2001.04.18
神 戸製鋼所は17日、欧州における特殊鋼線材・棒鋼のトップメーカーであるイタリア・ルッキーニ社(CEO=ジュゼッペ・ルッキーニ氏)と自動車用特殊鋼線材・棒鋼に関して、包括的技術提携を前提とした交流を開始すると発表した。

 神鋼は特殊鋼線材・棒鋼分野で世界のリーディング・カンパニーとして広範な自動車用鋼を生産・販売しており、一方、ルッキーニ社は傘下にアスコメタル社(仏)、フタL・W社(ポーランド)などを抱え、自動車用特殊鋼線材・棒鋼分野で欧州トップの地位にある。今回の技術提携を前提とした交流により、高水準かつ同品質の製品をグローバルに供給できる体制を確立することで、自動車メーカーの世界調達の動きに対応しようというもの。神鋼の自動車用特殊鋼線材・棒鋼分野での世界戦略の一環と言える。

 技術交流に関する合意の内容は、@自動車用線材・棒鋼を対象に製鋼から出荷までの製造技術を開示し、相互の品質・コスト競争力の向上を図るA自動車の軽量・コンパクト化に通じる商品技術を開示し、メニューの共通化を図る―など。技術交流の方法は年数回、製鉄所間交流、研究所間交流を日本―欧州で交互に開催する。技術交流の開始は、5月もしくは6月に第1回を日本で開催する。交流会を経て、早期に包括的技術提携契約を結ぶ方針。

 神鋼は今回の技術交流を機に、自動車用特殊鋼線材・棒鋼分野で、グローバルに製品供給できる体制を確立、自動車メーカーの世界調達へ対応することで、リーディング・カンパニーとしての地位を一段と強固なものにしていく考え。

住 友金属工業と三菱マテリアル両社は17日、02年1月をメドに両社のシリコンウエハー事業を対等な関係で全面的に統合することで基本合意に達したと発表した。

 両社は99年3月、全額出資子会社として次世代半導体用300ミリ(12インチ)ウエハー事業の開発、製造を共同事業化し、同年7月にシリコンユナイテッドマニュファクチュアリング(SUMCO社)を設立、現在SUMCO社は今秋の稼働を目指し量産工場を建設中。

 両社は顧客の対応および製造において、それぞれの特徴ならびに今後の資金・人材などの経営資源を効率的に導入する観点から300ミリウエハー事業の連携だけにとどまらず、同事業のすべてを統合することによって効率化を図る。

 新統合会社の具体的内容は、森禮次郎・住友金属工業取締役相談役が新会社の社長、同副社長には水越實・三菱マテリアルシリコン取締役会長がそれぞれ就任する予定。統合時期は01年2月1日、出資比率は住金50%、三菱マ50%。

住 友金属工業の下妻博社長は17日、三菱マテリアルとのシリコンウエハー事業統合会見で、今後の鉄鋼事業の戦略について「今後ともインディペンデントで進める」と強調した。同会見で先週末のNKKと川崎製鉄の経営統合に関連する質問に答えた。同社長の発言要旨は次の通り。

 鉄鋼事業の戦略については、かねてよりインディペンデントで進め、現在もその戦略は変わっていない。300ミリシリコンウエハー事業など新しい時代の事業からみれば、鉄鋼事業はオールドエコノミーとみられるだろうが、2つのものが1つになったとして見掛け上の計算だけでは判断し切れないものがある。 鉄鋼事業はかなり大きな設備を地域に抱えており、まずは自分の力で同事業に誠心誠意取り組むことである。
大 手軽仮設機材リース業者、SRGタカミヤ(本社=大阪市北区、高宮東実社長)は、中国地区の地場リース業者である日建リース(本社=広島県東広島市、三宅弘子社長)と軽仮設機材リースおよびヤード共有化で業務提携することで合意し、このほどスタートした。

 SRGタカミヤでは、日建リースが保有するヤードの一部(面積約3700平方メートル)を賃借し、4月10日付で広島営業所・広島志和センターを開設した。人員は3人(営業マン2人、センター兼任者1人)でスタート。同社では営業所開設に先がけて、00年11月に広島出張所を配置し、市場調査を行っていた。

 業務提携の内容は、SRGタカミヤが日建リースに土木システム支保工を供給するとともに、これまで蓄積してきた土木技術・ノウハウを提供。一方、日建リースはSRGタカミヤに対しヤード共有化を受け入れるほか、足場や建枠など一般仮設機材を支給する。

 SRGタカミヤは中国地区向けリースに関して、これまで大阪支店で営業し、兵庫加古川センターから機材をデリバリーしていた。また、日建リースはこれまで建築向けリースが100%となっており、土木分野への進出が懸案となっていた。

 今回の業務提携によって、SRGタカミヤは念願であった中国地方における出先機関進出を達成し、日建リースは建築に加えて土木分野に本格参入することができ、両者にとってメリットは大きい。
ワ コースチール(本社=千葉県香取郡、松本壽孝社長)は今年度、溶接・製缶事業を強化して厚板加工の高付加価値化を推進する。橋梁や耐震用建材など新規加工分野へ進出するとともに、本社・香取工場の生産体制を見直して新規分野への対応を検討する。

 同社は住友金属工業グループの鋼板加工業者。昨年度、加工製品事業を住友金属建材に譲渡して、今年度から鋼板加工に事業を特化。本社(香取)工場で建機・産機向けを中心に厚中板の溶断、切断加工を行っている。

 強化する製缶事業は主力の建機・産機向けを対象に、需要家による外注化要請を取り込みながら受注増加を図る。既存のプレス、溶接設備を活用しながら切板加工の部品化、高付加価値化に対応して事業全体の一つの柱としたい考え。

 新規分野としては橋梁と建築関連製品の加工を進める。橋梁は今年度の受注が見込まれており、技術面を中心に生産体制を確立する。建築関連では耐震ダンパー(振動吸収装置)など耐震用建材の加工を検討、今年度から取り組み来年度の製品化を目指す。

 香取工場では設備レイアウトの見直しを進め、効率化により生まれたスペースの新規加工分野への活用を検討する。4月から工場全体を統括する製造本部長を置き、効率的な生産システムの構築を進めていく。
世 界主要国の2月の粗鋼生産は、米国経済の停滞による世界景気の減速気配から、調整色が強まっている。最大の生産国中国は、1027万5000トンで前年同月比5・6%と増加したが、アメリカは736万8000トンで同11・4%の大幅減となった。輸出低下と国内の在庫調整に乗り出している日本も、792万9000トンと同2・0%の減。世界63カ国の合計は6362万3000トンで、同3・0%の減少。

 世界の主要国生産で際立った減産の動きを見せているのが、アメリカ。すでに基礎資材では調整が明確となっており、2月の減産幅は11・4%と2ケタ台。1―2月の累計は1505万7000トンで同12・7%減と、このまま推移すれば年間9000万トン際まで低下する懸念がある。ただ、国内の在庫調整は、輸入鋼材の大幅な減少と国内メーカーの減産強化で大幅に進展しており、上期でメドがつく可能性もある。調整局面のアメリカに対し、中国・台湾は堅調。

 中国は、1―2月の工業生産が前年同期比10・2%と高水準で推移しており、鋼材需要も堅調。このため2月生産は5・6%の増加。1―2月累計では8・2%の増加を記録している。ただ、このところの供給増に懸念の声が強まっており、政府は減産を指示していると言われる。

 台湾は市場実態と異なり、生産は過熱気味。1―2月の累計生産量は、293万トンと同16・2%の増加。国内では在庫過剰感が強く、輸出も低下している。このため3月以降の国内生産は、マイナスに転じる可能性が強い。
ム ーディーズは、NKKと同社の信用補完付き子会社の長期債務格付けを4月16日にBa2からBa1に引き上げたうえで、さらに見直しを行う。一方、川崎製鉄と同社の信用補完付き子会社の長期債務格付けBaa3を引き下げる方向で、見直しを始める。今回の格付け見直しは、NKKと川崎製鉄が、持ち株会社を設立して経営を統合することで合意したとの発表を受けたもので、両社の信用力が最終的に収れんするとの見解に基づいている。

 NKKと川崎製鉄は、02年10月までに共同で持ち株会社を設立し、その100%子会社となる。さらに、03年4月までに、持ち株会社のもとで事業別子会社の形態で完全に事業を統合する。両社は統合の過程で、組織総合に先立って取り得る策を実行し、統合効果を早期に実現していく意向。

 NKKの格付けは、両社の信用力が、事業統合の実現に向けて最終的に同一の格付けに収れんするため、両社の格付けの差が実質的に縮まったとのムーディーズの見解を反映している。また、NKK自身が進めているコスト構造と資本構造の改善努力に加え、統合への過程でさらに改善が進む可能性があるとの見方も考慮に入れている。

 ムーディーズは、統合が両社それぞれと統合後の会社の信用力に与える影響と、コスト削減、生産効率、技術面のシナジー、マーケティング面の影響力、財務内容などを中心にさらに検討していく。

韓 国鉄鋼協会はこのほど、2001年の国内鋼材需要を上方修正した。昨年11月に想定した年間総需要を100万トンプラス修正し、5118万5000トンとした。ただ、この水準でも、00年実績(5215万トン)より1・9%の減少が見込まれている。

 新しい需要見通しによると、内需は当初見通しより105万3000トン増の3756万トンと修正されたが、前年実績比では2・4%の減少。輸出は、条件悪化に変化がないとして1362万5000トン、同0・5%減とした。

 生産は、前年比0・9%減の4841万トン。輸入は、692万トン(ホットコイル含む)で同13・1%の減。

 内需の上方修正は、00年下半期以降の国内景気の沈滞が01年の第1クオーターを底に回復に向かっており、これを理由にマイナス幅を修正した。ただ、IMF体制前の3814万5000トンは下回ると見られている。

 内訳は、建設部門では政府予算の早期執行と、下半期以降の建設業者の分譲再開などで下半期以降回復が見込まれている。製造業は、造船・家電・一般機械部門は前年より増加。これに対し、自動車は減少する。この結果、鋼板需要は前年比1・6%の減少としている。

東 京地区の冷延薄板市況はコイルの安値が影響して値下がり。市中価格(1・0―1・6_、ベースサイズ)は4万7000―4万8000円が中心。

 4月以降の荷動きは年度末である3月から比べると、一段と鈍っているようだ。小売価格はロットや納期により幅広く、4万9000―5万円の商いも残るが、中心値は3月に比べて1000円は下落している。

 需要の停滞に対して、供給は輸入コイルを中心に過剰感が残る。一部3万円台後半の安値で商談が行われ、小売価格が下がる要因となっている。熱延薄板、中板に底値ムードが出ているが冷延には波及しておらず、続落の可能性が高い。

東 京地区のH形鋼市況は100×200で3万5000円中心の横ばい。ときわ会在庫の減少が明らかとなり、底値感が浸透。サイズによっては歯抜けもあり、5月中旬以降には、上昇に向かう見込み。

 4月は日当たりの荷動きは3月比横ばい。「3月下旬から引き合いは増えているが、一件当たりのロットが少ない」(商社)ためだ。ただ、関東で民間の大型プロジェクトが動いているため,土木サイズの引き合いは増えつつあるが、建築需要は、昨年よりも大きく落ち込む。このためメーカーは減産強化を継続。流通は必要以上の申し込みはせず、在庫を大切に売っていく方針。この効果で契約残は大きく減っている。

大 阪地区の冷延薄板市況は地区の需要が盛り上がりに欠け、在庫調整の遅れもあって、市況は4万4000―4万5000円どころで弱含み。

 ここにきて、高炉メーカーはホットコイルの減産方針を打ち出しているが、冷延や表面処理については明確な需給調整を表明していない。

 これに加え、冷延の輸入は月間8万―9万トンとコンスタント。地区のコイルセンターの入荷も絞られていない。

 一方、需要は家電が白物を中心に、生産が落ちてきている。建材も依然として低調。また、在庫もコイルセンター段階のコイルとシート、特約店段階のシートともにやや過剰ぎみ。