2001.07.10
普 通鋼電炉工業会(会長=佐々木喜朗・合同製鉄相談役)と日本鉄リサイクル工業会(会長=鈴木孝雄・鈴徳社長)は9日、東京・大手町の経団連会館で電炉および鉄スクラップ業界のスクラップ品質劣化の問題に関する懇談会を開催した。会議では、スクラップ価格の低迷による品質劣化の問題やリサイクルシステムの円滑な定着に向けて話し合われ、ダスト処理の問題などを協議した上、日本鉄鋼連盟を通じて行政への具体的な提案を早期に行うことなどで共通認識を得た。

 懇談会後の記者会見で、佐々木会長は「両者は売り買いの利害は反するが、スクラップという商品を通して同じ方向を向いている。ダスト処理問題や不法投棄の問題などリサイクル産業を円滑に進めるため、行政に対して早期に提案していきたい」と話した。

 鈴木会長は「需要と供給両サイドからスクラップという一つの商品の共通認識を持っていることがわかった。国内では余剰スクラップが増えており、埋め立て処分場が減ってきているなどスクラップ業者を取り巻く環境は厳しさを増している。経営環境問題を含め互いに抱えている問題について、今後も必要に応じて会合を続けていきたい」と語った。同工業会では「シュレッダーダストやギロチンダストについて、産業廃棄物ではなく、一般廃棄物の処理場で処理できるよう提案したい」という。

 懇談会では、品質劣化は関東地区ではさほど大きな問題ではなく、一部特殊な例として報告された。しかし、品質劣化の問題は今後も懸念されるため、メーカー側は検収基準を徹底させること、スクラップ業者側は品質に沿って納めることを念頭に取り組んでいくとまとめた。

中 山製鋼所(神崎昌久社長)は、厚板工場から昨年8月に本格稼働を開始した熱延工場に厚板生産の一部をシフトする。新熱延ミルの機能をフルに活用し、コスト合理化、品質向上を図るため現在、厚板工場で生産する月間約2万トンのうち約5000トンを新ミル生産に切り替えるもの。今年度下期から順次シフトし、来年1月に完了の予定。

 昨年8月に本格稼働を開始した新熱延ミルは、船町工場のフープ工場と清水工場の中板工場の老朽化に伴う集約合理化を狙いに、船町の旧形鋼工場を改造する形で建設した世界初のホットコイルと厚板の兼用ライン。稼働は順調で現状、ホットコイルを月間6万トン強、厚板を同6000―7000トン生産する。

 厚板は新ミル以外に従来の厚板工場で月間約2万トンを生産するが、市場でのメーカー間の競争激化から、コスト競争力の強化が急務となっている中で、変動費が安く、品質面でも優れる新ミルに生産を極力シフトすることにした。
特 殊鋼専門商社のタカハシスチール(本社=東京都中央区、岩松啓太社長)は今期、国内の2つの営業拠点を格上げし、販売力を強める。加工能力の向上として、センタレス加工機のリプレースも検討。また、ユーザー動向を踏まえ、中国の市場調査を進める。一連の営業展開とコスト削減により、今期は売上高で前期比6・8%増の79億円、経常利益は同横ばいの1億200万を目指す。

 国内の営業拠点は4月1日付で、東京都・八王子市の八王子営業所を同市石川町の工業団地内に移転し、東京支店に昇格させた。在庫の集約と併せ、人員は7人から10人に増員。同時に茨城県猿島郡の古河営業部を、営業所に昇格させた。

 設備投資は古河の第1工場でセンタレス加工機のリプレースを検討しており、夏までに結論を出す予定。各支店・営業所の物流合理化および在庫の圧縮を図り、コスト削減と利益体質の構築に努める。

 中国の市場調査は、有力取引先の海外展開を視野に入れてのもので、7月上旬、上海など華南地区を1週間にわたり現地調査を行った。
大 同特殊鋼は9日、環境保全活動と実績をまとめた環境報告書2001年度版(A4サイズ、26ページ)を発行したと発表した。昨年に続く2回目の発刊で、データは前回内容との継続性を確保しながら、すべてを定量的な絶対値で開示する一方、グループ会社の環境への取り組みも紹介した。ホームページ上でも、より詳細なデータを付けて月内に開示する。

 今回発行した環境報告書は、昨年より4ページ増やし、前環境報告書に対する意見や第三者機関の評価に応えることなどを狙って、その内容を充実させた。

 その特徴は(1)環境保全投資額、環境保全コストとその効果=2000年度の環境保全コストは46億3000万円で昨年度比2億6100万円増。内訳はリサイクルコスト、燃料転換によるコスト差、分析コストの増加による。対する効果としては14億4700万円で、同比4100万円増(2)マテリアルフローの記載=企業活動において環境に影響を及ぼすすべての物質(原材料、エネルギー、排出物など)に関するフローを掲載(3)全工場の排水、排ガスの測定データ公開(4)関連会社の活動実態を掲載=関連会社の環境ISO取得の支援や副産物の有効活用への取り組み(5)英文版ホームページを来月上旬に公開―が挙げられる。
鉄 骨需要が減少している。今年に入って、月別の鉄骨需要量は5カ月連続で60万トンを割り込んでいる。年サイクルでみても、96年度の1029万トンをピークに減少傾向をたどっており、00年度は784万トン。01年度は建築業界を取り巻く状況の悪化や、民間調査機関各社が、住宅着工戸数を00年度比減と予測していることなどから、需要増加は見込めない。

 大手ファブリケーター(鉄骨加工業者)で主に構成する鉄骨建設業協会は8月に、01年度下期の需要見通しを00年度比減と下方修正する。2月時点で増えると予測していたのは、大型物件の増加と、建築着工統計上の数字が前年比伸びたため、としていた。

 確かに建築着工戸数・床面積とも、00年10―12月は前年度比プラスになっている。統計上の着工数は、建築基準法に定められた調査票に記入する「着工予定月」を基にしているため、実際の竣工時期はずれる。大型物件では半年、中小物件では2−3カ月程度後になる。従って、00年度後半プラスに転じた分は、01年度の生産量増加につながると予測することもできた。

 しかし、01年に入ってから減少に転じた。S造に使われる鉄骨量を1平方メートル当たり100kg、SRC造で同50kgとして計算すると、1月は51万8000トンで前年同月比20・1%減、2月51万9000トンで同17・1%減、3月57万5000トンで同9・3%減となる。ただ、今年1―3月の減少は、比較対象である昨年度の水準が、IT関連や大店法駆け込みの需要増で、例年よりも高すぎたため、とみることもできる。

 だが4月は、99年度と比較しても大幅に減っている。需要自体が明らかに減少していると言える。S造床面積は523万平方メートルと、00年度比14・5%減、99年度比13・6%減。SRC造は331万平方メートルで、00年度比38・6%減、99年度比38・3%減。この結果、推定鉄骨量は57万3550トンで、99年度比16・5%減、00年度比では19・2%減と大幅な減少になる。
S D490など高強度鉄筋は今後、普及に加速がつきそうだ。00年のSD490およびUSD685の国内生産量は約7万トン。鉄筋棒鋼総生産の約0・7%程度だが、95年実績に比べ3・5倍と急速に伸びている。高さ150メートル以上の超高層ビルに使用が拡大しており、鉄筋棒鋼の太経化、高強度化が進んでいる。SD490は全国で18社が製造しているが、今年6月から東京製鉄が新規参入するなど参入企業は増えており、ユーザーニーズを受け、生産量も増加する見込みだ。

 国土交通省は、88年から92年(旧建設省)にかけて「鉄筋コンクリート造建築物の超軽量・超高層化技術開発」を実施し、ニューRC規格を策定した。鉄筋の降伏点強度は、685N/平方ミリメートル同以上で開発したが、使用者側は超高層鉄筋コンクリート造に使うSD490にもニューRC規格に準じた性能を要求。ユーザーサイドは、JIS規格の範囲では満足できないとしており、ニューRC規格に沿った要求性能を設定しているという。

 こうした要求に対し、メーカーサイドは、圧延制御と製鋼技術の向上で対応している。普通鋼電炉工業会の電炉鉄筋棒鋼品質調査委員会がこのほど行った調査によると、SD490は降伏強度と靭性を確保するため、炭素量の増加を抑え、シリコンとマンガンを増量、強化元素としてバナジウムの増量とニオブを添加している。
大 手製鋼原料商社のナベショー(渡邊泰博社長)は本業の製鋼原料以外の事業を拡大する。オリジナルシステムキッチンの製作販売事業で積極展開を図り、同売上高の倍増を目指す。

 同社はグループ企業の「ロア・エ・レーヌ」でオリジナルシステムキッチンのオーダー受注による設計・製作・販売を手掛ける。10年ほど前に独製のシステムキッチンの輸入販売を開始したのが最初だが、3年前にオリジナル製品を開発、自社ブランド(ロア・エ・レーヌ)による販売に切り替えた。

 ファブレスメーカーとして製作はすべて外注。従来はオーダー受注した時点で製作会社を選定する形をとってきたが、ここにきて受注が拡大、納期面で対応しづらい状況となってきたため、製作メンテナンス部門で協力会社を組織し、ファブレスメーカーとして体制を整備することにした。先週5日に協力会社20社による協力会を発足、部品別に効率よく製作できる体制を整えた。同社のシステムキッチンは高級品と低級品の間の中間レベルでオリジナリティーを追求、なかでもレンジフードとカラーコーディネートに特徴がある。最近の受注拡大はその商品価値が認知されてきたことに加え、昨年、販売対象を従来の施主からディベロッパーに切り替えたことが功を奏した。

財 務省通関統計による5月のステンレス鋼板類輸入実績は、前月比2・1%増の1万86トン(前年同月比45・4%増)になった。内訳は熱延が71・3%増の3147トン(86・4%増)、冷延が13・8%減の6939トン(32・2%増)。1月からの累計は前年同期比50・2%増の5万3635トン。

 総輸入製品のうち、熱延および冷延それぞれの主力をみると、熱延が幅600ミリ以上のコイルで112・3%増の1970トン(146・6%増)、冷延が幅600ミリ以上・板厚3ミリ未満の製品で15・6%減の5938トン(27・1%増)。

 輸入先国別では構成比トップの韓国からの輸入量が、前月比3・3%増の8722トン(51・5%増)。内訳は熱延が85・3%増の2729トン(95・1%増)、冷延が14・1%減の5993トン(37・5%増)。

 韓国からの熱延および冷延それぞれの主力は、熱延が幅600ミリ以上のコイルで139・8%増の1760トン(153・6%増)、冷延が幅600ミリ以上・板厚3ミリ未満の製品で14・4%減の5418トン(30・4%増)。

東 京地区の中板市況は需給が締まらないため、弱含み横ばい。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は、3万3000―3万4000円中心。

 熱延在庫は冷延やめっきに比べると少ないとの見方もあるが、コイルセンターでは5月の入荷が前月比10%増、出荷は同2―3%増となり、在庫もさらに増加した。一方、需要は停滞感が残るが、7月に入り回復してきたとの声も聞かれる。

 東京製鉄の値下げ発表に対して、流通では「ほとんど影響ない」と冷静。高炉各社が熱延鋼板の値上げを相次いで表明したが、流通は需要家や市中への転嫁は難しいとの見方が強い。今後も底値圏で横ばい推移か。

東 京地区の鉄スクラップ市況は底値感が強い。メーカー実勢購入価格は北関東地区で5400―6100円、湾岸地区で6000―6800円。

 6月中旬以降メーカーの値下げはなく、湾岸の一部では高値を付けて入荷促進を図るメーカーもある。

 要因として、輸出価格が国内メーカーと比べ1000―1400円前後高いこと、輸出量も週3万トンペースと好調に推移していることが挙げられる。また、価格低迷による集荷意欲の衰えで市中スクラップの回収量が減少したことも背景にある。

 今後は夏季減産や解体発生量の増加が予想され、値上げに転じる可能性は少なく底値横ばいが続く。

大 阪地区のコラム市況はベース5万2000―5万3000円どころで下げ止まり気配。

 先月以降、流通への注文が徐々に上向き出し、荷動きがやや活発化している。「200―300トンクラスの物件が出ている」(特約店筋)のに加え、8、9月の物件見積もりも出始めている。このため、流通の加工納期も一時期の2―3日から1週間程度まで伸びている。

 また、僚品のH形鋼が先月以降、値戻しムードに転換。これを受け、コラム扱い特約店の売り腰も硬化して、市況は下げ止まり気配となっている。

 ただ、需要は大店法絡みの特需があった昨年ほどの勢いがなく、市況反発の力強さには欠ける。