2001.05.10
住 友金属工業は、鹿島製鉄所と和歌山製鉄所を一体運営して、大幅なコストダウンを図る「変革と再生」実行プランに基づき、薄板事業を強化する。『製造・販売・技術』の一体化によりコストを改善し、周辺環境が変化しても利益を確保できる体質を構築する。全社計画では02年度に連結ROA4%を達成、最終的には5%を目指すが、薄板事業では全社目標を上回る収益を確保する計画。国内向けは需要に従って生産、輸出は価格重視の対応とする。マクロの変動はあるが、前年度の生産・販売規模の維持を目指す。

 数量は横ばいでも、合理化による効果で利益水準を高める。価格は熱延鋼板などで底値感が台頭していることから、現状より下がることはないと想定。コストダウンを進めることで利益体質が構築できると判断した。店売り向けには今年度下期には値上げが可能なレベルまでマーケットが回復するよう、供給を抑制する。

 主要な需要分野別の数量は、自動車向けはほぼ横ばい、建設向けと家電向けは微増の感触。なかでも、建設向けは全国組織である「住友3S会」への供給責任を果たしていく。ユーザー志向の対応を強化し、顧客満足度を実現。米GM社から2度目のサプライヤー・オブ・ザ・イヤーを受賞したことでも実証されている。

 ユーザーとの間でサプライ・チェーン・マネジメント(SCM)を構築。すでに、ダイキンとの間でSCMを実現。今後も自動車や家電などの主要需要分野に限定し、SCMを有効なツールとして活用する。専任の技術者も置く。

 生産面では、単純なコスト管理からプロミックスを変更。付加価値の高い製品構成を増やし、鹿島と和歌山の2製鉄所を弾力的に活用する。

日 本高周波鋼業は9日、同社富山製造所(富山県新湊市八幡町3―10―15、塩飽潔所長)の一部業務および100%子会社のエヌケイ精圧(富山県高岡市石丸)の一部業務を移管する形で、新会社「エヌケイ精線」を7月1日付で設立すると発表した。

 新会社は日本高周波鋼業の100%出資で設立され、業務内容は特殊合金の伸線加工・焼鈍(富山製造所より移管)、およびコンバインド加工・センタレス加工(エヌケイ精圧より移管)が主なものになる。

 資本金3000万円、従業員50人(うち16人が日本高周波鋼業より出向)、年間売上高7億円の規模が計画されている。

 富山製造所の塩飽所長は今回の新会社設立について「当社の事業再編計画は、第1ステップで富山製造所の軸受鋼生産を神戸製鋼に移管し、第2ステップでエヌケイ精線や高周波精密など分社化の推進が計画されている。富山製造所は東京本社の管理、総務の一部業務も移管され、日本高周波鋼業の事実上の本社・工場として発展を目指すことになる」と語った。

 エヌケイ精線は富山製造所内に本社が設置され、建屋と設備は日本高周波鋼業から賃借する形になる。富山製造所は工具、ステンレス、特殊合金の3部門を業務の中心にし、一層の効率経営を推進。

 富山製造所の現有人員は425人(別途出向者150人)で、最近2年間で約100人の減員を図っている。

 人員リストラという対策ではほぼ最終段階にある。

神 戸製鋼所は9月をメドに、上海事務所を開設する。同社が「中期経営計画(00―02年)」の重点戦略事業として掲げている自動車分野に特化する一環として決めた。

 同社はこれにより今後、中国で増産が期待される同分野のほか、家電メーカーに鋼板などを供給する体制を整備していくことになる。初代事務所長の人選もほぼ決まったようだ。

 同社は現在、北京事務所を開設しているが、自動車・家電分野などに素材を供給するためには、両分野の生産拠点が集中化している上海に事務所を開設することが必要と判断した。

 なお、新日本製鉄、NKKなどはすでに上海に事務所を開設しており、これで日新製鋼を含めた高炉6社の上海事務所が出そろうことになる。
新 日本製鉄の手掛けるスチールハウスが、急激に普及する見通しだ。2000年度は215棟だった建設実績が、本年度は低く見積もっても3倍の約600棟になるとしている。背景には、設計の自由化やコスト削減の進展がある。昨年から共同住宅の2階まで用途が広がるなど、支援体制が整ってきたことも大きい。さらに、構造の安定(耐力)と劣化の軽減(耐性)および温熱環境(省エネ)の3項目について、型式性能の大臣認定を近々取得予定。実現すれば普及に弾みがつく。

 住宅用鋼製部材の提案も強化していく考えだ。促進するために「設計法付き邸別部材販売」を行う。CADで設計を容易にするソフトと部材を併せて販売していくビジネスだ。初めて鉄を使う場合は、厚みなどを判別できず、設計が難しい。そこで、図面から材料を拾い出す作業を自動化し、長さ、重量、本数などの図面情報を、一瞬にしてエクセルの表で出すことを可能にした。これに単価を入れれば、鋼材発注の手間が省け、設計コストのダウンにつながる。

 さらに、従来の木造住宅と同じように造れるよう工夫を凝らす。例えば、大工から敬遠されてきた切断時の金属音をなくすため、はめ込み式によって金属間の接合をなくした。この技術を使った「かしめボックス形鋼」は三井ホームが採用している。

 今後の展開としては、日鉄建材工業などの関連会社とOEM生産することで、「日鉄ブランドの部材をプロモートしていく」(薄板営業部)方針だ。

N KKの鉄鋼事業部住宅建材チームは「NKKフレームキット」に関して、99年の販売開始以来、販売代理店網と施工協力体制の整備に注力してきたが、これが効果を表し、全国レベルで代理店および工務店との関係構築が進んでいる。これを受けて、住宅建材チームでは今年度、トータル実績の5倍である500棟を販売目標に設定するとともに、販売・施工ルートの強化も継続して取り組む構えだ。

 「NKKフレームキット」は、ボルト接合による現場組み立てで容易に施工できる鉄骨造住宅システム。簡単操作の設計支援ソフト「AI―FRAME」を使って平面プランを入力すると、間取りや架構をバランスさせた理想的な骨組みを自動計算し、パソコン画面に伏せ図が表示され、柱やブレースパネルの位置が容易に確認できる。

 部材は柱材と梁材、ブレースパネルで構成され、鋼材には溶融亜鉛めっきを施しており、耐震性・耐久性に優れている。地震や強風に強いブレースパネルは高耐力タイプで設置個所が少なくてすみ、広い空間を確保でき、間取りの自由度が広がる。

 この通常タイプのほか、昨年秋には3階建てバージョンを市場投入。また、累計20万本以上の販売実績がある図面作成ソフト「3DマイホームデザイナーPRO」と「AI―FRAME」にデータ互換性を持たせるなど、ユーザーが採用しやすい環境を整えている。

 住宅建材チームは前年度、これまでの鉄鋼ルートのほか、木材や窯業系の建材ルートを通じて販売代理店網の整備と、施工協力体制の構築に力を注いできた。これが効果を表し、販売代理店50社、工務店100社、設計事務所60社との関係構築に成功。ルートが拡大したことで、引き合いは月間50―60件にまで増えている。
関 東有力の鋼板メーカー、大洋製鋼(本社=東京都中央区、南元一社長)は、今年度から需要開拓チーム(リーダー=佐々木孝夫常務)を編成し、ヒモ付きユーザーへの販売を強化する。同社は他メーカーに比べ、店売り比率(約8割)が高いが、建設需要の低迷で年々需要が縮小しているため、ヒモ付き分野の開拓に努め、販売拡大を目指す。今春には屋根・壁材用でヒモ付き向けが主体の高意匠性新製品「銀河」を販売。営業強化と新製品の投入で、従来ヒモ付き分野および他素材分野への進出を図る。

 大洋製鋼は、千葉県船橋市に製造所を持ち、亜鉛鉄板、カラー亜鉛鉄板、ガルバリウム鋼板、プリント鋼板など月間約3万トンを生産している。00年3月期の売上高は289億円、経常利益1億4400万円。01年3月期は、大店舗法改定絡みの郊外店舗の建設ラッシュなど昨年末まで出荷が伸び、収益は改善の方向。

 今期は年明け以降、需要環境の落ち込みが目立ち、販売単価はジリ安傾向を余儀なくされ、厳しい見通しとなっている。

 このため、収益拡大に向け販売戦略を立て直す。店売り主体の販売構造からみて、安定需要が見込める、ヒモ付き需要家の開拓が必要と判断。カラー鋼板を使用していない建材への採用も働き掛け、新規需要を掘り起こす。

 また、商品開発にも力を注ぎ、今年はスパッタ模様の塗装鋼板「銀河」の販売を進める。屋根・壁材用として試験販売を終えたばかり。需要家から高い評価を受けたことで、今春から本格販売に入った。
道 内の小棒電炉メーカーである豊平製鋼(本社=札幌市、三芳純社長)は、5―6月もそれぞれ15%(前年同月比)の減産を継続する。

 大型連休が明け本格的な春需シーズンを迎えた大きな節目において、かつてない大幅減産による在庫圧縮で明確な需給調整を図っていく方針。

 また、販売価格は今月も4月に引き続き1000円幅で値戻し。来月以降もスケジュール値上げを進め、早急に適正水準への是正を目指す不退転の決意を示している。

ド ラム缶工業会(理事長=近藤徹・川鉄コンテイナー社長)がまとめた、2000年度のドラム缶生産・出荷実績は、生産が前年度比2・7%増の35万5600トン、出荷が同2・8%増の35万5500トンと伸び、生産、出荷とも2年連続で前年実績を上回った。出荷の7割を占める化学向けが3・2%増とけん引。また、製品単価の下落による更生缶との値差縮小で、更生缶からの代替が進んだことが、新缶拡大の大きな要因となった。

 ドラム缶生産は、90年度の37万300トンをピークに年々減少し、96年度34万1500トン、98年度は31万9200トンにまで減少した。99年度は、堅調な輸出増で回復した化学産業の恩恵を受け、00年度も化学の好調が続いた。

 主要品種の200g缶は、化学向け(全出荷の75%)が4・1%増と堅調に推移し、1200万本の大台を突破した。ただ、各需要先で回復基調を示した99年度と違い、石油向け0・5%増、塗料0・5%減などと需要先の出荷動向に濃淡が表れた。

 ペール缶は、出荷の50%を占める石油向けが0・9%減と減少に転じた。出荷の43・6%を占める化学向けも1・2%減と落ち、出荷本数は2・5%減の1240万7500本と前年を下回った。

 全缶種の用途別出荷(重量ベース)をみると、化学(構成比約72%)は3・2%増、石油(19%)0・4%増、塗料(5%)0・5%増、食料品(2%)22・9%増、その他が2・6%増。

東 京地区の大径角形鋼管(コラム)市況は12×300×300の一次加工付き価格で、STKR5万6000―5万7000円、BCR6万6000―6万7000円中心と下値に移行した。荷動きの悪い状態が続く。H形鋼の底入れ時期が先延ばしとなったことに連動して、コラムの市況も弱含みとなっている。

 春の需要期となっても、今年はコラムを必要とする中小物件が少ない。加工納期の受注残は1―2日と短い状態が続く。このため、加工賃を7000―8000円に下げ、安値での受注となっても仕事量を増やす動きが一部にある。メーカーは申し込み見合いの生産に抑えて対策をとるが効果は表れない。当面横ばい。

東 京地区の縞板市況は弱含み横ばいで推移。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は5万4000―5万5000円が中心。

 定尺品は在庫意欲がなく当用買い中心。荷動きは振るわないが、縞板専門店では価格維持の意向が強く、中板や厚板に比べると4月以降も小ロットの枚数販売では小幅に抑えられている。一方、切板加工は引き続き高水準で稼働している。

 供給面では東京製鉄のコイル流通に対する警戒感が強い。価格が先行する傾向があり、価格差が開くと定尺に影響してくる。先安とみる需要家からの値下げ要請もあるが、切板加工の忙しさが市況の支えとなり、目先も横ばいか。

大 阪地区のコラムは連休明けも荷動きに活気なく軟調。市況はベース5万4000円どころ。

 需要はショッピングセンターや工場、倉庫などの建設が冷え込んでおり、とりわけS造物件が低調。

 連休前から一部で、「7月以降の物件見積もりが出始めた」(流通筋)との声もあるが、足元の荷動きは極端に悪い。市中在庫もやや過剰に推移している。

 僚品のH形鋼も同様の荷動きで、当面、地合いは引き締まらないもよう。

 扱い特約店筋の売り腰も一時期ほどの価格競争は収束したものの、なお軟弱。

 また、ここにきてファブリケーターの経営破たんも目立ち、流通間では信用不安に苦慮している。