2001.05.24
N KKと川崎製鉄は23日、両社の全面的な経営統合に関して、「統合の検討に際しての基本理念」を策定し、統合業務を推進するため、両社社長を共同委員長とする統合推進委員会と両社役員クラスを共同部会長とする部会を設置し、作業を開始したと発表した。

 両社は、昨年4月に4製鉄所間の3分野(物流・補修・購買)における協力の検討を開始し、今年4月には全面統合に基本合意した。

 統合のスキームは、02年10月をメドに株式移転によって共同持株会社を設立し、両社がその傘下に入る。第2ステップとして、03年4月をメドに、持株会社傘下の両社を事業別会社に再編する。

 統合推進のため、専門委員会を設置し、最適な事業体制を構築する。委員会メンバーは、下垣内洋一・NKK社長と江本寛治・川崎製鉄社長が委員長となり、委員メンバーは両社の全副社長(NKK=大谷長、土手重治、矢島敦夫、深澤亘、半明正之。川鉄=數土文夫、山本貞一、佐藤修)、事務局は両社の企画担当役員の斎藤修NKK専務、馬田一川鉄取締役が担当する。

 統合推進委員会では、「スピード感あるマネジメントの実現」を目指し、機能別部会で統合に向け詳細を詰める。主な部会は、企画、法務・総務・広報、人事・労政、財務・経理、情報システム、R&D、鉄鋼、エンジニアリング、都市開発、環境ビジネス、化学。

関 西地区のH形扱い流通筋で、値戻し機運が台頭してきた。ベースサイズが払底するなど在庫調整の進展を背景としたもので、各社は第1ステップとして、6月前半をメドに3万3000―3万4000円の市況形成を目指す方向。全国最安値の関西が市況立て直しに動き出したことで、昨年末から低迷していたH形の基調転換が鮮明となった。

 現在、同地区の市況はベース3万1000円中心と全国最安値。一方で、ときわ会在庫は4月末段階で14・8%減と他地区に先駆け急減。現在、各社の在庫は「ベースサイズが払底して、シニア、ジャンボが売れ残っている状態」(特約店筋)で、しだいにタイトとなりつつある。各流通の申し込みは引き続き慎重で、4月生産が大幅に減少したことなどから、今月末在庫も減少するのは確実。同地区では関東などの他地区より1カ月早く在庫調整が完了する、と見られている。

 このため、各流通では「これだけ歯抜けがある中で、逆ザヤ商売は続けられない」として販売方針を転換。連休前後の安値回避の動きから一転して、値戻しムードが広がってきている。

 流通各社は今年前半からの予想外の需要急減で、逆ザヤ商売に転落。長期化する赤字商売で厭戦ムードが強まっていた。

新 日本製鉄など8社で構成される、ガンテツパイル工法協会は本年度、鉄道高架基礎分野に参入するとともに、都市インフラ整備が進む中で鉄需拡大を推進するなど積極的に展開し、前年度比64%増の5万メートルを目指す。

 ガンテツパイル工法協会はメーカー4社(新日本製鉄、川崎製鉄、住友金属工業、クボタ)、施工業者4社(テノックス、東洋テクノ、塩見組、日本コンクリート工業)の8社で構成。協会発足から約3年、8社体制になって約2年が経過している。

 ガンテツパイル工法は、地盤にセメントミルクを注入・混合・攪拌(かくはん)してソイルセメント柱を造成し、それと同時または後から回転埋設される外面突起付き鋼管で構成される合成鋼管杭。

 特長は(1)低振動・低騒音であるほか、原地盤の土を有効活用するため、発生土量は最小限度に抑えられる(2)周面摩擦力、先端支持力ともに非常に安定した性能を有し、また巨大地震における大変形に対しても鋼管を応力材として用いるため、高じん性を発揮(3)独自の施工管理システムによって施工状況(施工深度、堀進抵抗、支持層深度など)を確認できるので、信頼性が高く効率的な施工が可能―など。

 00年度の受注実績は、延べ長さで3万500メートル(杭径1000ミリ換算)となり、これでトータル実績(土木分野のみ)は11万メートルとなった。ここにきて、ガンテツパイル工法の低排土・低騒音・低振動というメリットが市場に浸透してきており、都心部を中心に採用が増えている。
大 同鋼板(服部正幸社長)は、2000年度からスタートした中期3カ年計画のコスト削減20億円を01年度末までの2カ年で超過達成する。このため「最終年度で新たなコスト削減を設定し、収益構造の底上げを図る」(服部正幸社長)方針。

 同社は前期でカラー鋼板、塗装鋼板、パネル鋼板を中心に38万6000トンの建材製品を販売。これにより384億円の売上高を確保。経常で前々期比9億1800万円増の11億2000万円の黒字となった。増益に貢献したのは、高付加価値製品の比率アップとコスト削減の進捗。特にコスト対策は3カ年で20億円に設定されているのを、「初年度で半分をクリア」。残りも今期末までに超過達成のメドがついた。

 内容は「購買コストの削減、経費削減、要員対策による労務費の大幅な減」などで、全体を前倒しで実現するため「3カ年の投資計画30億円も先行して実施」の方針。

 要員計画は3カ年で100人を減らし400人体制にするが、「協力会社にも要員削減を進めてもらい、外注費の削減も推進する」。こうした対策を実施し、今期は売上高362億円、経常利益12億円の確保を図る。
住 友金属工業は、シミュレーション技術を活用して自動車用鋼板の開発を強化する。プレス加工時の強度や衝突速度に応じた強度変化など、素材に関するデータ化によりデジタルエンジニアリングを推進、自動車メーカーや部品メーカーへのサンプル試験の回数を抑えることで、開発期間の短縮やコスト削減に協力する。

 関西製造所(大阪市此花区)の自動車用クランクシャフト生産で培った振動、プレス・成形加工の試験により蓄積したデータのノウハウや、98年に世界で初めて導入した衝突時の想定速度を変化させることが可能な「検力ブロック式高速材料試験機」(大阪府立大・谷村眞治教授が開発)を活用する。

 板厚の異なる素材を溶接してプレス(テーラードブランク)した時の強度など、実際に適用する素材でのデータ化を進める。総合技術研究所(兵庫県尼崎市)の研究人員も増強し、シミュレーション精度を引き上げる。

 新しい自動車用鋼板の開発では、需要家へのサンプル出荷を通じて採用が検討される。住金は、ハイドロフォーミング設備やYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザー溶接設備の活用により、加工・利用技術に踏み込んだ研究開発に注力する。

 テーラードブランクは設備販売を行う環境プラントエンジニアリング事業部と協力し、素材サンプルの作製や加工性の検証、基本データの提示や導入時のオペレーション、品質管理に関する提案を行う。高張力鋼板(ハイテン)では、従来35キロ級までの適用が限界とされた外板材に照準を合わせて新BH(焼付硬化)鋼板(40―50キロ級)のシリーズ化を開始している。
中 央電気工業はこのほど、茨城県鹿島工場で一般廃棄物の焼却灰・ばいじんを溶融固化する専用電気炉施設の建設に着手した。電気抵抗式溶融方式によるもので、同工場の処理量は現在、年間1万2000トンだが、今回、建設予定の2万4000トン×2基操業を前提とした処理能力を合計すると、国内で最大規模の6万トンになる。

 営業開始は2002年度初めの予定。同社は将来、産業廃棄物の焼却灰、汚染土壌・下水汚泥の処理なども視野に入れながら専用電気炉を3基まで設置する計画を描いている。

 同社はマンガン系合金鉄メーカーで、同工場では95年度から合金鉄製造用の既存電気炉を利用して、周辺自治体の焼却灰を溶融固化する事業を行ってきたが、自治体からの増強要請を受け、専用電気炉の建設に乗り出した。

 今回、建設する電気炉は親会社の住友金属和歌山製鉄所のロックウールの遊休設備を移設するもので、設備・エネルギー面で製鉄所の既存インフラを活用したコスト競争力の高い施設となる。

 設備は電気炉のほか前処理設備として異物除去、焼却灰乾燥、スラグの除冷・水砕などを併設するほか、スラグを製品化するため磁選・磨砕設備を整備する。さらに排ガス処理設備として急冷、ダイオキシン対策の2次燃焼装置、バグフィルターなども備えている。

 焼却灰・ばいじんは電気炉の特徴である約1400―1500度の高温溶融と長時間の滞留を確保した溶融によりスラグ化されるため、スラグの完全無害化が実現できる。焼却灰は約35%まで減容化され、また、約60%までの減量化が達成される。
台 湾の中国鋼鉄(CSC)は、東南アジア市場での販売強化を目的にチャイナ・スチール・グローバル・トレーディング(CSGT)シンガポールを7月をメドに設立する。CSGT(本社=高雄市)はCSCの商社機能子会社で、海外現地法人の設立はCSGT・ジャパン(本社=大阪)に続くもの。

 東南アジアで同社はこれまでCSCのシンガポール事務所を置き、情報収集活動を行ってきた。このほどマレーシアの冷延単圧ミルのオーナ・スチール、カラー鋼板ミルのグルプ・スチールそれぞれの過半株式を取得して子会社化。これを機にCSGT・シンガポールを設立、7人の人員でオルナ社製品およびCSCの輸出製品の販売活動を東南アジアで展開する。

 同社の2000年の粗鋼生産は約990万トン。鋼材輸出比率は約28%、輸出に占める東南ア向けは23%前後。

 なお、オーナ・スチール、グルプ・スチールの年産能力は冷延鋼板18万トン、カラー鋼板12万トン、溶融亜鉛メッキ鋼板26万トン。CSCとしてはこれらのミルを子会社することで初の海外生産体制を確立、あわせて熱延鋼板の安定輸出先を確保している。

大 和特殊鋼(本社=大阪市西区立売堀4―1―3、今井隆社長)は、特殊鋼倶楽部が制定しているステンレス棒鋼の色別表示に対応して、これに倣った「識別表示色」を採用、6月から実施する。

 特殊鋼倶楽部では、メーカーがステンレス棒鋼の鋼種別色分けを統一した「色別表示」を95年に制定、実施している。色別表示が制定されている鋼種は5鋼種。円形のステッカーの左半分がすべて銀色、右半分が鋼種別に黄色、桃色、緑色、黒色、茶色に分けで表示されている。

 特殊鋼倶楽部が色別表示を統一するまでは、メーカー、流通問屋とも独自に選定した色で色別表示を行っていたが、特殊鋼倶楽部の色別表示統一を機に、ステンレス流通協会あるいは個別に特殊鋼倶楽部の統一色別に従った色別表示を採用する傾向が出始めている。

 大和特殊鋼でも今回、5鋼種について特殊鋼倶楽部の色別表示に倣った表示色を採用することにしたもの。SUS304は黄色、SUS316は桃色、SUS316Lは緑色、SUS403は黒色、SUS420J2は茶色とし、6月1日から実施する。

東 京地区の大径角形鋼管(コラム)市況は12×300×300の一次加工付き価格で、STKR5万6000―5万7000円、BCR6万6000―6万7000円中心。弱含み。H形鋼の弱基調の影響もあって、荷動きが低迷している。

 中小物件の需要が非常に少ないく小口中心。加工納期の受注残は1―2日と短い状態が続く。このため、加工賃を7000―8000円に削って、安値に折り合う動きも一部にある。

 メーカーは需要見合いの生産に抑えるとするが、効果は表れていない。需給バランスを整えるのは需要次第になっている。このため、市況が回復するのは、7月以降となる見通しだ。

東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)市況は、実需の冷え込みから弱含み。市中価格は熱延下地5万4000―5万5000円、冷延下地6万4000―6万5000円中心。

 薄板の不需要期だが、ここ1カ月の荷動きは特に落ち込んでいる。コイルセンターは部品メーカーなど需要家から「安い価格が出ている」と指摘されると、一定の水準まで価格を合わせざるを得ない。先安観を定着させ、市中の買い意欲もさらに減退している。

 販売業者は「買う気がないところに(安い)値段を出しても売れない」とあきらめ気味。建材は大型物件の工事が内装部分に入る7月以降、回復するとの期待も出ているが、弱気の商いが続く。

大 阪地区の等辺山形鋼市況はベース3万2000―3万3000円どころで底ばい。

 需要不振から市中の荷動きは相変わらず低調。引き合いは小口中心で、今月の流通出庫量も「ほぼ前月並み」(特約店筋)と動きは鈍い。

 ただ、大阪製鉄、エヌケーケー条鋼の2大メーカーは価格優先策を堅持。引き続き6月積みでも値上げの意向をほのめかしており、需要見合いの生産に徹している。

 また、一部メーカーでは東南アジア向けに輸出を成約するなど供給圧力は減少している。

 このため、流通筋でも底値ムードが台頭。各社は3万2000円を下限とする安値回避に出ており、市況は当面、底ばい。