2001.07.12
N KKは11日、世界で初めて開発した極低S系電磁鋼板「NKBコア」が、トヨタ自動車が6月に発売したハイブリッドカー「エスティマ」向けに採用されたと発表した。「鉄損(エネルギー損失)、打ち抜き性、コスト」のバランスに優れたもので、従来の電磁鋼板と同レベルの電気特性を維持しながら20%のコスト低減を実現。今後、急速に普及が見込まれるハイブリッドカー用モーターや電動パワーステアリング、高効率エアコン向けなど向けに提案活動を強化していく方針。

 「NKBコア」は、鉄損(エネルギー損失)の70%を占めるヒステリシス損に着目し、世界で初めて「硫黄を数ppmオーダーにまで低減する」ことをコンセプトに優れた電気特性と20%のコスト低減を実現した電磁鋼板。

 従来の電磁鋼板は、Si(シリコン)を添加することで電気特性をよくするのが主流だったが、同社では世界で初めて磁気の流れを妨げる不純物である硫黄を極低レベルに低減することで高い電気特性を引き出すことに成功。焼鈍ラインで発生する表層細粒(表面を硬くする)も特殊元素添加物で板厚方向に均一粗大化することで、硬さを和らげて大幅な生産性向上を実現している。

 これにより従来製品に比べ20%の低コスト化を図り、また、ユーザー側にとっては歩留向上や金型寿命が2倍になるなどのメリットも期待できるという。

経 済産業省は、日本鉄鋼業の安定的発展を志向した競争力維持・強化に向けた鉄鋼業の方向性と将来像を展望する「鉄鋼業の競争力強化と将来展望研究会(仮称)」を発足、検討作業に着手する。同省の岡本巖・製造産業局長の私的懇談会とし、同省鉄鋼課に事務局を置く。座長には足立芳寛・東京大学院教授が就き、高炉6社の役員クラスと、日本鉄鋼連盟、日本鉄鋼協会のメンバー十数人で構成される。8月1日に第1回会合を開き、年内をメドに5回程度を開催、中間とりまとめを行う。

 韓国、中国、台湾の経済成長とこれに伴う海外シフトなど需要構造や社会構造の変化や、環境など新たな社会制約が顕在化する中で、研究会での議論を通じ技術開発や環境・リサイクル対策も含め、10―20年先を見た中長期的な鉄鋼業の方向性を打ち出す。

 製造業の基幹産業である鉄鋼業も、アジア近隣諸国からの追い上げや、ユーザー産業の海外シフト、現地調達の動きから空洞化など需要家との関係や、構造変化にさらされている。現状では再編、統合など規模拡大の動きが進展しているが、より長期的スパンから鉄鋼業の競争力アップに焦点を当て、検討を進めていく。

 成長産業といわれる鉄鋼業のさらなる発展をにらみ、高付加価値化などの技術開発や、環境ビジネスなど鉄鋼生産を基軸とした周辺領域での新規事業展開などさまざまな角度から検証する。

新 日本製鉄は11日、鉄鉱石・原料炭など原燃料の輸入決済業務についてPOSCOと協力して電子化を推進すると発表した。

 電子化にあたってはボレロ・インターナショナル社が提供するボレロ・ネットを活用するが、鉄鋼業界では両社が初めて。ボレロ社は、世界の主な金融機関および海運業界が出資する合弁会社で、国際的な貿易金融に関する手続き書類を電子化するための企業間電子データ通信サービス会社。

 昨年8月に戦略的提携を締結した両社は、今回のボレロ・ネット活用にあたり互いに協力していくことで合意し、電子化された輸入決済文書フォーマットの共通化(鉄鋼原料取引向けのボレロXMLDTDの策定)などを共同で進める。

 ボレロ・ネットは、インターネット上で貿易文書を送受信できるサービスであり、同サービスの利用者同士においては、B/L(船荷証券)をはじめとする従来の貿易文書と同等の法的効力を実現する。また、標準的な電子文書形式としてボレロXMLを提供しており、取引相手との異なったシステム間のデータ通信が容易。

 ボレロ・ネットを活用した輸入決済文書の電子化の適用第1号として、豪州の大手鉱山会社で、既にボレロ・ネットに加入しているBHP・ビリトン社およびリオティント社との取引への適用を両社と検討中。同社向け原料を輸送する大手船会社も加え、今年の後半より運用を始める予定。
住 友金属労働組合連合会(組織人員1万5800人)は住友金属から申し入れを受けた出向者の移籍条件ついて、機関討議を始めた。対象となる出向者9150人の内訳は、管理職など非組合員1150人、住金労組に所属する人員約4000人、出向先の組合加盟約4000人。しかも「変革と再生」プランで示された02年10月以降の「純粋持株会社」への移行を控え、今回の提示を大枠で受け入れる方向になるにしても労組にとって「痛みを伴う選択」を迫られそう。

 関係者によると、転籍時に支給される組合員の退職金は定額と定率部分の合計。これに60歳定年までの一定の残余年数を掛けた金額をオンする。その加算年数は、45―49歳の在職者については10年とみなし、44歳は9年で、43歳が8歳といった具合に1年ずつ減年するが、39歳以下は4年となる。

 組合関係者は今回の提示について「基本的には会社が生き残るために乗り越えなければならないハードル」と苦衷の表情を示しながら、「大枠でこのスキームを受け入れるにしても細部については条件交渉をしていきたい」としている。

ホ ンダ技研研究所とホンダR&Dアメリカズは10日、太陽光エネルギーを使って水から水素を発生させる燃料電池車用水素製造・供給ステーションの実験を開始したと発表した。

 ホンダR&Dアメリカズのロサンゼルス研究所で、水素製造から貯蔵、供給までの実験を開始。実験には燃料電池車の「FCX」シリーズを使う。

 ステーションは太陽電池、電力制御システム、水素を取り出す電解システム、水素を圧縮するコンプレッサー、高圧水素を貯蔵するタンクからなる。年間約7600Lの水素を製造できる。商用電力と併用した場合、年間で最大約3万6500Lの製造が可能。

建 材メーカー、チューオー(本社=栃木県鹿沼市、尼子一彦社長)は、新製品「センター横暖ルーフ」が大手ハウスメーカーの新築住宅向け屋根に採用されるなど好調に推移しており、スタート1年目(00年7月―01年6月)の販売実績は約10万平方メートルとなった。今年度はさらにPRを強化するなど拡販に力を注ぎ、目標である15万―20万平方メートルをクリアしていく方針だ。

 「センター横暖ルーフ」は、鋼板と硬質ウレタンフォームの一体成形を可能にした高水密・高断熱屋根。同製品は(1)鋼板と断熱材が一体成形で、既存の金属屋根に比べて消音効果が高いほか、断熱材に加えてアルミニウム蒸着紙が熱の反射板となるため、従来品の約2倍の断熱効果がある(2)重ね合わせの簡単施工で作業スピードがアップするとともに、本体の嵌合部に折り返し加工を加えるなど、防水対策も万全(3)素材は、耐食性が高いガルバリウム鋼板にポリエステル樹脂を塗装したもので、耐久性・対候性に優れている―などのメリットがある。

 同製品は販売開始以来、戸建て住宅向け横葺き屋根として引き合い、受注ともに好調。スタート1年目(00年7月―01年6月)の販売実績は約10万平方メートルとなり、とくに大手ハウスメーカーが手がける新築屋根向けでは爆発的な人気を博しているという。
大 手軽仮設業者、日綜産業(本社=東京都中央区、小野辰雄社長)は、7月1日付で仮設安全本部(立花榮之本部長)を新設し、グループ内に全国仮設安全事業協同組合の資格事項である仮設安全監理者をメーンとする「NISSO仮設安全ネットワーク」を構築した。今年度(6月期)は『安全から安心へ』『安心エンジニアリングの日綜』のスローガンの下、同社が直接納入・施工している年間4000現場のうち、50%にあたる2000現場で安全点検を実施していく。

 建設業における労働災害は深刻化しており、死亡災害は98年で725人、このうち転落など仮設(足場)に起因する死亡者数は389人(53・7%)を占める。99年は794人と前年比69人増えており、改善の兆しがみられない。このため、昨年6月、仮設起因の労働災害撲滅を目指して全国仮設安全事業協同組合(略称=アクセス)が発足、仮設安全監理者の育成に注力、軽仮設リース業界内で安全意識が高まりをみせている。

 日綜産業は『安全と技術』『信頼の日綜』の理念に基づいて経年機材監理から現場納入、施工や点検に至る仮設に関わる全工程において、一貫して安全監理を徹底してきた。このため、創業以来34年間、同社が手がけた機材では1人も死亡災害を出していないという。

三 井不動産、東京急行電鉄、東急不動産の3社は11日、東急百貨店日本橋店跡地で「日本橋一丁目計画」を着工した。民間都市開発推進機構の「土地取得・譲渡業務」制度を利用して、地上20階、地下4階のオフィス・商業用途複合ビルを建設する。竣工予定は04年1月。施工は清水・三井・東急建設共同企業体が行う。

 メーンテナントとして、メリルリンチグループが入居する。敷地面積8185平方メートルを2つの街区に分ける。A街区の地下1階から地上5階と、B街区の1―2階には商業テナントを誘致して、日本橋エリアの活性化を目指す。

 延べ床面積は約98300平方メートル。建物高さは約120メートル。構造はS造で、一部SC造、SRC造。駐車台数は約250台。

 設計は、世界銀行本部やゴールドマン・サックス欧州本社などを手掛けたコーン ペダーセン フォックス アソシエイツが行う。オフィス部分は、基準階で4・5メートルの開高を確保し、奥行き20メートル超の無柱空間で、国内最大級の1フロア約3000平方メートルの一体空間を実現。7―9階はディーリングルーム対応。

東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)市況は在庫が多く、引き続き先安ムード。市中価格は熱延で5万3000―5万4000円、冷延で6万3000―6万4000円中心。

 店売り販売は4―6月の減少が大きい。7月は5月ごろに比べると回復気配だが、先安ムードが浸透してしまっているため、実需以外の引き合いが全く出ないのが実態。価格も定尺中心の販売業者は維持を図っているが、一部コイルの安値販売が市場全体を弱気にしている。在庫はメーカー分の増加がコイルセンターにも波及し、5月末をピークに高水準のまま。コイルセンターの稼働は取引先により格差がある。目先も弱含み。

東 京地区の大径角形鋼管(コラム)市況は12×300×300の一次加工付き価格で、STKR5万6000円、BCR6万6000円中心で弱含み。

 例年と異なり、7―9月も建築物件の需要増加が見込めないため、小口短納期の状態が続く。加工納期の受注残は長くて3日で、その日暮らし。機械を遊ばせないために、加工賃などを削って安値で受ける向きもある。

 6月の形鋼部会の集計によると、入庫量は前月比3・3%増と増えている。出庫量は同6・0%増と微増で、直販量は同31・7%増。この結果、在庫量は同7・4%減少した。

 当面は弱含み。

大 阪地区の軽量C形鋼市況はベース4万4000―4万5000円どころで弱含み。主要用途である民間の工場、倉庫などの建築需要が盛り上がりを欠き、市中の荷動きは依然、低調。需要家からの引き合いは小口に終始し、「6月出荷量もほぼ5月並み」(特約店筋)となったもよう。

 このため、流通の売り腰が引き締まらず、一部で安値折り合いも散見。また、メーカー各社の販売価格にも安値応じが出て足並みが乱れているため、地合いを軟弱にする要因となっている。さらに、メーカー直送価格も下押し傾向が続いている。

 僚品の建材商品市況も上昇力を欠いていることから、市況は当面、弱含み推移。