2001.06.01
日 鉄商事は今期、鋼材部門の売上高が前期比で微増、数量は2%増の計画だ。鋼材需要を1%の増加と想定。4月、5月の走り出しは厳しいが、当初計画を変更することなく、1人当たりの生産性向上を追求し、さらに効率営業を推進。これにeコマースも加えて、需要環境が厳しいなかでの収益確保策を拡充していく。同時に、関西地区でのコイルセンター立ち上げ、条鋼中心の特約店網の再編と再構築を検討する。

 前期から始動した中期経営計画では、今期の計画をすでに前期までにクリア、順調な立ち上がり状況だ。引き続き鉄鋼主力商社としての原点に戻り、「攻めの営業」を徹底。1人当たりの生産性向上を追求する。総合商社の鉄鋼部門が合併して鉄鋼専業商社化し、同じ土俵で競争できる状況になることから、鉄鋼主力商社のとして基盤と強みを生かしつつ、メーカー商社のとしてのメリットを最大限に発揮する。

 コイルセンターはすでに、関東地区と中部地区で稼働しているが、年内をメドに関西地区にも設立する。関東地区では一般鋼材特約店の再編を終えたことから、関西地区でも条鋼を中心とした特約店の再編と再構築を検討する。

 eコマース(電子商取引)は、国内サイトの「鋼材ドットコム」の前期の取引量が8万トン、海外サイト「ライブ・スチール」が1万3000トン。今期は国内50万トン、海外13万トン、合計63万トンを目指す。従来からの「eコマース委員会」を、今年から「eコマース戦略会議」に格上げして具体策を実行。物流機能まで加味して、既存の商売に結びつける。

住 友金属工業は、店売り熱延鋼板の受注調整を実施する。6月からトータル1カ月程度の受注スキップ・出荷調整で、各コイルセンターの在庫状況に応じて供給を抑制する。

 酸洗も含めた熱延鋼板が対象。足元の出荷ベースでも調整を進める。コイルセンター側の情報を把握する中で、増加が続く薄板の過剰在庫を引き締める必要がある、と判断した。「市況立て直しを図ること、需給バランスを取ることが大事。数字の上では7―8月に効果が出てくるのではないか」(薄板営業部)としている。

 店売り熱延鋼板については新日本製鉄、NKKが同様の方針をすでに表明。薄板について高炉各社とも「在庫の高水準」と「市況の悪化」という点で共通した認識とみられる。住金も薄板でベースとなる熱延の在庫適正化を打ち出すことで、冷延や表面処理など全体の需給改善につなげたい考え。

日 立金属は31日、2000年度の廃棄物処理施設関連の受注額が111億円(前年度比126・5%増)と初めて100億円を突破、これを受けて今後は一般廃棄物から家畜の屎尿処理など有機性廃棄物処理に転換、事業拡大を図ることを明らかにした。00年度は北海道・エコバレー歌志内のプラズマ式直接溶融炉、新潟県糸魚川地域広域行政組合の炭化燃料施設など溶融炉、ストーカー炉を受注、業績を伸展させた。01年度は中期戦略に沿ってプラズマ式直接溶融炉を中心に展開、100億円強を目指すほか、5年後の2006年度には有機性廃棄物処理関連を中核とし、350億円レベルに拡大させる。

 環境・エンジニアリングを手掛ける環境システムカンパニーは、受注額規模は年間約300億円強で、うち廃棄物処理関連は約3分の1を占める。中期戦略では溶融炉、ストーカー炉など同社の特性を発揮できる1日当たり処理能力100トン前後の施設向けで販売を強化。特に、一般廃棄物処理関連は前年度が発注のピークと判断し、今後は有機性廃棄物処理に力を入れていく。

 00年度の受注実績は3件。歌志内市、日立製作所、日立金属合弁のエコバレー歌志内向けプラズマ式直接溶融炉(82・5トン/日、2基)はシュレッダーダストを燃焼し、約7900kwを発電、北海道電力に売電する。02年9月完成予定で処理量年間5万5000トン、受注額は21億2500万円(同社分)。
日 本鉄鋼産業労働組合連合会(荻野武士中央執行委員長)は前月30日、「鉄鋼労連政策フォーラム」研修会を開催、講師として経済産業省の半田力鉄鋼課長が「鉄鋼貿易問題の現況と課題」について講演した。

 同課長はこの中で、鉄鋼業をめぐる最近の通商問題に関し、(1)米国におけるAD措置の乱用と201条調査の動き(2)98―01年、AD対象14品目中、9品目がクロの最終決定(3)米国による日本製熱延鋼板に対するAD措置のパネル提訴(4)米通商法201条による緊急輸入制限措置発動の動き―などを説明した。

 また、同課長は米国以外の通商問題について、中国のステンレス冷延鋼板のAD、鉄鋼輸入枠問題、メキシコ鉄鋼業界のセーフガード申請の動きなどについても言及した。

神 鋼鋼線工業は、チタン線にニッケルメッキ加工するための専用ライン1基を増設する。需要が増大している携帯電話用の超精密螺子の素材となるもので、今年9月完成予定。完成後、同社のチタンメッキラインは2系列になる。設備能力としては数百キロと小さいが、先端製品向けのハイテク線材として強化していく。

 同社の特殊線部門は、連結ベースで36億円とまだ規模は小さい。しかし、携帯電話用など新しい用途が開発されてきており、売上規模も拡大している。このため、全体の構成比では16%と一定の水準に達している。特に今回設備増強が計画されたチタン線は、軽量で高強度なのが評価されて携帯電話用の特殊螺子として採用されるケースが増加している。

 携帯用螺子に使用されるチタン線は、直径5・5ミリのロッドを1―1・5ミリに伸線加工して、表面をニッケルメッキする。新設のメッキラインは、4000万円程度の投資額。9月から稼働予定で、生産量は倍増する。

関 西地区の大手熔断業者の高砂金属工業(本社=大阪府高石市高砂、宮崎吉二社長)は本社工場の北棟に最新鋭のレーザー切断機2基(田中製作所製「LMXX TF4000」、出力=4キロワット)と、これに付随して厚板用のパレット・チェンジャーを新設、同棟をレーザー専用工場にする。計画では6月中旬メドに、北棟にあるギロチンシヤーと簡易型NC切断機を撤去、基礎工事を行った後、7月に設備を導入し、8月の盆休み明けにも稼働を開始する。投下金額は1億7000万円程度を予定している。レーザー工場ではガセットの切断・穴開けコストの低減が狙いで、早急に、休日を含めた夜間の無人化操業を目指す。

 同社は自社の本社工場、赤穂工場(兵庫県赤穂市東有年)、および関係会社の木津川建材加工(本社=大阪市大正区)を持ち、建築向けの切板、B・H製作、製缶・橋梁製作を手掛けている。

 本社工場は敷地面積が4950平方メートル、工場建屋面積が3300平方メートル。このうち、北棟は建屋が780平方メートルで、ギロチンシャーや簡易型NC切断機でガセットの切板を行っている。製缶工場は建屋が1400平方メートルで、1500トンプレス、半自動溶接機などがあり、鋼構造物を製作している。南棟は建屋が1420平方メートルで、プラズマ切断機、NC熔断機、ポータブル熔断機があり、切板を行っている。

 ただ、熔断業者を取り巻く環境は厳しく、今後も過当競争が続く方向だ。そうした中で、熔断業の原点に返り、さらなる体制の整備が必要と判断、北棟をレーザー専用工場とし、競争力の高い加工を展開していく。

橋 梁・鉄骨メーンの上場ファブリケーター12社の2001年3月期決算が出そろった。昨年は建築需要が全国的に回復し、これに伴って鉄骨単価も底打ち・値戻し場面が見られた。これを受けて、99年度では、12社のうち7社が当期ベースで赤字となっていたが、00年度は3社を除いて9社が黒字となっている。

 売上高は99年度で10社が前年度比マイナス。これが00年度で同7社増・5社減となり、首都圏を中心とする需要回復効果が表れた格好に。また、利益は営業ベースが同8社増・4社減、経常ベースは同7社増・5社減で、昨年後半で鉄骨価格が値戻ししたものの、安い単価は収益改善の障害となっている。当期利益は、各社ともに退職給付会計基準変更時の差異償却など新会計基準の適用による特別損失の発生が、数字に色濃く反映している。

 収益性の指標である総資本経常利益率は同7社増・5社減で、増加を示したファブも軒並み標準値を下回る水準にとどまっている。また、売上高経常利益率は6社増・6社減と激しい受注競争のあおりを受けて、利幅の圧縮傾向に改善の兆しは見られなかった。

 受注高(金額ベース)、受注残高(同)ともに前期比プラスは5社、マイナスは7社となっている。

経 済産業省の2001年4月分普通鋼建設用主要鋼材第2次速報によると、H形鋼の出荷、在庫とも前月比、前年同月比が減少、小棒(伸鉄、単圧含む)は出荷が前月を下回ったが、在庫量は増加した。H形鋼の出荷は3カ月ぶりの前月比減で在庫は3カ月続いて前月を下回ったものの、在庫率は2カ月ぶりに100%を超えた。小棒は3カ月ぶりに出荷量が前月比減となり、2カ月ぶりに100万トンを割った。在庫は6カ月連続の前月比増を記録した。詳細は次の通り。

 ▽H形鋼

 生産=33万3000トン(前月比8万3000トン、19・9%減、前年同月比15万5000トン、31・8%減)
 出荷=36万2000トン(同7万5000トン、17・2%減、同8万7000トン、19・3%減)
 在庫=37万1000トン(同2万9000トン、7・2%減、同1万4000トン、3・8%減)
 在庫率=102・5%(前月比11ポイント増)

 ▽小棒

 生産=99万4000トン(同2万2000トン、2・2%減、同1万3000トン、1・3%減)
 出荷=98万6000トン(同2万2000トン、2・2%減、同1000トン、0・1%増)
 在庫=65万2000トン(同8000トン、1・2%増、同9000トン、1・5%増)
 在庫率=66・2%(前月比2・3ポイント増)

東 京地区の中板市況は底値横ばい。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は3万4000円中心。

 新日本製鉄、NKKと高炉メーカーの受注調整が相次いで打ち出され、需給対策が本格化しそうだ。店売り分野で高炉メーカーの販売シェアは低いが、流通側からもメーカーの供給を市況下落の要因とする声が強かっただけに期待が高い。

 荷動きは小口中心にさえないが、市中在庫は調整が進んでいる。ただ、4―5月の需要が一段と落ちたことで在庫のひっ迫感が薄れたこととメーカー在庫が引き続き高水準であることが不安材料。当面、反発の見込みはないが様子見横ばいで推移か。

東 京地区のH形鋼市況は200×100で3万4500―3万5000円中心で横ばい。一部地域では3万4000円の下値がなくなってきた。底入れ気配は、商社には出てきたが特約店にはまだない。

 5月の荷動きは、4月とほぼ同水準で低迷した。タイト感はない。商社が特約店よりも強気の構えを見せるのは、ヒモ付きの割合が増えているためとの見方がある。

 4月のときわ会在庫は、2万6000トン減で「期待したほどではなかった」(流通)。メーカーは6月以降も減産を継続。1週間後に発表される5月分が3万トン以上減っていれば、市況の上昇ムードは高まる。

大 阪地区の中板市況は需要が大きく落ち込んでおり、在庫も調整遅れが目立つ。これを反映し、市況は3万1000円(3・2ミリ厚の4×8サイズ)どころで弱含み。

 高炉メーカーはここにきて、減産を強化しており、輸入材は入着が低水準。この結果、コイルセンターの入荷も絞られてきているうえ、特約店の定尺の入荷も減少している。

 一方、需要は建材、機械ともに落ち込んでいるうえ、市中の定尺の荷動きは小口中心でさえない。在庫はコイルセンター段階でコイル、定尺ともに過剰ぎみ。特約店段階もシートの在庫率が高い。このため、流通は弱気の販売が続いている。