2001.07.24
丸 紅が出資する中国での大径溶接鋼管生産事業、巨龍鋼管有限公司(華北省)が年内に操業を開始する。中国政府は天然ガス開発プロジェクトを政策的に推進しており、採掘したガスを輸送するパイプラインの敷設計画も並行して動き始めている。こうした中、丸紅は需要拡大が見込まれる大径溶接鋼管の現地生産を目的に、中国華北石油管理局など、国営企業との合弁事業として00年4月に巨龍鋼管を設立。天然ガスの長距離ガスパイプライン敷設プロジェクト「西気東輸」への供給をターゲットに、生産開始に向けて準備を急いでいる。

 巨龍鋼管は資本金約3400万円で、出資比率が丸紅25%、中国華北石油管理局60%、中国石油物資装備(集団)総公司、中国石油天然気管道局、天津宏達国際貨運代理公司がそれぞれ5%ずつ。従業員は250人を予定している。

 同社は北京近郊にあるCNPC華北石油管理局第一機械廠の敷地内に、年産能力10万―15万トンの大径溶接鋼管工場を建設中。生産するのはX70グレードのストレート・シーム鋼管で、サイズは406―1422ミリ、肉厚が6・0―25・4ミリ。国内販売80%、輸出20%を見込んでいる。

 中国政府は石炭、石油に代わるクリーンエネルギーとして天然ガス開発計画を推進しており、国内の天然ガス産出量は現在の年間180億立方メートルが05年に400億立方メートル規模に達すると見込まれている。
伊 藤忠丸紅鉄鋼の営業開始時点の連結対象会社数が81社となることが先週末、決定した。内訳は丸紅サイド43社、伊藤忠サイド38社で、国内45社、海外36社の布陣となる。丸紅、伊藤忠の両社鉄鋼部門は10月の統合に向け、これまでに社名、組織、部長級までの人事をなど決定している。

 伊藤忠丸紅鉄鋼は、丸紅と伊藤忠の鉄鋼製品部門を統合して10月1日のスタートを予定しているもの。従業員730人規模で、総資産が6300億円、連結売上高は1兆7000億円に達する見通し。

 このほど決定した新会社の連結対象企業は丸紅側が43社で国内22社、海外21社。伊藤忠側は38社で国内23社、海外15社。

 海外36社の地域別内訳はアジア20社、米州11社、欧州3社、豪州2社。業種別ではアジアがサービスセンター、亜鉛鉄板、米州がSCおよびパイプ、欧州が板、パイプ、豪州は板、パイプ――など。

 国内については、丸紅鉄鋼建材と伊藤忠テクノメタルが新会社と同じ10月1日をメドに合併準備を進めており、これが実施された場合、連結対象会社は80社となる。

経 済産業省がこのほど需要団体ヒアリングを行い、自動車など鉄鋼需要につながる産業動向を聞いた。それによると造船は6月の輸出船契約実績が前年同月を68・8%増と上回ったほか、自動車も国内販売が堅調で生産台数の大幅な減少は回避されている。しかし、それ以外の需要分野については総じて減少傾向にあり、特に建設分野の落ち込みが大きい。景気減速を映して、鉄鋼需要にも先行き不透明感が強まっている状況だ。

 自動車は、6月販売が乗用車0・9%増、トラック同8・5%減で、全体は同1・9%減。5月の輸出は同9%減ながらも、5月生産台数は乗用車同2・4%減、トラック同2・8%減、全体が同2・4%減と減少は小幅にとどまった。

 造船は6月の輸出船契約実績が27隻、135万9700総トン(同68・8%増)。6月末の手持工事量は2422万5000総トンで3月末の2305万総トンを5・1%上回っている。

 これに対して、産業機械は5月の受注額が内需同22・5%減、外需同144・6%増で、合計が同12・8%増となった。外需はプラント輸出に絡むプラス要因が大きく、一過性の可能性が高い。内需については設備投資の抑制が響き、減少した。

 重電は5月の生産実績が同11・6%減と減少。静止電気機械器具が同11・7%増と増加した以外は、発電用原動機同59・9%減、回転電気機械同4・6%減、開閉制御装置・開閉機器同6・4%減などとマイナスを記録した。
全 国小棒懇談会は、23日に定例の幹事会を開き、宮本盛規会長(新日本製鉄常務)は「需要は相当なダウントレンドと見ないと誤った行動になる。トータル需要がどういうことになるのか、業界に携わるものとして共通認識を持たなければならない」と一部にある下期の需要期待感を退け、メーカー各社に慎重な対応を求めた。

 土田隆義副会長(三井物産条鋼建材部長)は、「全体的に需要に盛り上がりがないまま、旧盆入りに突入しそうだ。ゼネコンからの厳しい当用買いと指し値で流通は苦戦している」と現状を説明。東京製鉄が8月販価で4000円値下げしたことに触れ、「メーカー建値と市況のかい離の解消策で実態に則した価格。市況への直接的な影響はないが、下げたという事実が独り歩きする危ぐがあり、ゼネコンからの揺さぶりの材料にされかねない。踏ん張りどころだ」と関西地区の奮闘を促した。

 これを受け、高島秀一郎副会長(共英製鋼社長)は、「関西地区需要は14万トンとバブル期の半量近くに落ちている。鉄スクラップ価格は締まってきており、製品安の原料費アップで最悪の状況となる。これまでの経験則は当てはまらず、秋をにらんで認識を新たにしている」と減産をテコに市況対策を強める意思を示した。
中 国・国家経済貿易委員会(経貿委)の対外貿易法規訪日考察団が今月末に来日する。世界貿易機関(WTO)への加盟を控え、アンチ・ダンピング(AD)措置など通商法の適用状況など法規に関する実態把握に当る予定だ。日本の経済産業省や日本鉄鋼連盟などを訪れる運びで、鉄鋼通商問題に関する事項についても意見を交す。日本サイドでは中国側に対して改めて、ステンレス冷延薄板AD措置でのマージン率算定基準の明確化や鋼材輸入規制でのIL(輸入許可証)の円滑発給、十分なIL枠の確保などを求める方針だ。

 今回、来日するのは、経貿委の劉歓・産業損害調査局副局長を団長とする対外貿易法規訪日考察団の6人。メンバーの中には、日中官民鉄鋼対話にも出席した王侠・外事司処長も加わっており、日本サイドでは鉄鋼通商問題でも事態打開のため、改善要請を行うことにしている。

 WTO加盟に向け、WTOルールと整合した法規の施行、執行などを念頭に、日本側の状況を聞くことにしている。
国 光製鋼は昨秋からの中山鋼業への小棒生産委託に伴い、製鋼・圧延設備の売却を検討しているが、ここにきて売却先はほぼ海外に絞られた。同社の製鋼設備は30トン電気炉2基、連続鋳造設備の構成で月産能力は2万5000トン。また圧延設備は加熱炉、連続圧延機などで構成、月産能力は3万トン。中でも加熱炉は99年3月に更新稼働を開始したウオーキングビーム方式の新鋭機。

 同社は昨年9月中旬に棒鋼生産を停止。中山鋼業への委託生産に切り替えたのを機に、設備を売却する方向で商社などを通じて国内外のメーカーに打診。以後、個別に交渉を進めてきた。国内では加熱炉を中心に購入を検討したメーカーもあったが、スペックが合わないなどの理由で断念、売却先はほぼ海外に絞られた。現在の交渉相手は韓国、中国、インドネシア、サウジアラビアなど。
日 本水道鋼管協会は先週、今年度の小径管(各種ライニング鋼管など)のPR活動計画を発表した。PRはステンレス管や排水鋳鉄管など、他の管種とライニング鋼管との競合が激化し始めたことを考慮したもの。PRの第1段階として営繕・住宅・水道関係の官公庁や地方自治体約100カ所を対象に、樹脂ライニング鋼管の優位性をアピールし採用促進を狙う。

 PRでは特に、樹脂ライニング鋼管の用途別分野のうち、重要性の高い給水配管分野にターゲットを絞り、水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管・水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管・管端防食継手の説明を行う。

 計画では主に高炉4社の営業担当者約100名が中心となり、環境やリサイクル性、経済性などについて官公庁、地方自治体を戸別訪問し理解を求める。現在、PR用のパンフレットを作成中で、官公庁へのPRが一段落した後は、設計事務所、ゼネコンなど民間需要家をターゲットにしたPRを行う予定。

 給水配管分野におけるライニング鋼管の使用実績は高く、昨年度は国内で竣工した事務所の87%、集合住宅の83%が採用。現在建設中の東京都住宅局発注の潮見一丁目アパートでも、給水配管として硬質塩化ビニルライニング鋼管が採用されている。

阪 和興業は23日、役員持ち株会を19日付で設立したと発表した。入会資格があるのは、同社の取締役18人と監査役4人の計22人、および相談役・顧問等役員に準ずる者。入退金と拠出額は各会員の任意とする。入会後は8月以降、毎月の報酬から100万円未満の一定額を天引きで持ち株会へ拠出し、持ち株会名義で株式を取得する。

 すでに役員の多くは自社株を所有しているが、役員持ち株会の制度によって取得を容易にし、社員持ち株会と併せて、役職員が一丸となっての中期経営計画の数値目標達成を目指す。

東 京地区の縞板は弱横ばい。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は5万4000―5万5000円中心。

 7月に入っても定尺の荷動きは悪いが、高炉メーカーでは熱延コイルの値上げ表明が行われ、熱延鋼板としては底値ムード。縞板専業の加工業者では「夏休みの設備補修需要が出ている」としており、稼働は7月後半も比較的好調なようだ。

 高炉メーカーの供給については「少し遅れ気味」(流通)との声も聞かれる。ただ、縞板の場合はメーカーによって厚板、薄板と各社の管轄が異なるため全体としての比較が難しい。当面、市中では「小口注文をかき集める」(同)状況が続く見通し。

東 京地区の鉄スクラップ輸出価格はFAS7000―7200円。韓国向けFOB7600―7800円。

 今週の輸出量は前週同様3万トンペースで推移。月末からはメーカーの夏季炉休も始まり、輸出向けにスクラップがさらに集中しそう。関東地区の輸出契約残は25万トン程度とされ、「8月末まで輸出の好調は続く」(流通筋)。

 価格は国内メーカーが値上げを実施し、玉の取り合いとなり強含み。北関東メーカーとの価格差も1000円以内に収まり、「関東の端から運んでも輸出が有利」という状況はなくなった。国内の荷動きが悪いため、輸出を取り扱う商社間でも船積み価格を引き上げる動きがある。

大 阪地区のH形鋼はベース3万2000円中心でもちあい。建築需要の低迷から市中の荷動きは極めて低調。ときわ会ベースの流通出庫では年初以降、3万トン台の低水準で推移。今月も動きは変わらず、一向に回復の兆しが見られない。

 また、新年度以降、2ケタ台で減少していた在庫調整もここにきて鈍化。各流通の歯抜けが多く、ほぼ在庫調整は限界に達してきている。

 このため、流通各社が先月以降進めてきた値戻しムードも後退。一部流通では再び安値も散見され始めている。ただ、秋にかけては例年の需要期となるため、値崩れが大勢となることは考えにくい状況。