2001.06.21
N KKは粗鋼減産の検討に入った。なかでも薄板類が絞り込みの対象となる。当初は単体1300万トン程度、連結2000万トン程度の粗鋼生産を計画していたが、「足元の状況からみて、下方修正の可能性が高い」(日野光興専務)という。すでに受注調整に乗り出している熱延鋼板に加えて、建材向けを中心とした表面処理鋼板にまで踏み込む。国内、海外とも需給環境が悪化していることから、薄板類の需給調整と価格立て直しが長期化するという危機感を募らせての減産となる。

 鋼板類のうち、厚板は店売りを抑制するものの、ラインパイプの受注でミル能力がフルのため、粗鋼減産は薄板が中心。溶接管を含む建材向け薄板が主体で、リロールや店売りを絞ることになりそうだ。品種としては、これまでの熱延鋼板に加えて、薄板の主力である表面処理鋼板にまで需給調整の範囲を広げる。

 国内の状況は、日を追って悪くなっている。とくに足元の状況が良くない。自動車生産台数の1000万台割れ、新築住宅着工戸数の120万戸割れなど、マクロの指標も芳しくない。海外でも米国のセーフガード発動の動きに端を発して、その余波がアジアに影響し、日本の需給にもリンクしそうな気配。

 01年度の粗鋼生産は9800万トンと、前期比で約900万トン減少すると想定した。このうち、3分の1が内需の減少、3分の1が在庫調整分、3分の1が輸出の減少という内訳だった。

東 京製鉄(池谷正成社長)は20日、7月契約でホットコイルなど薄板品種の値下げを発表した。ホットでトン当たり1000円、酸洗コイル2000円、溶融亜鉛めっきコイル3000円、縞鋼板1000円、ユニバーサルプレート4000円、それぞれ販売価格を引き下げた。薄板品種の値下げは2月契約での大幅値下げ(ホット1万円など)以来5カ月ぶり。2月から6月契約まで据え置いたが、この間、市況下落が続いたため、「実態に則した」(安田英憲常務)格好。減産で需給調整を進め、7月価格を底値とし、反転を期待している。

 東鉄は、2月契約でホット1万円、酸洗9000円、縞鋼板5000円引き下げ、軟化する市況に歯止めをかける「出直し価格」とした。しかし、市中では値下げ要因として作用し、市況はさらに下降。2月から足元、店売りホットはトン3000円方引き下がり、弱含みで推移している。

 市況の下落に合わせ、東鉄は、ホット2万5000円(1・7―12・0ミリ)、酸洗2万8000円(1・7―6・0ミリ)、溶融亜鉛めっき3万7000円(0・9―1・6ミリ)、縞鋼板3万2000円に値下げし、これを「底値」(安田常務)とする考え。高炉各社の受注調整から需給は改善する方向とみて、減産で歩調を合わせ市況回復を見込む。

新 日本製鉄は、協同組合ぐんま環境技術コンソーシアム(代表理事=平野徳彦)が推進するカーボンファイバー(炭素繊維)を用いた水域浄化事業に関して特許実施許諾契約を締結し、水域浄化事業に本格参入する。ひも状接触材やボール状担体による河川湖沼浄化事業に加え、新たにカーボンファイバーによる水域浄化事業という国内初のコンセプトで事業展開。初年に当たる2001年度は、溜池やダム、湖などの閉鎖水域をメインターゲットに売上高3億円、2004年度までに売上高10億円を目指す。

 カーボンファイバー(炭素繊維)による水域浄化技術は、炭素繊維の集合体を微生物の棲み家にして、微生物の働きで水質浄化を促進するもの。従来のポリプロピレン製の担体に比べ、生物親和性が高く重量が100―1000倍程度の活性汚泥を付着させることができる。

 プロセス的には、閉鎖水域に1立方メートル当たり10グラムのカーボンファイバーを設置。循環ポンプやブロワーなどによりゆるやかな流れを作り、微生物による浄化活動を活発化させる。

 イニシャルコストは、カーボンファイバーは直径7ミクロンでストランド7000本と高密度充填できるため、従来のひも状担体と比べ処理能力が同等ならコスト的に20%程度安い。標準価格は、日量1000トン換算で、約5000万円から1億円程度。

住 友金属工業は、28日付でテクノロジーソリューション推進組織として「カスタマーアプリケーションセンタ(通称=CAT)」を新設することを決定した。各製鉄所や研究所、エンジニアリング部門など「利用技術」の側面から、住金グループ6社の総合力でユーザーをサポートするのが狙い。鉄鋼材料が主たる製品分野となるが、アルミニウムなども含めた取り組みとなる点が特徴。当面は、自動車や家電、住宅・建築分野をターゲットにスタートする。

 CATは、中期計画「変革と再生」実行プランの第一弾で、「顧客評価NO1を実現」するために設立された。同社が周期的に行っている「委員会組織での取り組みを社外にもオープンな形で知ってもらう」という武田俊彦副社長の発案で発足することになった。

 2001年3月に設立を決定し、7月から組織運営が正式にスタートする。専任社員は3人で、住金グループの総員は200人を予定。事務所は兵庫県尼崎市の総合技術研究所内に併設する。

 本社はもとより研究所や製造所、グループ会社6社が保有する環境リサイクルを含めた利用技術をネットワーク化し、グループの総合力をもって最適なソリューションを提案する。
鋼 材の需要家で構成する、消費産業貿易行動連合(CITAC)は19日、ブッシュ大統領に対して、政府の採る国内鉄鋼業支援措置が一部業界の利益のためではなく、米国の国益に適うものとなるよう要請するアジェンダを提出した。鉄鋼支援策の策定に当たって需要家代表を協議に参加させるよう求めるなど5項目からなる。

 また、輸入制限措置には国内で入手できない鋼材が除外されるべきこと、救済措置を採る際は、現行のアンチダンピングなどの措置を撤回すべきこと、仮決定の段階で暫定救済措置をとるべきでないことを指摘。このほか政府が「鉄鋼再興法」に反対する立場を明確にするよう求めた。

 CITACは輸入制限によるコスト押し上げを懸念していると表明。201条調査に反対の立場を改めて示したうえで、鉄鋼支援策を実施する場合は、米国全体にとって建設的な措置となるよう求めた。
大 手重仮設業者、日本鉄鋼建材リース(本社=東京都新宿区、菅野幹二社長)は中期2カ年計画において、スタートである今年度は6月末で従業員を20%強削減するとともに、7月1日付で北関東と神奈川の両支店を本社に集約するなど、大幅合理化を実施する。その一方で、受注好調な「ミニガード(移動式仮設ガードレール)」を中心とする特殊製品の取り扱い拡大や、地方展開を強化するなど、攻守バランスの取れた経営を実践していく。

 同社は、重仮設業界を取り巻く経営環境は引き続き厳しく、低迷中のリース料金も今後、大きな回復は見込めないと予測。このため、いかなる経営環境下においても利益を確保できる企業体質を構築するため、中期2カ年計画(01―02年度)を策定した。同計画ではスリム化を含めた組織の見直しや、事業や地域ごとに傾斜配分する営業力強化をはじめとして、軽仮設や特殊商品など商品メニューの拡充、および同業他社との提携も視野に入れる内容となっている。

 この中で、今年度は大幅な合理化に着手。具体的には、早期優遇退職制度によって、3月末時点で185人であった従業員数を、6月末には150人程度に20%強削減する。

 また、本社および地方組織の見直しも手がける。7月1日付では北関東支店(さいたま市)と神奈川支店(横浜市)を本社に集約。新たに「北関東神奈川営業部」とし、固定費削減や営業効率化を図る。同時に、本社組織に関しては従来、首都圏を統括する営業第1本部、地方支店を担当する営業第2本部とに分かれていたが、これを廃止して、新設する営業本部に一本化していく。
川 建フェンス東京支店(東京都江東区、八並知記支店長)は、同社がこのほど開発した新製品「KS(eco)」の拡販に力を注ぐ方針で、官公庁などへの本格的なPRを開始した。

 「KS(eco)」は、環境および人に優しいネットフェンス。ひし形金網は従来の塩化ビニル被覆に変わり、環境に優しい「エコ・カラー(非塩化ビニル被覆)」を採用。支柱と胴縁は大気に有害ガスを排出しないクリーンな粉体塗装を施している。また、資源の有効活用という点では、素線の強度・耐用年数を一層向上させた。

 一方、金網はひし形で傾斜地の施工も容易に行えるほか、軽く持ち運びが優しい鋼管基礎を採用。スピーディーな施工を実現し、現場作業者が扱いやすい仕様となっている。

 東京支店では「KS(eco)」の販売開始後、官公庁や設計事務所を中心にPR活動を強化しており、市場浸透を進めて、早期実績作りに尽力する計画だ。

昨 年後半から増え始めた普通線材の輸入量は、今年に入り増加傾向を強め、1―4月実績で前年同月比114・3%増の2万3957トンと拡大した。00年度の5万3037トンを上回る年間7万トン超のペース。韓国から毎月コンスタントに入着し、昨年から輸入され始めたロシア材も3、4月と5000トン弱ずつ東播磨港に持ち込まれた。90年代前半にピーク60万トンと市場を席巻した輸入線材のポジションが再び上昇し始めた。

 輸入線材は、バブル期の円高基調を背景に輸入量を増やし、ピークの91年度に57万9000トンが入着したが、景気の後退とともに減少し、97年度15万1000トン、98年度2万2600トン、99年度2万1400トンと激減した。

 ところが、昨年2月に過去にあまり例のないロシア材が姿を現し、3ヵ月に1度約5000トン(6・0ミリ径以上)が入着し始めた。関西系の一部メーカーが、溶接金網向けに使用しているといわれるが、通関価格でトン2万円台前半と国内材と1万円以上の価格差がある安値が魅力となり、5、8、10、12月と定期的に購入され、今年に入り3、4月と入着が続いた。

 為替は、00年4月の106円前後から12月110円前後、01年4月124円前後と円安に動いたが、ロシア材は12月で同2万1300円、4月2万4600円と依然国内材と価格差は大きく、入着量に影響はなかったようだ。ロシア材の出現と合わせ、韓国材も1―4月対比で増加しており、昨年実績を上回るのは確実のようだ。

 製品別では00年度実績で鉄線、くぎ、金網が前年を上回った。鉄線は65・4%増の1650トン、くぎは24・1%増の2万2570トン、金網は3・2%増の3750トン。

 今年1―4月実績では、鉄線が162・1%増の1140トン、くぎは6・0%増の7580トンと増加傾向。鉄線は韓国からが9割程度占めている。くぎは中国が半量、続いて韓国、台湾の順。ほかは針金が19・8%減の1万440トン、金網が3・2%減の1000トン、溶接金網は24・9%減の520トンなど減少している。

東 京地区の冷延薄板市況はコイル在庫の過剰で弱気。市中価格(1・0―1・6ミリ、ベースサイズ)は4万7000―4万8000円だが、下値は相当突っ込んだ水準にあるようだ。

 メーカー、流通を巻き込んだ需要家向けの販売価格下落に歯止めがかからない中で、市況も安値に流されやすい。最大の要因であるコイルの需給は、メーカーの在庫水準がピークにあることから7月以降も緩和した状態が続きそう。

 薄板は不需要期とされるが、予想以上の需要減。6月は5月に比べると多少回復したようだが、それでも販売業者では「販売量が前年比2、3割は減っている」と危機感が募る。目先も弱含み。

東 京地区の等辺山形鋼市況は6×50で3万4000―3万5000円、溝形鋼は5×50×100で3万8000―3万9000円中心の横ばい。減産と流通の申し込み削減は確実に実行されているが、需要減に追いついていない。直送分は出ているが、倉出し分の荷動きが悪いためだ。H形鋼の反発待ち。

 鉄連の発表による5月の中小形の生産量は、前月比7・7%減、前年同月比15・3%減で、減産は確実に行われている。メーカーからの売り圧力は全くないため、特約店は「値下げ要求もできない。あとは流通の責任」とする。現在山形のほうが売り上げがよく、総販売量で5%程度前月を上回るが、特約店によってばらつきが激しい。

大 阪地区の合成床板市況はベース8万6000―8万7000円どころで変わらず。

 建築需要は一部大型物件が動き出しているが、絶対的な件数が少なく、総じて低調。足元の流通出荷も低位安定。大阪流通流通協会の調べによると、5月末の入出庫状況(デッキ・キーストン・合成床版)は入庫が前月比2・1%増の1136トン、出荷が同比3・3%減の1139トンで、在庫は同比横ばいの795トン。このため、扱い特約店筋の売り腰も引き締まらない。

 また、メーカーの切りそろえ納期は1週間程度とほぼ即納状態で、メーカー直送価格も7万―7万2000円どころで変わらず。