2001.06.20
N KKの京浜製鉄所(内田繁孝所長)は2001年度、扇島の銑鋼、厚板ラインスリム化や分社化効果、独自商品拡販などの事業強化策を打ち出し、今年度130億円の合理化を目指す。昨年340億円の合理化を成し遂げ10年ぶりに黒字化した同製鉄所だが、粗鋼トン当たり4000円の合理化など、さらなる競争力強化を図る。廃プラ高炉原料化などで注目される環境リサイクル事業も順調で、売上高80億円、利益10億円を見込む。2002年を最終年度とする中期計画期間内に全所で3ケタ黒字とROA5・5%達成を目指す。

 同製鉄所は、99年下期に黒字転換し、20000年度10年ぶりに黒字化を果たした。98年から2年間で粗鋼1トン当たり1万円の合理化と人員面では46%減の1800人体制を構築した。現在の稼働状況は年間340万トンペースとフル稼働状態で、高炉の出銑比は2・1程度。すでに2000年以降、300万トンの定量操業で利益が出る体制となっており、極めて順調だ。

 戦略商品としては、アンバー材や6・5%けい素鋼板、熱延ハイテン材、ガルバリウム鋼板、つばさ杭などNKK独自の付加価値の高い商品メニューを積極的に拡販。さらにゼロスラグプロセスや蓄熱バーナーなど所内で環境調和型技術を積極活用していく。環境リサイクル関連事業では、都市型製鉄所としてのインフラ活用による環境・エネルギービジネスの積極展開する。

新 日本製鉄は19日、同社とスカイアルミニウムが日産自動車と共同で開発を進めてきた新6000系アルミニウム合金板が、18日発表の新型スカイラインのエンジンフード内外板に採用されたと発表した。

 今回採用された新6000系(アルミ―マグネシウム―シリコン系)アルミ合金板「MX67」は2、3年前から開発に着手した。従来の6000系アルミ合金板に対して、銅を適量添加するとともにマンガン、珪素の量をコントロール。製造プロセスの最適化を図ることで、ベークハード(塗装焼き付け時の加熱による強化)性を従来の6000系アルミ合金板と同等にしながら、プレス成形性を改良した。

 エンジンフードに鉄を使用した場合の重量は約20キログラムだが、MX67の使用により約10キロと重量が半減。従来のアルミ合金板に比べても板厚、重量で約10%減の軽量化を実現している。トランク、フェンダーなどへの適用も可能で、今後も自動車メーカーの要望に合わせて、車体軽量化に貢献する素材を提供していく方針。

神 戸製鋼所は、アメリカで活発化するガスタービンプロジェクトに対応して、世界で初めて実用化したスクリュー式コンプレッサ「EHシリーズ」で米国市場に本格参入する。これまでガスタービンプロジェクト向けのコンプレッサでは、ターボやレシプロ方式が主流でスクリュー式は使われていなかった。同社では、高い省エネ効果などスクリューコンプレッサの優位性を武器に市場参入し、初年度は年間受注高20億円、米国シェア40%の確保を目指す。

 今回、同社が米国をターゲットにしたのは、カリフォルニアなどで、2005年までに約200台のガスタービンが設置されるとの見通しがあるため。ガス需要増大に伴う圧送圧力低下により、昇圧のために必然的にコンプレッサ需要も増加。米国にはスクリュー式の高圧圧縮機メーカーが存在しないことから、日本国内で90%のシェアを持つスクリュー式コンプレッサで米国市場へ本格参入する。

 販売拠点として、テキサスのヒューストンに常駐社員2人を配置。国際規格のAPIやASEMEなどの規格をクリアして、パッケージの現地化を積極的に推進する。製作拠点については、業務提携している2パッケージャーとタイアップ。コンプレッサ本体は日本から供給する。

N KKは、6・5%けい素鋼板「NKスーパーEコア」の月間生産量が前年度比1・5倍の150トンと着実に伸びているのを受け、新規用途の開発に乗り出す。環境や省エネルギーをコンセプトに開発されたNKKオリジナル技術(化学気相蒸着法)をベースに高効率化や低騒音化などで強みを発揮。今後、こうした機能性を武器に、マイクロガスタービンや電気自動車材向けなど、新規ユーザーの開拓を本格化していく方針。

 「NKスーパーEコア」は、けい素(Si)が6・5%添加された無方向性電磁鋼板。高周波リアクトル、トランス、モータをはじめとする電気部品の鉄芯材料として活用され、現在、京浜製鉄所で月間150トン程度生産されている。

 低騒音化、小型化、高効率化などの優れた機能を発揮するのが特徴で、発売開始以降、さまざまな分野で着実に浸透してきた。従来のけい素鋼板には最高3・5%のSiが添加されている。このSiを増やすと磁気特性が向上するが、Si含有量が3・5%以上では鋼が硬く脆くなる。このため薄鋼板を製造するのは、これまで不可能とされてきた。

 同社では、この点に着目して、93年に世界で初めて加工性に優れた6・5%けい素鋼板の工業化に成功。ここにきて急速に普及する勢いを見せ、2000年度は月産100トン、2001年度は1・5倍の月産150トンと着実に生産量を増やしている。
ス テンレススクラップディ―ラーのゴトウ(東京都墨田区、後藤守宏社長)は、市川営業所(千葉県市川市)の隣接地を取得した。ステンレススクラップや発生品の扱い量増加などに対応してヤードを拡張し、効率的な操業を目指す。敷地内を整備し、今年秋ごろの本格稼働の予定。

 新ヤード用地は市川営業所(市川市田尻)に隣接しており、家具メーカーの物流センターだった約4000平方メートルの敷地。敷地内に現存する倉庫は床面を一部改築し、事務所棟はそのまま使用。ステンレススクラップ、特殊金属、ステンレス発生品の在庫、選別処理拠点として活用する。

 同社は4月から本格的に住友金属工業・鹿島製鉄所の工場発生スクラップ引き取りを開始し、扱い量が増加している。加えて、ステンレスブレンドスクラップを加工するジェイエスプロセッシング(JSP)の小山ヤード(栃木県小山市)が7月から本格稼働するのに伴い、合金や特殊金属スクラップの選別処理を充実させるため、扱い量や品種の拡大に対応する形で新ヤードを取得した。

 さらに、これまでは一部東北営業所で行っていた輸出向けステンレス発生品の梱包作業を、市川営業所で一括して行うことも可能となり、輸送の効率化につながる。
中 国は、自動車・家電などの国内薄板需要産業の成長に対応して、冷延薄板の設備拡張が活発化している。1999年から2000年にかけ250万トン(年間能力)が新たに加わり、840万トン体制を確立。さらに第10次5カ年計画で、2005年末までに220万トンを増強し、年産1060万トン体制に持っていく。

 中国は、経済の開放政策の強化とともに、先進国型の耐久消費財の生産が拡大。自動車は00年で218万台と200万台に初めて乗った。さらに家庭電化製品は、洗濯機が1443万台で、前年比7・5%増加。冷蔵庫が1278万台で、同5・6%増。エアコンが1827万台で、同36・5%増といずれも拡大している。これに伴い、鋼材の消費パターンも、冷延薄板やメッキ鋼板などの薄板系へシフトしている。こうした需要動向の先進国型への移行を受けて、生産体制も薄板強化へ向かっている。

 99年から00年にかけての増強投資では、宝山鋼鉄が140万トンの増加で420万トン体制に拡大。鞍山鋼鉄が80万トンの増強で、150万トン。本渓鋼鉄が30万トン増強し、100万トン体制。これらに武漢鋼鉄の120万トン、攀枝花鋼鉄の50万トンを合わせ全国で840万トン体制となった。

経 済産業省はこのほど、国土交通省との連絡会議を開き、鉄鋼需要につながる建設分野の動向について意見交換した。それによると公共事業の先行指標となる5月の公共工事前払金保証関係請負額は前年同月が高水準だった反動もあって前年同月比23・5%減となるなど、公共事業はより減少傾向を強めている。4月の公共工事受注額も減少、建築着工も4月は公共、民間ともマイナスを記録した。7月以降、今年度予備費の検討の可能性も示唆する一方で、小泉純一郎首相の来年度予算編成での国債新規発行額を30兆円以下とする方針表明の影響も懸念される状況にある。

 5月の公共工事前払金保証関係請負額は、同23・5%減で、前月プラスだった公団・事業団が同44・6%減となったほか、国同7%減、都道府県同18・1%減などすべての発注者が減少した。

 4月の公共工事受注額は同7・2%減。国の機関は国が同13・9%増と増えたものの、政府関連企業が同25・1%減などによって同1・6%減となった。地方の機関も都道府県の同12・2%増に対し、市区町村の同28・8%減などが響き、同10・4%減と減少した。4月の民間工事受注額は同6・5%増で、サービス業588億円、製造業519億円、運輸業404億円となった。

ダ イワスチール(大森尚社長)はこのほど、水島事業所で生産していた平鋼用素材丸(SS材)の商権を共英製鋼(高島秀一郎社長)に譲渡した。広島および大阪地区の伸鉄メーカー数社への供給分で、数量は月間約500トン、サイズは46ミリ丸主体。共英では山口事業所で5月から生産に入っている。

 ダイワが生産品目の見直しによる効率化に取り組む中で、共英に商権譲渡を申し出たもので、共英側としても多品種生産対応の山口事業所で協力できる体制にあり、小棒以外の品種強化、その分の小棒生産減による市況安定化などにもつながると判断し、受け入れることにした。両社トップの交流の中から川鉄系、住金系という互いの高炉系列を超え実現した。 

東 京地区の中板市況は需要減から弱気が加速し、1000円ほど値下がり。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は3万4000円中心、安値3万3000円へと移行。

 底値感が出ていた中板だが、4月から5月にかけての需要停滞が市況の底割れを招いたようだ。高炉メーカーの受注調整が表明されたが、コイル在庫が高水準のままであるため、弱気の販売につながっている。

 定尺品の在庫は、需要に対応して販売業者が絞っているものの、コイルセンターの稼働率低下から一部の安値に全体が引っ張られる形となって、値下げに至ったようだ。今後は再度底値を探る展開となりそう。

東 京地区のH形鋼市況は200×100で3万4500―3万5000円中心の横ばい。在庫が減っている商社は、相次いで3万5000円を下限とする方針を打ち出している。3万3000円の安値は消えつつある。

 サイズで差があるが中幅、細幅を中心に歯抜けも出始めた。一部の電炉メーカーによるスポットの安値販売があるものの、高炉メーカーは7―9月も店売り向けの引き受けカットを続ける。

 流通も申し込みを抑えている。ただ需要の減少には追いつかず、底入れには至らない。例年、建築需要が増える7―9月も、今年は4―6月の横ばいとなる可能性もある。反転は7月になる見込み。

大 阪地区の等辺山形鋼市況はベース3万2000―3万3000円どころで高値寄り推移。建築需要の低迷、産機・建機の減速から、市中の荷動きは依然、低調。流通出荷もバブル以降では最低水準に伸び悩んでいるが、H形鋼の底入れを機に扱い流通筋が売り腰を強化。

 このため、市況は1000円方安値が切り上がり、引き続き高値寄りの展開となっている。また、需給はメーカー各社の減産姿勢から比較的タイトな状況が継続。

 流通の5月末の入出庫状況も入庫が前月比14・8%減、出庫が同比4・7減となり、在庫は同比5・3%減(大阪鉄鋼流通協会調べ)と2カ月ぶりに減少した。