2001.07.17
日 立金属はロール事業でアジア地域でのダクタイルロールの海外生産拠点設立をはじめとする海外展開の拡大、ハイスロール、超硬ロールなど高付加価値化製品の拡販を基軸とする構造改革を加速する。今年度からスタートした2003年度までの中期経営計画の期間内に、海外拠点としてアジア地域でダクタイルロール生産工場の立ち上げを目指す。早急に計画を具体化、海外の電炉ミニミル向けを中心に製造・販売する。高付加価値化では国内・若松工場(福岡県)を超硬ロール、ハイスロールの生産、開発拠点とし、米国子会社のシンターメット社での汎用超硬ロール生産と合わせ、03年度には売り上げを超硬ロールで60%増、ハイスロールで33%増と伸ばす。このほかセラミックスの新分野展開なども加え、03年度の連結ベースの同事業売上高を約20%増の278億円に引き上げる。

 ロール製品については主力の鉄鋼圧延用ロールが国内では鉄鋼生産の伸び悩みから成熟化。これに対し世界的レベルでは昨年の粗鋼生産が8億4000万トンと過去最高を記録するなど拡大している。

 同社ではこうしたグローバルな視点で同事業を捕らえ、国際的に価格競争力のない汎用のロール製品については、海外拠点の設立や技術提携、OEM、資本参加、M&Aを視野に海外展開を指向することにした。

 ロール製品のアジア地域生産拠点設立では03年度までに中小型ダクタイルロールの現地生産を開始する計画だ。アジアの電炉メーカーなどを中心に製品供給を行い、03年度で年間2億円、05年度で7億円を販売する。

 高付加価値化ではハイスロール、超硬ロールを拡大する。ハイスロールでは現状の年間30億円を03年度で33%増に、05年度には60%増にアップ。

2 001年度第2四半期(7―9月)の粗鋼生産は2627万トンに達した前期(4―6月)実績見込みと比べ微減もしくは横ばいとなる可能性が出てきた。経済産業省が行っている鉄鋼各社からの第2四半期鉄鋼生産計画ヒアリングの感触によると、計画は前期比で減少と微増とする企業でまだら模様の様相を呈している。同省が先月末に策定した第2四半期鋼材需要見通しの2530万トン(前期比97万トン、3・7%減、前年同期比165万トン、6・1%減)など減少しない見込みだ。また、普通鋼電炉は季節要因もあって減少、特殊鋼は比較的自動車の国内販売が堅調なのを映し横ばい、微増の感触だ。

 需要環境の悪化から在庫が高水準にあることから、生産ペースがどの程度減少するか注目されているが、粗鋼生産の減少は小幅にとどまる公算。薄板など鋼材ベースでは落ちるものの、輸出では半製品が増加、さらに中近東向けパイプなど遠隔地への輸出が上向いていることが背景。

 薄板生産は市況対策もあって受注が減少、店売りで絞り込まれるH形鋼も前期比横ばいの見通し。

N KKはタイの事業会社2社に約8000万米ドルを追加投資する。冷延鋼板ミルのTCR(タイ・コールド・ロールド・スチール)、電気亜鉛メッキ鋼板ミルのTCS(タイ・コーテッド・スチール)の増資計画に対応するもので、TCRに約5000万ドルを、TCSに3000万ドルを追加出資する。この結果、同社はTCRの筆頭株主になり、TCSについても持ち株比率が現行の46・6%から61・8%に上昇する。

 TCRは97年6月にホットランをスタートした同国初の冷延単圧ミルで年産能力は100万トン。生産量は98年35万トン、99年61万トン、00年70万トンと右肩上がりのペースを保ち、99年には営業利益ベースで黒字転換している。一方、94年に生産を開始したTCSは年間15万トンのフル生産ペースを維持している。

 ただし両社は97年の金融危機後のバーツ安による為替差損によって財務内容が悪化。TCRが約4億ドル、TCSが約8000万ドルの借入金を抱え、返済および金利負担が経営を圧迫している。現行レベルの為替環境が中期的に継続するとの予測に基づき、借入金負担の軽減を目的にTCRが1億ドル、TCSも3000万ドルの増資計画をまとめた。これにより両社は最終損益ベースでの今年度の黒字転換が視野に入ってくるという。

 NKKは両社を東南アジア市場戦略における中核事業と位置付けており、今回の増資計画に対応して約8000万ドルを追加投資するもの。丸紅もTCRに約5000万ドルを追加出資する。
摂 津鋼材(本社=大阪府大東市新田北町、鯉住多津雄社長)は本社工場のミニレベラー1基をリプレース、6月から本格稼働を開始した、と先週末に発表した。設備の老朽化対応と、加工精度を向上させ、他社との差別化を図るのが狙い。同設備は切断部分がファインドラムシャーを採用しているため、切断面のカエリが抑制され、切断端面も限りなく直線と精度が高く、騒音が大幅に低下できるのが最大の特徴。今後、非鉄、ステンレスなど高級鋼板の受注を強化し、同設備で月間400トンの加工を目指す。将来的には本社工場の既存の大型レベラーにファインドラムシャーを導入することも検討していく。

 同社はこれまで、本社工場に大型レベラー3基、大型スリッター2基、ミニレベラー3基、プレコートシャー1基を持ち、弱電、鋼製家具、車両、建材向けに薄板を加工している。直近の加工量は月間6000―7000トンで、販売形態別の内訳は自販が4600―4700トン、賃加工が2000トン。

 一昨年から昨年にかけては環境対策に注力、ISO14001を取得。今年は加工の精度の向上に重きを置いた経営を展開していた。そうした中で、1ミニレベラーが導入後20年が経過、老朽化が目立っていた。このため、今年4月からリプレース作業を開始した。

 具体的には4月から旧設備の撤去作業・基礎工事を、5月の連休から設備の据え付け、その後、テスト加工を行った。6月から稼働を開始、6月は同設備で月間300トン加工した。投下金額は基礎工事などを含めて6500万円。

小 棒メーカーの朝日工業(本社=東京都豊島区、大塚寿郎社長)は、ねじ節異形棒鋼「ネジエーコン」の拡販を進め、本年度ねじ事業の黒字化を図る方針。昨年から本格的に販売をはじめ、現在月間数百トン単位の販売量。早期に1000トン乗せを実現させ、戦力化する。また、高張力鋼はSD490まで持つが、USD685も試作中で、ユーザーニーズが高まる高張力化にも対応を進める。本年度はコスト合理化と一般鉄筋の価格改善、合わせてねじ鉄筋の事業拡大で収益体質を強化する。

 朝日は構造用鋼、異形棒鋼、線材の製造・販売を事業の3本柱とし、他の小棒メーカーに比べ生産品種は多様。昨年、旧東洋製鋼から営業権を引き継ぎ、D10からD51までの一貫メーカーとして業態を拡大させ、さらにねじ節鉄筋の事業にも力を入れ、総合力を高める考え。

 朝日のネジエーコンは、D16―D41までそろえ、D51についても日本建築センターに申請しており、近く評定取得を見込んでいる。無機グラウト注入タイプ(ホワイトジョイント)と樹脂グラウト注入タイプ(ブルージョイント)の2種類を用意。ホワイトはカプラーと2つのロックナットで機械的に接合、ブルーはカプラーのみで接合し、それぞれグラウト材を充てん固化する。

 ねじ鉄筋では後発組だが、昨年の販売から採用するゼネコンが増え、リピートオーダーも入り始めているという。月間1000トン弱の販売で黒字化のメドが立つことで、一般鉄筋との相乗効果で販売量を伸ばす考え。

 また、近年増加しているSD490の販売も堅調で、さらに685のラインアップをねらう。建築物の高層化・高耐久化から、太径・高強度の鉄筋ニーズが高まっている。ねじ鉄筋についても太径サイズをそろえるなどニーズへの対応を進め、収益確保を目指す。
関 西地区の小棒市況は軟化傾向が続いており、地区メーカーでは鉄スクラップ価格が低水準にあるとはいえ、採算的に危険水域に入りつつあり、一様に危機感を強めている。地区市況は現在ベース2万3000―2万3500円どころで地合いはいぜん弱い。

 関西地区は関東と異なり需要が低迷、最近の需要水準は月間14万トンレベルと昨秋に比べ3割方の落ち込みといわれる。物件自体が少ない中、ゼネコンの指し値は厳しく、流通筋では売り焦りから安値受注が目立つ。一部では2万2000円の安値折り合いも散見される状況。

 メーカー各社は減産を継続しながら価格の下支えに懸命だが、市場環境の悪化からロール明細が減少しており、対応に苦慮する状態が続いている。スクラップ価格が7000円程度と低水準にあるとはいえ、市況に引っ張られる形での価格軟化で採算的に危険水域に入りつつあり、赤字転落への危機感を強めている。
富 山県鉄源協議会(高倉可明会長)は、鉄スクラップ共同輸出の具体化を役員会で検討する方針である。

 共同輸出の方法としては、関東鉄源協議会が実施している「入札式」を考えており、数量としては月間ベース5000トン前後が想定されている。

 同協議会は、昨年8月に富山港から鉄スクラップ1105トンの共同輸出を行った。

 その後の需給状況から、この1回の共同輸出で途切れた状況にある。

 地区メーカーの反応や、一部輸出業者に委託する形での共同輸出に対する問題―などが、共同輸出の継続に障害となった。このため共同輸出の再開に当たっては「入札式」で取り組み、長期での安定輸出体制を実現する意向である。同協議会の試算によると、北陸地区の鉄スクラップ需給の現状は、月間ベースで発生・集荷量3万5000―4万トンに対し、需要は3万トン―3万5000トン。ピーク時の需要量は4万5000トンで、約1万トン前後の減少状況にある。地区の有力特殊鋼メーカーの購入量が、最近の2〜3年間で大幅に減少したことが要因である。

 市場構造として北陸地区の鉄スクラップは、輸入地域状態から輸出地域に転換したとの認識が大勢となっている。

富 士総合研究所がこのほど発表した01年度の住宅着工見通しによると、着工戸数は00年度比3・7%減少して116万8000戸になる。減税効果の縮小や分譲住宅の供給過剰感の高まりから、着工の低迷が一段と強まるとしている。また、景気調整に伴う所得改善テンポの鈍化や消費マインドの停滞、金融緩和に伴う金利先高観の後退なども、着工抑制に影響すると分析している。

 02年度は、マンション在庫調整の収束や世帯数増加によって、持ち直しに向かうとみている。ただし、家計の生涯所得不安など、中期的に着工戸数を下押しする懸念は俄然強い。

東 京地区の熱延薄板(2・3ミリ、ベースサイズ)市況は需要停滞で弱含み横ばい。市中価格は3万6000円中心。

 高炉メーカーが値上げを打ち出したが、流通は「メーカーの供給次第だが、値上げをすぐに転嫁するのは難しい」という。ただ、価格下落に対するメーカーの危機感は強く、市況も現状が底値となる可能性が高い。

 在庫は5―6月にかけてピークを迎えたようだが、酸洗では「ピークを過ぎて15%ほど減少している」(販売業者)との声も聞かれる。当初から在庫を抑えておく流通が多く、在庫増加による先安への不安は小さい。問題は小口中心で量が集まらない需要面。当面は横ばいか。

東 京地区の鉄スクラップ輸出価格はFAS7000―7200円。韓国向けFOB7800―8000円で推移。

 今週の輸出量は前週と同じ3万トンペースで推移する。週末は連休で営業日数が減るものの、メーカーの減産強化もあり輸出量は高水準を維持。国内メーカーは高値で対応しているものの、入荷状況は良くないという。

 価格面では輸出量以上に船の集まりが良く、玉の取り合いとなり強含み。流通筋では「FASで7200―7300円での取引も目立ち始めた」との声が多い。また、集荷意欲の衰えによる回収量の減少、メーカーの高値による入荷促進も影響している。今後は強含み。

大 阪地区のコラム市況はベース5万2000―5万3000円どころで横ばい。

 先月から一部流通への注文が徐々に上向き、荷動きがやや活発化。「200―300トンクラスの物件が出ている」(特約店筋)。また、8、9月の物件見積もりも出始めており、流通の加工納期も一時期の2―3日から4―5日程度まで伸びる傾向にある。

 このため、市況は下げ止まりから横ばい調。

 ただ、需要は大店法絡みの特需があった昨年ほどの勢いはなく、力強さに欠ける。値戻しに動いていたH形鋼もここにきてムードが後退したため、市中は模様眺めの状態。市況も反発要因を欠いた状態で、当面、推移しよう。