2001.04.24
住 友金属工業のシームレスパイプ生産がこの4月からフル操業。原油価格が高位安定推移、掘削活動が活発化するなか、全生産の4分の3を占める輸出向けが順調に回復してきていること、新日本製鉄・八幡の中径ミル休止に伴う商権継承が昨年度末までに円満に完了したためで、フル操業は少なくとも年度いっぱい続く見通しだ。

 価格は現在FOB900ドル(炭素鋼油井管平均ベース)が実勢化、目先1000ドルを狙える状況にある。輸出の好調を背景に建設機械、自動車などの国内需要家向けについても、平均トン当たり1万円以上の値上げ(4月ロール、5月出荷分から)が浸透しつつある。

 原油価格が低水準で推移した99年度の住金のシームレスパイプ生産は69万トンにとどまり、輸出市況もひところ、600j割れの水準に落ち込み、大幅赤字を余儀なくされた。

 99年3月からOPECが協調減産し、原油価格が持ち直す過程で、00年度生産は80万トンにまでに回復、品種損益も00年度の後半から黒字に転化した。01年度に入っても市況は堅調を持続。

 数量、価格両面のダブル効果にプラスして、耐食性の強い13クロム鋼など高付加価値製品の比率が高まっていることや、為替の円安メリットあり、同社のシームレスパイプはひところの代表的な赤字品種から償却後黒字品種という優等品種へと様変わりだ。01年度の生産について同社では「100万トンを見込んでいる」(安藤力常務・鋼管事業部長)。

N KKと川崎製鉄両社は23日、ドイツのティッセンクルップスティールと3社間でのグローバルな戦略提携の構築に向け、検討を開始することで合意したと正式に発表した。

 同提携交渉は、このほど発表されたNKKと川鉄との経営統合を機に、これまでNKKとティッセンクルップシュタール(ティッセンクルップスティールの普通鋼部門の子会社)が行ってきた自動車用鋼材分野を中心とした提携交渉に川鉄が新たに参画し、3社での国際的な協力関係を築く。これにより、3社はグローバル化をますます進め、ユーザーに対しより高いサービスを提供することを狙いとする。

 また、3社の持つ強みをより一層生かすため、検討の対象範囲を自動車用鋼材に限定せず、ステンレス、電磁鋼板、ブリキ、厚板分野での協力の可能性も追求していく。

川 崎製鉄は23日、2001年度の設備投資計画について、水島製鉄所の高炉改修工事など工事ベース730億円で前年度実績見込み比74%増加する、と発表した。

 ここ20年間では88年度の728億円にほぼ匹敵する水準。

 01年度の主要工事は、水島製鉄所の(1)第4高炉改修(工期=01年10月―01年12月、投資額=170億円)(2)熱延工場主電動機更新(同=00年6月―02年3月、同40億円)の2つ。これら以外では小額の補強工事や小口の設備投資案件など。

 水島製鉄所の主要工事の概要は次の通り。

 【第4高炉改修】

 大ブロックリング工法による巻き替え工事。工期は約60日を予定。また、高耐食性レンガの採用で炉体の長寿命化を図るとともに、炉容積を現在の4826立方メートルから5005立方メートルへと3・7%拡大する。

 高炉炉体の更新は長寿命ステーブを採用、炉頂挿入装置は制御性の高いベルレス方式に更新する。

 計装制御装置は炉前作業の遠隔集中化および操作室の既3高炉との結合を図る。鋳床は機械化の推進による玉掛け作業の削減で改造する。

 なお、投資額170億円のうち、01年度は約120億円。

 【熱延工場主電動機更新工事】

 熱延ミル導入後、30年を経過しているため操業の安定化と効率向上を図る。

 直流モーターから交流モーターへ全面更新する。
神 戸製鋼所の2001年度設備投資は、神戸発電所建設工事の本格化により工事ベースで前年度比480億円増の1040億円(前年度比86%増)が見込まれている。

 工事ベースで1000億円台を超えるのは92年度以来。

 IPP以外では、新規投資は早期に実効が期待できる合理化案件や老朽更新案件を主体に厳選したものとなっている。

 工事ベース1040億円のうち鉄鋼部門は920億円(同98%増)、支払いベースは1170億円(同179%増)、うち鉄鋼部門は1060億円(同242%増)。減価償却費は660億円、うち鉄鋼部門は463億円。設投の中心となるIPPは、1040億円のうち740億円を占める。

 工事の進捗状況は、1号機は99年3月の着工以来順調に推移、現在主要設備(ボイラー、タービン、貯炭サイロなど)の据付工事を完了し、機器の単体試験開始、9月ごろから試運転を行い、2002年4月から操業を開始する。

 2号機はタービン棟の基礎工事を着工、タービン棟、ボイラの基礎工事に入っている。来年早々にはボイラ関連の機器据付工事を開始する予定。
住 商鋼板加工(本社=大阪市此花区常吉、岸上奎介社長)は今期(01年12月期)、収益重視の経営を進める。目標は売上高で年間150億円前後と前期比ほぼ横ばい、利益は若干減るものの、経常段階の黒字継続を図る。取扱数量は月間3万3000トン弱(平均)と同3%増を設定。既存ユーザーとの取引拡大に重点を置き、薄板加工設備の高稼働を維持、定尺販売の拡大を図る。設備投資は5月連休に大型レベラー(HL)のアンコイラーをリプレースする。大型スリッター(HS)のスタンドを油圧式スタンドに変えることも検討している。倉庫分野については、99年に建設した新営業倉庫の取扱量を増やしていく。

 同社は住友商事直系の大手コイルセンターで、本社倉庫・工場は設備が大型レベラー3基(HL、PL、CL)、大型スリッター3基(HS、PS、CS)で、加工能力が月間3万トン。また、加工用コイル、薄板の定尺などを在庫しており、鋼材保管能力は5万トン。

 前期(00年12月期)は受注が好調だったことから、売上高が150億円と前期比2億円増、経常利益も前期よりもかなり増加し、1割の復配を行った。これは取扱量が年間38万トンと高水準となり、粗利が増え、その一方で、経費が減少したため。

 今期は既存の顧客との取引拡大を目指す。数量的には取扱量で月間3万3000トン弱と前期比3%増、加工量も月間3万トン弱と同3%増を目指す。
細 物小棒メーカーの城南製鋼所(本社=埼玉県川口市、栖原信夫社長)は、ゴールデンウイーク(GW)期間中の5日間、合計120時間、操業を休止する。4月契約から1000円の値上げに取り組み、すでに各商社に伝えており、需給調整に努めることで価格立て直しへの環境整備を進める。1―3月および前年同月を下回る生産量に抑え、減産をテコに価格改善に向かう。

 4、5月は春需時期とあって例年需要は盛り上がるが、新年度入り後、足元のデリバリーは振るわず、新規の明細も動きは鈍いという。需要環境は不透明感が強いが、関東のベースメーカー各社が先行する形で、3月契約から1000円値上げを実施しメーカーネットは切り上がっており、城南はじめ細物メーカー各社も採算の改善に4月から販価の引き上げに取りかかっている。

 城南では4月28、29日と5月4、5、6日の5日間操業を止める。昨年はGW期間中に3日間止めたが、今年はさらに減産率を高め、需給を引き締める。4、5月は前年同月比で1割程度の生産減となる見込み。
金 型メーカーの七宝金型工業(本社=愛知県津島市、松岡隆司社長)はタイでの生産能力を増強した。昨年9月に現地生産子会社のアサヒ・ソンブーン・シッポウ・モールズ(ASS、松岡寛高社長)の新工場建設に着手、このほど完成、稼働を開始したもので、来月21日には現地の工事関係者や取引先などを招き、竣工式を行う。

 七宝金型工業は、特殊鋼問屋の松岡特殊鋼(本社=名古屋市、松岡隆司社長)の関連金型メーカー。

 また、ASSは七宝金型が旭テック(本社=浜松市、武内貞継社長)のタイ子会社のアサヒ・ソンブーン・アルミニウム(ASA)と共同で設立した生産子会社で、自動二輪車向けのダイカスト金型、GDI金型などを製造している。しかし、旧工場が事務所などをあわせて約1000平方メートルと手狭だったうえ、今後の自動車需要の増加を見込み、かねて新工場の建設を計画していた。ASSは昨年10月に約4億円の増資(主な出資先は七宝金型が約2億2500万円、旭テックが約1億6500万円)を実施し、これを原資に今回、新工場を建設した。

 新工場は敷地面積が約7100平方メートル、建屋面積が約1440平方メートル。横型マシニングセンター、竪型マシニングセンター、グラファイト加工機、3次元測定機、ダイスポッティングなどを配備し、ダイカスト金型の分野ではアジアで最大規模の工場になるとみられる。

共 英製鋼の子会社、鉄鋼運輸興業(本社=大阪市西淀川区、高島浩司社長)は2002年3月期の業績目標を売上高50億円、経常利益5000万円に設定、運輸部門の減収が予想される中で、電気炉を利用した医療廃棄物処理事業「メスキュード事業」の売り上げ拡大に注力する。

 同社は本社と大阪、枚方、名古屋、山口、関東の5営業所の体制で、共英製鋼の各事業所の倉庫管理・構内作業、製品輸送業務を行うほか、10年ほど前から東日本を対象に電気炉を利用した医療廃棄物の収集運搬処理事業を手がけている。

 01年3月期の業績は売上高が前期比14%増の50億円弱、経常利益が同横ばいの5000万円で、昨年2月に関東スチール内に関東営業所を開設し、関東スチールの製品輸送業務を新たに加えたことや、医療廃棄物処理事業の伸びなどから増収となった。

 医療廃棄物処理は病院内に20リットル缶をはじめ専用の金属缶を設置、院内で発生する使用済みの注射針やガーゼなど医療廃棄物を缶に密閉し、密閉缶のまま回収、電気炉を使って溶融処理するが、01年3月期の処理量は20リットル缶換算で140万缶に達し、前期実績の118万缶を19ポイント近く上回った。

東 京地区の中板市況は弱含み。需要は停滞しているが、価格の崩れは思ったほど大きくない。市中価格(3・2ミリ、ベースサイズ)は3万4000―3万5000円が中心。

 定尺品の引き合いは振るわない。コイル価格が輸入材を含めて一部3万円を切る安値であり、在庫意欲が回復していないためだ。3月にはメーカーからの供給も増加し、コイルセンターの在庫は3月末で多少増加した見通し。

 小売価格は、段階的に値を下げたが、現行値が底値との認識で固まっている。供給が抑制され、市中在庫にも「一部歯抜けが出ている」(販売業者)という。加工の受注残は4、5日で推移。

東 京地区の角形鋼管市況(黒皮・2・3ミリ×100ミリ×100ミリ)はトン当たり5万―5万1000円を中心に、弱含み横ばい基調が続く。

 需要に上向き気配はうかがえず、市中の荷動きはさえない。「荷が、なかなか思うように出ない」(営業担当)という声が、もどかしさを持つ市場関係者の気持ちを代弁している。しかし、メーカーサイドが出し値を堅持しているため、流通側でも「採算維持のため価格は下げられない」との姿勢。基調が大崩れする可能性は少ないものの、好材料に乏しいため、我慢の商いが続きそうだ。

 市中の在庫量は、各問屋ともほぼ需要見合いを保っている。

 目先、弱含み横ばい商状の見込み。

大 阪地区のコラム市況はベース5万4000―5万5000円どころで引き続き軟調推移。

 市中の荷動きはS造建築が冷え込んでいるため、依然として活況感を欠く。一部では「7月以降の物件明細が出始めた」との声もあるが、引き合いは総じて300ミリ角以下の小型サイズに終始している。

 主要需要家となるファブリケーターの手持ち工事も減少傾向。現状、Hクラスで2―3カ月、Mクラスで1カ月程度の低水準で推移している。

 このため、特約店筋は売り上げ確保に厳しい指し値に応じざるを得ず、売り腰が依然として引き締まらない。一部まとまれば5万4000円以下の安値も散見されている。