2001.04.26
新 日本製鉄は25日、世界最大のチタン溶接管メーカーのバルタイメット(本社=パリ)との間で、チタン管用素材の長期供給契約を今年2月に締結し、三菱商事を通じてバルタイメット傘下の各工場へチタンフープ(冷延コイル)を安定供給すると発表した。バル社の子会社であるバリノックスアジア(VA)の株式を、新日鉄と三菱商事がそれぞれ12・25%ずつ取得。新日鉄は、VAが中国に持つ常州バリノックス社にチタン溶接管の製造を委託する。新日鉄はこれまでバル社のフランス工場向けに年間約300トン供給していたが、需要増が見込まれるアジア地域への拡大を図り、同800トンの供給を目指す。

 新日鉄はすでに常州バリノックスでの委託製造品の品質管理体制を整え、常州での新日鉄ブランドのチタン溶接管を今夏から販売する。常州は2ライン400トンの生産能力があり、このうち1ライン200トン分を委託する。

 また、バル社が韓国のチタン管製造メーカーの豊山と新日鉄からのチタン素材の共同購入契約を結んでいることで、新日鉄は豊山に対してもチタンフープを全量に当たる500―600トン供給する。

 中国市場は、中長期的に電力需要が増大する予想で発電所建設が見込まれ、さらに台湾の第4原子力発電所建設計画復活や中近東での海水淡水化プラントなど、他のアジア地域でも発電所や化学プラント建設が計画されている。各プロジェクトは規模の大型化、集中化の傾向にあり、チタン溶接管の需要量が増すことから、新日鉄は供給能力とコスト対応力の強化を目的に、需要地からの供給体制を構築した。

神 戸製鋼加古川製鉄所(所長=小堺和泉・常務執行役員)は、新中期経営計画の達成年度を1年強早める。2000年度からスタートした新中期のコスト削減計画(240億円)は、要員合理化を除き01年度上期末までに達成する。このため02年度で新たに所ベースでのコスト対策に乗り出す。「市場環境が厳しい状況であり、できれば最終年度の自主的なコスト対策では3ケタ台(100億円単位)の合理化を組みたい」(小堺和泉常務執行役員)。

 神戸製鋼は、00年度スタートの連結中期で総合力の底上げを打ち出している。数値目標では、連結売り上げ1兆4300億円、経常利益650億円。単体では売り上げ9000億円、経常利益500億円を設定。これを実現するため設備投資を3カ年で1960億円(単体)に抑制。要員も99年度末の1万340人から1200人削減する。コスト対策では変動費で460億円、固定費で250億円、合計710億円を削減する。

 主力の鉄鋼・溶接部門は、加古川・神戸両製鉄所の地理的関係を活用した最適生産体制を維持し、コスト削減と高級化路線を推進。特に加古川製鉄所は、板系ではハイテン化比率の引き上げによる高付加価値路線の拡大。線系では特殊鋼を中心に、二次加工メーカーを含めた技術力・コスト競争力の強化を計画している。

 こうした対策に沿い製鉄所ベースでは、労務コストを含めた固定費で58億円、変動費は、物流費・歩留まり・原単位低減で185億円を設定している。このうち変動費は、00年度54億円、01年度117億円、02年度185億円の計画。いずれも面積での達成目標だが、すでに01年度上期末で185億円の構造を達成する。固定費部門も要員対策を除き、上期でほぼクリアする。投資抑制が中心となっているが、所の償却額年間350億円に対し、着工ベースで100億円に落としている。

 一方、生産面では輸出増と内需向けハイテク製品の営業生産の本格化で、00年度530万トン、前年度比15%程度の増産を記録。量産効果もあり、3カ年のコスト削減計画は実質1年半の前倒しで完成する。小堺所長は「販売単価の低下傾向などが継続しており、高付加価値化路線の強化とともにコスト削減は、重要な命題になっている。このため、新中期のコスト対策が完了した後、02年度で所独自の合理化を積み上げ3ケタ台のコスト削減を実施したい」としている。

大 同特殊鋼は25日、工具鋼の品質向上を図る新プロセス「e―QUALLITY」(e―クォリティ)による生産能力を増強すると発表した。コスト低減、リードタイム短縮のメリットから、受注量は前年より10%増加、今後も国内、東南アジア向けなどで増加が見込まれるため、2001年10月稼働をメドに星崎工場で、現状比50%能力を引上げる。ブルーム自動研削機改造や熱処理炉増設などで約7億円を投じる。併せて工具鋼販売では無計量化を6月出荷分から、色別塗装を10月出荷分から実施する。これらで2年後には工具鋼の国内外販売で00年度比20%増を目指す。

 e―クォリティは工具鋼圧延平角製品の形状、寸法精度の改善、リードタイム短縮、小ロット化を図り、昨年6月から同ブランド名で販売を開始した。ユーザーサイドでの金型製作コストの約10%低減可能なメリットから、同社のe―クォリティ製品受注量は10%も前年を上回っているという。こうした伸びを踏まえ、さらなる能力増を実施し、対応力を強めることにした。

 星崎工場では、ブルーム自動研削機改造、圧延加熱炉改造のほか熱処理炉を1基増設、3基体制とし、平角整備検査ラインを1ライン増設、2ラインに切り替える。これらで能力は50%増の月間3300トンにアップ、受注から出荷までのリードタイムも1ヵ月以内が維持される。投資額も昨年6月と合計で18億円に上る。

 また、工具鋼販売効率化のため、算定重量で販売する無計量化と鋼種ごとの識別塗装を行う。無計量化は工具鋼全製品で6月出荷分から手掛け、流通各社の再計量の省略、生産性向上と販売管理費の低減につなげる。識別塗装も10月出荷分からスタート、工具鋼の主要製品を鋼種ごとに塗装し、カラーで鋼種を識別する。10カラー程度を予定。流通の在庫管理工数を削減、物流面の合理性を高める。

愛 知海運(本社=名古屋市、森田昭良社長)は、コーレンス社(本社=東京都千代田区、ミカエル・フォン・アイゼンハルト・ローテ社長)が国内総代理店となっているカナダ、ラドコム社製のゲート式放射能検知システムを三河支店に1基導入した。スクラップなど貨物の品質保持と港湾労働者の安全確保が狙いで、今後は、支店を挙げて2002年1月に審査を予定するISO9002の認証取得に取り組む方針。

 同装置は、世界で600機の販売実績を持つカナダのラドコム社製の放射能検知装置で、非破壊検査機や医療系廃棄物など放射能汚染されたスクラップを全自動で検知できるシステム。海運荷役業界向けは、国内25基目の納入実績を持つコーレンスにとっても初めて。

 今回設置するのは、愛知県碧南市の三河支店。トラックの出入口に設置するだけでモニター管理ができるゲート式の導入を決めた。

 同装置は、シンチレーターが他社製品の2―4倍の検知面積を持ち、放射線の光変換効率が高いプラスチックシンチレーター「PVT」を採用している点が特徴。

 放射線源を検知した場合は、カナダのラドコム本社と直通の電話回線でダイレクトにサポートでき、停電などの緊急対応にも自動的に立ち上がる安全性の高いシステム。自己検査装置を付加することで放射能サンプルが不要となる。

 愛知海運では、スクラップの発生元や品質が特定しづらくなっていることを受け、社員や商品の安全確保を目的に全社での放射能検知器の本格導入に踏み切った。現在、海外を中心にスクラップの輸出入条件の規制強化が見まれるため、海運業界としても早期の放射能検知器導入が叫ばれている。

 昨年から神鋼加古川製鉄所や住金和歌山製鉄所などへ持ち込まれた放射能汚染スクラップが、大きな社会問題となっていることが背景にある。
住 友金属建材(津田和明社長)の仮設製品事業部は、中期経営計画「C★PLAN」(00年度―03年度)で、最終年度において99年度比20%増の売り上げを確保するとともに、黒字体質の定着を掲げている。今年度は、中期計画達成に向けた取り組みを強化し、引き続き厳しい経営環境下にあるものの、売上高は前年度比5%増を目標とし、経常ベースで黒字浮上を目指す。

 軽仮設リース・レンタル業は前年度、建築・土木向けともに好調に推移した。ただ、長引く建設需要の低迷を受けて、リース料金は採算ラインの50%以下にまで落ち込んでおり、ここにきて底打ち・反騰気配が見えるものの、依然として採算悪化の状態。

 軽仮設リース各社は、このリース料金の低迷で資力を失っており、昨年、景況回復感がみられたが、新規機材の買い控え傾向は続いている。住友金属建材の仮設製品事業部では、00年度において既存・新規商品ともに拡販に尽力したものの、需要減のあおりを受けて、売り上げは前年度比横ばいとなり、採算的にも厳しい見通し。

 同事業部では、今年度、中期計画達成に向けた取り組みを一層強化し、売上高は前年度比5%増を目標とし、経常ベースで黒字浮上を目指す。この一環として、既存商品は改良・改善を行って安全性を高めるとともに、新製品である「ビテイフォールド」と「ウインラダ―」は拡販に力を注ぐ。

 国土交通省では「建設現場における墜落事故防止重点対策案」をこのほど打ち出し、手すり先行型足場等の使用・普及を推進している。これを受けて、住友金属建材では今後、対象となる製品の需要が高まると想定し、既存商品を改良・改善して安全性を高めると同時に、コストダウンを図るなど、ユーザーニーズに対応できる体制を整える。
大 阪鉄鋼流通協会・形鋼部会はこのほど、定例会を開催して情報交換を行ったが、「H形鋼は限界価格にきて値下げ速度が鈍化した。メーカーの生産姿勢、在庫調整の進展状況を見て、6月には市況立て直しに動けるのではないか」との見方を示した。

 同部会の報告によると、形鋼全体の荷動きは4月も低調で、流通の販売量は稼働日数が減る分、3月実績比減となるもよう。在庫はH形鋼をはじめ4月以降、減少傾向となっている。市況はH形鋼、一般形鋼をはじめコラム、C形鋼、軽量H形鋼の各品種で前月比1000円値下がりした。

 主力のH形鋼については、メーカーの後仕切りが期待できない中で、市況がこれ以上値下げできない水準にまで下落。このため、流通の販売姿勢は硬化する傾向にあり、下げ渋りの様相。一方で、契約残が大幅に減少し、在庫も4月以降漸減する傾向にあるため、今後は「在庫調整待ち」の展開。同会としては、メーカーの生産と在庫状況を見て、関東地区より遅い段階での市況立て直しとなるもよう。ただ、電炉の物件価格がなお店売り価格を下回っている現状に対しては、引き続き問題提起していく、とした。
U SXは24日、鉄鋼とエネルギー事業を分離する計画を発表した。計画ではUSXの鉄鋼関連事業を独立会社の「ユナイテッド・ステイツ・スチール」に、エネルギー事業を「マラソン・オイル」として分離。USXの負債を再配置する形で、マラソン側からUSスチール側に9億ドルを移転する。

 現在のUSX・USスチール(USS)普通株の株主はユナイテッドSの普通株株主になる。USX・マラソンの株主は同様にマラソン・オイルの株主になる。

 新生の両社は、約9億ドルをマラソンからUSSに移転するほかは、ほぼ同額の資産を持つことになる。9億ドルの移転は現行のマラソンとUSSとの間でUSXの負債を再分配する形態になり、未払いの負債を全てマラソンに割り当てる計画だ。

 USXのトーマス・J・アッシャーCEOは、ユナイテッド・スチールの会長兼CEOになる。

塩 ビ鋼板の2000暦年出荷量は、前年比8・4%減の15万9880トンとなり、4年連続で前年比を下回った。樹脂化粧鋼板会(会長=井尾義明・三菱樹脂複合機材事業部長)がまとめたもの。

 出荷先の7割を占める建材向けは、建設需要量の不振と需要家の低コスト志向から外装向け(構成比35・8%)は7・6%減の6万1970トンと減少した。内装材向け(同38・6%)は、非塩ビ系製品の普及と意匠性が評価され、1・3%増の4万1420トンと増加した。

 弱電向け(同12・9%)は、需要家の生産拠点の海外シフトや塗装鋼板への代替が進み、29・7%減の2万620トンと落ち込んだ。

 ほかは、車両(同2・3%)が24・8%減の3680トン。鋼製家具(同1・7%)が2・7%減の2720トン。雑貨(同1・5%)は5・7%増の2400トン。輸出(同5・2%)は10・1%減の8310トン。その他(同2・0%)1・8%増の3200トン。

東 京地区のH形鋼市況は200×100で3万5000円中心。荷動きが悪く、上値はなくなってきた。在庫の減少が目にみえて確認できる5月末までは、横ばい推移の見込み。

 出庫の低迷が続く。ときわ会の3月末在庫は半年ぶりに減少した。だがこれは、減産による入庫減が原因で、出庫量の増加によるものではない。現在も荷動きは低迷したままだ。「客の意識が変わっていない」(特約店)ため、申し込みの手控えが続いており、市況上昇は難しい。

 市況回復のアナウンスを在庫商社が始めるのは、ときわ会などで在庫減の検討がつく5月中旬ごろとみられる。

 市況反転はその後になる。

東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき鋼板)市況は引き続き弱基調。市中価格(1・6ミリ、熱延下地ベースサイズ)は5万5000―5万6000円中心。

 3、4月とも需要が振るわず、在庫増加に歯止めが掛からない。流通は「メーカー側への申し込みは抑制しており供給圧力はない」とするが、メーカーや流通間の水面下での販売競争が先安観につながっている。

 小売価格も安値に流され、1カ月前に比べて1000―1500円の下落。めっき鋼板は用途が細分化しているため「一概に安いわけではない」(コイルセンター)が、販売先からの値下げ圧力は強く、まだ底値をつかめない状態。

大 阪地区の軽量C形鋼市況はカラーベース4万5000―4万6000円どころで軟調推移。

 市中の荷動きは建築需要が冷え込んでいるうえ、民間の設備投資も盛り上がらないため低調。

 「引き合いは小口中心で、まとまれば安値で応じざるを得ない」(特約店筋)状況だ。

 大阪鉄鋼流通協会調べの3月末の流通出庫量も前月比9・6%減の2645トンと5カ月連続で減少。僚品主力のH形鋼が低調なこともあって、引き続き活況感を欠く展開となっている。

 また、販売不振からここにきて一部メーカーの販売姿勢が軟化。これを反映して、今後、市況の値下がりに拍車がかかる可能性もある。