2001.06.11
再 建途上の興国鋼線索(管財人=田中一家・日亜鋼業社長)の最終更生計画案がまとまった。日亜鋼業からの全額出資で新資本金を4億5000万円とし、千葉工場を閉鎖。更生債権167億円の93・5%カット、残り6・5%分の15年分割払い―などが骨子。7月4日に債権者集会で最終決定する。この後、裁判所の認可を得て11月から更生計画をスタートさせる。更生計画が承認されれば、日亜鋼業は越野雄治取締役を社長として派遣し、全面支援する。管財人の田中・日亜鋼業社長は、「環境は厳しいが、製品を採算の良いものに集約し、早期に黒字軌道に乗せたい」としている。

 興国鋼線索は、より線などの特殊線材製品、ワイヤロープの専門メーカー。大阪工場、千葉工場、新潟工場の3工場を擁し、最盛期には従業員500人強で、年間200億円を売り上げていた。東証2部に上場し、全国的に販路を持つ大手メーカーとして市場に対応していた。しかし、90年代後半からの過当競争と市況軟化で収益が悪化。98年から経営難に陥っていた。資本参加していた神戸製鋼に支援を求めたが、最終的には不調に終わった。このため99年7月に、会社更生法を申請。負債280億円で事実上倒産した。

 この後、日亜鋼業の田中社長が管財人に就任。日亜鋼業の支援で、操業を継続している。これまでに新潟工場を閉鎖。現在千葉工場と大阪工場の2工場体制で、日亜鋼業経由でロッドなどの加工母材を調達している。売上高は100億円台で、収益改善は進んでいると言われる。

 今回固まった更生計画案は、すでに裁判所に提出。7月4日に第3・第4回目の債権者集会を同日開催し、審議と議決を一気に行う。

 計画によると、更生決定後減資を行い、新資本金4億5000万円にする。全額日亜鋼業が引き受ける。新体制後は、日亜鋼業の100%出資会社になる。払い込み期限は10月31日。この後千葉工場を閉鎖。大阪工場一工場体制とし本社を工場内の大阪府貝塚市堤300に移す。社長には、越野雄治・日亜鋼業取締役が就任予定。

 興国鋼線索の更生債権は167億円と認定されており、更生計画では93・5%がカット。残りを15年の分割払いとする。

新 日本製鉄は8日、7―9月も減産を継続すると発表した。店売りとヒモ付きとを合わせた総生産量で、1―3月比15%減とした4―6月の水準を続ける。店売り向けは、引き受けカットも行う。出庫量が、昨年ピークの10月から約20%減と大きく減少しているためだ。

 1―3月の需要を100万トンと想定すると、4―6月は例年10%伸びる。しかし今年は5%増で105万トン。さらに7―9月は、建築シーズンを迎えるため、例年4―6月よりも増えるが、今年は横ばいになると新日鉄は予想。需要が横ばいのため、生産を横ばいとして「異例の大幅減産継続」(建材営業部)を決めた。

 これで国内H形鋼の総供給量は、4―6月は前年同月比40%減となる。7―9月は、昨年も減産体制に入っていたため、同3分の1%程度の減少となる。

新 日本製鉄が8日発表した5月末の「ときわ会」在庫は34万8000トンで、前月比1万8000トン減少した。3カ月連続の減少。前評判の3万トン減には及ばず、目標としていた「6月末に30万トン」の達成は厳しくなった。

 3地区の在庫は19万トンと、市況が上伸していた昨年8月に近い低レベル。大阪、名古屋で入庫量が増えたが、在庫の絶対量は、大阪で昨年4月以降14カ月で最低、名古屋は、最低だった昨年10月の3万5600トンに近い水準となった。これに比べて「東京が減りきっていない」(建材営業部)点が際立つ。

 一方、8地区は前年同月よりも2万トン弱上回る。東北地区の出庫の減少が著しく、九州地区の入庫が多いのが主因と新日鉄では分析している。

 今年は出庫量が少ないことを想定して、新日鉄は在庫率も勘案した需給改善を図る方針。在庫量が30万トンに到達した後は、在庫率で昨年10月の1・18カ月を目指す。

 東京「ときわ会」では、「販売量は4月同様低調だが、30万トンクラスの小口物件は多少動きが出始めた」「特に建築のジュニアサイズに歯抜けが出始めた」との報告が挙がった。
東 海鋼材工業(本社=愛知県海部郡飛島村、宮田満社長)は知多工場(愛知県知多市大興寺)で行っている亜鉛めっき事業の強化に取り組む。従来はめっき加工が中心だったが、一部品種でめっき加工を必要とする構造物についても製造を内製化するとともに、構内におけるトラック入出庫業務や物流ルートを合理化、さらにテーパーポール製造の強化を図るもの。このために工場建屋を50メートル程度延長するほか、クレーン設備などを導入する。上半期中に工事を完了させ、下期からの本格稼働を目指す方針。

 同社は本社工場と知多工場の2拠点を構え橋梁製作、鋼板加工、パンザーマストの製造、亜鉛めっき加工、自走式立体駐車場の設計・製造などを行っている。このうち亜鉛めっき加工事業の拠点となっている知多工場は1998年に建設された最新工場で、現在のめっき加工量は月間ベースで3000トン程度となっている。

 ただ、現状は工場に持ち込まれた構造物を単にめっき加工するのにとどまっていることから、さらに付加価値率を高めるためにも一部の分野で構造物の製作を行い、亜鉛めっき加工まで一貫して対応できる体制を構築することにしたもの。
新 津田鋼材(本社=大阪市西区南堀江、大喜多正巳社長)は今年度(01年12月期)、東西の自社コイルセンターの加工設備の改善、強化を図っている。まず、筑波コイルセンター(茨城県真壁郡)は5月連休に大型スリッターのベルドブライドルの位置を移動させ、厚物コイルが巻き取れるようにした。一方、池田コイルセンター(兵庫県池田市)は今年4月、ブランクプレス1基を新設、これまで外注していたブランク加工を自社で行えるようにしており、7月から本格稼働を目指す。また、池田では8月にも、大型レベラーの大幅な改造を予定している。

 同社は薄板、条鋼、建材、厚板などを取り扱っている。薄板部門は東に筑波コイルセンター、西に池田コイルセンターの2つの薄板加工拠点を持ち、これを軸に薄板類の販売を展開している。

 このため、コイルセンターの設備改善にも注力しており、今年度も老朽化対策、生産性の向上などを目的に、両コイルセンターの設備改造、強化を図っている。

 すでに、筑波コイルセンターの大型スリッターを一部を改善した。改善個所はテンションとリコイラーの間にあるベルドブライドルを、リコイラーに近い位置に移動させた。改善により、これまでできなかった最大3・2ミリ厚のコイルの巻き取りができるようになった。

 池田コイルセンターは4月に、ブランクプレス1基を新設した。これまでは自動車部品向けで同加工を受注、外注に出していたが、今回の新設により、自社で行う。7月から本格稼働を予定している。

 また、今年8月には池田コイルセンターの大型レベラーの大幅な改造を予定している。
米 国の鉄鋼製品の電子商取引サイト運営会社、メタルサイト社は先週8日、営業活動の一部を停止した。米国の鋼材市況低迷とシステム投資費の負担増でコスト見合いの収益を確保できず、運転資金がショートしたことが原因とみられる。現在、主要株主のインターネット・キャピタル・グループ(ICG)以外への出資打診や、同業他社への売却交渉を進めているもよう。

 98年、米国の鉄鋼メーカーが中心となって設立したメタルサイト社は、鉄鋼製品の電子商取引サイト運営会社としての草分け的存在。昨年は成約件数が前年比9000件プラスの5万件、扱い数量200万トンで、約400万ドルを売り上げていた。しかし、恒常的に必要とされるシステム開発への投資負担が大きく、最終損益では、ほぼ赤字が続いていた。

 この状況に加え、99年12月に主要株主がウエアートン・スチールなどの鉄鋼メーカーからICGに移行、株価重視の経営姿勢が強まり、また、米国鉄鋼業界の低迷から出資元の鉄鋼メーカー各社が疲弊し、メタルサイト社へ資金追加する体力がなくなったことが遠因とみられる。

 現在、メタルサイト社では従業員約70人のうち60人を解雇、エグゼクティブ6人と10人程度の技術者で引受先を探している。米国では、金属関係の電子商取引サイト運営会社として他にeスチール社があるが、同社は昨年からマーケットプレイスの構築からソフトベンダー的営業へと経営戦略を転換しており、メタルサイト社の引き受けについて日本側の関係者は、「現時点では可能性は低い」と話している。

 メタルサイト社は伊藤忠商事、丸紅、住友商事とともに25%出資し日本メタルサイトを設立したが、4月末に全株式を日本側3商社に譲渡、資本関係を解消している。今回の事態について日本メタルサイトの菊池社長は、「立ち上げ時はさまざまな協力を受けたが、その後は日本サイドで営業ノウハウの蓄積や市場開拓を行っており、影響はない」と説明している。
高 炉4社およびクボタを含む鋼管杭メーカー5社は、今年度57万トンとみられる鋼管杭需要に対し、鋼管ソイルセメント杭や回転杭など、各種工法を積極展開することで3万トンの鉄需創出を図り、全体のボリュームで60万トンをキープしていく計画だ。

 このほど定時総会を開いた鋼管杭協会(会長=藤原俊朗・新日本製鉄顧問)では、鋼管杭需要の00年度実績と01年度予測を公表。この中で、00年度実績は地方自治体など公共土木需要の大幅減、また、電力を中心とする民需土木プロジェクトのマイナス分が大きく影響し、鋼管杭国内外販量は57万6000トンと、前年度比6万2000トン、約9・7%減となった。

 このうち、公共土木メーンの官需合計は39万4000トン(同4万2000トン、約9・6%減)、建築など民需合計は14万2000トン(同1万4000トン、約9%減)、鉄とコンクリートの複合杭は4万トン(同6000トン、約13%減)。民需の民間建築は9万9000トンと同2万4000トン伸びており、「NSエコパイル(新日本製鉄)」や「つばさ杭(NKK)」など、回転杭が建築基礎で採用が漸増していることから、91年度以来10万トン近いレベルに到達している。

 01年度需要(目標除く)は57万トンと予測。内訳として官需合計は41万トン、民需合計が12万トン、複合杭は4万トン。官需では「夢洲トンネル建設(大阪港内)」の北港テクノポート線(鉄道)で大規模受注を見込んでいる。

建 築用アンカーボルトメーカー協議会(会長=天雲正春・天雲産業社長)は先週、大阪市西区の建設交流館で第3回全体協議会を開催、今年度の事業計画などについて話し合い、方針決定した。同協議会は建築用アンカーボルトの品質向上、市況・技術の情報交換などを目的に昨年12月に発足。会員数は今回新たに4社が加入し28社となった。

 全体協議会は3月の東京開催に続いて3回目で、冒頭、天雲会長は「発足来、関係業界からの期待も高まっており、責任の重さを痛感している。会員各位の信頼構築と業界発展に向けて、有意義な会議にしたい」とあいさつした。議案審議では日本鋼構造協会の「工場認定制度立ち上げ準備委員会」に参加する委員の選出、工場認定審査基準に対する協議会案の提出について協議。その結果、委員には神鋼ボルトの長崎英二、フルサト工業の安田圭一両氏を選出。また協議会内の工場認定制度研究分科会が作成した「JSSU―13、14 工場認定審査基準案、個別審査基準案」を協議会案として準備委員会に提案することを決めた。

東 京地区の異形棒鋼はゼネコンの指し値が厳しく軟調。商社での高値提示も成約はまとまらず、ベース2万7500円どころで推移している。

 新規の明細の出方は依然鈍く、流通は先行きの物件が見えないことで売り先行の傾向にある。ゼネコンは先安を見通して慎重に対応、当用買いの傾向も強まっている。2万6000円台から2万7000円台と幅のある市況展開だが、ベースメーカーが6月契約で価格据え置きの枠売りを実施するなど強気に出ており、これを受け商社サイドは販価是正に気を引き締めている。

 ただ、一部商社の安値売り抜きも聞かれ、細物の低迷も足かせとなり、しばらくは綱引き状態が続く見込み。

東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)は下値寄り。市中価格(定尺相場)は熱延で5万4000円、冷延で6万4000円中心。

 コイルセンターの稼働率が65%前後に低下するなど4月以降は受注が減少し、薄板需要が落ち込んでいる。国内メーカーの供給は需要を上回り、コイル在庫は4月に比べてさらに増加した模様。流通ではメーカーの供給抑制を求める声が多い。

 需要家からの値下げ要請とメーカー、流通の販売攻勢が重なり、「とんでもない安い価格も聞く」(コイルセンター)という。需要回復と市況の下げ止まりにはなお時間がかかりそうだ。荷動きは小口、当用の注文ばかりで相変わらず停滞。

大 阪地区の熱延薄板は荷動きが悪く、扱い特約店は売り焦るケースが多い。市況は3万2000円(3・2ミリ厚の3×6幅)どころで弱含み。

 高炉メーカー各社はここにきて、減産に本腰を入れてきている。コイルセンターサイドもメーカーへの申し込みを控えている。一方、需要は工事の低迷により、内装・外装材ともに落ち込んでいるうえ、機械や運搬機器も低調。コイルセンターの加工は6月もさえない状態が続いているうえ、シートの荷動きも小口中心となっている。

 在庫も依然として過剰ぎみだが、先行き、減少する方向だ。流通もそろそろ、価格を立て直したいとの機運が高まりつつあるが、当面、市況は弱含み。