2001.06.23
川 崎製鉄は特殊鋼を手掛ける棒線事業で、収益力強化を加速する。特殊鋼市場の在庫調整期入りから、主力製造拠点の水島製鉄所での特殊鋼生産の操業度が低下しているのを踏まえ、軸受鋼、合金鋼、非調質鋼や独自開発鋼など高付加価値品の比重アップ、短期的な東南アジア向けの展開などプロダクトミックスの改善を実践、これらによって操業度の維持と利益体質強化を図る。高付加価値品については現行の中期経営計画(99―01年度)で構成比(重量ベース)を35%から40%にまで高めており、これを今年度で42%程度に引き上げる。高清浄度長寿命鋼、四角線材のほか年度内に非調質鋼のTPCP鋼や黒鉛鋼の商業ベース化を目指す。

 中期計画での利益目標などの達成を念頭に、01年度については、上半期は実需見合いの慎重な生産対応を進め、秋口までに市場環境を整備、下半期で回復軌道に乗せる。この間、高付加価値品の比率アップなどプロダクトミックスの改善を推進、従来以上に独自鋼種開発などVA提案を通じた技術開発に注力する考えだ。さらに中長期的な事業体制強化の観点から、主力需要分野の自動車産業でのグローバル化もにらみ、欧州など海外メーカーとの協力関係の確立も視野に入れる。

 高付加価値品の比重アップでは、軸受鋼、合金鋼、非調質鋼をはじめ、独自開発鋼を伸ばしていく。現状の構成比で40―50%(重量ベース)を占める自動車部品など自動車関連の比率も、軽量化や工程省略、長寿命化をポイントに需要家と一体で開発を進め、順次高める。蓄積された開発鋼種の市場投入、VA提案の効率アップなど技術開発を活性化し、高収益体制構築につなげる。

神 戸製鋼所は7―9月の粗鋼減産を検討している。薄板の在庫調整が必要との判断による。同社の4―6月の粗鋼生産は約170万トンの見込み。

 同社の00年度粗鋼生産は653万トン(上期318万トン、下期335万トン)で前年度比12・4%増。今年については630万トン(310万トン、320万トン)を計画している。

 4―6月については、造船用厚板を中心としたヒモ付き需要家向けの対応を進めてきた結果、前年同期の約160万トン、前年下期の167万5000トンペースを上回り、約170万トンに達する見込み。

 7―9月についても厚板がほぼ横ばいを維持する見通し。特殊鋼線棒も在庫調整により4―6月が落ちたため、さらに大幅減となることはなさそう。ただ薄板在庫が高水準で、6月の店売り向けホット受注をスキップする状況にあることから、「幅はともかく生産を落としていかざるを得ない」(賀屋知行・鉄鋼部門営業本部営業総括部長)との認識をベースに、減産を検討している。

全 国で405社のステンレス流通問屋を会員にかかえる全国ステンレス流通協会連合会(=全ス連、青山昭雄会長)が、連合会挙げてチタンの拡販に取り組み、チタン需要の新規開拓・普及を促進していくことになった。日本チタン協会とも相互に協力し合っていくことでさきごろ合意しており、今後、全ス連では取り組みへ向けての具体的な活動を開始する。22日、青山昭雄・全ス連会長が大阪市内で記者会見して明らかにした。

 全ス連ではかねてより、「チタンはステンレス流通が扱うべき商品」(青山会長)という考えから、需要構造および流通ルートの把握を行うとともに、日本チタン協会とも話し合いを行ってきた。また、この間、チタンの研修会・講習会も開くなどし、会員に対する知識の普及などにも取り組んできている。

 日本チタン協会には、正会員としてメーカーおよび商社23社のほか、賛助会員としてユーザー・流通業者134社が加入。賛助会員の中にステンレス流通問屋が12社加入しているが、「ステンレスメーカーがチタンを生産しており、ステンレスとチタンは競合するものではなく、適材適所に使われ、ともに発展していくもの。従って、ステンレス流通がチタンを販売するのは自然必然性の行動で、需要開拓に共存共栄の実をあげたい」(青山会長)としている。

 全ス連と日本チタン協会では、全ス連がチタン拡販のために積極的活動を開始することでさきごろ合意。また、全ス連ではこのほど開催した全国6地区のステンレス流通協会理事長で構成する正副会長会議で、青山会長がこの方針を提案、全面的な賛同を得た。

鉄 鋼業界向け電子商取引市場を運営するスマートオンライン(本社=東京都港区、西村博夫社長)は、新たな与信機能強化策として、商取引システム中で与信を売手が仲介者に依頼することで仲介者が簡単に与信を提供できる「売買手機能」を開発、25日からサービスを開始する。

 同社の商取引システムは、売手、買手間の直接取引が対象となっているが、今回開発の新機能を追加することにより、売手は仲介者(売買手)を介した取引で買手の与信を引き受けてもらうことができる。また、仲介者は商取引における実務上の煩雑な作業を直接手がける必要がなく、情報の管理を行うことで与信管理をすることが可能となる。さらに、買手は購入する商品についての「納期」や「品質」といった買手としての与信(買与信)についても仲介者を通すことによって、その不安を拭うことができる。

 システムの流れは、(1)売手が商品の販売を仲介者に委託、仲介者は自社が与信を付保できる先に対し、商品カタログを送付・掲載する(2)買手は仲介者から送付された商品カタログに対し注文すると、仲介者を経て自動的に売手に注文情報が送信される(3)売手は、注文に対し受注許可を与えると仲介者を経て自動的に買手へ結果が連絡される。

N KKの子会社で米国第4位の高炉一貫薄板ミル、ナショナル・スチール(本社=インディアナ州)の業績が回復に転じる見通しだ。「コスト削減効果に加え、生産量が戻りつつある」(NKK)ためで、ナショナルとしては下期の黒字転換を目指すことになる。

 ナショナル社の00年の業績は、粗鋼生産614万トン、(前年比1・8%減)、売上高29億7890万ドル(前年比0・9%増)で、営業損失幅が前年の340万ドルから1億1440万ドルへ拡大、純損失も同2860万ドルから1億2980万ドルへ後退した。

 米国鉄鋼市場は景気停滞により需給が緩み、とくに薄板市況は低水準にある。加えて大手高炉のLTVなどチャプター11(会社更生手続き)を申請する企業が続出、また金融機関の貸し渋りの動きもあって、運転資金をつなぐためのミルの安値受注が散見され、市況回復が難しい状況にある。

 こうした中、米鉄鋼各社の01年第1・四半期の業績は出荷減、販売価格低迷を受けて悪化。高収益を誇っていたAKスチールも純損失計上を余儀なくされた。ナショナル社の同期業績は売上高5億8940万ドル(前年同期比29・4%減)、営業損失8350万ドル(前年同期は1910万ドルの利益)、純損失1億870万ドル(同1060万ドルの利益)。鋼材出荷は141万4000トン、同20・6%減だった。

 米鉄鋼需要自体の回復材料は乏しいが、相次いだ米ミルの反ダンピング提訴およびブッシュ大統領による201条調査開始要請の動きなどを受けて、輸入自体は減少傾向を保つとみられる。

元 旦ビューティ工業(舩木元旦社長)は、廃ガラスリサイクルなどの環境事業GTESの拡販を柱とする01年度起点の中期3カ年計画をまとめ、最終年度の03年度に売上高150億円(00年度112億8000万円)、経常利益6億2200万円(同3億600万円の損失)と収益拡大を目指す。屋根事業は厳しい環境が続き横ばいキープ。一方でフランチャイズ(FC)展開などGTESの成長を見込み、03年度に事業売上高20億円(同4億円強)を計画している。

 00年度は3・4%の減収、3期ぶりの経常赤字と苦戦した。屋根事業は単価が下落、さらに官公庁物件が民間物件に対しそれまでの6割から4割と逆転。リサイクル製品のFCが2件立ち遅れ、売上高で計画比6億円のマイナスとなった。

 新中計では、屋根事業の需要減を予想、GTES中心の事業拡大策を明確に打ち出した。FCは昨年の北陸元旦に続き、今年度3件を予定。マイナスイオン塗料の拡販を含め、GTES事業で01年度売上高14億8000万円、営業利益3750万円、最終年度に利益で1億円台に乗せる。

近 江産業の関係会社の大正伸鉄(本社=大阪市中央区、小八木規之社長)は、九州工場(北九州市若松区)の再整備を行っているが、同工場の形鋼用ショットブラスト1基をリプレースする方向で検討している。設備が老朽化しており、新設備の導入により、生産性の向上を図るのが狙い。また、工場の増築、設備レイアウトの改善などの一連の作業は今年8月末で完了させる予定。

 同社は九州工場に鋼板用ショットブラスト1基、形鋼用ショットブラスト1基を持ち、造船と鋼構造物向けにショット加工している。ショットの加工能力は、1直で月間4000トン(鋼板用が月間3500トン、形鋼用が同500トン)。加工量はトータルで同2000トン弱、内訳が鋼板が同1500―1600トン、形鋼が同400―500トン。

 現在、同社は九州工場の再整備を進めている。かねてから、第4地方建設局が新若戸道路の整備を進めており、この計画で道路が大正伸鉄の敷地の一部にかかり、土地の一部が収用されたため。

 収用された土地は3987平方メートルで、工場全体の敷地の3分の1。同部分には事務所とジブクレーン、屋外の門型クレーンがあったが、今年初めに、設備の撤去、事務所を解体した。その後、建屋の増築工事、岸壁の整備を行っている。

 そうした中で、形鋼用のショットブラスト設備の老朽化が目立っていたことから、設備をリプレースする方向で検討を開始した。同社では設備の導入後、ショット加工の生産性を向上させる方針。

韓 国の東国製鋼は21日、川崎製鉄から35億円の追加出資を受け入れる契約に調印したことを明らかにした。東国が発行する償還可能優先株740万株を川鉄が引き受ける。

 両社は99年以来戦略提携を結んでおり、川鉄は160億ウォン出資して東国株4%を保有している。今回の追加出資で川鉄の持ち分は13%になる。

東 京地区の異形棒鋼はゼネコンからの発注に迫力を欠き、気重いムードが続き、ベース2万7500円どころを弱横ばいで推移。

 ベースメーカーが6月受注量を大幅にカットし、細物メーカーも減産と輸出強化を進めており、需給はマッチしているが、新規発注が乏しく、タイト感は生じていない。

 ベースに続き、細物も枠売りを検討しメーカーは強気の構え。これにこたえ商社も唱えを引き上げているが、一方で先行きの不安感から売り先行の動きもあり、ゼネコンサイドの先安を見込んだ小口当用買いと相まって地合いは緩んでいる。

 明細の出方次第では基調が上向く可能性は高いが、一進一退の攻防となりそう。

東 京地区の厚板は弱基調。市中価格(12ミリ、ベースサイズ)3万9000―4万円が中心。

 定尺品は小口注文がさらに細かくなり、荷動きも悪い。その分、価格は現状維持。切板については値下げ圧力が強く、一部下落している。切板は仕事内容により価格帯が広く、6万―6万1000円が1つの目安。

 母材は需要の落ち込みから在庫水準が高いまま。3月までに比べると価格は落ち着いてきた。7月以降、物件の受注で稼働が上がる溶断業者もあるが、業者間で仕事量にばらつきが出ている。造船受注とUO鋼管による需要が見込まれるものの、在庫調整が課題として残る。目先、弱含みの展開。

大 阪地区の厚板は荷動きがよくないうえ、在庫も切板母材を中心に多いことから、扱い特約店は弱気の販売が続いている。市況は3万9000円(12ミリ厚の3×6幅)どころで弱含み。

 国内メーカーは大径管向けの明細が入り、ロールが埋まりつつある。地区の特約店も4月以降、申し込みを抑制しており、ここにきて、流通の入荷は絞られつつある。しかし、需要は建築が大きく落ち込んでおり、機械も産機、建機ともに不振。これを反映し、特約店の定尺の荷動きも小口中心でさえない。

 また、在庫は特約店段階では調整が完了したが、シャー段階では依然として、過剰ぎみ。このため、流通はまだ、販売を立て直せない状況だ。