2001.06.12
関 東地区の細物小棒メーカー各社が、市況対策に乗り出す。枠売り方式による価格改善に加え、共同対応での輸出成約増で国内向け供給量を絞り需給調整を強化する。ベースメーカーが3月の枠売り実施でトン1000円方値上げした。細物各社は4月から1000円の値上げに取り組んでいるが、ゼネコンの指し値の厳しさから浸透に苦慮。市況は逆に軟化気配にあり、枠売りと輸出の2本建てでテコ入れを図る。メーカーネットで10ミリ2万7000円を目標とし、枠売りは早ければ7月契約から実施される見込みだ。

 ベース、細物のメーカー各社は、市況対策に向け春先から減産体制を強化、さらにベースメーカーでは3月から一斉に枠売り方式を導入し価格を立て直した。3月から6月契約まで4カ月連続して枠売りを行い、販売価格を1000円方引き上げた。

 枠売りは、売り出し期間を限定し、メーカー設定の価格の下に、商社がその月に必要とする数量を枠で申し込む販売方法。その都度価格を決める明細売りに比べ、販価を維持しやすい面がある。ベースメーカーでは従来枠売りを行っているが、細物メーカーではベースに比べ小口商売が多く、明細売りが基本となっている。

 細物メーカーでは、ベースが枠売りで成果を出しベースと細物とが逆エキストラとなっている現状を踏まえ、一方で減産効果がなかなか表れず、むしろ市況は停滞感が強まっていることから、価格のテコ入れに異例の枠売りを導入する。7月にも各社の足並みがそろう方向。

大 同特殊鋼は11日、米・スペシャルメタルズ社(SMC)との合弁会社である大同スペシャルメタル(DSM、本社=東京、加藤定雄社長)にかかわる合弁基本契約・研究開発契約と、ステンレスや電熱抵抗材など大同特製品の欧州、アジア販売契約を合意、締結したと発表した。日本市場の空洞化やDSMのサービスセンター機能と業容拡大、大同特の製造技術を加味し、DSMの事業範囲を広げる。ニッケル合金の在庫品は日本、アジア、豪州など大洋州と米国を除く環太平洋地域で独占販売権を取得、ヒモ付きもスペシャルメタルズ・パシィフィック社(シンガポール)との合意を前提に、同地域での販売が可能となった。さらに大同製品についてはSMCと欧州販売契約、アジア販売契約を結び、研究開発契約も締結した。

 大同特、ニッケル合金メーカーのSMC、ニッケル合金、電子材料の販売会社であるDSMの3社では、98年10月にかつての合弁パートナーである加・インコ社のニッケル合金部門がSMCに買収されたのを受けて、合弁契約の見直しを進めており、今回の調印で、この作業が完了したことになる。大同特とSMCとのパイプが強められたほか、SMCグループの中でアジア・大洋州地域の拠点としてDSMの位置付けが高められた。

 合弁契約の見直しは主に4項目。ニッケル合金(旧インコ製品)の在庫品について、従来販売地域を日本と東南アジアの日系企業に限定されていたが、改訂により、日本、アジア(韓国、台湾、中国、東南アジア諸国)と、大洋州(豪州、ニュージーランド)と米国を除く環太平洋の日系企業以外にも拡大。独占販売権とした補修部品向けなどのヒモ付きもSMCパシィフィック社との合意を前提に同地域で販売に当たる。また、同地域でのDSMのサービスセンター機能拡充も視野に入れる。

山 陽特殊製鋼は11日、中国・浙江省に特殊鋼素形材部品を製造する合弁会社を今年7月設立する、と発表した。11月から操業を開始し、製品は欧米や中国国内のベアリングおよび自動車主要部品メーカーに供給する。特殊鋼素材メーカーが中国に素形材部品製造会社を設立するのは初めてで、ユーザーのワールドワイドな購入体制の進展に対応するのがねらい。同社としてはタイ、インドネシアに次ぐ3番目の海外合弁会社となる。

 設立する合弁会社は、「寧波山陽特殊鋼製品有限公司」。資本金が1330万米ドルの予定で、山陽特殊製鋼70%のほか、三井物産10%、金商10%、中国側は寧波更大集団有限公司(浙江省余姚市朗霞鎮新新工業区、戒偉軍社長、資本金820万元)が10%出資する。寧波更大集団有限公司はベアリング、自動車部品の製造・加工を行っており、売上高は年間1億700万元(約16億円)。

 工場は浙江省の杭州市と寧波市の中間に位置する浙江省余姚市の郊外にある工業団地の土地約4万平方メートルに建設する。投資額は1800万米ドル(約21億円)。従業員は約600人、売上高は年間40億円を見込む。

 製造するのは、特殊鋼鋼材の鍛造加工あるいは特殊鋼鋼管を切断加工(主にリング加工)することでユーザーの最終製品に近い形にしたものを生産する。
N KKは、NEDOの産業技術実用化助成金を受けて開発を進めてきた「建設発生木材材高炉リサイクルシステム」の木材粉砕試験を開始した。廃プラスチック高炉原料化のように廃木材を還元材としてケミカルリサイクルすることを狙ったもので、2001年度中には実高炉への吹き込み試験装置を設置する予定。今後は、気流輸送技術や高炉操業への影響、安定操業などの実証を経て、最適なシステム構築に本格的に取り組む方針。

 同プロジェクトは、NEDOの補助金を得て2000年度からの3年計画で行われ、木材を破砕、粉砕した後、高炉原料として高炉へ吹き込むまでのプロセス開発を狙ったもの。

 約1億5000万円(2000年度補助金約1億円)を投じて京浜製鉄所に建設した実証プラントは、毎時3トンの処理設備。破砕機、粉砕機、磁石式異物除去装置などで構成され、技術的には、気流輸送による高炉吹き込みに適した木材チップの粉砕技術がポイントとなる。

 2002年春に施行予定の建設リサイクル法では、アスファルトやコンクリート、廃木材の3品目が特定建設資材に指定、選別・分別排出とリサイクル率の数値目標が設定される。その中でも廃木材は、発生量が年間60万トンと膨大な発生量にもかかわらず、リサイクル率は40%と低く、現状は単純焼却や埋立処理されている。

 同社では、こうした点に着目して、都市型製鉄所の既存インフラを活用した高炉原料化システムの構築を目指す。
大 手重仮設業者、川商ジェコス(本社=東京都中央区、今井良治社長)は本年度、厳しい需要環境の中で収益を確保するため、受注好調な「GSS(ジェコソイルシステム)工法」を柱とする工事部門を強化し、同部門の売上高を前年度比15%増にまで引き上げていく方針だ。

 00年度は、国および地方自治体の財政難など公共土木予算の縮減傾向を受けて、ゼネコンの過当競争と受注金額の落ち込みは予想以上に深刻化。このため、重仮設業者への風当たりも強く、リース料金は上期でボトムとなり、99年度比10%前後(全品種平均)下押しした。現在も底ばい状態を脱し切れず、各社の収益を圧迫している。

 本年度も引き続き経営環境は厳しく、リース料金の大きな回復は期待できない状況で、重仮設業者はリース料金の値戻しなど受注条件の改善に取り組むとともに、特殊工法の開発や工事部門の強化を図り、資材リースの利益圧縮分をカバーするべく尽力している。

 川商ジェコスでは、昨年後半に市場投入したソイルセメント余剰液リサイクル工法である「GSS工法」が好調で、すでに13現場(進行中の現場を含む)で採用されている。施工現場で行った性能調査では、残土発生率は従来工法と比較して粘性土質で50%、砂質土質では64%削減。また、1年当たりの透水距離は5・256センチメートルで、従来工法(315・360センチメートル)と比べて、遮水性能が高い。また、壁体ソイル強度も標準値を大きく上回った。
大 阪製鉄の子会社で平鋼単圧メーカー、日本スチール(本社=大阪府岸和田市臨海町、山城和弘社長)は、10月末完成予定で中間圧延機を更新増強する。既存の2台を新鋭3台に切り替えるもので、これにより使用ビレットを大型サイズに集約し、生産性を上げるとともに、品質向上を図る。

 同社は平鋼をメーンに、その他角鋼、I形鋼、異形鋼などを生産。月産能力は2直で1万5000トンだが、最近の生産量は三菱製鋼からのバネ平鋼の受託分も含め1万―1万2000トン。昨春からの造船用平鋼の生産開始に伴い、4月に本社コンピューターシステムを見直し、造船対応と従来システムのバックアップを狙いに新販売管理システムも導入している。

 中間圧延機の更新増強は、98年にスタートした第2次中長期計画の第2期工事にあたる。第1期工事は99年の仕上げ圧延機の全面更新と冷却床の一部更新で、さかのぼって94年の粗圧延機の更新、96年の加熱炉の更新から連なる設備近代化投資の仕上げともなる。

 仕上げ圧延機の全面更新により、MAX210ミリまでの広幅化が可能となったが、中間圧延機の更新増強は使用ビレットの大型化による生産性の向上と品質向上が狙い。
ス テンレス配管の普及活動を行う「ステンレス配管研究会」(遅沢浩一郎会長)は、今月22日午前9時30分から、沖縄・那覇市の沖縄産業支援センターで「ステンレス配管の現状と将来」と題して、“沖縄セミナー”を開催する。

 同研究会は昨年8月発足以来、東京、大阪でセミナーを開催、今回は沿岸部などで耐久性、耐食性などのニーズに対応したステンレス配管の特性を踏まえ、現状の使用状況や今後の見通しを解説する。

 沖縄セミナーは、同研究会主催で、協賛がステンレス協会、NiDI、後援が日本水道協力会沖縄県支部、沖縄県管工事業協同組合連合会、沖縄県設備設計事務所協会によって行われる。

 当日は、沖縄県環境科学センターの金城義信参与が「沖縄県の水道概要とステンレス鋼材の使用状況について」、日本ダクタイル鉄管協会の菅原弘理事長が「21世紀の水道を目指して―管路整備を中心に―」、沖縄県工業技術センターの安里昌樹研究員が「沖縄の腐食環境とステンレス」、長谷工コーポレーション技術部の小池道広チーフエンジニアが「集合住宅におけるステンレス配管の採用事例」、同研究会の金子智氏が「事例から学ぶステンレス配管の防食技術」の5講演が開かれる(会費2000円)。

 ▽日時=01年6月22日午前9時30分から午後5時15分まで

 ▽会場=沖縄県那覇市字小禄1831番地1、沖縄産業支援センター

 ▽申し込み先=東京都港区新橋5―11―3、NiDI東京事務所

 ▽電話=03―3436―7953

九 州地区で鉄スクラップの共同輸出が決まった。今回参加する商社は、幹事商社となる三菱商事をはじめ、三井物産、丸紅、日商岩井などの6社。数量1200トンで、各商社の割り当ては200トンとなった。6月中旬に韓国へ向けて出荷される予定。

 地区内電炉は製品市況の立て直しを狙い、減産を維持してきた。このためスクラップ消費量は減少し、需給は緩和状態になっている。これを受けて、プライスリーダーである東京製鉄・九州工場は、小幅ながらスクラップ購入価格を下げ続けている。現在の建値は、特級で7300円、5月の連休明けから下げ幅は800円になる。

 現在、需給は若干引き締まりをみせているものの、市況はいぜん低迷している。市中では、今回の輸出が低迷する価格を底上げすれば、との声もある。

東 京地区の中板市況は底値感はあるものの、引き続き弱含み。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は3万4000円中心。

 市中段階では在庫調整が進んだとの認識。ただ、鋼板を含めた鋼材ほとんどが需要の停滞から引き合いが落ちており、弱気ムードが消えていない。「もともと熱延は申し込みを抑えていたので在庫は良いところだが、中板だけが回復するという状況は考えられない」(商社)。

 熱延コイルはメーカー在庫が特に増加。高炉では受注調整を再度行っているが、需要動向が一段と悪化しているため、在庫圧縮の明確な効果が出るのは夏場以降となりそう。目先も弱含み。

東 京地区のSUS304系ベースサイズがトン当たり23万円、SUS430系が同18万円を中心に、弱含み横ばいの展開。

 IT関連の需要減で荷動きは停滞、4―6月という不需要期と相まって、市場に活気はみられない。流通在庫は今年に入ってから増加の一途をたどり、かなりの量に膨らんでいる。このため、複数のメーカーが減産の姿勢を打ち出したが、市場に反映するのは7月以降とみられ、速効性は期待できない。減産が効いてくるまでの間、現市況を維持できるかが流通の課題だ。

 流通在庫は4月末に過去最高の10万トン(JSCA)へと増加している。

 目先、弱含み横ばい商状の見込み。

大 阪地区のH形鋼市況はベース3万1000―3万2000円どころで強含み横ばい。

 市中の荷動きは建築需要の低迷を受け、依然低調。6月に入っても流通の出荷量は小口中心で、活況感を欠く。

 しかし、5月末のときわ会数字は入庫が前月比13.4%減の3万3057トン、出庫が同比微減の3万9314トンで、在庫は同比10.3%減の5万4700トンと3カ月連続で減少。現状、ベースサイズを中心に歯抜けも多く散見されるため、地区流通筋でも「在庫調整はほぼ完了した」との見方が広がっている。

 このため、流通筋は再度、売り腰を引き締め、3万3000円の市況形成を目指す方針。