2001.07.19
内 外の需要が減少、過剰在庫の調整が急務となっている中で、4―6月の粗鋼生産が2638万4000トン、年率1億550万トン超の高水準を記録した。

 鉄鋼連盟が18日までに集計した6月の鉄鋼生産速報によると、同月の粗鋼生産は883万6000トンで、前月比6700トン、0・7%減少した。前年同月比でも0・1%の微減で3カ月連続の減少ではあるが、4―6月では、2638万4000トンの生産で、前期を2・0%上回り、7期連続の2500万トン超の生産。前年同期比では1・2%減で、8期ぶりの減少。1―6月合計は5224万1000トンとなり、前年同期の5211万3000トン比、12万8000トン、0・2%の微増。

 炉別生産では転炉鋼が636万6000トンで、前月比0・9%の減少(前年同月比2・2%増)、電炉鋼は247万トン、同0・3%の減少(同5・5%減)で、前年同月比では転炉鋼が増加する一方、電炉鋼は5カ月連続の減少となっている。鋼種別では普通鋼が717万トンで、前月比0・2%減少、特殊鋼は164万2000トンで、同3・2%減。熱延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は788万9000トンで前月比17万8000トン、2・2%の減少、前年同月比でも3・2%減少した。

 普通鋼熱間圧延鋼材(一般)の生産は656万7000トンで前月比17万2000トン、2・5%減、前年同月比でも4・0%減と5カ月連続で減少。4―6月でも1・9%の減少(前年同期比4・8%減)、1―6月では3960万トンと前年同期(4079万5000トン)比で2・9%減少している。

日 本鉄源協会(会長=萬谷興亞・新日本製鉄副社長)は18日、家電4品目(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン)の排出量と鉄スクラップ発生量の推計をまとめた。

 家電4品目の総排出量(家電製品協会及び経済産業省調べ)は、99年1969万台、00年2065万台、01年2148万台、02年2203万台と増加傾向を示している。

 内訳は、カラーテレビが最も多く02年時点で910万台と全体の41%を占め、次いで洗濯機21%(481万台)、冷蔵庫19%(433万台)、エアコン17%(378万台)となる見通し。

 鉄スクラップ発生量別に見ると、冷蔵庫が最も多く13万7600トン、次いでエアコン6万トン、洗濯機5万5000トン、カラーテレビ1500トン(02年時点)と合計で25万トン程度排出される。

 家電リサイクル法施行前は粗大ゴミとして扱われていたため、5割以上が直接埋め立て処分されていた。今後25万トン(現状の倍程度)の鉄スクラップが制度的に発生することになり、鉄スクラップ需給に及ぼす影響は大きい。

住 友金属工業は18日、クロムフリー溶融亜鉛めっき鋼板「タフジンクハイパーNEOコート」が、松下電工の環境配慮型照明器具に初採用されたと発表した。「タフジンクハイパーNEOコート」は、今年4月に開発商品化した表面美麗の溶融亜鉛めっき鋼板「タフジンクハイパー」のクロムフリー版。8月から月間数十トンペースでの納入を開始、順次100トン程度まで引き上げていく。また、他メーカーへも採用を働きかけ月間1000トンの販売を目指している。

 「タフジンクハイパー」は、特殊平滑処理を施し、意匠性に優れ表面外観が均一かつ安定した溶融亜鉛めっき鋼板で、家電製品、自動車パネルなど表面品質が要求される用途に使用されている。「タフジンクハイパーNEOコート」は、こうした「タフジンクハイパー」の特長を備え、さらに環境に配慮したクロムフリー化したもの。クロムフリー表面処理鋼板は、これまで電気亜鉛めっき鋼板が家電・OA機器メーカーに採用されているが、表面美麗の溶融亜鉛めっき鋼板が本格的に採用されたのは世界でも初めて。

 住金のクロムフリー鋼板の商品ラインアップは、耐指紋性に優れたクロムフリー電気亜鉛めっき鋼板「スミジンクNEOコート1」をはじめ、一般クロメート代替の「スミジンクNEOコートC」、塗装用途に適するリン酸処理タイプの「スミジンクNEOコートP」などを販売している。
電 炉最大手の東京製鉄(池谷正成社長)が、業界団体の普通鋼電炉工業会(会長=佐々木喜朗・合同製鉄相談役)に3月末で脱会の申し出を行い、これについて普電工は、東鉄に対し翻意を求めている。定款上では、脱会に関し総会での承認を必要としていないが、これまで脱会については総会で報告事項となっていた。今年5月の通常総会では東鉄脱会の件は報告されず、正式に承認した格好にはなっていない。ただ、東鉄からは脱会を取り消す意向は示されず、残留の可能性は低いとみられる。

 東鉄は、01年3月期で1171億9600万円を売り上げ、宇都宮、岡山、高松、九州の4工場を持ち、H形鋼、一般形鋼、小棒、薄板、鋼矢板など年間に358万7000トン(00年度実績)を生産している業界トップメーカー。

 普電工サイドは、脱会引き留めに東鉄と折衝しているが、東鉄の意志は固く、東鉄はすでに普電工の会議には出席していない。会員からは、「業界トップの脱会とはいえ、とくに変わるところはないのでは」と冷静にみる向きが多く、工業会の活動に大きな影響を与えることは今のところなさそうだ。
小 棒メーカーの伊藤製鉄所(本社=東京都江戸川区、川島幸雄社長)は、今年度からの中期3カ年計画をスタートさせ、筑波、石巻の両工場内の物流工程および製品搬送の帰り便の活用など内外の物流システムの見直しを進める。需要環境が低迷する中、コストダウンを図り、製品の価格改善にも取り組むことで今年度は5期ぶりの黒字回復を見込んでいる。

 00年度は、首都圏の大型プロジェクト物件や常磐新線向けなどで出荷は堅調に推移した。また高強度・太径サイズの鉄筋需要が増え、00年度はSD390とSD490の高強度鉄筋は前年比5―6%拡大した。

 このため太径を得意とする筑波工場は黒字ベースに改善。しかし、石巻は97年の製鋼工場全面リプレースの償却負担が大きく、00年度は経常赤字を余儀なくされた。

 今年度は、建設需要の不振から経営環境は厳しいが、鉄スクラップ価格が戦後最安値圏と低位で推移、合理化効果も上がり、4月以降新年度は黒字基調に改善してきている。

 石巻工場もコスト削減が進み、今年度は営業段階での黒字化を目標としている。合理化では、両工場でとくに物流の見直しに重点を置き、工場へのスクラップ搬入から製鋼、圧延、製品出荷など各工程間の物流コストを引き下げる。また、製品の運送コストの削減にも力を入れ、トラックの帰り便でのスクラップ搬入など配送の効率化を進める考え。
経 済産業大臣の諮問機関である産業構造審議会廃棄物・リサイクル小委員会は、業種・製品ごとの横割り共通課題の整理を技術的・専門的観点から行うため、同委員会の下部組織として「企画ワーキンググループ(WG)」を立ち上げる。同WGは、鉄鋼業界からも参画する運びで、循環型社会構築に向け、各種制度の実効性確保と対策を拡充、3R(リデュース・リユース・リサイクル)に係る対策を講ずる業種、製品の基準高度化を図る。

 企画WGは、今月26日に第1回会合を開き、月1―2回程度のペースで開催、来年春をメドにとりまとめを行う予定だ。

 資源有効利用促進法、家電リサイクル法の施行などを踏まえ、廃棄物・リサイクル小委員会の報告書「資源有効利用促進法の施行に向けて」で、(1)3R対策の業種・製品基準の高度化(2)製品アセスメント手法の確立・標準化、3R取り組みのモニタリング(3)再生部品・再生資源の技術開発、リサイクル施設整備など基盤強化(4)循環型社会の国際的対応―の4項目を課題として挙げた。このうち業種、製品ごとの技術的、専門的な課題を横割りに検討するため企画WGを設置することにした。
エ ルエスフエンス(本社=東京都港区、阿部周治社長)は、7月1日付で金沢営業所を閉鎖するとともに、要員合理化を1年前倒しで実施するなど、前年度からスタートしている中期経営計画(3カ年)達成に向けて、スピード感のある経営を推進する。土木建材を取り巻く需要環境は悪化の傾向を強めており、同社ではこの厳しい経営状況下で早期に企業体質の強化に取り組み、今年度は売上高152億円、経常利益1億円を確保し、当期利益4000万円を計上して黒字浮上を図る。

 同社では00年度、エクステリアを中心にLS製品の拡販に注力したほか、落石防止柵やバックネットなど自社製品の販売を強化。その一方で、需要規模に見合った営業所・倉庫体制の構築に着手し、人員削減や物流コスト低減に向けた取り組みも本格化させている。

 これを受けて官公庁、民間ともに需要は極端に冷え込んだが、売上高は99年度比で微増にとどまったものの、利益は営業、経常ともに2ケタ増に。ただ、当期ベースでは退職給付会計の処理基準改定に伴う特別損失を計上したことから、赤字に転落している。

 エルエスフエンスは、年々悪化している需要環境に対応するため、今年度はスピード感のある経営を推し進めて、可能な部分は前倒しで実施するなど、中期経営計画達成に向けた取り組みを加速させる。
日 新製鋼は来週26日、東京都千代田区の東京国際フォーラムで「ZAM」加工品展示説明会を開催する。

 「ZAM」は、亜鉛―アルミ6%―マグネシウム3%の合金めっきで、マグネシウムをオーダーで数%添加した、めっき技術は世界で初めて。耐食性が従来の亜鉛めっきの10―20倍と高いほか、耐疵付性や切断端部の防食性が優れた性能を持つ。

 当日は農業や住宅、土木や建材など「ZAM」の加工品を各適用分野別に展示する。場所は東京都千代田区の東京国際フォーラム・Aギャラリー(Aブロック1階、JR・地下鉄有楽町駅より徒歩3分)、時間は11時から17時まで。

東 京地区の等辺山形鋼市況は6×50で3万4000円、溝形鋼は5×50×100で3万8000円中心の横ばい。

 流通はH形鋼の動きに伴って、連休明けから唱えを1000円上げる。需要は低迷しているが、価格を下げても販売量の大幅な増加は見込めないためだ。

 荷動きは小口中心で歯抜けはない。出庫量は前月比横ばい。流通は、4月以降の一部メーカー販価1000円の値上げ分を転嫁できておらず、採算割れが続いている。

 7―9月の需要は4―6月比減る見通しから、安値でも多売は見込めない。

 このため特約店は、下値を払しょくして3万4000円下限を目指す。

東 京地区の冷延薄板市況は引き続き先安ムード。市中価格(1・0―1・6ミリ、ベースサイズ)は4万6000―4万7000円中心。

 定尺品の引き合いは4―6月の落ち込みから回復していない。市中の在庫意欲が全くない中で、実需に見合った販売が精いっぱいといった状況。輸入材を中心としたコイルは需要の減少で在庫が増加し、販売業者の売り急ぎにつながっている。

 輸入材の入着は3、4月と6万トン台に減少したものの、5月に合計7万6000トンと増えた。数量と需要を比較して「まだ多い」との声もある。価格差が圧縮して酸洗とめっきに需要を取られる傾向もあり、今後も需要は期待できない。

大 阪地区の等辺山形鋼市況はベース3万2000―3万3000円どころで横ばい。

 建築をはじめ地区需要が相変わらず低調に推移。市中の荷動きも活況感なく、流通への引き合いは小口中心となっている。

 大阪鉄鋼流通協会の調べによると、6月末の入出庫状況は入庫が前月比6・1%増の1万1955トン、出庫が同比1・4%増の1万2389トンと推移。在庫は同比2・6%減の1万6415トンと2カ月連続で減少し、需給は引き続き小じっかり。 また、メーカー各社の販売姿勢は現販価維持の強気を継続。夏場にかけては各社が定修にかかるなどするため、今後も需給が緩和する兆しは見られない。

 このため、市況は当面横ばい。