2001.05.02
大 同特殊鋼は機械事業部門で環境、省エネルギー分野を軸に、新たな収益基盤構造を確立する。環境設備、鉄鋼設備、熱処理炉の3部門で環境対策、省エネ対策のエンジニアリングへの傾斜を強める。環境設備では優位性を持つアーク式灰溶融システム(DAP)をはじめ、酸素バーナ式飛灰溶融システム、下水道汚泥炭化処理システムの展開を拡大。鉄鋼設備でもダスト処理のインメトコプロセスなどを拡販する。同社の溶解と熱技術をベースに製品開発、用途開発に取り組む。2000年度下期の黒字化をテコに01年度で通期黒字とし、新規成長分野の一角として重点強化を図る。

 年間約200億円の事業規模で、50%が環境設備、30%が熱処理設備、20%が鉄鋼設備の構成。環境設備部門をさらに拡大するほか、他の2部門も環境、省エネを念頭に新機種などを事業展開する。鉄鋼設備では環境対策を考慮、海外企業との技術交流も推進、特化した独自技術で展開領域、事業規模の拡大を目指す。

 同社では、連結ベースでエンジニアリングの2002年度の売り上げを303億円(00年度見通し比10・2%増)、人員620人(同7・5%)とする計画を打ち出し、体質強化を遂行中だ。同部門のグループ企業4社のうち、ダイドーハーエンジニアリングを昨年末に大同特殊鋼の100%子会社としたほか、大同機械製作所などでリストラ策を進め、収益改善にメドをつけた。連結ベースでの体質改善進展を踏まえ、DAPなど優位性を持つ主力機種による事業高度化を実践する。

2 000年度の日本の鉄鋼輸出量は2843万8000トンで前年度比4・1%減少し、4年ぶりの前年度実績割れとなった。輸出額は159億4359万ドル(1兆7504億円)で、同4・5%増(2・7%増)。ドルベースで2年連続、円ベースでは3年連続の増加となった。輸出先別ではタイ向けが276万8000トンで過去最高、また、特殊鋼鋼材輸出が435万トンで過去最高記録を更新した。

 これは日本鉄鋼連盟まとめによるもので、内訳は半製品が145万6000トン、同36・8%減、2次製品は47万3000トン、同1・4%減、銑鉄が17万9000トン、同86・5%減。一方で普通鋼鋼材は2171万トンで同1・5%増、特殊鋼鋼材は435万トンで同12・2%増となり、ともに4年連続の増加となった

 普通鋼鋼材の品種別輸出は熱延コイルが749万1000トン、同3・0%増、亜鉛メッキ鋼板は389万4000トン、同5・4%増、電気鋼板が67万3000トン、同7・5%増といずれも過去最高となり、冷延コイルは295万1000トン、同7・0%増、厚板も133万8000トン、同22・6%増と増加した。一方、形鋼は99万2000トン、同4・7%減、鋼管も溶鍛接鋼管が96万6000トン、同16・0%減、継目無鋼管は74万8000トン、同2・5%減と減少。またブリキが71万3000トン、同9・3%減、線材も55万7000トン、同24・3%減にとどまった。

都 市基盤整備公団は、昨年11月からサッポロビール名古屋工場跡地(名古屋市千種区2丁目)地区における共同開発事業者の募集・選定を実施していたが、審査の結果、トヨタ自動車・森ビル共同企業体を開発事業者に決定した。同企業体の企画案は中央に人工池などを配置、高層マンション(約500戸入居)のほか、商業施設の核としてイトーヨーカ堂の出店が見込まれるなど、名古屋市内の再開発物件としては最大規模となる見込みだ。

 開発事業の対象区域はサッポロビールの名古屋工場跡地(名古屋市千種区2丁目1601―2)で、敷地面積は8万3665・01平方メートル。準工業地帯で建ぺい率は60%、容積率は200%。工場閉鎖に伴う用途転換を迎える大規模敷地として同公団が用地を取得、一緒になって開発に取り組む共同開発事業者を募っていたが、このほどトヨタ自動車・森ビル共同企業体に正式に決定した。譲渡価格は来年3月時点で1平方メートル当たり22万円、トータルで106億400万円。
日 鉄商事は、オーストラリアのNSコマツ社とNSコマツ・コーポレート・ファイナンス社の保有株式を、コマツに譲渡する。譲渡日は5月上旬、決済方法は現金決済。今回の譲渡により、02年3月期で約16億円の譲渡益を見込んでいる。

 日鉄商事は、コマツの世界戦略に協力することで、良好な取引関係の維持・強化につなげる。同時に、日鉄商事の総資産・有利子負債の削減、キャピタルゲインを実現させることによる財務体質の改善を狙う。

 NSコマツ社は、建設機械および同関連部品の販売会社で、日鉄商事が40%の株式を保有していた。NSコマツ・コーポレート・ファイナンス社は鉱山用機械のリースを行い、日鉄商事が50%の出資だった。
米 国消費産業貿易活動連合(CITAC)基金は30日、鋼材輸入制限は年間29億ドルのコストを要するとする報告書を発表した。また、鉄鋼生産の職を確保するために、鉄鋼消費産業で9倍の失業者が生まれると試算。経済全体に悪影響を与える鋼材の輸入制限をしないよう促している。

 報告書は「鋼材の割り当てと税金がもたらす米国消費部門の費用」。3月1日に提出された鉄鋼輸入割り当て法案HR808が、鉄鋼の需要家、納税者、景気にもたらすマイナスの作用を数値化した。法案では鉄鋼原料と鋼材輸入を割当制とし、1・5%の鋼材販売税を導入することになる。また、鋼材輸入の割当制が経済にもたらす影響についても、検討を加えている。

 報告書によると、HR808により鉄鋼業で3700人の職を維持できるが、消費産業で3万2000人の失業を生む。納税者の負担は年間28億9000万ドルになるという。また、201条調査による輸入制限により、消費者は年間23億4000万ドルを負担することになるとしている。
国 土交通省がこのほど発表した2001年度の建設投資見通しは、前年度比4・6%減の67兆1300億円。13年ぶりに70兆円を割り込み、1988年度と同程度の水準になった。GDPの518兆6600億円に占める割合は12・9%。

 建設投資の44%を占める政府投資は前年度比5・8%減の29兆3900億円で、今度も減少が続く見通し。公共事業関係費は前年度と同水準を確保しているが、地方単独事業は減少が見込まれるためだ。

 民間住宅投資は、着工戸数は前年度並みの120万戸と見込まれているが、2000年度第4四半期の着工の落ち込みが影響して、投資ベースでは前年度比2・2%減の19兆9400億円となる見通し。

 民間非住宅建設投資は、2000年度後半から着工に減少傾向がみられるため、3年ぶりに減少して、前年度比5・2%減の17兆8100億円となる見込み。

中 国の大手一貫メーカー・宝山鋼鉄は、4―6月期で国内向け販売価格を冷延コイルで300元、溶融亜鉛メッキ鋼板で250元引き下げた。ブリキも一定額の値引きを実施したようで、これとともに国内生産メーカー7社と共同で、ブリキのセーフガード(輸入緊急制限措置)の発動を要請した。薄板関連製品の値下げは、内陸部の一貫メーカーにも波及する可能性が強く、冷延コイルを中心とした薄板市況の回復は大きく遅れる見通し。

 中国の国内需要は、自動車は横ばい傾向にあるものの、白もの製品の生産が調整局面にある。1月の実績は、洗濯機が前年同月比23・8%減。カラーテレビが同32・2%減。冷蔵庫が同10・1%減と、軒並み2ケタ台の前年割れを記録している。これに対し、鋼材生産は1110万3000トンで同10・5%増と高水準で推移している。薄板の生産も、00年は1903万トンで前年比10・2%の増産。さらに国内の供給増要因として輸入増が作用している。全鉄鋼の輸入は昨年11月、12月と150万トン台で推移。年間の輸入量は1596万トンで同7・4%の増加。このうち鋼板は1410万トンで同15・6%増と高水準。

 生産レベルが高い中で、製造業の需要低下が進んでおり、さらに輸入が増加しているということで需給は悪化している。

 こうした状況から上海地区をバックとする宝山鋼鉄が、先頭を切って値下げに踏み切った。価格的な対応で需要家を取り込む意味合いもあるが、他メーカーが追随すれば、需要期の今期後半の価格的な混乱に拍車を掛ける懸念もある。

韓 国の鉄筋業界の販売減が明確になった。2001年第1クオーターの鉄筋生産は、電炉メーカー9社合計で183万3000トン、前年同期比8・9%減産。販売量は190万トン、同15・9%の減少。生産では韓宝鉄鋼が31・5%の大幅減産となった。これに対し、韓国製鋼(30・8%増)、第一製鋼(29・6%増)は生産量そのものは少ないが、比較的大幅な増産。

 韓国鉄鋼新聞が調査した第1クオーターの鉄筋生産は183万3000トン、前年同期を17万9000トン下回った。個別メーカーの生産量は、仁川製鉄が59万5000トン、前年同期比2・9%減、東国製鋼が37万4000トン、同1・3%減、韓国鉄鋼が22万4000トン、同26・6%減、韓宝鉄鋼が20万1000トン、同31・5%の減、韓宝が16万6000トン、同19・8%減、丸永鉄鋼が9万9000トン、同16・8%減、韓国製鋼が8万5000トン、同30・8%増、第一製鋼が大韓製鋼が5万7000トン、同26・7%増、第一製鋼が3万2000トン、同29・6%増。

 販売量については韓国製鋼、第一製鋼、大韓製鋼の3社が増加。仁川製鉄など6社が減少している。全体の販売量のうち国内販売は173万9000トン、同15・1%減。輸出が16万1000トン、同23・3%減。

東 京地区の冷延薄板市況は市中価格(1・0―1・6_、ベースサイズ)4万9000円前後中心で弱含み。輸入コイルの販売価格で安値提示がある一方、需要は建材を中心に4月に入って停滞感が強まっている。定尺市況は大きくは崩れていないが、当用買いが続くとみられるため、大型連休が明けてもすぐに市況が好転する状況ではない。

 供給は3月に国内メーカー分が増え、輸入材も継続的に8万トンを超えるペースで入着。コイルセンターや流通段階では冷延在庫がまだ過剰との見方。ただ、円安の進展で輸入材の入着が減少に転じてきたことで、今後需給調整が進むきっかけとはなりそうだ。

東 京地区の大径角形鋼管(コラム)市況は12×300×300の一次加工付き価格で、STKR5万7000円、BCR6万7000円中心で横ばい。仕事が少なく、流通は申し込みを大幅に減らしている。

 加工納期の受注残は、1―2日と短い状態が続いている。例年の傾向では、連休前に持ってくるよう流通に要求するファブが多いが、今年は非常に少ない。仕事量は「低位安定の大底」(商社)。このため、加工賃を削る動きがみられる。

 当初、連休明けとみられていたH形鋼の底入れ時期が先延ばしとなる見込みとなった。これに引きずられて、コラムの市況反転は早くて6月以降になるとみられる。

大 阪地区の冷延薄板市況は、需給が改善されていないうえ、市中在庫も過剰ぎみなこともあって、流通は販売を立て直せない状態が続いている。これを反映し、市況は4万4000円どころで弱含み。

 川崎製鉄とNKKの鉄鋼事業統合の発表以降、メーカーが本格的に薄板の生産調整に乗り出してくる、との期待する向きが多くなっている。ただ、実際の流通の入荷は若干の減少にとどまっている。一方、需要は弱電、建材が低調で、コイルセンターの加工も3月後半から、落ちてきている。在庫もコイルセンター段階のコイル、特約店段階のシートともに過剰ぎみ。当面、市況は弱含み。