2001.06.14
住 友金属工業は、国内の電力会社が計画するペンストックなどの大型プロジェクトに対応して、2001年度から高性能100キロ厚鋼板(オースフォームドベイナイト鋼)の提案活動を本格的にスタートする。100キロ厚鋼板の採用は、世界でも95年に同社が納入したスイスのクルソン・ディクセンスプロジェクト向けの1000トンのみ。鹿島製鉄所の圧延ラインDAC設備更新を経て、溶接施工性向上や高強度・低温靱性に優れた100キロ厚鋼板の量産化に成功。今後、60キロ厚鋼板と合わせ、オンリーワン技術として100キロ厚鋼板の営業を強化していく方針。

 高性能100キロ厚鋼板は、鹿島製鉄所厚板工場の圧延ラインに設置したDAC設備にTMCP技術を駆使して製造。溶接性と低温靭性に優れた高強度厚鋼板で、低温オーステナイト域での強加工を受けたベイナイト組織活用により組織微細化と低Pcm成分で高強度化を実現した。

 同社は厚鋼板のペンストックマーケットで世界シェア26―27%、国内トップの実績がある。さらに100キロ厚鋼板の採用は、全世界でも同社が納めた95年のスイスのプロジェクト以外にない。これまで主流だった60―80キロ厚鋼板を上回る100キロ厚鋼板を世界に先駆け実用化していた。

 今回、100キロ厚鋼板の販売を本格化した背景には、国内の電力会社が計画してきたペンストック(揚水発電所)大型プロジェクトの動きが本格化していることがある。国内電力会社では、こうしたプロジェクトに対して、100キロ厚鋼板の採用に積極的な姿勢を見せており、01年度から国内マーケットに本格投入することを決めた。

川 崎製鉄は当初予定していた第2次中期経営計画(99〜01年度)に続く第3次中計の立案を見合わせ、NKKとの統合会社の成果を高めるため、統合推進委員会とその下部機関としての機能別委員会の検討作業に総力を投入する。

 川鉄は第2次中計で最終年の01年度で連結ベースの総資本営業利益率を4・5%以上、経常利益を600億円以上とする目標を掲げている。連結有利子負債を4300億円削減して1兆3000億円とし、鉄鋼事業の総コストは800億円削減する計画。

 このうち、有利子負債削減は2カ年で前倒し達成。総コスト削減も「00年度末で80%達成できており、あと1年で100%達成できる」(數土文夫副社長)見通しだ。しかし収益目標は「鋼材の販売価格が計画を作る時点で想定していた幅の倍以上値下がりした」(同)ことが響き、最終年度での完全達成は困難な見通しだ。

 このため、同社は第2次計画を引き継ぐ第3次中期経営計画で、新たな経営指標の策定を予定していたが、統合効果を高めることを最優先すべきとの判断から、当面は「すべてのエネルギーを統合会社の収益を高める仕組み作りに集中する」(同)ことにした。

 両社社長を委員長とする統合推進委員会は8月までは月1回だが、9月からは月2回開催する。各機能別委員会によるワーキング作業はそれぞれ月数回行う。
伊 藤忠丸紅鉄鋼(株)(英文名:Marubeni―Itochu Steel Inc)は最短で2005年の株式上場を目指す。同社社長に就任予定の丸紅・岡崎誠之助常務取締役がこのほど明らかにした。同社は伊藤忠商事、丸紅の両社の鉄鋼製品分野を統合、両社の折半出資による人員730人、連結総売上高1兆7000億円規模の新会社を設立して、この10月1日にスタートするもので、会長には伊藤忠の重富昭夫常務取締役が就任する。

 鉄鋼メーカー、需要産業の再編の動きに対応して、両社の鉄鋼製品事業の構造改革を推進し、競争力を強化することが新会社設立の最大の狙い。こうした状況の変化に対応して、日商岩井と三菱商事も金属事業の統合に向けて協議を進めている。

 伊藤忠、丸紅の両社は、国内産業の再編支援を目的に4月に施行された新法を採用、両社の鉄鋼部門をそれぞれ会社分割し、新会社に承継する。具体的に新会社は両社の鉄鋼製品業務をすべて承継、同業務に従事する従業員および給与・待遇も引き継ぐ。

 10月の発足に向けての準備は「作業は膨大で、大変ではあるが順調に進んでいる」(丸紅・岡崎常務)とのことで、新会社はスタート後も「統合の価値を最大化する」(岡崎常務)、「利益を出せる仕組みそのものを作り上げる」(伊藤忠・重富常務)ことに焦点を絞り、「最短で2005年の株式上場を目指す」(岡崎常務)。

関 東地区の鉄スクラップヤード業者で構成する関東鉄源協議会(会長=渡辺淳・丸和商事社長)は13日、商社を対象に7月積み鉄スクラップ輸出入札を行い、伊藤忠商事、川鉄商事の2社が計2万500トンを落札した。落札量は2、6月の2万トンを超え過去最高となった。

 平均落札価格は7464円で前回に比べて209円下落したものの国内市況との比較では引き続き有利な価格となっている。内訳は伊藤忠商事が7700円で3000トン、7550円で3000トンの計6000トン、川鉄商事は7480円で4500トン、7360円で1万トンの計1万4500トンを落札した。

 これは関東地区メーカーの実勢購入価格を1000―1600円上回る水準。応札量の合計は11万8000トンで、前回6月分の11万5000トンに比べて3%増加した。

東 邦シートフレーム(本社=東京都中央区、村上社長)は、91年度から八千代工場(千葉県八千代市)内に設置されている1号カラー製造ラインの4巾化(板幅1250ミリ)を進めてきたが、最後に残っていた前処理装置の改造がこのほど完了し、これで完全4巾化が実現した。

 1号カラー製造ラインは着色亜鉛鉄板(コイル)製造ライン。素材は溶融亜鉛めっき鋼板やアルミ合金、ステンレスなどで、板厚は0・12―1ミリまで。1分あたりのラインスピードは中央(最大)90メートル、生産能力は月間3500トン(現在の生産量は月間2300トン前後)となっている。

 同ラインでは従来、板幅450―1100ミリまで対応していたが、ここにきて漸増している需要家ニーズに対応すると同時に、自社のカラーコイル生産性アップを目指し、4巾化に向けてライン改造を手がけてきたもの。第1次改造計画で入側装置改造(ステッチャ―・入側アキューム装置)、第2次改造計画では全ライン(カテナリー方式、前処理と巻取装置を除く)が完了。今回の第3次改造計画では、最後に残っていた前処理装置の4巾対応を終え、これで1号カラー製造ラインの完全4巾化が実現した。
日 亜鋼業(本社=尼崎市、田中一家社長)は、合理化の一環として本社工場内に立体自動倉庫を導入した。全体を7500個のパレットで管理するもので、在庫能力は7500トン。これまで周辺の営業倉庫に委託在庫していた製品7000トンを全量自社在庫体制に切り替える。これにより委託保管料の大幅な削減が可能になる。

 日亜鋼業は普通線材、特殊鋼線材、硬鋼線、合金ワイヤロープ、カラー鋼板などを生産販売しており、前期で189億円の売上高。

 老朽更新と効率化を目的に過去3年間で30億円の設備投資を実施しており、今回の立体倉庫導入もその一環となるもの。これまで本社工場の製品在庫は、周辺の営業倉庫に分散在庫されていた。数量は月間7000トンにも達しており、経費面でもデリバリー管理面でもネックの一つになっていた。これを改善するため、同社初の自動立体倉庫の導入に踏み切った。

 石川島播磨重工業の製品で、能力1トンのパレットに在庫して立体的に保管する。全体で7500個のパレットがあり、製品別、サイズ別に在庫し、コンピューターで一元管理する。

 一部2トン能力のパレツトも導入しており、将来ロッドの2トン取りが本格化しても十分対応できる体制となっている。6月から稼働しており、これに伴い、営業倉庫への委託在庫は順次取りやめる。

浦 安鉄鋼団地景況実感調査委員会(委員長=関根宏一・関根床用鋼板社長)は12日、171社を対象(回答数166)に実施した5月の景況実感調査結果をまとめた。6割が前月よりも粗利が減少したと回答。増加は5%。前年同月と比べても57%が減少したと答えた。景況感は9割以上がやや不況または不況と認識。3カ月後の見通しでは、86%がさらに悪化すると見ており、4月分の統計よりも悪くなっている。

 薄板・表面処理鋼板は、直需・店売りとも荷動きが低調なところに安値が出回り、市況悪化を促進。目先、弱含み。

 厚・中板は4月よりも悪化。年度末のメーカーによる売り込みで、市中在庫は多い。在庫調整は9月までずれ込む。高炉メーカーの減産が急務。7月から国内メーカーが熱延コイルを値上げする予定。今後は不需要期の影響が長引き、厳しさが増す。

 H形鋼の価格は4月よりも下降気味。ファブは、1―3月よりも5―6月のほうが受注減で資金繰りが悪化。与信面で売り先が限定され、価格競争になっている。需要改善は期待できないが、減産による在庫減は確実に進んでいる。一方で、メーカー直送分の安値販売が目立ち始め、倉出しは悪化する模様。

 一般形鋼の荷動きは前月と変わらず。需要低迷は当分続きそう。ただ土木関連は、夏から秋にかけての納期の見積もり依頼が出てきている。

2 001年4月の軽仮設リース機材稼働率はトータル53・5%と、前月比では5・3ポイント減少。前年同期比でも0・8ポイントの微増にとどまり、4月は新年度入り直後の端境期であるとともに、首都圏以外の地方では建設需要に失速感がみられ、これまで全国的に好調を維持してきた機材出荷にブレーキがかかっている。

 主要6品目のうち、前年同期比でプラスは3品目(長尺足場材、養生部材、丸角部材)、マイナスも3品目(鋼製型枠、支保部工材、枠組足場)。一方、前月比では6品目すべてマイナスを示している。

 前年同期比で大きな伸びをみせたのは長尺足場材が12・2ポイント増で、これに養生部材4ポイント増が続く。減少を示した3品目はいずれもマイナス幅が小さく、懸念されるレベルではなさそうだ。

 軽仮設リース業各社では仮設材のレンタル化が進み、ゼネコンのレンタル依存率は90%を突破していること。また、首都圏再開発を中心に建設需要が盛り上がったことに起因して前年度、リース稼働率は回復。とくに70%の大台を越えた10月(70・9%)を含む第3・四半期(10―12月)は平均67・8%と、軒並み60%台後半をキープした。

 ただ、第4・四半期(1―3月)以降は高水準をキープしながらも、稼働率は漸減。とくに3月は、年度末で完工する現場から資材がヤードに戻ってくる時期であり、各社ともに保有量が増えたことから、稼働率は9ヵ月ぶりに50%台に落ち込んだ。

東 京地区の冷延薄板市況は需要に対して在庫が多く、先安観が残っている。市中価格(1・0―1・6ミリ、ベースサイズ)は4万7000―4万8000円。

 輸入コイルは入着が減少し滞留在庫を徐々に消化している段階だが、需要の落ち込みから出荷が伸びない。一方、国内でもメーカーや流通のコイル在庫は過剰であり、この動きが先安観を強める要因となっている。

 4月以降の需要減は深刻で、一部換金を目的としたような安値の話が飛び交うという。小売業者からすると、「下値はいくらでも話があり、売り込みもあるようだが実際にそれが相場と呼べるのかは疑問」との見方。目先も弱含みで推移か。

東 京地区の等辺山形鋼市況は6×50で3万4000―3万5000円、溝形鋼は5×50×100で3万8000―3万9000円中心のもちあい。荷動きの悪い状態が続く。

 形鋼部会の調査によると、5月の山形の入庫量は前月比7%減で入出在庫量は横ばい。6月も変わらない。溝形は土木向けの物件があったとみえ、9×90×300と13×100×380の直販量が倍以上に、入庫量も3倍に増えた結果、契約残は7割増加した。倉出し量、在庫量は横ばい。流通は、需要減と6月販価の東西格差によって心理的に停滞気味。底入れに向かいつつはあるが決め手に欠けるH形鋼の動きに伴って、反転には至らない。当面もちあい。

大 阪地区の軽量C形鋼はメーカー各社の売り腰が弱く、これを反映して下押しムード。市中の荷動きは工場や倉庫など民間建築需要が低迷しているため、依然、活況感を欠く。

 流通出庫量も伸び悩み、各社は需要家の指し値に応じざるを得ないのが現状。また、先月末以降、メーカーの販売価格に足並みの乱れが出ており、関係流通では「メーカーによってさまざまだが、1000―2000円程度の実勢値下げになっている」もよう。値下げは、需要不振と母材コイルの値下がりが要因とみられ、これに連動してメーカー直送価格も下押しており、市況は当面、弱含み推移。