2001.05.23
住 友金属グループの海外鋼管事業が好調に推移しており、米国、東南アジアなど各生産拠点の能力増強工事が進行中であるが、そのうちのひとつサウジアラビアのナショナル・パイプ・カンパニー(NPC)の新ストレートシーム・ミルが6月に試運転を、9月に商業生産を開始する。サウジ政府は国内電力需要の急拡大に対応するため天然ガス田の開発プロジェクトを政策的に進めている。これに伴い、同国内のストレートシーム溶接大径鋼管需要が急増、中期的にも安定推移する見通しである。

 サウジアラビアでは人口の急増を背景に民生・産業用電力需給がひっ迫すると予想されており、国内における電力供給能力の拡張が大きな課題となっている。ただし同国政府としては産油製品を外貨獲得のための輸出商品と位置付けているため、国内発電所向けの燃料資源としての天然ガス田の開発が急務となっており、ハウイヤ、ハラドなど非随伴ガス田(産油に伴うものではなく、ガスの商業生産を目的とするもの)開発プロジェクトを実行に移してきている。こうしたガス田開発1プロジェクトの鋼管需要は45万―50万トンとされる。

 NPCは住友金属33%、住友商事16%、サウジ側51%の出資により80年に生産を開始。同国内唯一の溶接大径鋼管ミルとして、これまでスパイラル製管ライン(年産能力20万トン)で油田開発プロジェクト向けなど国内需要に対応してきた。

 ストレートシーム・ミルの新設はガス田開発向けの、肉厚が厚めの大径溶接鋼管需要が急増したことに対応するため99年に着工したもので、ピーク時の運転資金まで含む総投資金額は60億円、年産能力は20万トン。

 新ミルは、ストレートシーム鋼管の国内生産化を果たし、ハラド・プロジェクトへの供給を計画していたが、同プロジェクトが6カ月前倒しでスタートしたため、次のガス田開発プロジェクトまでの間、国内の海水淡水化装置からのラインパイプ向けやガルフ諸国向けの輸出市場に対応することになる。

日 新総合建材(本社=東京都中央区、木田治夫社長)はこのほど、中期経営3ヵ年計画「NAC2003」を策定、スタートした。計画の最終である03年度末には売上高354億円(うち子会社分39億円)、経常利益8億円(同8000万円)を達成していく方針だ。

 同社の00年度決算(3月期)は売上高約261億円(同約37億6000万円)、利益は経常ベースで4000万円(同800万円)を確保し、3期ぶりに黒字化を実現した。売り上げはほぼ横ばいで推移したものの、99年度4億1000万円の経常損失を、00年度で4億5000万円改善した。

 これは、人員削減や本社および出先機関のスリム化で大きな合理化効果が表れたほか、副資材などの効率的な購買を徹底したことが、より一層のコストダウンに結びついている。

 このほど策定した中期経営計画「NAC2003」では(1)絶えざる合理化の追求によって、黒字体質を構築する(2)既存商品のもう一段の見直し・強化に取り組む(3)成長分野に経営資源を集中させて、時代にマッチした新商品開発に尽力する―を骨子としている。

 同社は、建設需要が年々減少する厳しい経営環境下において、さらなる飛躍を図るため『めぐみちゃん』など太陽光発電建材をはじめとして、光触媒焼付型内外装パネル『エコジグラット』や『月星タイトパネル』など、ここにきて成長著しい新商品の拡販に一層力を注ぐ。これによって、現行8%の新商品売り上げ構成比率を、03年度末には27%にまで引き上げていく。

全 国コイルセンター工業組合(理事長=鈴木貴士・五十鈴社長、組合員数131社)はきょう23日、東京都千代田区のパレスホテルで、定時総会に続いて創立20周年記念講演会と懇親会を開催する。記念講演会には、作家で元経済企画庁長官の堺屋太一氏を招く。

 工業組合は中小企業の組織に関する法律に基づき、コイル鋼板切断・加工業者(コイルセンター)の全国団体として、1981年(昭和56年)に設立された。製品・コイル在庫の保管、品質管理、需給バランスの安定など鉄鋼メーカーと需要家の橋渡し役を担い、薄板供給体制を支えてきた。

 しかし、自動車、電機をはじめ需要業界の海外調達化により、国内を基盤とするコイルセンターの出荷量は、90年代前半をピークに減少傾向。鉄鋼メーカーや商社間の統合で業界再編が加速するなど、21世紀を迎えて業界も大きく変化しようとしている。

 こうした中で工業組合は、今年4月から共同利用型EDI(電子データ交換)センターの構築を開始。統計や工業組合の沿革を盛り込んだホームページ(www4.ocn.ne.jp/jcca/)も作成した。また、スキッド(型枠)利用については専門的な委員会を設置する予定で、IT(情報技術)や環境分野を中心に活動の充実を図りながら、効率的な運営を進めていく。
日 本鉄鋼連盟が21日にまとめたIISI加盟63カ国の4月の粗鋼生産速報によると、生産合計は6897万1000トンで前年同月比0・3%の微減となった。

 主要地域では、EU15カ国は1402万6000トンで同1・2%増、その他ヨーロッパ381万5000トンで同1・9%増、CIS6カ国810万1000トンで同1・3%増、北米992万9000トンで同15・2%減、南米323万4000トンで同1・9%増、アフリカ94万6000トンで同2・8%増、中東95万7000トンで同14・6%増、アジア2729万5000トンで同4・1%増、オセアニア66万8000トンで同10・5%減となった。
合 同製鉄(猪熊研二社長)はこのほど、大阪製鉄(桑原達朗社長)の堺工場に出向させている社員を引き揚げる方向で大鉄側と合意に達した。合鉄側が昨年の緊急黒字化対策による人員の合理化などで、要員がタイトとなっているため要請したもので今後、大鉄側の体制整備状況に応じ、順次引き揚げを実施、今年度中の完了をメドとしている。

 合鉄から大鉄堺工場への出向社員は14人で、製鋼部門をメーンに、一部原材料部門に従事している。堺工場の製鋼部門は一昨年10月に大鉄が合併した旧関西ビレットセンターで、出向社員はこの関西ビレットセンターの立ち上げ時に、新日本製鉄、大鉄からの出向社員らとともに大阪製造所から派遣され、その後、関西ビレットセンターが大鉄と合併し堺工場となってからも継続してきたもの。

 しかし、合鉄が緊急黒字化対策の一環として人員合理化を実施、これにより工場要員がタイトとなり、部署によっては欠員も生じてきたため、大鉄側に対して出向社員の引き揚げを要請した。引き揚げは今後、大鉄の中期経営計画に基づく体制合理化の進ちょく状況に合わせ、さらに社内の技能継承期間も勘案して、今年度中の完了をメドに順次進めることにしている。
P OSCOは、注文外製品(店売り製品)オンライン競売サイトであるSteel-N.Comによる鉄鋼B2B取引の成功の可能性が確認された。昨年9月にスタートしたSteel-N.Comは、今年4月までの8カ月間で注文外製品43万5000トン、1440億ウォン程度の販売を成立させた。特に今年の4カ月間は、取引に参加した顧客が780社に拡大するなど広がりを見せている。

 POSCOの鉄鋼サイトには、これまでに4200社が登録会員として参加。このうち需要家が30%に達している。取引数量は、昨年の4カ月で21万3000トン。今年は1月が6万7000トン、2月が5万4000トン、3月が5万1000トン、4月が5万トンと5万トン以上で毎月推移している。

 こうしたB2B取引により、POSCOと顧客ともに多様な利益がもたらされたとされており、今後の可能性に大きな期待が持たれている。特にPOSCOサイドは、組織のスリム化、在庫削減、資金需要の削減などが実現できたとしている。
日 本鋳鍛鋼会の2001年3月分鋳鋼・鍛鋼生産速報によると、鋳鋼は2万4328トン(前月比1297トン、5・6%増、前年同月比1536トン、6・7%増)、鍛鋼が5万1388トン(同4541トン、9・7%増、同100トン、0・2%増)と、いずれも増加した。

 同会では、01年度についても、鋳鋼は需要減退、価格低下、短納期対応、熟練工不足などを抱えながら厳しい操業が続くと予見。生産量については船舶、発電用機器、自動車など一部の機種によって00年度下期水準を維持すると分析している。鍛鋼は、船舶、自動車、型用鋼など主要機種が堅調推移し、00年度に続き高水準の生産が堅持できると予測した。

東 京ステンレス流通協会はこのほど、会員企業を対象に実施した1―3月期の経営実態アンケート調査結果を明らかにした。それによると同期の収益について、前回の00年10―12月期調査時と同様、回答会社の約7割が「黒字」と答えた。しかし、在庫の増加や販売価格の低下、4―6月期業績の悪化を懸念する回答が増えるなど、市場環境の変わり目を示す結果となった。アンケートは会員113事業所を対象に実施され回答率は47・8%。

東 京地区の縞板市況は小口商いで価格を維持している。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)5万4000―5万5000円中心。

 実需が4月から5月にかけて低調で、在庫も増加している。加工の忙しさも連休を経て一服状態。小口注文を中心に「ある程度の量は常に出ている」(扱い筋)状況だが、荷動きの停滞で価格を下げても販売量が伸びないため、市況は止まっている。

 供給面では「特に変わらず、心配していない」(同)。薄板や形鋼など他品種の市況が軟調に推移する中で、縞板だけは一定の価格を維持。6月以降は建材関連で荷動きが回復するとの期待感もあるが、当面は様子見横ばいで推移か。

東 京地区の等辺山形鋼市況は6×50で3万4000―3万5000円、溝形鋼は5×50×100で3万8000―3万9000円中心の横ばい。荷動きの悪い状態が続く。実需の減少による競争の激化や、一部メーカーの値上げに対する流通の申し込みの手控えが起き、さらにH形鋼の低迷に引きずられた。

 メーカーは需給改善に取り組むため、輸出を増やす。エヌケーケー条鋼は4月分を3月比40%増、5月分を4月比30%増とした。ただ国内向けは、流通が申し込んだ明細をカットせずに生産しているため、窮屈感はなく、歯抜けは見当たらない。底値感の出てきたH形鋼の動きにと伴って値戻しが視野に入ってくるのは6月以降。

大 阪地区の厚板市況は需要が落ち込んでいるうえ、在庫も過剰ぎみなこともあって、扱い特約店は弱気の販売が続いている。これを反映し、市況は4万円どころで弱含み。

 高炉メーカーはここにきて、減産を行っており、輸入材の入着も近国物に限定限定されており、流通の入荷は減少傾向にある。一方、需要は建築、機械ともに低調で、特約店の定尺の荷動きは5月以降、さらに小口化してきている。シャーの加工も稼働率が70―80%にとどまっている。

 在庫も特約店段階、シャー段階ともに増えており、過剰感が強い。ユーザーも流通に厳しい指し値を提示しており、当面、市況は弱含みで推移する見通し。