2001.06.15
中 国の鋼材消費が年初来、前年比20%増の高い水準にある。00年の同国の鋼材見掛け消費は1億4121万トン。今年は、1―4月のペースを維持すると1億5700万トン規模に達する。国内の建設投資がおう盛で、加えてエアコン、自動車生産が好調、こうした需要に対応するため、鋼材生産および同輸入が増加しているようだ。なお97年時点の同国の同消費は1億850万トンで、00年までの3年間で約30%、3300万トン増加している。

 日本鉄鋼輸出組合まとめによると、中国の1―4月の鋼材生産は4830万トン(前年同期比20・1%増)、輸入が567万トン、(同19・4%増)とともに大幅増加、一方で輸出は156万トン(同19・5%減)にとどまっている。この結果、同期の見掛け消費は5240万6000トンと同8%増の高い水準にある。

 同国内の基本建設投資が前年を上回る高い伸び率を示している。また国内の1―4月のエアコン生産が846万台で前年同期比45・7%増、自動車生産も83万台、同19・4%増、冷蔵庫は456万台、同4・2%増と好調。一方で在庫調整局面にあるとみられる洗濯機、カラーテレビはそれぞれ449万台、同13・8%減、1240万台、同4・9%減と前年ペースを下回っている。

 中国政府としては、国内鉄鋼需給を引き締めるため、小規模条鋼ミルの操業停止を軸とした生産調整を指示しているが、内需がおう盛なため前年は1億トンの当初生産計画を大幅に上回った。今年についても同政府は1億500万トンの計画を示しているとされるが、下期についての景気不透明感はあるとはいえ、この計画を大幅に上回ることになりそう。

住 友金属工業が97年に販売開始した「ウェザーアクト処理」の累計受注実績が100橋、46万平方メートルの受注を達成した。耐候性鋼板に2―3年の短期間で最終安定錆を生成させ錆を防ぐ処理技術で、国土交通省の一部エリアでは公共事業縮減の方策として同処理を推奨するなど、既設橋にも適用できるメンテナンスフリー技術として高い評価を受けているようだ。2001年度は、年間約22万平方メートルの受注を目指す方針。

 「ウェザーアクト処理」は、耐候性鋼板に短期間で最終安定錆を生成させ錆を防ぐ防食技術。通常は、10数年かかる最終安定錆を2―3年間で生成させることができる。さらに、塗り替えが不要なメンテナンスフリーと候性鋼材裸仕様の特有である赤さび・流れさびの析出抑制など景観面から高い評価を受けている。

 銅、リン、クロムを含む艶消し焦げ茶色の液体物質で、耐候性鋼板に吹き付けることで短期間に強制的に安定錆をつくることができる。公共事業関連の新技術が、わずか3年9カ月で急速に累計46万平方メートル、100橋で採用されるのは珍しい。

 ウェザーアクト処理で生成した安定錆は、結晶が緻密で塩分などに強く、在来の製品よりも耐食機能が強化されるなどが特徴。このため、海岸部の飛来塩分量が比較的多い地域などにも対応できることが橋梁向けを中心に急速に普及するポイントとなっているようだ。

新 日本製鉄は、リングダイアフラム付円形鋼管柱「NSコラム」に関して、鋼管とダイヤフラムの溶接加工拠点を前年度で新たに3社を加えて、加工能力を年間3000トンから1万トンに増強した。本年度実績は受注ベース1万2000―1万3000トンの見通しで、この加工体制をフルに活用。中・長期的な受注目標としては1万5000トンに照準を合わせており、大型プロジェクトのほか中小物件、地方への展開を強めていく。

 「NSコラム」は、96年度に販売を開始したリングダイアフラム付円形鋼管柱。製品の特長は(1)ダイアフラムは鍛造リングと板加工、通しダイヤフラムと外ダイヤフラムの両形式をそろえ、設計ニーズに応じて幅広く選択可能(2)ファブリケーターでの面倒な円形鋼管の仕口加工を省力化できる(3)通しダイヤフラム形式をCFT構造に適用した場合は、鋼管内部のダイヤフラムがコンクリートと一体化し、梁からの軸力の伝達が確実に行われる――など。

 近年、建築物の高層化や大型化、デザインの多様化によって鋼管内部にコンクリートを充填するCFT構造は、首都圏プロジェクトが動き出した00年度以降、需要が急増。「NSコラム」も六本木六丁目の事務所棟Aで約5000トン分受注するなど、大型物件で採用が増えている。

日 立金属は14日、中国江蘇省蘇州市に携帯電話機用部品の生産拠点を設立、今年10月から量産を開始すると発表した。6月6日付で「日立金属(蘇州)電子有限公司」を発足、今後、鳥取工場など日本国内から余剰設備を移設、アンテナスイッチモジュール、端末用および基地局用アイソレーターについて今秋からメッキ工程以降の後工程を立ち上げる。グローバル化に適した生産体制の構築で、携帯電話市場が急成長する中国に進出、ノキア、モトローラ、エリクソンなどの現地企業向けを中心に展開する。同社の携帯電話機用部品の海外拠点はタイ、フィリピンに擁し、中国では初となる。総投資額は約10億円で、02年には年間20億円の販売を計画、順次拡大させていく。

 日立金属(蘇州)電子有限公司は、資本金が450万USドルで日立金属が100%出資する。董事長兼総経理には出向で南河淳一・日立金属磁材情報部品カンパニー企画部主管部員が就任、人員約70人で運営に当たる。

 蘇州市の蘇州市工業園区に、約4400平方メートルの敷地を擁し、総床面積約2152平方メートル(一部2階建て)の工場で生産を行う。当初は日本国内から余剰設備を移し、携帯電話用部品の後工程能力のうち、約20%を移管する。02年度までには、前工程を合わせた全工程の生産体制の確立か、後工程の拡張かを市場動向を見ながら、業容の拡大を目指す。

オ ーツカ鉄鋼販売(本社=東京都中央区、三好功社長)は、回転埋設鋼管杭「ブレードパイル」の加工販売事業を開始した。11日から石巻事業所(宮城県石巻市)を開設し、既存の倉庫と鋼管加工設備により、東北地区の委託加工拠点として展開。関東地区でも丸紅グループと連携しながら事業化する予定で、ブレードパイルの加工販売を積極的に進めていく。



 同社は丸紅系列の鋼材販売業者で、厚板を中心に土木建材製品や条鋼・特殊鋼・鋼管を扱っている。石巻事業所(旧営業所)は96年に閉鎖して以来遊休地となっていたが、倉庫や地盤の整備を行い、新規事業であるブレードパイルの加工拠点として再度開設。11日に開所式を行った。

 ブレードパイルは居Z環境設計室(本社=福島県郡山市、影山千秋社長)の特許技術で鋼管の先端部をひねり、冷間加工した回転埋設鋼管杭を用いた新工法。土壌汚染や排出残土の発生がなく、騒音・振動を大幅に抑制。施工が容易でコストも低減できる。構造用炭素鋼鋼管を使用し、許容支持力の算定で国土交通大臣の認定を取得している。

 石巻事業所では、長さ5―12メートルの製品用鋼管を在庫し、受注に応じた長さ・形状に加工する。素管の在庫管理から切断・成形、付属金物の設置、現場納入まで一貫して担当。主要設備は、鋼管用プラズマ切断機と先端部分の加工設備。東北地区のブレードパイル総代理店5社から委託を受けている。
日 本自動車工業会はこのほど、小型乗用車の原材料構成比調査の結果をまとめた。それによると素材別では、普通鋼鋼材が97年調査の52・1%から54・8%へ2・7ポイント増加。特殊鋼鋼材は16・7%でほぼ横ばい。非鉄金属は、前回の9・6%から7・8%へ1・8ポイントの低下となった。また、樹脂部品など一時増加していた非金属素材は、19・2%と1・8ポイント減少した。普通鋼鋼材の使用比率の増加は、熱延薄板の増加が大半で、前回の8・6%から11・9%へ3・3%の大幅な増加となっている。非鉄の減少は、アルミの使用比率の低下によるもので、7・5%から6・2%へ減少している。

 自動車工業会が実施している小型自動車の原材料構成比調査は、3―4年間隔で実施されており、前回は97年。加盟メーカーの代表的な小型車を車種別に複数解体し、素材の平均で構成比を出している。

 今回の調査は、総重量が73年を100として162・2と、28年間で62・6%も増加。前回に比べても、21・3ポイントアップしている。省エネ対策が先行していた80年代前半に総重量が低下した以外は、継続的に増加している。特に90年代はエンジン性能の向上などもあり、車体重量の増加率は高くなっている。

 今回調査の最大の特徴は、普通鋼鋼材の増加と非鉄金属の低下。普通鋼鋼材の中でも、熱延薄板の増加が著しい。

 品種別では亜鉛メツキ鋼板と表面処理鋼板を合わせたものが20・3%とトップ。メッキ鋼板の増加は引き続き進んでいる。

 これに続くのが冷延薄板の13・5%。前回調査よりわずかに増加している。熱延薄板は、11・9%と2ケタ台に初めて乗った。熱延薄板の品質改善が進み、使用区分が増加しているためで、特殊鋼製品や非鉄の代替が進んでいる。
住 友精密工業(本社=尼崎市、長谷登社長)は、液晶製造装置用のスピンドライヤーなどの製造部門を強化する。このため住友金属の尼崎の用地を10億円で新たに買収し、この一部を使って新工場を建設する。6億円の投資額で、7月に完成予定。操業は子会社のメットが担当する。同社は航空機部門、熱交換器部門、半導体部門、環境部門などで事業活動を進めている。2000年度は360億円の売上高で、経常で7億8200万円の黒字。

 液晶製造装置への進出は、半導体製造装置を主体に製造している武蔵工業(埼玉県入間市)を買収して本格化した。武蔵工業は現在メットと社名変更。半導体製造装置や液晶関連装置などを製造しており、現在40億円の売上高。

 液晶製造能力の拡大は需要が増加し、OA機器メーカーやデジカメ・メーカーなどが相次いで、増強投資を計画しているのに対応したもの。計画では、尼崎に工場建屋を新設し、液晶のスピン式洗浄装置・液晶用スピン式剥離装置やエッチング装置を製造する。設計・発注・組み立てが主要業務になる計画で、アセンブリーが主体。

神 鋼物流(本社=神戸市)は、海外物流部門の強化の一環として海外企業との提携を促進させる。これまでにドイツ、オランダ、ベルギーなど6カ国で7社と提携しているが、今後、さらにイギリス、イタリアの企業との提携を進める方針。同社は、昨年4月に神鋼海運と神鋼陸運が合併して設立。合併初年度の2000年度で390億円、9億円強の経常利益を上げている。

 合併後の方向として効率化の促進と、神戸製鋼グループ以外への受注拡大を計画。さらにコベルコ建機関連で増加している海外物流部門の強化を推進する。

 これまでにドイツ、オランダ、ベルギー、タイ、中国などで現地物流企業7社と業務提携。主に建設機械などの重量物の輸送を委託したりしている。今後、イギリス、イタリアなどの企業との提携を計画しており、コベルコ建機と連携しながら具体化の方針。

 同社の海外物流部門は、まだ水準としては低い。しかし、建機・産機などの市場は今後、海外主体に展開するとみられており、売り上げシェアも徐々に拡大していくとみられている。

東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)市況は弱含み。市中価格は熱延で5万4000円、冷延で6万4000円中心。これを下回る安値も聞かれる。

 コイル在庫の高水準が弱気を誘っている。国内メーカーの供給と需要のバランスが雰囲気を左右するだけに、1―3月の生産水準の高さが需給に大きく影響している。安値部分は話が先行し、「相場がつかめない」(販売業者)という。

 荷動きは5月とほとんど変わらず、停滞。建材関連の需要で夏場に向けて徐々に回復との可能性もあるが、販売量に対する不安は残る。定尺品は「売れ行きを考えて最低限の在庫しか置かない」(販売業者)。

東 京地区の大径角形鋼管(コラム)市況は12×300×300の一次加工付き価格で、STKR5万6000―5万7000円、BCR6万5000―6万6000円中心。北関東では安値も散見されており弱含み。

 5月の形鋼部会の集計によると、入庫量は前月比5・5%減。出庫量、直販量は2%未満の動きでほぼ横ばい。在庫量は同5・7%減と微減。6月以降も同じ。相変わらず荷動きは悪く、加工納期の受注残は長くて3日。このため仕事を得ようと、加工賃を削る動きもある。4―6月で底固めをして7―9月で市況上昇を狙うのが例年の傾向だが、今年は難しい。中小物件の需要減少とH形鋼の停滞が主因。当面弱含み。

大 阪地区の厚板市況は荷動きが悪いこともあって、市況は3万6000円(トン当たり、9ミリ厚の3×6幅)どころで弱含み。

 国内メーカーの多くは厚板ミルがタイトになりつつあるうえ、輸入材も近国物に限定されている。この結果、特約店や熔断業者の入庫は絞られてきている。在庫は熔断業者の切板母材は多いものの、特約店の定尺は適正な水準。ただ、需要は建築が依然として、低調なうえ、機械も設備投資の不振の影響をモロに受けた形になっている。熔断業者も加工の受注残が減少、稼働率も低下している。定尺の荷動きも小口中心でさえないこともあって、当面、市況は弱含み。