 一方、「HYSCパイル工法」は、地面中に造成したソイルセメント柱の中にリブ付鋼管を挿入して完成するソイルセメントと鋼管の合成杭。同製品は(1)ソイルセメントと鋼管杭の合成によって合理的な設計が可能となり、支持力性能が優れている(2)現地盤の土砂を材料として利用し、ソイルセメント柱を造成するため、掘削排土が少なく、産業廃棄物をほとんど出さない(3)高能率の掘削撹拌機械を用いてソイルセメント柱を造成するため、短工期を実現(4)低振動・低騒音で施工することができ、市街地での杭工事に適している―などのメリットがある。
鋼 材加工業の大同鋼材(本社=千葉県市川市、大竹口照次社長)は今期、輸出業務の拡大と、インターネットを活用した新規事業に力を注ぐ。輸出は従来の間接輸出のほか、現地での合弁会社設立を視野に、直接輸出を広げる。ネット事業では、レーザー加工品のネット受注サイト「ハンドメイド工房」をホームページ上にオープン、新規需要を開拓する。また、設備投資として本社倉庫に圧延機を導入し、外注工程の内製化を検討する。

 輸出業務は昨年5月から、東南アジア地区向け輸出業者に対し、コイルなどを月間500―600トン販売している。今後は、ベトナム向けに直接輸出を拡大する方針。今月、初荷として現地GIメーカー向けにコイル60トンを出荷した。扱い量をさらに増やし、1年以内にベトナムで合弁会社を設立する構想。最終的には対ベトナム貿易で、月間約500トンの扱いを確保したい考え。

 インターネット事業では先月から、ホームページ上に一般消費者からの加工注文を受け付ける窓口、「ハンドメイド工房」をオープンした。今年1月に導入したレーザー加工機(最大出力3・6kw、最大加工板厚16ミリメートル)を活用、一般消費者が日曜大工感覚でレーザー加工品を扱うことを狙い、今後、ユーザー層を開拓する。

関 西地区の大手鋼板加工業者の近江産業(本社=大阪市中央区、小八木規之社長)は、3月の全社ベースの加工量が月間2万1000トンと、ここ2―3年間では最高水準を達成した。同社ではISO9002の取得以来、小集団活動を徹底させたことにより、これが営業面の成果となったとの見方をしている。今後も品質や生産性に重点を置いた活動を展開し、高水準な受注・加工を目指す。

 同社は鶴浜鉄鋼センター(大阪市大正区)、南港鋼板センター(大阪市住之江区)の2カ所に鋼板の加工拠点を持っている。鶴浜鉄鋼センターは大型レベラー2基、大型スリッター1基でホットコイルの加工、プレーナー、アイトレーサー、レーザー切断機、プラズマ切断機で厚板溶断、およびB・H製作、ショット加工を手掛けている。

 一方、南港鉄鋼センターは大型レベラー2基、大型スリッター1基、ミニレベラー1基、シャーリング2台があり、酸洗コイル、冷延コイル、表面処理鋼板を加工している。

 同社の最近の加工量は平均で月間1万8000トン前後だが、この3月は月間2万1000トンに達した。加工内訳は薄板加工(コイルセンター)が同1万6000トンで、このうち、鶴浜のホットコイル加工が同1万トン、南港の酸洗・冷延・表面処理の加工が同6000トン。これ以外はショットが同3500トン、B・Hが同500トン、溶断が同1000トン。

東 京地区の異形棒鋼市況はメーカーの販売姿勢が固く、流通の高唱えにこたえるゼネコンも出始めており、ベース2万8000円どころで推移。春需を迎え引き合いは増えており、メーカーの減産が後押しとなって目先も小じっかりと推移しそう。

 ベースメーカーが3、4月と枠売りを実施し、2月比1000円の値上げを徹底。商社は2万8000円以上の販売を目指し、ゼネコンと交渉。一部では2万8500円での成約もあり、地合いは引き締まっている。細物メーカーもここへきて値上げの方針を打ち出した。GW中に緊急減産を行うところも多く、生産動向次第では反転力を強める可能性は大きい。

東 京地区の表面処理鋼板市況は弱含み。市中価格(電気亜鉛めっき鋼板)は熱延下地5万6000円、冷延下地6万6000円中心。

 需要は大きく落ち込んでいないが、店売り主力の建材の動きが悪い。コイル供給は1―3月にかけて増加し、輸入材を含めて安値の売り込みが一部に出たため買い控えが加速、販売業者も弱気の商売となっている。

 4―6月は自動車や電機などの需要は堅調に推移する見通しだが、建材は「例年、落ち込む時期」(コイルセンター)。電気めっきは用途により価格帯が幅広く、小口商いについては値下げ余地が小さいものの、薄板全体の値下げにやはり強く影響されている。

大 阪地区の中板市況は需要が低迷しているうえ、在庫調整が本格化していない。ただ、扱い特約店ではここにきて、販売を立て直したい機運が出てきており、市況は3万1000円どころで弱もちあい。

 高炉メーカーが減産方針を打ち出してきたが実際、物が絞られるのは5月以降となる見通し。輸入材も月間18万トン前後とコンスタント。一方、需要は建築が低調な状態が続き、機械も落ち込んでいる。特約店段階の定尺の荷動きも小口中心でさえない。また、在庫もコイルセンター段階、特約店段階ともに、積み上がった状態を継続。

 しかし、流通サイドは仕入れ価格を考慮すると、これ以上の安値対応は危険、との見方をしている。価格的には底値圏ではないか、との見方が多い。