2001.06.19
小 野建(本社=大分市、小野建社長)は、鉄源輸出業務に本格参入する。同社はこのほど、中国向けにビレット1万6000トンの輸出を成約した。引き続き4万トン近くの輸出引き合いが寄せられており、同社は、鉄源輸出業務を新たな営業の柱とする考えだ。輸入鋼材で世界的にネットワークを確立している同社が輸出に参入することは業界内に大きなインパクトを与え、動向が注目される。

 今回の中国向けビレット輸出は、6、7月積みで価格はFOBで2万円以上。

 同社は今後、鉄源輸出業務に注力し、本年度はビレットなど30万トンの輸出を目標にしており、将来的にはスラブや製品の輸出まで拡大したいとしている。

 一方、鉄源輸出業務に本格参入したことについて、小野社長は「円安という状況を踏まえて決断した。一方では中国など鉄源不足の国も多く、これらの国は、高炉や電炉建設による鉄源不足の解消といった手段は資金と時間を要する。日本が鉄源の供給基地となり、現地で圧延するといったグローバルなマーケットとしてとらえる時代がきた」と語った。

日 本鉄鋼連盟が18日発表した5月の粗鋼生産は889万2000トンで前月比2・9%増加したが、前年同月比では2・7%減と2カ月連続して前年を下回った。

 同月の鉄鋼生産は、高炉銑、粗鋼、熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)とも前月比で増加したものの、前年同月比では減少し、高炉銑生産は671万3000トンで前月比3・6%増加、前年同月比3・5%減と4カ月連続の減少となった。

 なお、5月末の高炉稼働基数は、新日本製鉄・君津の第3高炉が改修工事を終了して5月19日に再火入れしたため、1基増加して39基中31基となった。粗鋼の炉別生産では、転炉鋼642万5000トン、前月比3・4%増(前年同月比0・4%減)、電炉鋼246万7000トン、同1・3%増(同8・3%減)となり、前年同月比では電炉鋼の減少が目立った。

 鋼種別生産では、普通鋼が721万1000トン、前月比3・0%増、特殊鋼168万1000トン、同2・2%増となったが、前年同月比では普通鋼が4・0%の減少と4カ月連続の減少となったのに対し、特殊鋼は3・0%の増加と23カ月連続の増加となった。

 熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は806万9000トン、前月比5・9%増加したが、前年同月比では4・8%減少した。このうち普通鋼熱間圧延鋼材(一般)は673万9000トンで前月比6・8%増加したが、前年同月比では5・8%減、特殊鋼熱間圧延鋼材は132万9000トンで前月に比べ1万9000トン、1・5%増、前年同月比でも0・3%増とわずかながら増加し、22カ月連続の増加となった。

千 速晃・日本鉄鋼連盟会長は18日の定例記者会見で、「第1・四半期(4―6月)の粗鋼生産は4月、5月とも前年同月比で減ってはいるが、需要との見合いではまだ高過ぎる。7―9月期も需要が反転することは期待しにくい状況にある」として、7―9月期での減産の必要性を強調した。また同会長は、01年度の全国粗鋼生産生産見通しについて、「鉄連予測の9900万トンは今や現実的なものではなくなっている。(年初見通しより)かなり低い数字になるだろう」と述べた。粗鋼生産は4月が864万5500トン、5月が889万2000トン。5月生産は前年同月比2・7%減で、2カ月連続して前年同月を下回っている。しかし、4、5月の2カ月で1753万7000トンに達し、生産水準は、期初の業界各社の4ー6生産計画2587万3000トン、経済産業省の需要見通し2520万トンを超えるペース。このため、7―9月は4―6月比での減産強化の必要性を改めて指摘。とくに適正在庫の水準を大きく超えている薄板類の減産が急務となっていることを強調した。

エ ヌケーケートレーディング(木崎肇社長)の01年度の業績見通しは、エンジニアリングと原料の口銭契約を見直し、従来までの口銭のみの計上から「売上高プラス口銭」に変更したことで、売上高は00年度と比べて27%増(726億円増)の3370億円。従来ベースの試算では00年度とほぼ同レベルの売上高だ。営業収益でも00年度とほぼ横ばいだが、不良債権事故などを防ぎ経常利益で75%増の10億円を確保し、最終利益は3億円弱と黒字転換する計画だ。

 連結では売上高3738億円、経常利益14億円、最終利益5億円。経常益のうち10億円はエヌトレ本体、残りは99年10月に設立した鋼管管材トレーディング(KKT)などの合理化がフルに寄与する。

 今後も中期経営計画で打ち出した路線(1)収益力のある企業体質(2)能動的でアクティブな商社(3)グループ総合力の発揮―を進める。00年度までに過去の不良債権を一掃してスリム化、資産の売却を進め、KKTなどの分社化の効果も出てきたことで「収益力のある企業体質」は構築できた。01年度は、能動的でアクティブな商社と、グループ総合力の発揮がテーマ。

 営業面では鉄鋼が微減となり、エンジニアリングと機材は増加する。鉄鋼では、日本のユーザーが進出している東南アジアを中心に貿易を強化。NKKと共同で拠点を拡充していく。
特 殊鋼問屋の名古屋特殊鋼(本社=愛知県犬山市字鶴池78―1、鷲野光司社長)は金型設計の技術力の向上を図る。金型製造における精度・品質向上の一環となるもので、このほど本社敷地内の実験プレス棟に研究開発用多軸油圧プレス機(1000トン仕様)を導入、技術ノウハウの蓄積を進めている。投資額は約1億3000万円。

 同社は工具鋼などを主力に扱う特殊鋼問屋。営業体制として本社のほか、半田事業所、東京営業所、浜松事業所があり、年商は68億3500万円(2000年12月実績)。また近年は金型加工の強化に取り組んでおり、加工体制として本敷地内に工機工場、恒温工場、本社工場等を構え、今期に入っても横型マシニングセンター、竪型マシニングセンター、放電ワイヤカット機、複合旋盤など新鋭の加工設備を導入している。

 金型加工は荒加工、熱処理、仕上加工、表面処理、型完成、検査・評価、試打ちというフローをたどるが、今回、実験プレス棟に導入した研究開発用多軸油圧プレス機(1000トン仕様)は、金型を製造する際の試打ち(トライ)用に使用するもの。
米 国際貿易委員会(ITC)は15日、石油関連鋼管(OCTG)に関するアンチダンピング(AD)など措置後5年の全面見直し(サンセット・レビュー)で、アルゼンチンとメキシコ製ドリルパイプのAD課税命令を取り消す決定を下した。日本、イタリア、韓国製のOCTGについては引き続きADなどの措置が必要と判断した。

 15日の投票で、アルゼンチン、メキシコ製ドリルパイプに関して、国内業界に被害を与える恐れがないとして、4対2でAD課税命令の取り消しを決めた。日本製ドリルパイプについては、被害再発の恐れがあるとして、5対1でAD課税の継続を決定。ドリルパイプ以外のOCTGについて、5カ国のAD課税、イタリアの相殺関税に関して、6委員全員が継続を支持した。

 米商務省は95年8月10日にイタリア製OCTGについて相殺関税課税の命令、翌11日にアルゼンチン、イタリア、日本、韓国、メキシコ製OCTGのAD課税命令を下した。今回はウルグアイ・ラウンド合意に基づいて、措置後5年経過した段階で、AD課税などを継続する是非を調査、判断した。
米 商務省のドン・エバンス長官は15日、政府が米国際貿易委員会(ITC)に鋼材輸入の201条調査を正式に要請するのに、数週間かかる可能性があるとの見通しを示した。また、鉄鋼関連政策について、国際法を逸脱することはないと強調した。

 米政府は5日の発表当初、ITCに2週間以内に正式に要請するとしていた。エバンス長官は201条調査の対象となる製品分野の選定などの作業が遅れる可能性を示唆した。

日 本磨棒鋼工業組合(理事長=榎本四郎・城北伸鉄社長)によると、5月の磨棒鋼・冷間圧造用鋼線の生産実績は、前月比17・3%減、前年同月比5・3%減の8万6760トンとなった。3月生産が21カ月ぶりに前年比を割り、4月に若干回復したものの、5月は再度減少に転じた。自動車の生産調整や工作・産業機械関連需要の縮小傾から関東、中部、大阪各支部とも前年比を下回った。

 磨棒鋼は自動車生産への依存度が高く、自動車生産の変動はとくに関東、中部で影響が大きい。4月の四輪車生産は前年同月比4・3%減の75万6710台で4ヵ月連続の減少。うち乗用車は同4・6%減の62万7180台、トラックは3・3%減の12万4900台でともに4ヵ月連続のマイナスとなり、唯一回復基調を保っていた中部も5月は前年同月比2・3%減の3万2110トンと足踏みした。

 関東は、主需要先のトラックが低調で、同7・5%減の2万7370トン。家電需要と輸出向けが多い大阪は同6・5%減の2万7290トンと下降した。

 鋼種別では、普通鋼が同2・9%減の2万4180トン、特殊鋼は同6・2%減の6万2580トンと特殊鋼の落ちが顕著。品種別では、磨棒鋼が同7・1%減の6万180トン、冷圧鋼が同0・1%減の2万6580トンとなった。

東 京地区の縞板市況は弱含み。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)5万4000―5万5000円中心。

 販売量が減少傾向にあることに加え、熱延鋼板の供給過剰感が影響して弱気。熱延は薄板3品の中では比較的在庫調整が進んでいるものの、需要が一段と減少して底値が固まっていない。縞板専門の販売業者では「数量のまとまった物件の引き合いも多少あるが、小口注文は落ち込んでいる」。

 小口中心の商売のため、量をまとめて価格を大幅に下げるという動きは小さいが、需要家からは「やはり見積もりで安いところから買われる」(扱い筋)という。受注回復への期待は小さい。

東 京地区の角形鋼管(黒皮=2・3ミリ×100ミリ×100ミリ)市況はトン当たり5万円を中心に弱含み。価格はここにきて、トン1000円の下落となった。

 建設需要の低迷を受け、市場の商いは活気薄。荷動きに急激な減少感は出ていないものの、4月以降扱い量が少ない状態が続き、価格はジリジリと下値に押し込まれる状態となっている。このため中心値は5月上旬と比べ、トン当たり1000円ほど下押しされた。7月にかけても、価格上昇につながるような材料は、見当たらないのが実情。価格維持をメーンとした商いが続きそう。

 市中在庫は需要見合い。ダブツキ感はない。

 目先、弱含み推移の見込み。

大 阪地区のH形鋼市況はベース3万1000―3万2000円どころで底上げムード。

 5月のときわ会在庫が前月比10・3%減の5万4700トンと2カ月連続で2ケタの大幅減を記録。引き続きメーカー各社が減産姿勢を堅持し、流通も在庫意欲が乏しいため、今月末在庫も減少が確実視されている。

 この中で、扱い特約店筋は逆ザヤ解消を狙って、売り腰を強化。足元の実需こそ伴わないが、各社は3万3000円下限、3万4000円唱えを基準に、値戻しの足並みがそろってきている。このため、安値も1000円方切り上がり、中心値も徐々に高値寄りの推移となっている。