2001.05.28
高 炉6社の00年度末の連結有利子負債残高は、7兆9281億円と前年度末の8兆7299億円から8018億円減少した。新日本製鉄が1762億円、NKKが2179億円、川崎製鉄が1930億円とそれぞれ大きく削減したほか、他3社も着実に削減が進んだ。

 6社は今年度以降も引き続き有利子負債の削減を推進する方針。新日鉄が中期連結経営計画(00年度ー02年度)で掲げている02年度末での1兆8000億円以下の達成を目指すほか、01年度中にNKKが1600億円程度、川鉄が1900億円程度、住金が1300億円程度、神鋼が150億円程度の削減をそれぞれ計画している。

 一方、00年度末の剰余金残高は新日鉄、日新に加え、本社ビルなどの資産売却益によって財務内容が様変わりしたNKKが前年度末の438億円の赤字から一気に999億円改善して561億円の黒字に変わり、剰余金の黒字会社は6社中3社となった。

新 日本製鉄など高炉5社の2000年度エンジニアリング部門の売上高・受注実績が出そろった。5社合計の売上高は前年比1・4%減の1兆1365億円、受注高は17%増の1兆2232億円と、ダイオキシン規制を背景とするガス化溶融炉の発注ラッシュなどで受注が2ケタの伸びを見せた。NKKの連結受注高5000億円台達成や新日鉄の全事業部黒字化など鉄鋼メーカーのエンジニアリング事業が厳しい受注環境下で着実に力をつけてきた。

 【新日鉄】

 売上高は前年度比6・4%減の2809億円、受注高は19・5%増の3193億円。海外案件の期ズレなどにより、当初見込みの受注高3300億円に及ばないものの、3000億円台を回復。国内受注高では過去最高の2958億円を計上した。

 【NKK】

 売上高は前年度比3・1%増の4490億円、受注高は30・5%増の5091億円と連結ベースで過去最高の5000億円台を達成した。営業損益では前年度比67億円増の178億円と2年連続の3ケタの黒字となった。

 【神鋼】

 機械関連事業の売上高は前年度比6・9%増の2370億円、受注高は16・3%増の2347億円と受注、売上高ともに着実に業績を伸ばした。収益的には、エンジニアリング部門は赤字だが、都市環境、機械カンパニーでは黒字となった。

 【住金】

 売上高は前年度比9・5%減の949億円、受注高では23・9%減の858億円と売上高、受注とも1000億円台を割り込んだ。収益的には、建築分野での選別受注などの努力が功を奏し、2年ぶりに経常利益で黒字転換を果たした。

 【川鉄】

 売上高は、前年度比17・5%減の747億円、受注高は0・3%増の743億円。売上高は99年度に続き、さらに2ケタの落ち込みをみせ苦戦したが、受注面では製鉄・プラントや環境事業部の健闘で微増となった。

日 鉄商事の吉澤富雄社長は25日に開いた01年3月期決算会見で、「経常利益段階では単独23億円強、連結50億円と10年ぶりの高水準となった。しかし、01年度に義務付けられている減損・時価会計制度を00年度で1年前倒しで採用することを決めた」と強調した。

 同社は99年度から3カ年中期経営計画の中で、減損会計を00、01両年度で適用する、としていたが、吉澤社長は「フローでの利益を確保できた」ことを踏まえながら、「決算内容の透明性を確保するために、これまでの不良債権などを特別損失に計上することに踏み切った」と強調した。

 同社によると、単独で計上した特別損失114億6400万円の中身は、上場・非上場を含めた保有株式やゴルフ会員権の評価損。一方、土地などを売却して特別利益として47億円を計上した。

 これら営業・特別損益の結果、連結の当期損失として31億7000万円を計上するに至った。
建 設経済研究所はこのほど、01―02年度の建設経済予測をまとめた。それによると、01年度の建設投資は前年度比名目5・7%減と大幅な落ち込みを見せる。02年度についても政府部門の大幅な減少を受けて、全体で01年度比4・7%減と予測している。

 ▽住宅着工戸数=01年度は前年度比3・0%減の117万7000戸程度で98年度以来の110万戸台になる。低金利が続くが、雇用・所得環境の回復は見込めず、消費者心理は改善の足取りの重い状態が続くため。02年度は01年度比0・1%減と微減で116万6000戸程度。持ち家は、ある程度回復するが、分譲マションの過剰供給に伴う在庫率の悪化などから、分譲や貸家着工は減少する。

 ▽民間設備投資=01年度は前年度比変わらず、02年度は同0・2%減。米国景気にブレーキのかかったことや、IT関連産業の設備投資減少、不良債権の処理による企業経営の圧迫などが主因。

 ▽民間非住宅建設投資=01年度は前年度比4・3%減だが、02年度は同2・3%増とやや持ち直す。このうち建築向けは、01年度は同6・9%減、02年度は同7・2%増と回復する。
広 島地区初の超高層RC造建築物として注目されていたアーバンビュー・グランドタワー建設工事向け鋼材約1万トンのメーカー配分が決まった。ネジ鉄筋4800トンは合同製鉄、高強度剪断補強筋1000トンは共英製鋼などで、窓口商社はいずれも三菱商事西日本鉄鋼センター(本社=広島市中区江波南2―15―17、三好満社長)。

 アーバンビュー・グランドタワーは五洋建設の施工で、広島市の中心部、旧グランドホテル跡地に建設されるRC造の超高層複合施設。地上43階、地下1階、延べ床面積5万5383平方メートルの規模で、最高部の高さ162・4メートルと大阪・神戸以西で最も高いRC造建築物。地区初のハイRCであり、また鋼材使用量も約1万トンと最近にない大型物件として早くから注目されていた。

 この結果、メーンのネジ鉄筋4300トン(大半が極太D41ミリ=SD490)は、合同製鉄のGジョイントに決まった。Gジョイントは建築での使用例は少ないが、五洋建設が施工した広島県の廿日市大橋や島根県の江島大橋での実績が評価されたようだ。また、高強度剪断補強筋1000トン(SD785)をはじめスパイラルフープ270トン(SD295)、普通鉄筋2200トンはいずれも共英製鋼。窓口は全量三菱商事西日本鉄鋼センター。
大 同鋼板(服部正幸社長)は、2000年度でガルバリウム鋼板の生産量が18万トンと日本最高を記録した。前年度比20%の増加で、「GIとGL(ガルバリウム鋼板)の比率が逆転した」。01年度は、20万トンを目指す方針で、ガリバリウム鋼板の比率はさらに高くなる。

 昨年度は素材換算38万6000トンを生産し、このうちガルバリウム鋼板が18万トンと過去最高を記録したもの。

 GLは、大同鋼板が国内で初めて生産したもので、開始以来20年が経過している。耐食性・耐候性が高く、高品質であることから建材製品の母材として市場を拡大している。

 屋根・壁などの素材として生地仕様だけでなく、塗装鋼板の原板としても使われており、建材市場では主力製品の位置を占めている。

 国内では6社が生産しているが、生産規模、品ぞろえともに大同鋼板が先行しており、トップメーカーとなっている。今後は、さらに生産を強化するとともに、バージョンアップを図り、市場規模を拡大していく方針。

全 国鉄構工業協会(会長=橋本誠・大川トランスティル社長)は、新工場認定制度下の指定性能評価機関として初めての性能評価となる第10次1回目において、184の申請工場数に対し、適合が163工場、不適合は15工場、保留延期が6工場という結果になった。

 グレード別に申請工場数はSグレード1社、Hグレード29社、Mグレード89社、Rグレード56社、Jグレード9社。

 このうち、適合を受けたのはSグレード0社、Hグレード26社(昇格3社、更新23社)、Mグレード82社(新規3社、昇格7社、更新72社)、Rグレード49社(新規7社、昇格9社、降格2社、更新31社)、Jグレード6社(新規3社、更新3社)となっている。

 一方、不適合となったのは、Sグレード1社(昇格)、Hグレード2社(昇格、更新ともに1社ずつ)、Mグレード5社(昇格3社、更新2社)、Rグレード4社(新規3社、更新1社)、Jグレード3社(新規1社、更新2社)。品質検査が不十分な「保留」、明確な判定が出せず評価継続となった「延期」の合計は6工場で、内訳はHグレード1工場、Mグレード2工場、Rグレード3工場となった。

大 阪鉄鋼流通協会厚板部会ははこのほど、4月末の大阪地区の厚中板流通動態調査集計表をまとめ、明らかにした。

 それによると、地区の厚中板在庫は3万9272トンと前月比9756トン、33%増。内訳は仕入量が3万3476トンと同1万162トン、43・5%増、販売量は3万3219トンと同1万1810トンと55・1%増。

 規格別の内訳はまず、定尺は在庫が1万4428トンと同1507トン、11・6%増。入出荷は仕入量が1万1635トンと同878トン、7%減、販売量が1万1204トンと同465トン、4・3%増。

 一方、不定尺・発生品・耳付・コイル・乱尺は在庫が2万4844トンと同8249トン、49・7%増。内訳は仕入量が2万1841トンと同1万1040トン、102・2%増、販売量が2万2015トンと1万1345トン、106・3%増。

 縞鋼板の在庫は4214トンと同321トン、7%減。内訳は定尺が3424トンと同221トン、6%減。不定尺・発生品・その他が1410トンと同520トン、58・4%増。

東 京地区の冷延薄板は弱含み。市中価格(1・0―1・6ミリ、ベースサイズ)は4万7000―4万8000円。

 コイルに在庫過剰感が強く残り、荷動きも特に悪い。メーカーの冷延在庫は減少しつつあるが、4月以降の需要減が需給バランスの改善を阻んでいる。コイルセンターでは「定尺をどんどん切って稼働を維持するようなことはない」とするが、関東地区は稼働率70%台と頭打ち状態。

 定尺は5月に入っても500―1000円と小刻みに下落。販売業者は在庫を抑えているが、小口の商いに終始しており「安くても売れない」(扱い筋)と厳しい認識。需要は建材の落ち込みが大きく、6月にかけても期待薄。

東 京地区の異形棒鋼は5月下旬に期待されたゼネコンからの明細発注が依然活発化せず、ベース2万8000円で様子見。首都圏の再開発工事向けなどでデリバリーは堅調だが、新規明細の出は鈍く、市中の商いは振るわない。

 メーカーが減産体制で足並みをそろえ、ベース各社では6月も枠売り実施の構えで価格改善の姿勢を強調。これを受け、商社も春先からの販価立て直しに取り組むが、明細が出てこないことで売り腰に迫力を欠き、2万7000円台の売りが目立つ。 一部商社でショート玉の解消に安値誘導を働きかける向きもあり市中には下押し警戒感が出始めている。メーカーの高唱えが下支えるが目先、模様眺め。

大 阪地区の中板は地区の荷動き不振が影響し、扱い特約店は販売を立て直せない状態が続いている。市況は3万3000円どころで弱含み。

 地区の建築は民間を中心に落ち込んでおり、産業機械も設備投資の低迷により、振るわない。地方の特約店も買い控えを続けている。この結果、定尺の荷動きはさえない。一方、国内メーカーは店売り向けの減産、出荷を抑制している。輸入材は入着が月間17万―18万トンと通常ペース。コイルセンターの入荷もここにきて、減少傾向にあるが、需要がよくないだけに、入荷減の効果は出ていない。在庫もコイルセンター段階、特約店段階ともに過剰ぎみ。定尺扱い特約店は依然として、ユーザーの指し値に応じるケースが多い。