2001.06.07
ジ ョージ・ブッシュ米大統領は5日、米国際貿易委員会(ITC)に対して、通商法201条に基づく調査開始を要請した。ITCは今後、鋼材輸入について包括的に調査し、米国業界に対する被害の有無を認定。被害ありと認定した場合、関税引き上げなどの救済措置案を大統領に勧告する。これを受けて大統領は何らかの措置を採り、調査開始から7カ月以内に最終的な結論が出る。

 ロイター電によると、ブッシュ大統領は「米国鉄鋼業界の状況を深く憂慮している。不公正な貿易慣行が米国鉄鋼業界に影響を及ぼしている可能性があるため、ITCに対して、201条のもとで、業界と米国への輸入をきっちり調査し、不公正な輸入慣行による影響を受けないことをはっきりさせるよう要請する」と述べた。

 ITCは今後201条調査開始を宣言し、鋼材の輸入や補助金などの貿易慣行を包括的に調査。調査開始から180日以内に、米国業界に対する被害の有無を、今後被害を与える恐れがあるかどうかを含めて、認定する。被害ありとした場合、関税の割当や引き上げ、輸入数量割当などの救済措置案を大統領に勧告する。

 大統領は勧告とは異なる措置を採ったり、措置しないケースを含め、30日以内に対応措置を独自に決定する。対応がITCの勧告と異なる場合に限って議会に対する報告義務を負うものの、議会の承認を得る必要はない。

ニ チメンの鉄鋼・非鉄金属部門の内販会社、ニチメン金属販売(本社=東京都中央区、吉川浩社長)は、2、3年後をメドに自己資本を現状の3倍の10億円に引き上げる計画だ。アルミ・ダイカストの多角化、マグネシウムやシリコンの輸入販売拡充、二重床の拡販などの非鉄金属部門に加え、鉄鋼部門では鉄筋加工事業会社「ニチセイ鉄筋加工」の設備能力倍増を検討。非鉄金属、鉄鋼の営業力を強化して、年間3億―4億円の利益を確保していく。

 01年3月期の業績は、売上高442億円(前期350億円)、経常利益1億3000万円(同6100万円)と大幅な増収増益を達成。貸倒事故や有価証券評価損などで最終損失は10億9600万円(同14億円)を計上した。期末にニチメンが14億円を増資して累積損失を一掃。現在の自己資本は3億4500万円となった。

 今期はニチメンからの国内鉄鋼商権(特殊鋼を除く)の移管もあって、売上高は620億円に拡大する計画。営業力を強化しつつ与信管理も徹底することで、経常利益、最終利益とも3億―4億円を予定。2、3年のうちに自己資本を10億円に拡充、資本勘定を手厚くする。

 非鉄金属部門では、アルミ・ダイカスト用の地金販売に加えて、金型販売やダイカスト製品販売にも着手して多角化する。中国のマグネシウム拠点「山西日綿」に出資して、日本国内でのマグネ販売を増やす。中国でのシリコン会社にも出資を検討、日本でのシリコン販売に結びつける。OAビルやクリーンルーム向けの二重床も増強を検討、東京、仙台、名古屋、福岡での販売体制も構築した。

 鉄鋼部門では、鉄筋加工会社「ニチセイ鉄筋加工」の操業シフトを1直から2直にすることを検討している。鉄筋加工設備も増強して、現在の年間3万トンの加工を、5万―6万トンに引き上げる。

大 手屋根メーカー、元旦ビューティ工業(本社=神奈川県藤沢市、舩木元旦社長)は太陽光発電一体型横葺き屋根「ダンカクソーラールーフ」に関して、このほど石川県輪島市の総合運動公園体育館「サン・アリーナ」向けに、国内最大級となる約2260平方メートル分(220・7kWシステム)が採用された。同社では本年度、同製品の受注活動を強化し、売り上げ目標である7億円を達成していく計画だ。

 太陽光発電一体型横葺き屋根「ダンカクソーラールーフ」は、97年度に他メーカーに先がけて開発に成功し、これまで着実に実績を伸ばしてきた。同製品は(1)屋根面にシャープな横葺きラインが形成され、また独自のハゼ形状で吊子固定のため、風圧強度と防水性が高い(2)太陽電池部の下に空気層が形成されるため、発電効率の低下を防ぎ、建物全体への外断熱効果が得られる(3)屋根材部と太陽光発電部に連続性があり、違和感のない、美しい仕上がりを実現――などのメリットがある。

 「ダンカクソーラールーフ」の00年度実績は24件(約629・2kW分)、売上高は4億9000万円と、前年度比319・7%の伸びを示しており、順調。また、このほど石川県輪島市の総合運動公園体育館「サン・アリーナ」向けに、国内最大級となる約2260平方メートル分(220・7kWシステム)が採用。ここでは、年間約20万kWhの発電量が見込まれることから、業界内外で話題を呼んでいる。
2 001年度第3回関西地区小棒懇談会が6日開催されたが、懇談会後の記者会見で高島秀一郎代表幹事(共英製鋼社長)は「建築需要は公表されている統計数字もしくは見通し数字以上に悪いが、メーカーはこれに慌てることなく、再値上げをうかがうべく需給調整に努める」と述べるなど、概要次の通り語った。

 一、関西の小棒市況は構造改善の効果もあって、2万4000―2万4500円どころでやや上向きに推移しているが、高水準にある関東、九州など全国的にはじわりと下押している。

 一、一部特約店で、中小ゼネコンに対して極端な安値が出ているようだが、商社の指導が必要。

 一、メーカーへの明細入りは若干好転してきているが、今年度の建設投資や住宅着工はいずれも厳しい見通し。7―9月も慎重な減産で乗り切り、秋需につなげたい。

 一、スクラップ価格は現状、H2で7500円と低水準。夏場も地区電炉の炉修が相次ぐため、当面、低位で推移する。

住 金溶接工業(本社=尼崎市、古田知之社長)は、中国への製品輸出に乗り出す。すでに第1回目の船積みを行っており、今後定期化して拡大する。溶接ワイヤが主体で、中国の販売業者向けに輸出し現地販売する。数量的にはまだ少ないが、トン単位で対応する計画で、同社にとっては新しい市場の開拓になる。

 同社は、住友金属系の溶接棒メーカー。小倉製鉄所から素材供給を受けており、現在は住友金属小倉の系列企業となっている。関西地区を中心に、フラツクスワイヤなどを中心に生産しており、昨年度の売上は76億円程度。国内の販売シェアは、12%程度で推移している。昨年度は、鉄骨業界やUO管メーカー向けなどに販売量は伸びているが、単価の低下傾向が続いており、厳しい環境にある。

 こうした状況から今年度は、コスト削減の一段の強化と販路の拡充を計画している。国内は既存市場が主体となるが、造船部門以外は、需要の伸びは期待しにくい状況にある。

 このため新市場として需要が伸びている中国に着目したもの。中国の販売業者と提携し、継続的な輸出を計画している。中国市場はまだ手棒のウエートが高いが、造船・自動車向けなどのワイヤ製品が伸びてきている。住金溶接棒は、こうした動きをとらえ、ワイヤ製品で市場参入を図る
高 炉系の建材メーカー6社の00年度(01年3月期)の決算が出そろった。公共工事の減少、工事費の圧縮などもあって、売上高は日鉄建材工業が増収となったが、残りの5社は減収。ただ、神鋼建材工業を除く4社の売り上げの減少はわずかなものにとどまった。これはデッキプレート分野ではメーカーの撤退により、残存メーカーは販売数量を回復させたこと。さらには、既存製品の落ちを、新製品でカバーしたため。損益は6社すべてが経常段階で黒字を計上、中でも、住友金属建材と日新総合建材は99年度の赤字から黒字に転換した。各社の概況は次の通り。

 【日鉄建材工業】

 部門別の売上高は建築商品が341億円と99年度比60億円の増加、全体の売り上げ増に寄与した。これは大店舗法の施行前の駆け込み需要、IT関連の工場建設が出たことや、同業他社が撤退したことで、デッキプレートの販売が伸びたことによるもの。ただ、意匠商品は86億円と同10億円減、土木・防災製品は343億円と同比大きく減少、製綱助材商品は22億円と同微減。

 【住友金属建材】

 分野別では土木建材、屋根、カラー鋼板、仮設機材は当初計画から見ると、販売数量は健闘したが、価格の下落により、各部門で軒並み売り上げ減となり、全体の売上高も756億円と99年度比3・5%(29億円)減少した。同社では減収要因をデッキプレート分野からの撤退で18億円、単価下落で8億―10億円と見ている。

 【日本鋼管ライトスチール】

 減収増益となった。部門別の売上高は建築用商品および工事が77億2100万円と99年度比28・4%増となった。これはデッキプレートの値戻しと販売増によるもの。しかし、道路環境・橋梁用商品および工事も5億2300万円と同4・1%増となったが、土木・防災用商品および工事は58億8200万円と同17%減、地下構造物用商品は87億6900万円と同8%減。

 【川鉄建材】

 部門別の売り上げは建築用品製品が139億9800万円と99年度比21・5%増となったが、土木用製品部門が181億5700万円と同5・1%減、鋼管・形鋼製品他部門が56億5800万円と同3・6%減、請負工事部門が74億6100万円と同18%減となり、全体の売り上げは微減となった。

 【日新総合建材】

 売り上げは99年度に比べると微減。部門別ではサイディングが販売数量が減少したが、タイトパネル・太陽光発電建材などの新製品が健闘、構造物のメッキも前年度よりも伸びた。黒字転換した要因は人員の削減、役員報酬・賞与のカット、支店・営業所の統合、資材の調達費の削減、在庫圧縮などによるもの。

 【神鋼建材工業】

 減収要因は99年度内で撤退した合成床版とパーキング事業の売り上げの減が00年度には年間を通じて影響したため。ただ、主力の道路製品は売り上げは99年度比ほぼ横ばい。損益は要員合理化やその他の経費削減もあって、経常段階で2年連続の黒字となった。

高炉系建材00年度決算(単位:百万円、下段は前期)
売上高 経常利益 当期利益
日鉄建材工業 79,220 2,348 2,616
(76,811) (-425) (-259)
住友金属建材 75,593 640
(78,496) (▼1,460) (―)
日本鋼管ラ 46,795 462 ▼101
イトスチール (47,439) (160) (18)
川鉄建材 45,276 619 ▼1,227
(45,640) (50) (▼643)
日新総合建材 26,088 40
(26,125) (▼410) (―)
神鋼建材工業 13,779 109 ▼119
(15,294) (60) (▼1,646)
王 子製鉄は6月契約分の平鋼の販売価格を据え置く。荷動きは7月以降に多少回復するとみているが、減産を継続して流通在庫の削減を優先する。

 1月以降の生産は、昨年10―12月比で15%前後減らしている。この水準を9月まで継続する方針だ。1―5月の荷動きは前年同月比10―12%、ミニバブルの昨年秋からは20%程度落ちているため。

 流通の申し込みは、減産幅同様、昨年10―12月比で15%程度減っている。王子が、契約残を減らして在庫を圧縮するよう流通に申し入れているという。

 王子は、流通の負担を減らすための設備投資も検討中だ。現在は1カ月に1度の生産だが、2―3回に分けて生産できるよう、工場の設備の変更を考えている。実現すれば、流通は1カ月の量を分割で購入できるため、在庫の負担を軽減できる。

日 本鋼製下地材工業会(会長=内山秀也・染野製作所会長)は今年度、JIS製品の普及拡大に向け活動を強化する。現在JIS製品の普及率は40%程度。JIS外品の中には板厚を薄くし低コストで販売されているものがあり、安全面から問題視されている。工業会ではJIS製品への一本化を目標に、当面50%の普及率向上を目指し、会員へのJIS製品の製造・販売を徹底する方針。

 鋼製下地材は天井や壁の下地に使われ、マンションなどの建築の乾式工法の普及や住宅でもハウスメーカーなどでは、木製の下地材から軽量で強度の高い鋼製下地材への採用が増えている。生産量は年々増加し、うちJIS製品は40%程度となっている。

 ここ数年の建設不況の影響で、板厚を薄くした安価なJIS外品が市場を席巻している。ゼネコンからの安指し値とメーカーおよび流通間での受注競争から市況の下落が加速している。JIS製品は官公庁向けが中心で民間向けは少なく、工業会では民間建築でのJIS製品の採用を呼びかけている。

 また、市況面だけでなく、安全面からも薄肉化による問題を指摘。JISでは野縁受けで板厚1・2ミリ、野縁で0・5ミリとなっているが、JIS外品ではそれぞれ0・8―1・0ミリ、0・35―0・4ミリと薄肉化がさらに進んでいる。

 工業会では、先週末に通常総会を開き、JIS製品の普及を今年度事業の課題に挙げた。JIS外品が安全面とともに、市況を冷やす一因となっている点を考慮。JIS製品への一本化によって生産品目が減り、生産効率が上がり、また、市況対策にもつながることを会員間で確認した。

東 京地区のH形鋼市況は200×100で3万4000―3万5000円中心の横ばい。5月末の在庫の減少が、明日の「ときわ会」で明らかになり、今月中の反転も視野に入ってくる模様。

 特約店の5月の入庫量は4月比5%程度の微減、出庫量は微増となった結果、在庫は微減。特約店は大幅に契約を減らして、メーカーもそのまま受けている。ただ商社の入庫量はそれほど減っていないと見る向きもある。

 4―6月の需要は「1―3月より多少よい程度」(大手特約店)との見方が大半。大幅な出庫の伸びはない。だが入庫減による在庫減少を受けて歯抜けも出始め、市況反転も近くなってきた。

東 京地区の冷延薄板市況は弱含み。市中価格(1・0―1・6ミリ、ベースサイズ)は4万7000―4万8000円。コイルの先安ムードと需要家向けの販価下落に引っ張られて、弱気の商いが続く。定尺、コイルともに荷動きは停滞。供給面では輸入材の入着が3、4月とも6万トン台で今年1、2月の8万―9万トンと比べて減少傾向だが、コイルの市中在庫には過剰感が残る。

 小口当用買いばかりで仮需も出ないため、定尺販売は「安くても売れない」(販売業者)状態。コイルについても「厳しい指し値はあるが、応じられない」(同)という。ただ、需要の下支えがない中で先行き続落の可能性もある。

大 阪地区の平鋼市況はベース4万1000円中心で底ばい。僚品のH形鋼の底入れを受け、扱い特約店筋は今月から値戻しを実施。各社は置き場4万円を下限に安値を回避しているほか、地域別の運賃エキストラを確保する動きに出ている。

 このため、ようやく4万円以下の安値は払しょくされつつあり、中心値は徐々に4万1000円に切り上がってきている。

 ただ、市中の荷動きは建築需要、産機・建機の落ち込みから、依然、低調。5月の流通出庫量も1―3月並みの低水準にとどまった模様で、回復感を欠いているのが実情。また、市中在庫も荷動きの低下から、やや過剰に推移している。