2001.05.11
新 日本製鉄は10日、「ときわ会」調べによる4月末のH形鋼流通在庫が2カ月連続で減少し、36万6100トンになったと発表した。なかでも、東京・大阪・名古屋の主要3地区は大幅に減少。その他8地区は大幅な入庫減により在庫の減少傾向が台頭、5月以降も同じ基調で推移するものとみられる。

 全国の在庫は36万6100トン、前月比2万6200トン、6・7%減。内訳は主要3地区が20万5200トン(2万500トン、9・1%減)、その他8地区が16万900トン(5700トン、3・4%減)。6カ月連続の入庫減、2カ月連続の出庫増が寄与し、全国在庫は大幅に減少した。

 主要3地区は2月をピークに3月から減少し、4月は3月の2倍近くも減少した。20万トンの在庫量は、市況が上伸した昨年7月上旬と同レベル。その他8地区は4月から在庫が減少に転じ、年初レベルの在庫量となった。8地区の入庫量は12%減と、3地区の4%を大きく下回っていることから、5月以降の在庫減が期待できる。

 市況は東京3万5000円、大阪3万2000円、名古屋3万4000円。名古屋は下げ止まり、東京と大阪も下げ止まりが近い。東京は出庫が鈍いという声が多いものの、合計すると5%の増加と底堅い。大阪は建築サイズに歯抜けが散見され、7月以降の物件の見積もりが始まっていることから、底を脱する気配だ。

住 友商事は10日、宮原賢次社長が取締役会長に就任、岡素之専務取締役が社長に昇格する人事を内定したと発表した。6月の定時株主総会後の取締役会において正式決定する。

 岡専務は鋼管貿易畑出身。伊藤正氏、秋山富一氏、宮原氏に続き、4代続けて鉄鋼貿易出身者が同社の社長に就任することになる。

 ▽岡新社長の略歴=1966年慶応経済卒、住友商事入社。76年鋼管本部鋼管貿易第一部鋼管貿易米州課長付、77年米国住友商事ニューヨーク駐在、83年鉄鋼貿易第1本部、90年鉄鋼貿易本部鋼管貿易第1部長、92年米国住友商事ヒューストン支店長、94年取締役鉄鋼第3本部長、98年常務取締役、01年4月専務取締役(法務・人事総務・業務グループ分掌)

川 崎製鉄は10日、4月から水島製鉄所内で、太陽電池向けシリコンウエハー用インゴットの商業生産を行っていると発表した。太陽電池用モジュールメーカーへの供給体制を充実させることが目的で、当面の売上目標は年商10数億円。生産能力は現在の年産100トンを7月に200トンに引き上げ、将来的には年産400トンレベルにまで拡大する方針。

 立ち上げた生産プラントは、半導体用原料の規格外シリコンや半導体スクラップなどから凝固工程を経て製造するプロセスで、秋には、溶融金属シリコンを冶金的精錬処理する製造プロセスを立ち上げる予定。

 冶金精錬処理による太陽電池用原料シリコンの製造技術は世界唯一のもので、半導体用シリコンを用いた太陽電池と同レベルの14―16%の電力変換効率のシリコンを製造できるとしている。
神 鋼建材工業は、00年度上期において首都高速道路公団向けに「集水ますぶた」を開発し、約3000枚を納入。これが業界内で評判となり、阪神高速道路公団と名古屋高速道路公社向けで新品、既存製品の改良を含めて大量受注に成功。本年度は、新規として福岡・北九州高速道路公社で約3000枚の需要が見込まれている。

 首都高速道路公団向けは既設の集水ますぶた改修工事で、神鋼建材では同公団の協力を得て、製品厚み9ミリ・主部材中心間隔20ミリピッチの完全オーダー品を開発。これはゴミ清掃が容易な開閉式で、本体と受枠は専用ピンなどで固定できる仕組みとなっており、ハネ上がりを防止するもの。

 同製品は首都高向け納入後、業界内で評判となり、他の高速道路関連でも引き合いが急増。00年度には、阪神高速道路公団と名古屋高速道路公社で新品、既存製品の改修を合わせて各6000枚の受注に成功し、納入はほぼ完了している。また、本年度は福岡・北九州高速道路公社で、新たに約3000枚の需要が見込まれており、関係者は期待している。

新 日本製鉄大分製鉄所は、新年度から厚板ミルの圧延―精整工程の委託業務を、これまでの吉川工業から太平工業に切り替えた。これに伴い、吉川工業の構内要員160人のうち120人が太平工業に移籍した。残り40人は、日鉄物流大分支店に移籍した。

 新日鉄大分製鉄所は、厚板とホットコイル主体の量産型製鉄所。年産粗鋼で700万トン強。今回構内業務の委託先が変更された厚板部門は、月間11万トンから12万トンで、主に造船向けに生産を行っている。

 厚板工程の圧延―精整部門の業務は、これまで吉川工業が行っていた。要員160人を常時派遣する形で、構内作業を新日鉄と一体となって進めてきていた。この圧延―精整の委託業務を、新年度から全面的に太平工業に変更。これに伴い、吉川工業の厚板ミルの関係要員160人のうち120人が商権と一緒に太平工業に移管された。

 太平工業は、資本金54億6800万円。新日鉄のグループ企業として従業員6000人強を擁し、売上高は2000億円を上回っている。エンジニアリング部門が中心の企業で、設備の設計・製造・据え付けをはじめ、製鉄所の製造工程の整備・作業受託などを行っている。
日 鉄物流大分支店は、新年度から新日本製鉄大分製鉄所の厚板製品の倉庫業務を受託した。これまでは吉川工業が行っていたもので、吉川工業の要員40人を引き取り、全面的に業務を移管した。これに伴い、大分支店内に厚板倉庫課を新設し、月間12万トン前後の厚板を新規に取り扱うことになった。

 新日鉄大分製鉄所の厚板ミルは、圧延―精整工程の業務を従来吉川工業に委託していた。今回、この圧延工程の業務委託を全面的に太平工業に切り替えた。これに伴い、精整工程の後工程となっている倉庫・デリバリー業務部門も日鉄物流に切り替えた。

 日鉄物流は、厚板の専用倉庫3棟(350メートル×105メートル)、3万6000平方メートルを引き取り、常時4万トンの厚板を在庫。

 造船、ファブ、シャー業界向けのデリバリー業務を一貫して行う。日鉄物流は、新日鉄グループの中では最大の物流業者。従業員1200人で、500億円前後の売上高。

関 東のH形鋼扱い流通は、契約を最小限に抑え、改めて3万5000円を下限として市況維持に努める方針だ。在庫の減少ペースが遅いため、当初5月連休明けとしていた市況底入れ時期が、1カ月先延ばしとなったとみている。

 4月の出庫量は3月比4%増、入庫量は同8%増加して、在庫量は同5%程度減少した。

「出庫レベルが悪すぎる」(特約店)とみる。原因として、中小物件の実需が少ないことや、需要家からの指し値が厳しくなっていることもあるが、メーカーのヒモ付き価格が店売り価格を下回っているのでは、との見方も強い。

 商社の出庫量は会社によって大きく差があるが、平均すると3月比横ばい。在庫の減少は入庫減程度で「思っていたほどには減らなかった」(商社)との認識だ。このため、あと1カ月間は市況維持に努めて反転のタイミングを図る。

鉄 骨需要の低下傾向が、明確になってきた。2月の全国の鉄骨推定需要は51万9350トンと、前年同月比17・1%の減少となった。1月に続いての51万トン台で、このままの推移が続けば、年間需要は700万トン台を割り込む懸念もある。鉄骨需要低下は、SRC造の着工面積が100万1000平方メートルで、同35・9%減と大きく低下したことが影響している。住宅関係の需要低下を裏付けるもので、しばらく続く可能性が強い。

 ファブ業界が建築着工面積から推計している鉄骨需要動向によると、2月の鉄骨需要はS造が46万9300トン、SRC造が5万50トン、合計51万9350トンとなった。バックデータの着工面積は、SRC造が100万1000平方メートル、S造が469万3000平方メートルといずれも低水準。前年同月比ではSRC造が35・9%減、S造が14・4%減。SRC造の低下率が大きく、直近のピークである昨年3月の190万平方メートルに比べると、ほぼ半減している。

 国内の鉄骨需要は、99年11月(67万9700トン)に前年同月比でプラスに転じて以降、昨年12月(65万5900トン)まで前年度を上回っていた。特に昨年3月は83万4750トンと、高い水準を記録している。しかし、今年1月以降急減している。1月の実績が51万8050トン(前年度同月比20・1%減)、2月が51万9350トンと2カ月連続の50万トン際で、昨年前半の水準に比べると20万トン程度の減少となっている。

 こうした状況から、全国的にHグレードやMグレードといった、中堅クラスのファブの経営行き詰まりが表面化している。特に関西地区以西では、計画はあるものの着工までに間がある物件が多く、受注競争が激化している。同レベル企業の競争ではなく、HグレードがMやRグレードクラスのファブが加工する物件まで降りてくるケースが多い。このため大手と中小手の競合激化という形で、中小ファブが排除される動きが目立っている。

東 京地区のH形鋼市況は200×100で3万5000円中心。3万4000円の安値販売もみられる。流通は契約を最小限に抑えて、3万5000円下限をもう一度掲げ、6月以降の市況反転を目指す。

 強含みに転じられない原因は、在庫の減少ペースの遅さと実需の減少、および厳しい指し値に対する選別受注による出庫の減少だ。ファブへの信用不安から安値受注となっている面もある。メーカーのヒモ付き価格が安値となっていることも一因だ。このため流通は4月の申し込みを減らしており、多いところでは3月比半減とした。今後、在庫が減っていくことは確実のため、流通はあと1カ月間市況維持に努める。

東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)市況は弱基調で、市況の底入れにはまだ時間がかかりそうだ。市中価格は熱延下地5万6000円、冷延下地6万6000円が中心。

 主力の建材需要は、新年度スタートである4、5月と季節的に落ちる傾向にあり「大きな動きは止まっている状態」(コイルセンター)。需要家への販売はメーカー、流通を含めた競争で価格が下落し、市況の弱気感に結びついている。

 都内では大型建築物件の工事が進み、6月以降の需要に期待が集まる。在庫は減少の兆しがあるものの、3―4月にコイルセンター分が増加。春先の需要停滞が重なり、在庫調整が遅れ気味だ。

大 阪地区の冷延薄板市況は需要が新年度に入ってから落ち込みが続いており、流通は弱気の販売姿勢となっている。これを反映し、市況は4万4000円どころで弱含み。

 高炉各社はここにきて、減産を行っているうえ、コイルセンターもメーカーへの申し込みを絞っている。この結果、コイルセンターの入荷も抑制されつつある。一方、需要は弱電、建材が落ち込んでおり、コイルセンターも稼働率が落ちてきている。特約店の定尺の荷動きも小口中心でさえない。

 また、在庫はコイルセンター段階のコイル、特約店段階のシートともに減少してきている。ただ、動きが良くないだけに、過剰感が強い。当面、市況は弱含みで推移する見通し。