2001.05.31
新 日本製鉄は30日、世界最高強度の海洋構造物向け厚鋼板を開発し、北海油田など寒冷地用を中心に3件のプロジェクトで採用されたと発表した。YP(降伏強度)460―500MPa級の高強度厚板で、新技術「HTUFF」を活用。出荷済みのプロジェクトを含めて6月中に、3件受注分全量の出荷を完了する予定。

 採用されたのは東ティモールのバイユウンダン(YP460MPa、1万9200トン)、ノルウェーのグラーネ(YP500MPa、4000トン)、クビトビョルン(同、3000トン)の海洋構造物プロジェクト3件。受注量は合計2万6200トン。昨年受注し、いずれも8割以上をすでに出荷している。

 海底油田採掘に使用する海洋構造物は、大型化に伴う脚部重量負担により、海面上の構造物(プラットフォーム)の軽量化が求められている。従来は溶接継手部の靭性低下などから、YP355―420MPa級までが採用の限界だった。

 新日鉄は3月に発表した、溶接熱影響部でも安定した靭性を確保する新技術「HTUFF」を活用し、YP500MPaまでの厚板を開発。海洋構造物や船舶分野で使用する高強度厚板は、YP355―420MPaからYP460―500MPaへの移行が予想される。
N KKは30日、一部酸洗を含む店売り向け熱延鋼板の受注をスキップすることを明らかにした。6月契約分がスキップの対象で、既契約の6月出荷分についても「可能な限り前倒しで調整する」(薄板営業部長)方針。実質1万トン弱の減産で、極端に下落している価格水準や在庫の立て直しに取り組み、秋にかけての需給改善を目指していく。

 同社は中板については昨年秋以降、直近では3月に減産を実施。需給改善に一定の効果はあったものの、薄板市場は1月以降の需要減少により、在庫が大幅に増加して価格も大きく後退。価格下落の一因となっている。

 このため、酸洗を含めた熱延鋼板に照準を合わせてさらに減産。価格を改善するとともに「冷延や表面処理など、他の薄板の具体的なアクションにつなげたい」(薄板営業部)との意向から、約1カ月分の受注スキップに踏み切った。

 需要は1―3月が前年同月比約3%減、4月以降は同じく5%減と停滞し、前月比でみると10%以上の減少との認識。4―6月が不需要期とはいえ、コイルセンターの稼働も前月比10―20%落ちているという。

 また、価格についても「足元の市況レベルは行き過ぎている。メーカー、流通とも生業として成り立っていない」(同)と危機的な認識だ。

 薄板在庫は特にメーカー分の増加が顕著で、薄板3品在庫(メーカー、問屋、コイルセンター合計)は448万トン(4月)と過去にない異常水準。
4 月末の薄板3品在庫(メーカー、流通合計)は448万6000トンと、前月に比べて8万9000トン(2・0%)増加した。1―3月の需要減に対して国内メーカーの生産が過剰となり、その反動で大幅に増加。薄板3品在庫が450万トン際まで積み上がるのは極めて異例だ。 メーカー・流通別では、メーカー在庫が198万2000トン(前月比4・9%増)と大幅に増加した。問屋は87万3000トン(同0・7%減)、全国コイルセンター工業組合は163万1000トン(同0・2%増)。

 メーカー在庫が増えたのは需要が落ち込んだのに対し、特に1―3月の生産が大きく上回ったことが要因。「4、5月が在庫のピークになる」(高炉メーカー)との見方もあり、在庫が減少に向かうのは6月以降の見通し。一方、流通在庫は品種により差はあるものの、全体的にはピークを迎えて増減幅は小さくなっている。
阪 和興業のeコマースサイト「ハンワ・スチール・ドット・コム」は、昨年10月に東京で開設して以来、今年5月には月間受注件数が昨年10月実績と比べて4・9倍、受注数量が4・3倍に拡大した。今年3月の名古屋に続いて、6月からは大阪でもサービスを開始することから、参入から1年が経過する今年10月に月間受注量の目標である2万トンの達成が射程距離に入った。

 2万トンになれば、同社の流通センター(東・名・阪)の倉出販売量の約20%をカバーすることになる。今後は北海道地区でのeコマース対応を検討する。

 近い将来は、現在の店売り対応に、ユーザー対応のバージョンも加味して、同社の国内向け鋼材売上高3000億円の20%に相当する600億円を目指す。鋼材以外の品種へのeコマースの展開も模索する。

 昨年10月に流通センターの販売ツールとして東京でサイトを開設した時点では、月間受注件数が533件、受注数量は3675トンだった。その後、名古屋での開設もあって、今年5月(5月1日から28日までの現在)では件数が2605件、数量が1万5641トンとなった。

 累計では1万1251件、6万4325トン。1件当たり平均では5・7トン。現在キャンペーン中の「77777ヒット」は、6月下旬に達成の見通し。

エ ヌケーケー鋼板(鍬本紘社長)は今年度、亜鉛―55%アルミ合金めっきのガルバリウム鋼板の積極拡販に臨む方針だ。高加工性のガルフレックスカラーなど新製品の投入や、一般カラーからのシフトで前年度比2割アップの販売増を見込んでいる。6月にはガルバリウム鋼板の新製品第3弾を発売する予定。建設需要は低迷し製品市況も低下傾向にあるが、付加価値の高いガルバリウム鋼板の拡販で収益を確保する。

 99年7月のNKKからの分社化で鋼板専業メーカーとしてスタートし、初年度から黒字を達成した。00年度も自社販売分とNKKからの受託生産分の増加で、01年3月期は、売上高が前期比34・8%増の346億4900万円、経常利益は49%増の1億8800万円と増収増益となった。年間生産量は約57万トンで、うちカラー鋼板類は約14万トン、溶融亜鉛めっき鋼板は43万トン。NKKからの受託比率はカラーが40%、溶融亜鉛めっきが60%を占めた。

 このうちガルバリウム鋼板は一般カラーやガルファン(5%アルミ)からの置き換わりが進み、99年度、00年度と2年続けて生産量が4割増と増えた。現在、月間約4000トンを生産・販売している。同社の主力製品へと成長しており、経営資源をガルバリウム鋼板の開発に集中させ、新製品の開発・用途開拓を進めている。

 新商品としてこのほど、耐食性と加工性を工場させたスーパージーニアス「SGコート」とガルフレクスカラーを相次いで発売した。スーパージーニアスは、独自開発の化成処理皮膜処理で自己補修作用を持たせ、加工部の防食性に特長を有する。また、皮膜上に特殊有機樹脂を分散させていることで無塗油でのロールフォーミング成型を可能とした。

 ガルフレックスカラーは、とくに力を入れている商品で、めっき膜の軟質化と高延性塗膜との効果で、加工性、耐食性を高めた。両製品とも高い加工性の点から引き合いが増えており、新規の顧客も得ているという。
東 洋精鋼(本社=愛知県海部郡十四山村大字馬ケ地新田字大鳥481、渡邊基嗣社長)は、航空機分野向けのピーニング用のコンディションド・カットワイヤ(CCW)に本格進出し、自動車関連向けに次ぐ柱とする方針。

 航空機産業向けの本格進出は、世界の航空機エンジンメーカー3社(GEAE、P&W、ロールス・ロイス)がアジアを含め世界各国にエンジンの修理・修繕の拠点を設置する動きにあることから、エンジン部品を含め航空機関連向けのショットピーニング用のCCWを販売・供給し、自動車分野に次ぐ第2の柱とすることが狙い。すでに同社は一昨年、米国航空機エンジンメーカーのGEAEと機体メーカーのボーイング社のサプライヤーズリストに登録。さらに今年2月には航空機エンジンメーカーのP&W社にも登録された。この種のサプライヤーは世界でも数社しかなく、アジアでは同社が唯一の企業。

 この航空機分野向けのピーニングに要求されるCCWは、サイズ、形状、成分、硬さ、耐久性などのスペック、そして検査が非常に厳しい。このため同社では97年にISO9002の認証を取得するなど、高品質な製品供給体制を整え、販売資格となるリスト登録に向け活動を展開してきた。

 同社のCCWの特徴は(1)ピーニングの投射の強さが安定し、均一で安定的な加工が可能(2)サイズが一定で、工程内管理が容易(3)後工程の酸洗液の寿命が大幅に延びる(4)ショット寿命が長く、製造コスト・産業廃棄物の低減効果が大きい―など。
建 設経済研究所がこのほど発表した建設市場の中長期予測によると、2000年度の88兆円に対して10年度は、10年間の経済成長率が2%ならば77―82兆円、1%なら72―77兆円と10%以上減少。建設投資の減少を維持補修費の増加が補うが、全体としては減少する。

 建設投資は、00年度の72兆円に対して、10年度はGDP成長率によって異なるが54―63兆円と大幅に減少。

 住宅着工戸数は、00年度の121万戸に対して、10年度103万戸、20年度76万戸と減少。ただ投資ベースでは、床面積の増加や質の向上などによって、着工戸数ほどは大きく減少しない見込み。

 民間非住宅投資(建築+土木)は全体的に減少傾向。一定の経済成長が達成されれば伸びる場合もある。

 維持補修費は、ストック量の増加によって伸びる。00年度の21兆円に対して、10年度は25兆円前後と予測している。
日 本金属サイディング工業会(会長=相川正・代表取締役会長)がこのほどまとめた金属サイディングの2000年度生産・出荷実績(9社ベース)は、1578万3738平方メートルと前年度比約6・6%減。

 一方、出荷は1594万6874平方メートルで同4・5%減少しており、メーンのリフォーム向けが安価な窯業系サイディングの攻勢に押される格好となり、生産・出荷ともに4年連続でマイナスとなった。

 生産における過去10年間のピークは94年度(2459万5985平方メートル)で、これと比較すると約35・8%減。また、出荷は、ピークである96年度(2424万8298平方メートル)と比べて、約34・2%のマイナスとなっている。

 近年、漸減傾向にある金属サイディング需要の掘り起こしを図るため、日本金属サイディング工業会では今年度、とくに浸透が遅れている西日本地区での普及・促進を目指し、建材工事業者へのアピールを強めていく計画。

東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)は弱含み。市中価格は熱延下地5万4000―5万5000円、冷延下地6万4000―6万5000円中心。

 需要の減少で在庫調整が遅れている。定尺販売では小口、当用的な注文に終始。販売業者では「5月は少し回復したが、4月の販売量が大幅ダウン」との声もあり、店売り需要の停滞が市況の弱気に結びついている。

 需要家向けの商売ではコイルセンター、メーカーを含めて局地的に販売価格で競争するケースがあり、需給バランスとともにこれが底値感の出ない要因。「いったん出た安値に歯止めがかからない」(コイルセンター)という。

東 京地区の大径角形鋼管(コラム)は12×300×300の一次加工付き価格で、STKR5万6000―7000円、BCR6万6000―7000円中心。弱含み。

 5月の出庫量、在庫量はともに4月と同程度で低い水準。荷動きの低迷する状態が続く。小口中心で加工納期の受注残は1―2日。H形鋼と違って加工が入るため、流通の足並みがそろわない。加工賃を7000―8000円に削ってでも仕事を取ろうとする動きがあり、市況下落に歯止めをかけられずにいる。減産もH形鋼ほどは期待できない。需要の見通しはつかず「目先の物件を得るのが中心」(大手特約店)だ。当面弱含み。

大 阪地区のコラムはベース5万4000―5万5000円どころで下げ渋り。地区に目立った物件が見当たらず、建築需要は相変わらず低調。一部大型物件が動き出したとの声もあるが、市中の荷動きは総じて鈍い。

 現在、加工流通筋の加工納期も2―3日とほぼ即納の状態で、「引き合いは依然として350ミリ以下の小口が中心」(特約店筋)という。このため、扱い流通筋の売り腰は引き締まらず、需要待ちの展開。

 ただ、先週以降、僚品主力のH形鋼が底入れから反発に転じたため、コラムでも安値回避の動きが本格化している。BCRはエキストラ8000円が定着している。