2001.07.11
日 本冶金工業は98年からスタートした5カ年の中期経営改善計画をさらに強固にするため、高機能材料、高付加価値化商品の拡充などを核としたグループ基盤構築を打ち出す。高機能材料の強化では製造拠点の川崎製造所で最適プロセスの確立を図るほか、販売に当たっても現状の商品開発センター、技術研究所、技術サービスとの機能を融合、営業組織の体制を刷新する。

 循環型社会構築もにらみ、川崎製造所でのスクラップ回収や大江山製造所でのロータリーキルンを活用した安価原料処理の事業化などリサイクル事業の可能性を検討。従来のステンレス専業メーカーから高合金などを含めた特殊鋼の領域で事業を展開、「ステンレス・特殊鋼メーカーへの転換を目指す」(佐治雍一社長)。

 同社では98年から2003年までの中期経営改善計画を策定、これまで黒字化や総人件費などコスト低減などを進めてきた。この中で00年度での黒字転換など、当初目標を達成できた項目も多いほか、計画作成当初と環境が変化していることなどを考慮して、改善計画の深耕を行うことにした。同社グループ外への依存は行わず、自助努力を中心とする基本線は維持しながらも、これまでの量産のニッケル系ステンレスを核としたステンレス専業メーカーから脱却、高合金といった高機能材料、高付加価値商品で優位性を発揮するステンレス・特殊鋼メーカーとしての色彩を強めていく。

合 同製鉄船橋製造所は、7月26日から8月2日までの8日間、設備改修のため、製鋼・圧延設備の操業を休止する。このため、7月の生産量は前月比で約25%減少する見込み。市況改善に向け、年明けから減産体制を維持しているが、7、8月の電力ピークカット時に生産ラインを止めることで、大幅な供給削減となる。8月の生産計画は未定だが、一層の需給調整に向け、減産体制を継続する構えだ。

 5月初めに発生したトランス故障で5月は数日間の操業にとどまった。5月後半には復旧し、6月は通常レベルの生産に戻したものの、春からの減産姿勢は維持した。7、8月は、電力料金が上昇するため、例年、製鋼・圧延ラインを数日間止め、定期改修を行っている。今年は、圧延ラインの加熱炉の炉修、製鋼ラインの集塵ダストの取り換え工事などを実施する。改修期間は、生産は休止するが、鉄スクラップの荷受け、製品出荷は行う。

 8月は7月の契約状況をみてのロール決定となるが、引き続き減産体制で臨む。在庫水準は低いが、7月末の炉修でさらに在庫は減少するため、8月初めは荷繰りにタイト感が生じる見通し。他のベース小棒メーカーも同様に定期炉修を行うため、8月には需給が一段と引き締まるとみられ、メーカー減産による需給バランスの改善が市況反転の材料となる公算が大きくなっている。

合 同製鉄は財務体質の強化に向けて有利子負債の圧縮を進める。単独で610億円ある有利子負債を先行き400億円程度まで圧縮する方向で取り組む。償還原資には収益や減価償却費、不要資産の売却などにより拠出する資金を充当する。

 同社は2001年3月期で4期ぶりに経常黒字転換。最終損益では314億円の特別損失を計上し、299億円の赤字となったが、これによりグループを含めた「過去の負の遺産」を一掃した。これを受けて今期は経常黒字の定着化を図るとともに、有利子負債の圧縮に努める。

 来年3月末の100億円弱の転換社債の償還資金はこれまでに積み上げており、償還により100億円程度の有利子負債の圧縮となるが、このほか期間収益や減価償却費、さらに不要資産の売却などにより拠出する資金を圧縮原資に充てる。

 期間収益は今期は上期で15億円、下期で15億円の30億円の経常利益を見込むが、上期の15億円については現在のところほぼ計画通りきている。また減価償却費は年間約30億円で、設備投資はその償却の範囲内に抑える。
日 本金属屋根協会(会長=鈴木章夫・鈴木板金工業所社長)はこのほど、2000暦年金属屋根・外壁加工の生産・施工動向調査(70社対象)をまとめた。それによると、00年度の加工数量トータルは32万6145トン、前年比1万241トン、同約3・2%アップ。一方、施工量トータルは1037万5832平方メートルで、同145万7659平方メートル、同約16・3%増加している。

 屋根は折板屋根が20万1923トン、同約5・3%増加し、00年はIT関連や大店法改正などが好調に推移したことで、工場や倉庫に使われる折板屋根の加工数量が伸びている。外壁材は3万1357トン、同約14・5%減となり、金属サイディングの落ち込みが著しい。

 素材別では、カラー鉄板が12万4462トン(同約9・7%減)、アルミ・亜鉛合金めっき鋼板は11万7353トン(前年同水準)、フッ素樹脂塗装鋼板が2万3197トン(前年同水準)、塩ビ鋼板は1万2825トン(同約38・6%増)、ステンレスが7203トン(同約22・7%減)となっている。
シ ーヤリング工場(本社=大阪府堺市、細川能夫社長)は来月にも、新しい生産管理システムのうちの歩留まりの機能を再構築、稼働を開始させる。すでに、今年4月には受注―CAD―生産までの工程管理、切板受注の100%CAD対応の体制をスタートしている。今回の歩留まりの機能を稼働させることで、一連の生産管理面のシステムはすべて完成する。厚板母材の在庫管理システムについては来年にも構築したい考えで、これに付随して、ホストコンピューターのリプレースも検討している。

 同社は住友金属工業の指定シャーで、本社工場と第2工場で、橋梁・鉄骨と産業機械・建設機械向けの切板、コラム加工、海洋構造物・橋梁・建築鉄骨を製作している。

 かねてから、生産・管理部門の合理化のため、新しい生産管理システムの構築を計画、昨年7月から、自社のコンピューター要員とソフト会社と共同で、システムのソフト部分の開発を開始した。

 これと連動する形で、昨年11月には本社工場の罫書きラインを25メートルから40メートルに拡張、切板に入る前の段取りが効率的にできる体制を整備。その後、CADについても1台増設するとともに、鋼構造物用のCADを、切板用のCADとリンクさせ、処理能力を上げた。

 生産工程の管理のシステムは今年3月にはすべて完成。4月1日付で本社内に生産管理室を設置し、生産管理部分のシステムの稼働を開始した。

 続いて、歩留まりと板取りのシステムの構築を目指していたが、これも来月には構築、稼働させる。これにより、一連の生産管理のシステムはすべて完成、歩留まりを考慮に入れた最適な切板が行える体制となる。
鉄 骨の指定性能評価機関である日本鉄骨評価センター(小南忠義社長)は、7月5日付で4工場を認定した。これで、同センターが対象とする鉄骨建設業協会会員のなかで、新認定基準による認定を受けたのは9工場になる。旧認定によるグレード別の工場数は、Sグレード35工場、Hは49工場、Mは17工場、Rは10工場で計111工場。

 00年6月の改正建築基準法施行から、2年間で新たに認定を取り直すことになっている。タイムリミットは来年5月31日。だが、旧認定取得時からあまり日にちの経っていない工場を中心に半数以上の工場が、鉄建協による計らいで有効期間が伸びている。

 これまでに認定を受けたのは以下の9社。カッコ内はグレード。

 ▽00/12/22 上海上船川田鋼結構有限公司(H)
 ▽01/3/29 NKK津製作所(S)、松本鉄工所(H)、大和ハウス工業中部工場(H)、加藤電気工業所板倉工場(M)
 ▽01/7/5 石川島播磨重工業相生工場(S)、日本橋梁大阪工場(S)、川田工業富山工場(S)、安治川鉄工建設中国事業所(H)
中 国鋼鉄は、主力の鉄鋼事業に続く経営の柱として今後、バイオテク部門とシリコンウエハ部門を本格的に強化する。新しく董事長に就任した郭炎土氏が明らかにした。「バイオテク部門は1年で2案件で商業化を実現、5年後には10案件を実用化し、組織的な対応ができるようにしたい」としており、5年間で事業化のメドをつける方針。シリコンウエハ部門は「すでに8インチサイズを子会社で15万枚生産している」状況で、将来の12インチサイズへの進出を今後検討する。

 CSCは、台湾で唯一の高炉一貫メーカー。高炉4基を中心に熱延ミル年産能力604万トン、冷延ミル年産183万トン、厚中板ミル年産100万トン、棒線ミル年産150万トンなどの設備を保有。下工程では、電気亜鉛メッキ、カラーコーティング、電磁鋼板、ステンレスなど多様な製品で展開している。2000年は、粗鋼ベースで1025万トンの生産量で、1006億3400万台湾ドルの売上高。純利益ベースでは子会社からの配当増などもあり、186億台湾ドルの黒字と過去最高益を記録している。

 長期的には、さらに1200万―1400万トン能力の新製鉄所構想を打ち出し、主力の鉄鋼部門の事業拡大を志向している。しかしアメリカ、日本などの鉄鋼先進国の高炉各社が鉄鋼事業での収益性低下に悩んでいる状況から、将来の経営リスク分散という観点から新規部門の強化に乗り出す。

韓 国政府調達庁はこのほど、鉄筋の政府調達枠180万トンを決定した。価格はD10ミリ27万8455ウォン、16ミリ26万8982ウォンで、前年並みの水準。今回の価格決定には、原油価格の上昇や電力料金の値上げなどのコストアップ要因が反映されておらず、電炉各社の採算性確保が懸念されている。

 政府調達庁は、宮内の公共工事向けの支給鋼材として毎年、鉄筋を国内メーカーから調達している。今年は、3月に公示して電炉各社と価格面の交渉を進めていたが、3カ月ぶりに決着した。

 今年の調達枠は180万トンで、9社が契約した。個別内訳は仁川製鉄が48万4200トン、東国製鋼が31万1500トン、韓国鉄鋼23万7600トン、韓宝鉄鋼が26万7700トン、ハンファが27万トン、丸永鉄鋼が18万トン、大韓製鋼が8万1000トン、第一製鋼が3万トン、世元鉄鋼が1万トン。

 価格はD10ミリが27万8455ウォン、13ミリが27万3718ウォン、16ミリ26万8982ウォン。高張力D10ミリが28万7963ウォン、13ミリが28万3200ウォン、16ミリが27万8455ウォンとなった。前年9月と同水準で、電炉メーカーにとっては不満の残る価格となった。特に今年は、電力料金の引き上げやオイル価格の上昇などのコストアップ要因があり、製造コストが上昇しているため、価格据え置きではアツプ分の吸収が難しいとしている。

東 京地区のH形鋼市況は200×100で3万4000円中心の横ばい。流通の売り腰は強化されており、きょう11日のときわ会でも在庫は着実に減少しているとみられる。だが需要減少で荷動きに回復の動きは見られないため、現在の在庫水準でも高い。流通はさらなる在庫削減を求めている。

 需要の減少から施主の値引き要求が通り、ゼネコン、ファブと安値で受注する傾向が続く。これが流通にも及んで、量がまとまると値引きするケースも散見。ただ、メーカー販価は変更されず、商社の売り腰も固まっていることから、底ばいを続けている。

東 京地区の冷延薄板市況は先安観が広がったままで、底値が見えず弱含み。市中価格(1・0―1・6ミリ、ベースサイズ)は4万6000―4万7000円中心。

 輸入材を中心に在庫の過剰状態が続いている。要因は需要が4―6月を通じて「予想以上に落ちた」(販売業者)こと。一部の換金的な安値がうわさとして先行し、実際に安値販売につながるケースもあるようだ。

 輸入コイルは7万トン前後と1―3月に比べると減少したが、需要と比較するとまだ多い。需要は7月に入り「少し良くなってきた」(同)との声も聞かれるが、全体的には低位安定。先行する安値が払しょくされない限り、弱気の展開は続く。

大 阪地区のH形鋼市況はベース3万2000円中心で強含み横ばい。4月以降の在庫調整の進展を受け、扱い流通筋が売り腰を引き締めているが、需要不振を背景に上値の重い展開。市中の荷動きは極めて低調で小口中心。「6月の出庫は5月比で減少したが、7月も同水準で推移している」(特約店筋)のが現状だ。

 また、鉄骨価格も同地区の物件数が少ないこともあって、10万円前後で軟化傾向となっている。このため、下値は徐々に切り上がっているものの、流通筋の「市内オントラ3万4000円唱え、3万3000円下限」は今のところ通りづらくなっている。